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上白根大池公園の大蛇
出典:大菊一太郎(1984)『あさひ区内散見』
最終更新日 2021年3月26日
昔、上白根大池公園には池がありました
上白根大池公園
上白根の大池は面積約6千平方メートルで、ひかりが丘団地の入口にありましたが、現在は上白根大池公園に“変身”しています。
この池は上下白根村のかんがい用水として使われてきましたが、村の日記の水帳によると、池ができたのは江戸時代の天明6年(1786年)のようです。
そして、水が湧くためいつも水量が豊富で、水ききんがおきても、この地域の人々は水に困ることがありませんでした。明治初期には現在の保土ケ谷区の和田や仏向方面から、名主や庄屋が衣服をあらためて水をもらいに来ています。
一方、小池は面積約2千平方メートルで大池のすぐそばにありますが、これも現在は面影をほとんど残していません。
語り継がれる大蛇のお話
ひかりが丘団地入口にある上白根大池公園は、以前は大池と呼ばれ、上白根村の用水池でしたが、この池には次のような大蛇の物語が伝えられています。
今から190年ほど前(※発行年から数えて)、この沼に一つの大きな卵が生み落とされました。これは蛇の卵で、いつの日か、大きな蛇となっていました。そして、大蛇は、悪い事を始め、村人を困らせるようになりました。
そこで村人は、早朝、池に焼いた石を投げ入れ、池を熱くさせて蛇をおびきだし、退治してしまいました。大蛇は頭は牛ほど、角もひげもあり、胴は丸太ほどもあったといわれています。
ところが、その後、夜になると異様な音色が聞こえ、みな眠りにつけなくなってしまいました。そんなとき、旅の僧がその話を聞き、たたりに違いないと教えました。そこで、大蛇を沼わきの松の根に手厚く葬ったところ、異様な音色は聞こえなくなったそうです。
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