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第3回「市長と語ろう!」
最終更新日 2023年11月30日
開催概要
≪テーマ≫ 近隣公園を活用した地域住民の交流促進と地域の活性化
≪日時≫
令和5年10月13日(金曜日) 10:00~
≪会場≫
WISE Living Lab さんかくBASE(青葉区)
≪対話団体≫
美しが丘公園愛護会
≪団体概要≫
平成17年に新たに各区の土木事務所に配置された公園愛護会コーディネーターとともに、公園の花壇作りや地域ぐるみの公園清掃に取り組み、環境改善を図っている。また、季節のお祭りやイベントを地元自治会や商店会などと連携して行い、地域活動の担い手の確保や地域コミュニティの活性化に取り組んでいる。
対話概要
※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。
市長挨拶
市長
本日はお忙しいところ貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございます。日ごろから美しが丘公園をきれいに保っていただきまして、本当にありがとうございます。今日は、皆さまが長い時間をかけてされてきた地道な活動について、現状や課題といったものをざっくばらんにお聞かせいただければと思っています。
この美しが丘公園愛護会の皆さんは、花壇づくりや美化活動といった公園愛護活動のほかに、地元の商店会や自治会町内会などの皆さんとも連携しながら、この公園という公共空間をどのようにして地域の活性化に繋げていくかを考え、実践をしてこられたと伺っています。
私は、就任以来「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を基本理念に掲げています。もちろん子どもだけではなく、すべての世代に快適な街を作っていきたいと思っていますが、そのために公園というものは基本になると思っています。横浜には本当に数多くの公園があり、それを公園愛護会の皆さまが守っていただいていると承知しております。その公園を、どのようにして次世代に引き継いでいくのか、そういったことを考えていく上で、この美しが丘公園の愛護会の取組が非常に好事例になると考えております。ぜひ、地域の活性化に公共空間である公園をどのように活用されているのか、そういった取組に関してぜひ意見交換させていただければと思います。本日はよろしくお願いします。
「何か街のために尽くしたいな」という気持ちをいかに活動に繋げていくか
参加者
まず、この美しが丘地区の特性を簡単にご説明させていただきます。昭和40年代から開発が始まったのですが、たまプラーザ駅ができたのが昭和41年、それから3年後に連合自治会ができました。すなわち、街ができてまだ50数年というところで、住民の大半は転入されてきた方というのが特徴でございます。
「横浜都民」ということをさかんに言われまして、地元地域に対する関心も低いと言われていましたが、住民の方にアンケートしますと、たまプラーザへの愛着は非常に強く、緑が多くて環境がいいこの街を非常に愛しておられる方がたくさんいらっしゃいます。そして、そのただ愛着があるというだけでなく、「何か街のために尽くしたいな」という気持ちもあるという結果も出ています。我々としては、その気持ちをいかに既存の公園愛護会や自治会町内会などの活動に繋げていくか、どのようにして魅力ある活動にしていくかという点が一つ課題であると考えています。
小学校では、子供たちの街への関心を高め、街を愛する気持ちを育むといった総合学習に取り組まれていて、街のキャラクターやかるたなどを作ったりしています。小学4年生が作った街の地図の中で、美しが丘公園は「楽しい遊具のある公園」「写真映えする公園」「安心安全な公園」の3部門で1位にランキングされています。小学校に入ってしばらくすると、みんなで美しが丘公園で遊ぶようになるようです。
「青葉区一汚い公園のひとつ」と言われ
参加者
公園の周りには公園愛護会がボランティアの方と整備している花壇があります。平成18年くらいから整備を始めたのですが、その当時は「青葉区一汚い公園のひとつ」と言われまして、先輩方が一念発起して一生懸命活動をされたとお聞きしています。
市長
もともと商店街があって、人も多くいたこともあり、隣にあるこの公園でポイ捨てが一時期多くなった。そこを皆様の努力で克服されたとも伺っていたのですが、ごみの量はいかほどだったのですか。
参加者
平成15年くらいから「自分の街は自分できれいにしようね」という商店会主導の清掃活動が始まりましたので、多かったのだと思います。商店街に繋がる道もありますし、子供たちの利用も多いですから、ゴミが捨ててあると捨てても良いと思うことも多かったのだろうと思います。
