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認知症を知る

最終更新日 2023年12月28日

認知症は特定の病気ではなく、様々な原因から現れる症状の総称で、今後も患者の数は増えると予想されています。このリストでは認知症について医学的見地から書かれている図書をはじめ、当事者の声や制度・サービスに関する図書など幅広く紹介します。認知症に関する知識を深めるためにお役立てください。

令和4年8月29日作成

もくじ

1 認知症とは何か~まずはここから
2 当事者(本人・家族)の気持ちを知る
3 認知症を取り巻く社会
4 家族が認知症になったら~介護・制度・施設・サービス~

認知症の症状には、物忘れ、時間や場所が分からなくなるといった症状(中核症状)のほか、徘徊、妄想、暴言などの行動・心理症状(BPSD)があります。まずはここから。認知症の診断と治療、症状への対処ほか介護に必要な知識や、認知機能の低下を防ぐ方法など、認知症について知る基本的な図書を集めました。

認知症 (よくわかる最新医学)(外部サイト)
杉山孝博/監修 主婦の友社/編 主婦の友社 2019年 ISBN: 978-4-07-439380-0
家庭医学の定番シリーズの一冊。認知症の特徴を理解すると、介護の負担を軽減できます。認知症の原因となる4つの病気を説明、症状を整理し、介護に必要な知恵や工夫を紹介、医療や福祉の制度の活用を勧めます。認知症のAからZまで、まず目を通したい一冊です。
「うちの家族、認知症?」と思ったら読む本(外部サイト)
長田乾/著 学研プラス 2020年 ISBN: 978-4-05-801247-5
認知症とは何か、認知症になるとどうなるか、横浜市認知症疾患医療センター医師である著者がやさしく解説。高血圧や糖尿、運動量や自分の歯の数など、「認知予備能」(認知症のリスクを減らす、認知機能の低下に対する抵抗力)を左右する要因についても詳しく説明します。
まるごと図解認知症 キャラクター分類でよくわかる オールカラー(外部サイト)
山口博/著 照林社 2020年 ISBN: 978-4-7965-2491-9
看護師を目指す人のための認知症テキスト。認知症について知っておかなければならないこと、認知症の人への接し方など、やや専門的なことも、図や写真、マンガを使い分かりやすく解説。行動・心理症状(BPSD)に対して使う薬についても、丁寧に紹介しています。
認知症ハンドブック 第2版(外部サイト)
中島健二、下濱俊、冨本秀和〔ほか〕/編集 医学書院 2020年 ISBN: 978-4-260-04166-9
最新の知見とエビデンス(科学的根拠)に基づきまとめられた、認知症の手引き。検査、診断、治療、管理、予防、介護、支援に至るまで詳述しています。診療や介護などに携わる、基本的に臨床現場の人たち向けの著作ですが、知りたいことをポイントに、部分読みすることが可能です。
40歳からの「認知症予防」入門 リスクを最小限に抑える考え方と実践法(ブルーバックス)(外部サイト)
伊古田俊夫/著 講談社 2016年 ISBN: 978-4-06-257988-9
認知症の人や社会の安全・安心を守るには、認知症の増加を食い止める必要がある…。認知症を予防するためにはどうするか。生活習慣、食事や嗜好品、運動、脳トレ等々、今日から始める認知症のリスクを抑える実践法を、やさしく詳しく解説します。
その症状って、本当に認知症? もしかして…と思ったら(外部サイト)
朝田隆/著 法研 2019年 ISBN: 978-4-86513-510-7
あれ、認知症かな?と思っても、認知機能の低下を見せる状態は認知症だけではありません。うつ病、てんかん、老年期精神病、せん妄などの病気、あるいはその他の要因のためかもしれません。本書はこれら「認知症もどき」の症状や治療法のポイントをまとめています。

認知症の当事者や介護に携わっている人たちは、日々何を考えて過ごしているのでしょうか。認知症の初期の方は自分たちをよく知って欲しいと訴えています。また介護に携わっている方は何に苦労し、どんな時に悲しい気分になるのでしょうか。当事者の気持ちに寄り添える図書を集めました。

