権利変換の仕組み【地上権非設定型】

道路整備や公園整備など、一般の公共事業では、その予定地内にある土地や建物の権利者に対して買収の代価として金銭が支払われます。市街地再開発事業では地区内の権利者の「権利の種類」と「資産額」に応じて、事業後に完成するビル（再開発ビル）の敷地や床に関する権利が与えられます。これを「権利変換」といいます。
都市再開発法では、この「権利変換」について、いくつかのタイプを定めていますが、ここでは、都市再開発法第111条（地上権非設定型と呼ばれることがあります）で定める権利変換について説明します。

土地所有権、建物所有権、借地権はその資産額に応じた再開発ビルの床に置き換えられますが、これらの評価を適正・公平に行う必要があることから、評価の方法が都市再開発法で定められています。

事業前の土地や再開発ビルの床など、事業前後問わず全ての資産は、事業計画の認可の公告（施行者が地方公共団体の場合は事業計画決定の公告）があった日から31日目を評価の基準日とします。（その後、６か月以上、権利変換の手続が始まらない場合は、６か月＋31日目となります。）

近傍類似の土地、近傍同種の建築物等の取引価格などを考慮して定めます。

事業に要した費用（原価）と、近傍類似の土地、近傍同種の建物等の取引価格などを考慮した額（時価）の間で定めます。ただし、原価が時価を上回る場合は時価とします。

定められた期間内に申し出ることで、再開発ビルの床を取得せず、地区外に転出することができます。この場合、事業前の資産額に応じた補償金が支払われます。