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自閉症・発達障害を知るためのブックリスト

最終更新日 2024年3月16日

もくじ

1 発達障害とは
2 発達障害を理解する
3 発達障害児・者やその保護者への配慮、支援
4 ウェブサイト

発達障害は先天的な脳機能の発達に関係する障害で、この障害のためコミュニケーションや対人関係などの面で不適応が起こることがわかってきました。また、複数の障害が重なったり、障害の程度や年齢、環境などでも症状が違ってきたりするなど多様な現れ方をするため、周囲が当事者の特性をよく理解してサポートをする必要があります。

発達障害の基礎知識 0歳から大人、進学から就職への対応がすべてわかるハンドブック(外部サイト)
宮尾益知/著 河出書房新社 2017年
発達障害について、基本的な知識や対応策を、やさしく解説している資料です。発達障害の特性のほかに、乳幼児期から大人の発達障害や、発達障害の夫を持つ妻の問題、雇用する企業や社会の話まで広く取り上げられており、年代ごと・特性ごとに、対応する際のポイントがコンパクトにまとまっています。
発達が気になる子の子育てモヤモヤ解消ヒントブック 生活の基礎づくり編(外部サイト)
全国LD親の会/編著 安住ゆう子/監修 かもがわ出版 2021年
編著者は、LD(学習障害)などの発達障害のある子どもを持つ保護者の会の全国組織です。全国親の会の会員から子育てのエピソードを集めた本で、例えば「歯をうまくみがけない」という悩みには「タイマーをセットした」「歯医者から電動歯ブラシを勧められた」などの経験談が紹介されています。同じシリーズに『集団の生活編(外部サイト)』(2021年)『社会の中で生きるちから編(外部サイト)』(2023年)もあります。
発達障害大全 「脳の個性」について知りたいことすべて(外部サイト)
黒坂真由子/著 日経BP 2023年
学習障害の息子を持つライターの著者が知っておきたかったこと・知りたかったことをテーマに、医師や研究者などの専門家と、発達障害当事者の両方に行ったインタビューをまとめた本です。発達障害について、「何がわからないのかが、わからない」ときに、ヒントを得られる一冊です。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉症やアスペルガー症候群など、「人とのかかわりが苦手」、「コミュニケーションが上手にとれない」、「こだわり行動がある」等の特性があります。人それぞれに度合いが異なり、また、軽いものから重度のものまで区別がつけにくいということから、スペクトラム(連続体)という言葉を用いて自閉スペクトラム症と呼ばれるようになりました。

これでわかる自閉スペクトラム症(外部サイト)
市川宏伸/監修 成美堂出版 2020年
自閉スペクトラム症について、イラストや図を多く使用し、平易な文章で解説しています。基礎知識のほか、当事者家族がよき支援者となれるノウハウがまとまっており、指示は具体的に、視覚的なアプローチを行う、といった家庭でできる対応策が紹介されています。。
よくわかる大人のアスペルガー 自分勝手、わがまま……と思われがちな人たち。もしかしたら、アスペルガー?(こころのクスリBOOKS)(外部サイト)
梅永雄二/監修 主婦の友社/編 主婦の友社 2017年
アスペルガー症候群は知的な遅れがないため、大人になってからトラブルが続くことで「もしかして…」と思い、医療機関を受診して判明することがあります。原因がわかれば、本人も周囲の人も特性に対処できるようになり、トラブルを減らすことができます。本書では、アスペルガー症候群の代表的な特性、就労の心得や職場でのサポートの方法などを、イラストを交えながら、わかりやすく解説しています。
自閉症という知性(NHK出版新書)(外部サイト)
池上英子/著 NHK出版 2019年
社会学者である著者が自閉症当事者4人を訪ね、「症状」という視点からは理解できない自閉症という知性を持つ人がどのような精神世界を営んでいるかを追求しています。当事者の1人として紹介されている高橋紗都さんは、『うわわ手帳と私のアスペルガー症候群』(クリエイツかもがわ 2008年)(外部サイト)という本で、日々の生活で感じていること、難しいことや苦手なことの対処法などを書いており、より詳しく知ることができます。
発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年(外部サイト)
松永正訓/著 中央公論新社 2018年
本書は、小児科医である著者が、自閉症児とその母の人生について、母である立石美津子さんに聞き書きしたノンフィクションです。最初、母は自閉症という診断を受け入れることができませんでした。しかし、子育てをしながら、様々な人に出会い、母の考え方はどんどん変わっていきます。著者は、子どもの成長と、母の変化の過程を丁寧に描いています。第8回日本医学ジャーナリスト協会賞・大賞受賞作です。

注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDには、「集中できない(不注意)」、「じっとしていられない(多動・多弁)」、「待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまう(衝動性)」等の特性があり、複数の特性が現れることもあります。

ADHD注意欠如・多動症の本 本人も周囲も楽になりのびのび生きていける(育ちあう子育ての本)(外部サイト)
司馬理英子/著 主婦の友社 2020年
基礎知識、家庭での関わり方のポイント、薬や治療の実例など、幅広く紹介しています。同シリーズには、『LD学習症〈学習障害〉の本』(2017年)(外部サイト)などもあります。
大人のADHD もっとも身近な発達障害(ちくま新書)(外部サイト)
岩波明/著 筑摩書房 2015年
かつては子ども特有のものと考えられていたADHDですが、近年ADHDと診断される大人が急増しています。大人にみられるケースや併存する精神疾患、診断や治療法について、ADHD専門外来を担当する著者が具体的な症例を挙げながら解説しています。大人のADHDについて全体像を知ることができる1冊です。
最新図解女性のADHDサポートブック(発達障害を考える 心をつなぐ)(外部サイト)
榊原洋一、高山恵子/著 ナツメ社 2019年
女性のADHDは見逃されがちですが、男性とは違った特徴があります。学生生活や職場、家庭、子育てなど、ライフステージの様々な場面で役に立つ対処法、身近な人のサポートの方法などを紹介。「気づき」「接し方」「向き合い方」などに分かれているので、本人にもサポートする側にも役立ちます。この本のシリーズには、『最新図解ADHDの子どもたちをサポートする本』(2019年)(外部サイト)もあります。