美しが丘公園愛護会の活動として、毎月第一日曜日にゴミ拾い、毎週土曜日に花壇整備の活動をしています。こうした定期的な活動のほかに、健康体操教室を開いたり、土木事務所に支援をお願いして草刈りの技術講習なども開催したりしています。また、小学生と樹名板を作ったり、花壇に苗や球根を植えたりしていただいています。
美しが丘公園の1年
参加者
美しが丘公園の1年ということで、3月4月の桜祭りでは「桜基金」という募金をして、20本くらい植樹しました。また、花壇には春と夏の年2回、植え付けをしています。
夏には盆踊り大会、今年4年ぶりに開催しました。子どもたちに、自分が育った街の光景として覚えて欲しいと思っています。
秋は大量の落ち葉がありますので、落ち葉清掃をしています。様々な団体が参加してくれますが、11月に「美しが丘公園落ち葉清掃」ということで自治会や、グラウンドの利用団体である少年野球の子供たちなど約300名の方々が参加してくれます。
冬は、もともと商店街の活性化ための補助金をいただいて始まったものになりますが、2本のヒマラヤスギを1本に見立てて、イルミネーションを展示しています。
この地区ではwe love tamaplazaプロジェクトと言いまして、大型商業施設や都市開発事業者、地元商店会そして自治会も一緒になって様々なイベントを開催しています。
公園で行う美しが丘防災訓練
参加者
新しい取組として、公園で行う美しが丘防災訓練があります。以前は防災の事業として、防災意識の啓発ということを公園愛護会主体で行っていましたが、自治会あるいは地域活動の担い手を増やしていきたいということで、お子様連れの若い世代に来ていただけるように変えていこうと、起震車やベビーハウス、救急車や消防車両の見学などもできるようにしています。その他にも、今年は綿菓子やポップコーンを出したり、ヨーヨー釣りをできるようにしています。
市長
若い子育て世代もそうですし、お子さんにも防災を意識してもらうためには、とても有効な取組ですね。
参加者
防災については自治会活動のなかでも。みなさん大変関心がある分野です。若いファミリーに楽しんで参加していただく地域活動のひとつとして、人手不足の苦しい状況ではありますが消防団にも参加していただいていますので、「あ、かっこいいな」「自分も消防団に入ってみようかな」と若い方が思ってくださることも期待しています。
市民
防災活動単独ではなくて、若い方やお子さんたちに興味を持ってもらえるように、賑わいの要素も組み合わせるということなのでしょうかね。
参加者
はい。お堅いイベントをすると、どうしても高齢者の方が中心になってしまいます。
市長
なるほど。これは素晴らしいですね。
自分たちの街が衰退していくのを手をこまねいて見ていてはだめだ
市長
こういったことは地元住民の方々や事業者が話し合いながら、自然発生的に始まったのですか。
参加者
「次世代郊外まちづくり」(※)が始まったときから住民も一緒になって始まりました。自分たちの街が衰退していくのを手をこまねいて見ていてはだめだということで、ずっと会議をしています。そういった中で取り組んでいくという思いが生まれたのだと思います。
公園に移動図書館「はまかぜ号」が来てくれたり、ヤギが来たり、ピクニックや仕事ができたりといろいろ考えて行いました。「次世代郊外まちづくり」も進め方が難しいとは感じているところですけれども、公園を利用した取組は続けていきたいと思っております。
※ 東急(株)と横浜市が2012年に締結した協定に基づき、郊外住宅地の課題を産学公民の連携・協働で解決していく、住民参加型・課題解決型のまちづくり。
学校へのアプローチ、きっかけ作り
市長
ありがとうございます。
担い手の確保が、どちらの愛護会もやはり課題であると思っております。担い手の確保となると、若い世代の方々に関心を持っていただく、ひいてはお子さんたちに関心を持っていただくということが重要だと思います。そういった視点からだと思うのですが、学校とも連携していると伺っていますが、学校へのアプローチ、きっかけ作りをどのようにされているのか、教えていただけますか。
参加者
先程、樹名板づくりの話がありました。こちら側から小学校6年生の卒業記念ということで呼びかけたのですが、土木事務所に削り方、書き方、つけ方など全部教わってやりました。
昨年度は、逆に小学2年生から「公園で花を植えて花壇整備をしている人がいますが、あれはどういうような方たちなのですか」というような質問をいくつかいただきまして、実際に2年生3クラスの児童が公園に来て、いろいろ質問をしてくれました。
本当に子供たちも保護者も公園には愛着がある
市長
その学校との連携をすると、子供たちは、あるいは親御さんの反応はどういった感じですか。
参加者