私は誰になっていくの? アルツハイマー病者からみた世界(外部サイト)
クリスティーン・ボーデン/著 桧垣陽子/訳 クリエイツかもがわ 2003年 ISBN:978-4-902244-10-6
オーストラリアの官僚だった著者が認知症と診断され、退職し自宅療養することになった経緯と、症状の進行に伴い経験したことが書かれています。当事者の立場から、できる事・できない事や周囲の人々にして欲しいことなどを綴ったロングセラーです。続編 『私は私になっていく』(外部サイト)『私の記憶が確かなうちに』(外部サイト)もあります。
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言(外部サイト)
長谷川和夫/著 猪熊律子/著 KADOKAWA 2019年 ISBN: 978-4-04-604499-0
認知症の診断に使われる「長谷川式スケール」でも知られる著者が、認知症の定義や歴史、認知症の人の思いや感じ方などについて、医師と当事者の両方の視点から語った本です。認知症は恐ろしい病気ではなく「暮らしの障害」であり、周囲の接し方次第で障害の程度を軽減できると伝えています。
認知症の私から見える社会(講談社+α新書)(外部サイト)
丹野智文/〔著〕 講談社 2021年 ISBN: 978-4-06-525042-6
「認知症」ではなく、目の前の人を見てほしい。自身も認知症当事者の著者の考え、支援活動の中で感じたこと、周囲との接し方について、語りかけるような文で書かれています。模造紙をテーブルクロスにする、外出時はいつも同じ車両に乗る、といった当事者の生活の工夫も紹介しています。
ぼけますから、よろしくお願いします。(外部サイト)
信友直子/著 新潮社 2019年 ISBN: 978-4-10-352941-5
著者は映像作家で、80代で認知症になった母と90代の父の老老介護の様子を記録した同名の映画は、大きな反響を呼びました。この本では、大好きな母の変化に戸惑い葛藤する娘の思いや、母本人の苦しみ、変化を自然に受け止める父の様子などが率直な言葉で綴られています。2022年に続編(外部サイト)も刊行。
認知症の語り 本人と家族による200のエピソード(外部サイト)
健康と病いの語りディペックス・ジャパン/編 日本看護協会出版会 2016年  ISBN:978-4-8180-1980-5
単なる病気としてだけでなく、より現実的な“実体験”として認知症を知りたいと思っている人へ。患者本人と家族の生の声を集めた本です。QRコードにスマートフォンなどをかざすと、各語りの動画を見ることができます。
〔Web〕認知症の語り(健康と病の語り ディペックス・ジャパン)https://www.dipex-j.org/dementia/(外部サイト)

厚生労働省は、認知症の人の意思が尊重され自分らしく暮らせる社会を目指す、新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)を平成27年に策定しました。地域では当事者、家族をどのように見守り支えていけるのでしょうか。

認知症フレンドリー社会(岩波新書)(外部サイト)
徳田雄人/著 岩波書店 2018年 ISBN:978-4-00-431749-4
「認知症フレンドリー」と聞くと、認知症の人に優しく手を差し伸べる社会を想像するかもしれませんが、ここでは認知症の人が普通に生活できる社会を意味しています。認知症の人が当たり前に増えた今、そのような社会環境の整備が必要となりました。実現に向けた課題や実例を紹介する1冊です。
認知症plus若年性認知症 多職種協働で取り組む生活支援(認知症plusシリーズ)(外部サイト)
山川みやえ、繁信和恵、長瀬亜岐〔ほか〕/編集 日本看護協会出版会 2022年 ISBN:978-4-8180-2398-7
若年性認知症にはどのような特有の問題があり、患者をとりまく実情はどうなっているのでしょうか。こうした問題への解説だけでなく、老人看護専門介護士や認知症ケア専門医等、認知症に関わる多職種が実例に対しどうケアをすべきかを検討した討議も収録しています。
全国認知症カフェガイドブック 認知症のイメージを変えるソーシャル・イノベーション(外部サイト)
コスガ聡一/著 クリエイツかもがわ 2020年 ISBN: 978-4-86342-288-9
認知症カフェは認知症の人とその家族の支援のため始まり、令和2年度は全国7,737か所で実施されました。(厚生労働省)この本では横浜市2か所を含む全国28か所を紹介しています。併せて『ようこそ、認知症カフェへ』(外部サイト)(武地一/著 ミネルヴァ書房)を読むと、カフェが患者や家族にもたらす変化等、理解を深めることができます。
シニア六法(外部サイト)
住田裕子/監修・著 KADOKAWA 2020年 ISBN: 978-4-04-604800-4
高齢者に起こる様々なリスクへの対応策を紹介する中で認知症の人のトラブルについても取り上げられています。認知症の人は被害者にも加害者にもなり得ます。なぜそのような行動を起こしてしまうのか、家族の監督義務とは? テーマごとにわかりやすく解説しています。
認知症の人と家族のための「地元で暮らす」ガイドブックQ&A 認知症カフェに集まる家族、専門職が一緒に作った!(外部サイト)
新里和弘/監修 Dカフェnet/著 メディカ出版 2018年 ISBN: 978-4-8404-6546-1
認知症カフェの介護者、ケアマネジャー、訪問看護師、医師達が、活動経験を実践的なQ&Aにまとめました。環境の変化が苦手な認知症の人に介護サービスを受け入れてもらうには等、「認知症あるある」事例満載です。対応の失敗例も書かれており、むしろそちらが参考になるかもしれません。

