台風・豪雨に伴う事業所等と危険物施設における備え
最終更新日 2020年9月9日
台風や豪雨により停電が発生し、その復旧が長期化することにより、事業所等に設置された消防用設備等が作動しない場合が想定されます。
また、危険物施設では、河川の氾濫、高潮等による浸水が想定される場所にある場合や、プラント等において停電による異常反応等が起こることなどが想定されます。
以下の項目について、必要な事前対策を行いましょう。
事業所等に設置されている消防用設備等について
- 消防用設備等の非常電源として蓄電池設備や非常電源専用受電設備等を用いている場合は、長時間停電することにより消防用設備等が作動しない場合に備えて、以下の対応を図ってください。
- 消火設備
消火器、簡易消火用具等の設置場所及び使用方法を再確認するとともに、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備などの自動消火設備については、手動による放出操作手順を再確認してください。 - 警報設備
事業所等の関係者等による巡回等によりこんろその他火気使用設備・器具の火元の警戒を入念に行うなど、火災の早期発見を図るとともに、警報設備の設置範囲内への連絡及び周知体制を確保してください。 - 避難設備
事業所等の関係者等による避難誘導体制及び避難経路を再確認してください。
- 消火設備
- 消防用設備等の非常電源として自家発電設備を用いている場合は、自家発電設備について、必要な燃料の確保等に努めるとともに、常用電源復旧後、直ちに運転を停止(常用電源復旧時、自動的に運転を停止するものを除く。)し、燃料の補給等により、火災時の機能に支障のないように措置してください。特に、燃料が空となった後に燃料を補給した場合に再び適切に作動するためには、当該自家発電設備のエンジン部分の空気抜きが必要なものがあることから、留意してください。
- 自動火災報知設備の中には、長時間停電することに伴い予備電源の容量が低下すること等により異常警報を発するものがあることから、これらの警報音が作動した場合における対処方法(警報音の停止方法、復電時における点検方法等)について点検事業者等に確認してください。
危険物施設に関する事項について
- 風水害等により長時間停電することに伴う危険物施設の安全確保については、次の事項に留意してください。
- 保安管理
停電時の対処方法を確認の上、適切な管理の実施をお願いします。 - 自家発電設備の稼働等に係る留意事項
自家発電設備の稼働中、地震等の災害が新たに発生した場合は、発電設備のサービスタンク及び配管等の損傷、漏油等の発生がないこと等、安全を再確認した上で、再稼働させてください。 - プラント等における安全対策
プラント等において、停電により計装制御系統の機能停止等により、異常反応等から爆発を誘発し、他の施設も停止する危険がある場合には、非常用の電源及び当該電源に必要な燃料等を確保してください。
- 保安管理
- 河川の氾濫、高潮等による浸水が想定される危険物施設では、禁水性物質や金属の溶融高熱物など、水と触れると危険な物品について、
- 浸水の影響のない高所へ移動する
- 水密性のある区画で保管する
- 金属の溶融高熱物の加熱をあらかじめ停止して十分温度を下げる
等の措置を講じてください。
また、油の貯槽、ポンプ機器等の危険物の取扱い上重要な機器については、必要に応じ、浸水の防止や被害が生じた場合の応急措置を講じてください。
- 被災地域における円滑な燃料供給等のため、臨時的な危険物の貯蔵・取扱いを行う場合には、各区の消防署にご相談ください。
このほか、「風水害発生時における危険物保安上の留意事項及び危険物施設の被害状況調査について」(平成30年9月27日付け消防危第179号)(総務省消防庁ホームページ)(外部サイト)を参考にして、必要な措置を講じてください。