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帷子川のカッパ
出典:大菊一太郎(1984)『あさひ区内散見』
最終更新日 2021年3月26日
帷子川
帷子川にカッパがすんでいたという伝説があります。
天保3年(1832年)に大洪水があり、コシッパ(今宿町から鶴ケ峰付近)に、以前から村人にいたずらをしているという親子3匹のカッパが現れ、畑の中で食事をしていました。そこを村人に見つかり、父さんカッパだけが捕まり、桑の木にくくりつけられました。
村人の作兵衛さんは、その夜カッパのことが気になって見に行くと、母さんカッパと子どものカッパが、父さんカッパを逃がそうと一生懸命縄をほどいていました。作兵衛さんは、その姿を見ていじらしくなり、そっと見逃してやりました。
次の夜、作兵衛さんの家の戸をトントンと誰かがたたいています。戸を開けると、それはなんと昨日のカッパではありませんか。カッパは助けられたお礼に福を呼ぶという黄色の皿を置いていきました。作兵衛さんは、この皿を家宝として大事にしまっていたそうです。
なお、このカッパにちなんだコシッパという地名は、子ガッパ、母子ガッパからきているということです。
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