子どもたちにとって、この大きい美しが丘公園は小さい時からの遊び場ですし、学校でも授業で写生大会があったりして、本当に身近に公園を感じて育ってきています。保護者の方々も、もちろん足を運ぶことができますので、イベントや授業で子どもたちが公園に来ている時にはお散歩がてら見学に来たりもしています。そういった点で、本当に子供たちも保護者も公園には愛着があるのだと思います。小中学校の間での連携の取組としては、毎年秋に授業の中で落ち葉清掃をしてくれています。小中学校がお互いにコミュニケーションをとりながら活動をしていると、保護者もボランティアで来てくれるようになります。
市長
学校側と話ができるのは、PTAの役員であったからというところがあったりはしますか。
参加者
基本的には小中学校の間での連携というのは学校同士のものだと思います。私も子供が小学校中学校に通っていた当時は、学校からPTAに声がかかって保護者にお手伝いをお願いしますというような形でした。ただ、先生方も異動等でメンバーが変わってしまうという状況の中で、子供たちが卒業した後も、私は小学校にも中学校にも出入りをする機会がありましたので、その時に在籍されている先生方よりは昔のことを知っているということもあり、相談を受ければ公園愛護会の方々にもご協力いただくかたちで取組を進めたりしています。
一度でき上がった連帯感を毎年続けることで維持していく
市長
いろんなプレーヤーがいて連携させるっていうのがすごくいいですね。
学校と連携するということはすごく良い取組のひとつなのだろうなと思いました。
落ち葉を片付けることをイベントとして取り組まれているというのは、珍しい取組だと思うのですが、どういった効果がありますか。
参加者
毎年11月に落ち葉清掃をやるのですが、参加される方は多方面にわたっていて、自治会それからグラウンドを利用している少年野球、ソフトボール、学童クラブのお子さん、その保護者、指導員というようにいろいろな人が参加してくれています。その他にも学校関係ではPTA、児童・生徒さんとその保護者、教員も参加しています。なので、この公園を利用しているような人たち、未就学の子どもから小学生、中学生、それから大人30代40代、高齢者たちと非常に年代的にも幅広いです。地域も、この地域の外に住まわれている公園の利用者の方々も加わってくれています。「次世代郊外まちづくり」に関わる事業者の方や横浜市の職員なども毎回参加されています。
そうやって非常に幅広く参加するなかで、熊手や竹ぼうきといった道具がどうしても足りなくなるのですが、子どもたちは工夫しながら楽しく、手や足でかき集めてやっています。意外と重労働のようにも感じたりするのですが、子どもたちが楽しくやってくれているので、保護者の皆さんも一緒に楽しみながらやっています。最後に袋に詰めると結構重いのですが、ごみの集積場所まで一生懸命運んでいく時には連帯感も生まれています。
そして終了したら、PTAの方々に協力をしていただいて豚汁を作って配ったり、焼き芋をしたりしたこともあります。落ち葉が燃える匂いとか、落ち葉焚きって子供が体験する機会が本当にないですからね。
そういう一連の作業や、豚汁食べたり、焼き芋食べたりしながら親睦を深め、そして連帯感を醸成する。一度でき上がった連帯感を毎年続けることで維持していく。そういうような効果があると思って毎年やっております。
市長
私が子供のとき、近くの公園で同じようなことをされていたことがありました。やはりその時の記憶がずっと残っていて、地域の繋がりを維持していくための連帯感ですよね。いま仰られたように、こういった機会がやはり有効で効果的なのだと思います。
参加者
最後まで一緒にやる。それから一緒に食べるということが結構重要なところだと思います。
市長
ありがとうございます。
まさに地域の活性化に公園という公共空間を活用し、そこにさらに落ち葉拾いというものをくっつけて、さらに豚汁や焼き芋をつくって一緒に食べる。大変だと思うのですが、そういったことを併せていろいろ取り組まれていることがわかりました。
美しが丘地区のシンボル「美しが丘公園」
市長
地域の賑わいの拠点として公共空間である公園があるということの意義を改めて教えていただけますか。
参加者
美しが丘地区は高齢化も進んでいますが、若い世代も増えています。
この地区にはお寺もないし神社もないです。街をひとつにし、住民の思いをひとつにする場所として、緑を愛する人が多いので、街のシンボルとして認識して欲しいと思います。
美しが丘地区のシンボル「美しが丘公園」、皆の公園を皆できれいにしようと思っていただけるようにしていきたいと思っています。
連携することによって、たまプラーザ全体を巻き込んで、たまプラーザ全体が盛り上がる
市長
ありがとうございます。
商店会の視点からもいろいろ伺いたいのですが、地域と連携することで、商店会としてはどういった効果があるとお考えですか。
参加者