家族が認知症かもしれないと思ったら、まずどこに相談すればいいのか、病院へはどうやって連れて行けばいいのか、何から手をつけていいのか。介護やお金についての制度やサービス、接し方、施設などについて知ることのできる本やウェブサイトをご紹介します。

不安をやわらげる家族の認知症ケアがわかる本(外部サイト)
亀山祐美/監修 西東社 2017年 ISBN:978-4-7916-2567-3
認知症の家族への介護の基礎知識をはじめ、症状や行動への対処法のOK例・NG例を多数紹介しています。例えば、料理中に火を忘れて焦がしてしまった場合に、火の使用を禁止するのではなく、けがの心配と自分で料理を作ろうとしたことに対する感謝を伝えると良い、としています。
親の介護と自分の老後ガイドブック イザ!というとき困らないための(外部サイト)
岡本典子/著 ビジネス教育出版社 2020年 ISBN:978-4-8283-0858-6
在宅介護と施設介護それぞれについて、介護保険制度で利用できるサービス・施設の種類の紹介に加え、手続方法や施設選びのポイントについても解説しています。また、第4章では介護が必要になる原因の第1位として認知症を取り上げ、症状や種類、支援制度を紹介しています。
図解いちばん親切な家族信託の本 知っておきたい暮らしのお金 オールカラー(外部サイト)
宮田浩志/著 ナツメ社 2021年 ISBN:978-4-8163-7078-6
遺言や成年後見制度との比較・併用を踏まえて、家族信託について図解しています。また、手続き上欠かせない、家族会議の進め方や実務についてのポイントがわかります。認知症による資産凍結回避や認知症の配偶者を経由した資産の承継先指定など代表的な活用事例も豊富です。
成年後見ハンドブック(外部サイト)
平田厚/著 法曹会 2020年 ISBN:978-4-86684-044-4
成年後見制度は、認知症やその他精神障害のために、自ら判断することが難しい人を財産管理や身上監護を通じて保護し、支援する制度です。制度の概要や具体的な手続きの流れなどの解説に加えて、申請に当たっての統一書式と記載例が載っています。
認知症で使えるサービス しくみ お金のことがわかる本 改訂版(外部サイト)
田中元/著 自由国民社 2021年 ISBN:978-4-426-12719-0
家族が認知症になったとき、どんな相談先やサービス、制度があるかを一冊で知ることができる本です。全国で約1,300万人が活躍する認知症サポーターや、地域での居場所づくりの助けとなる認知症カフェなど、認知症の方を身近に支援する存在を数多く紹介しています。
ハートページ 2022年 横浜市北部版(外部サイト)横浜市中部版(外部サイト)横浜市南部版(外部サイト)
横浜市/監修 ハートメディカルケアハートページ編集部 2022年
本市の地域包括ケア計画や介護保険制度のしくみなど介護情報全般を扱っており、希望するサービスごとに市内事業所を調べることができます。認知症高齢者に対する支援や在宅生活の支援など介護保険以外のサービスについても問合せ先が載っており、WEBでは最新情報を入手できます。
〔Web〕ハートページナビ 横浜市版 https://yokohama.heartpage.jp/(外部サイト)

WEB

厚生労働省「認知症施策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html(外部サイト)
認知症についての知識や相談先、認知症サポーターの取組などについてまとめています。
法務省「成年後見制度・成年後見登記制度」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji95.html(外部サイト)
成年後見制度について、申請書の様式や記載例、Q&Aなどをまとめています。
認知症疾患診療ガイドライン 2017
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html(外部サイト)
書籍版『認知症疾患診療ガイドライン 2017(外部サイト)』(日本神経学会/監修 医学書院 2017年 ISBN:978-4-260-02858-5)も中央図書館で所蔵しています。
認知症のご本人・ご家族(相談先・受診・居場所の情報)
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/fukushi-kaigo/koreisha-kaigo/ninchisyo/ninchisyo-sodan/
横浜市の制度や相談窓口などをまとめた「オレンジガイド(横浜市版認知症ケアパスガイド)」、市内の認知症カフェの一覧、認知症高齢者等SOSネットワークなどの情報を掲載しています。
認知症サポーターキャラバン
https://www.caravanmate.com/(外部サイト)
認知症サポーター養成講座を企画・開催し、講師を務める「キャラバン・メイト」について紹介しています。

このリストで紹介した図書は、すべて横浜市立図書館で所蔵しています。お近くの図書館に所蔵がない場合は、予約(取寄せ)もできます。
また、中央図書館では、みなさまの調査研究・問題解決のお手伝いをしています。
お気軽に各階カウンター、電話、電子申請にてお問い合わせください。

このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館調査資料課

電話:045-262-7336

電話:045-262-7336

ファクス:045-262-0054

メールアドレス:ky-libkocho-c@city.yokohama.jp

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