ここから本文です。
みそすりばんば
最終更新日 2018年12月27日
民話「みそすりばんば」
むかしむかし、今宿の水道橋のあたりはうっそうとした雑木林だった。ひでえ風が吹こうもんなら、木と木がこすれてぶきみな音を立てとった。そんで、そこにぁみそすりばんばが住んどったせってこった。
ばんばはなあ、毎日毎日、でっけえすり鉢かかえてよお、さんしょのすりこぎもって、朝から晩まで髪ふり乱してちゃあゴリゴリ、ゴリゴリせって、みそ、すっとったそうな。
ちょっとでも子どもらがこのあたりまで来かかると、「ちょっと寄ってかんかね。ゴリゴリ、ゴリゴリ、寄っておいきよ。」せって、薄きみわりい笑み浮かべちゃあ、呼びとめるせってこった。
そんなわけでよう、このへんを通る子どもらあ、「ゴリゴリ、ゴリゴリ」せって音がきようもんなら、さあてえへん、そおっと、ばんばにみつからねえよう、足音しのばせて通りすぎたもんだった。
「くわばら、くわばら、みそすりばんばが呼びとめないよう!」いまでもあのあたりを通ると、ばんばと子どもらがつぶやき合う声が聞こえるせってこったなあ・・・。
このページへのお問合せ
ページID:309-713-476