なにをやるにしても商店会が単独でするというのは難しいです。なにかイベントをしても地域の人たちが集まってこなければ盛り上がらないですし、公園で何かを開催するにしても、土木事務所にいいろお願いをしたり、自治会町内会と一緒にするということがすごく大切だと思っています。地域で連携することによって、たまプラーザ全体を巻き込んで、たまプラーザ全体が盛り上がるという効果があると思います。
たくさんの出会いもあるから、街が活性化する。その拠点に美しが丘公園がなっている。
市長
今の質問にも関連するのですけれども、賑わいを作る意義って、やはり地域の連帯感なんですかね。
参加者
そうですね。だって楽しくないと人は集まらないです。やはり、人は楽しい場所だったら寄ってきます。美しが丘公園は住宅地と駅とのちょうど中間にあって、普段は自宅から駅まで直行して公園はなかなか使わないですが、時々先程から話しているような公園の使い方をすると、皆さんあちこちに迂回するようになります。
市長
迂回というのは。
参加者
例えば、今商店会で行っているポイント制度ですが、スポットを配置して、お祭りのたびにスポット5箇所回ったら何かプレゼント、10箇所回ったらなど、こういうふうにすると、これまで自宅と駅の往復だけだった人が公園に寄ってくれるし、商店街も回ってくれる。そうなるようにスポットを置くと、皆さんが最低でも年1回、上手くいけば年3回くらいは、この街の中をあちこち回るようになります。
そうすると、「ここにはこんな素晴らしいものがあるんだ」という発見がいっぱい出てきます。そして、たくさんの出会いもあるから、街が活性化する。その拠点に美しが丘公園がなっている。そう思っています。
思いを継続し、新しいことを取り入れながらも、この地域性を維持していてく
市長
ありがとうございます。
商店会の観点から様々なイベントを企画されていると思うのですが、どういうような視点でされているのか。もし今後されたいイベントがあれば教えていただきたいのですが。
参加者
商店会はイベント屋さんではなく、イベントで商売繁盛、商店に人が来て欲しいということで地域交流をしています。一方で、その「歴史」「地域性」「安心安全なまちづくり」「美しい街たまプラーザ」「地産地消」そして「温故知新」。皆さんの思いを継続し、新しいことを取り入れながらも、この地域性を維持していてくことが若い世代の宿命というか役目だと思います。
公園でプロレスをやるというのも、地元のプロレス団体を呼んで、この地にプロレスが根付くか、どのような反応があるのかということでやってみました。初めてやることだったので、何もわからないまま始めたのですが、皆さんに丁寧に教えていただきながら、無事開催することができました。そういう初めての企画も、開催することができるのは公園があるから、美しが丘公園だからこそできる思っています。
「GREEN×EXPO 2027」気運醸成元年
市長
「GREEN×EXPO 2027」を市民の皆さまとともに、横浜市は開催します。この「GREEN×EXPO 2027」に関してもし公園愛護会として期待されていることがあれば教えていただけますか。
参加者
正直、地域の公園が「GREEN×EXPO 2027」に直接かかわっていくというのは、個人的に難しいのかなという気はしています。横浜市として「GREEN×EXPO 2027」により環境に対する市民の関心を醸成する、高めるということについては非常に現代にマッチしたプロジェクトだろうというように思いますが、公園愛護会が直接それにどう関わるかということについては、正直申し上げて、まだよくわからないというふうに思います。
市長
ありがとうございます。
まだ市としても、今年が気運醸成元年と位置付けています。なので、市民の皆さま、特に公園愛護会のような、私としては本質的に「GREEN×EXPO 2027」に関わっていただけるような方々にどのように一緒にやっていくのかということを、まだまだ伝えられていないというふうに感じています。
これからその内容について、市民の皆さまに共感していただけるようにしっかりとお伝えをしていきます。貴重なコメントありがとうございます。
市長コメント
市長
横浜には地域の身近な公園から大規模な公園までたくさん魅力的な公園があります。公園は、横浜の宝としてもっともっと守っていくべきである存在で、公共空間であると思います。
それは交流も作ることができますし、皆さま方から教えていただいたように賑わいもつくることができます。そして、何よりも薄れがちな繋がりや連携、そういったものを守っていくための重要な場所であると思っています。
横浜には素敵な公園が沢山あります。私としては、美しが丘公園愛護会のような取組を参考にしながら素敵な街、「公園のまちヨコハマ」になるように努力していきたいと思います。
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