学習障害(限局性学習症、LD)

全般的な知的発達に遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。その特性は同じように現れるのではなく、人それぞれに違います。

LD〈学習障害〉の子どもが困っていること 親子で理解するLDの本(外部サイト)
宮尾益知/監修 河出書房新社 2019年
LD(学習障害)の特性と、学校や家庭での対応や適切な支援、将来の進路についてやさしく解説した資料です。第1章は、発達障害全般の解説で、「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠如・多動症(ADHD)」についても説明があります。第2章からは、LDの基本的な特性や、子どもたちの困りごとの具体例、周囲からサポートする方法が多数紹介されています。
発達と障害を考える本 3 ふしぎだね!?LD〈学習障害〉のおともだち 新版(外部サイト)
内山登紀夫/監修 ミネルヴァ書房 2019年(子ども向け)
子どもたちが、発達障害のおともだちのことを理解する手助けとなるシリーズの第3巻です。第1章では、LD(学習障害)のおともだちのふしぎなところ(特性)を紹介し、その時本人はどう思っているのか、どうすれば上手に取り組めるのかを、イラストと簡単な言葉で紹介しています。第2章は、LDとは何かの解説です。少し難しい言葉もありますが、イラストが理解の助けになります。このシリーズは、『発達と障害を考える本 2 ふしぎだね!?アスペルガー症候群〈高機能自閉症〉のおともだち(外部サイト)』(2019年)のほか、全5巻あります。
読み書き障害〈ディスレクシア〉のある人へのサポート入門(外部サイト)
河野俊寛、平林ルミ/著 読書工房 2022年
読み書きを覚える方法や、スマートフォンの機能やアプリなどの補助代替ツールを利用したサポート方法を紹介しています。本の最初には基礎知識の章があり、知っておきたい知識がまとめて確認できます。巻末資料には、参考になるウェブサイトや、ブックガイドが掲載されています。

当事者の特性を理解し、どのような配慮が必要かを知ることによって、周囲の人は支援をしやすくなります。

発達障害の子を育てる本 スマホ・タブレット活用編(外部サイト)
中邑賢龍、近藤武夫/監修 講談社 2019年
読み書き、コミュニケーション、集中するのが困難など、日常の学習に様々な困難を感じる子がいます。本書では、パソコンの音声読み上げ機能の活用や、録音や撮影、音声入力など代替可能なツールが紹介されています。まず家庭で使ってみて、有効であれば学校での使用を相談するなど、その子本来の「学ぶ力」を発揮するための支援に繋げることもできます。
親子で成長!気になる子どものSST実践ガイド(外部サイト)
山本淳一、作田亮一/監修 岡島純子、中村美奈子、加藤典子/著 金剛出版 2021年
SSTとは、ソーシャルスキル・トレーニングの略で、子どもたちが「社会性」を身につけるための訓練のことです。本書では、子どもたちへのトレーニングだけでなく、保護者が行うペアレント・トレーニングについても解説しています。話の進め方、留意するポイントなど、トレーニング方法について詳しく書いてあり、実践に役立ちます。
発達障害の人の雇用と合理的配慮がわかる本(外部サイト)
石井京子〔ほか〕/著 弘文堂 2020年
発達障害のある人を雇用する・一緒に働く立場の人のための本です。前半で障害の特性を理解できます。また、就労後だけでなく、面接・採用時についても、具体的事例をあげてQ&A形式で説明しています。
発達障害者の当事者活動・自助グループの「いま」と「これから」(外部サイト)
高森明/編著 東條吉邦、藤野博/監修 金子書房 2020年
障害のある人にとって、当事者活動・自助グループの役割とは何でしょうか。本書では、3つの自助グループの取組と今後の課題のほか、当事者、支援者、専門家など、様々な立場から当事者活動・自助グループについて書いています。
発達障害情報・支援センター(外部サイト)
発達障害に関する情報を、幅広く提供しています。
http://www.rehab.go.jp/ddis/
一般社団法人横浜市自閉症協会(外部サイト)
横浜で暮らす自閉スペクトラム症児・者とその家族や支援者等で構成される団体で、自閉症に関する勉強会や相談会、広報啓発活動を行っています。
https://yokohama-yamabiko.org/
横浜市発達障害者支援センター
発達障害に関する日常の困りごとについての相談を受けています。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/fukushi-kaigo/fukushi/annai/madoguchi/hattatsu/hattatushienn_center.html
世界自閉症啓発デーin横浜
「世界自閉症啓発デー」(4月2日)及び「発達障害啓発週間」(4月2日から4月8日まで)に合わせた横浜市内の関連イベント等を紹介しています。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/fukushi-kaigo/fukushi/kenkofukushi-joho/jiheishokeihatsu-2020/autismawarenessday.html
 

このリストで紹介した図書は、すべて横浜市立図書館で所蔵しています。お近くの図書館に所蔵がない場合は、予約(取寄せ)もできます。 また、図書館ではみなさまの調査研究・問題解決のお手伝いをしています。お気軽に各階カウンター・電話・電子申請にてお問い合わせください。

このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館調査資料課

電話:045-262-7336

電話:045-262-7336

ファクス:045-262-0054

メールアドレス:ky-libkocho-c@city.yokohama.jp

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