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ぜん息

このページは神奈川県アレルギー疾患医療拠点病院である横浜市立みなと赤十字病院が監修しています。

最終更新日 2025年11月25日

小児ぜん息の特徴

ぜん息は、発作的に空気の通り道(気道)が狭くなることで、咳や息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という笛の鳴るような音(ぜん鳴)がみられたり、呼吸が苦しくなる状態(発作)を繰り返す病気です。
ぜん息の人の気道は、慢性的な炎症があるため刺激に対して敏感な状態になっています。このため、わずかな刺激にも敏感に反応して、気道が収縮することによりぜん息発作が起こることがあります。

出典:独立行政法人環境再生保全機構ホームページ
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html

小児ぜん息の原因

ほとんどの小児ぜん息は、アレルギーが関連しています。アレルギー体質がある子、家族にぜん息の人がいる子などがぜん息になりやすいと言われています。
さらに、ダニやペットの毛などのアレルゲン、風邪や気管支炎・肺炎を引き起こす気道のウイルス、タバコの煙、大気汚染物質などの環境因子がぜん息を起こすきっかけになります。これらの環境因子は、ぜん息を発症する原因となるだけでなく、いったん発症すると、発作を起こしたり悪化させる原因にもなります。

小児ぜん息の症状

ぜん息の主な症状

・「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と笛の鳴るような呼吸の音(ぜん鳴)
・夜に咳で眠れない
・明け方に咳で目が覚める
・咳き込んでおう吐してしまう
・運動するとゼーゼーする
・息苦しくなる
・ホコリや煙を吸うと咳が出る
・横になっているより座っているほうが楽
・笑うと咳が出る

ぜん息の症状を医師に伝える時のポイント

「ヒューヒュー」「ゼーゼー」の症状があるときは、次についても観察し、医師に伝えましょう。
・どんなときにゼーゼーするのか(風邪をひいたとき/ミルクを飲んだ後/寝入り/明け方など)
・どんな音がするのか(ヒューヒュー/ゼーゼー/ゼロゼロ/ゴロゴロなど)(息を吸うとき/吐くときのどちらか)
・ゼーゼー以外の症状があるか(発熱/鼻水/おう吐など)

強いぜん息発作のサイン

咳き込んだり、ヒューヒュー、ゼーゼーしたりして、ぜん息発作かもしれないと思った時は、まず、急いで受診する必要があるかどうかを判断します。以下の、「赤ちゃんの息苦しいサイン」か「強いぜん息発作のサイン」がどれか一つでもあれば、医療機関を受診しましょう。

赤ちゃんの息苦しいサイン

・母乳やミルクを飲まない
・咳き込んで眠れない
・顔色が悪い
・機嫌が悪い、興奮して泣き叫ぶ
・激しく咳き込み、ときにおう吐
・呼吸が速い、荒い
・強いヒューヒュー、ゼーゼー
・ろっ骨の間がはっきりとへこむ
・胸の動きがいつもと違う

強いぜん息発作のサイン

・遊べない、話せない、歩けない
・食べられない
・眠れない
・顔色が悪い
・ぼーっとしている、または興奮している
・強いゼーゼー
・ろっ骨の間がはっきりとへこむ
・脈がとても速い

小児ぜん息の診断

問診や診察

症状の詳細、家族のアレルギー疾患、生活環境などを確認します。

検査

ぜん息の診断の補助とするため、次のような検査が行われることがあります。
・血液検査、皮膚検査(アレルギー体質かどうか、アレルゲンは何かを調べる)
・胸部X線検査(胸や気管支の構造に異常がないかを調べる)
・呼吸機能検査、気道可逆性テスト、気道抵抗測定(気道が狭くなっているかを調べる)
・呼気NO(一酸化窒素)検査(気道に起きている炎症の程度を調べる)
・気道過敏性テスト(気道が刺激に対してどれくらい敏感になっているかを調べる)

小児ぜん息の治療

ぜん息治療の3本柱

・悪化因子への対策(ぜん息を悪くする原因を減らす)
・薬物療法(気道の炎症をおさえるために薬を使う)
・体力づくり(適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠、規則正しい生活など)

ぜん息治療の目標

・昼も夜も症状がない
・肺の機能が正常
・日常生活を普通に送ることができる
治療によって症状が落ち着いても、すぐには治療を中断せず、定期的に受診して医師の指示のもと治療を続けましょう。

ぜん息治療の種類

・長期管理薬
 気道の慢性的な炎症をしずめ、発作が起こらないようにする薬です。自己判断で中止せず、症状がなくても毎日続けます。
・発作治療薬
 発作が起きたときに、狭くなった気道を広げて楽にする薬です。気道の慢性的な炎症をおさえる効果はありません。
・環境整備
 発作が起こる原因や、悪化因子への対策も重要です。

成人ぜん息の特徴

ぜん息は、発作的に空気の通り道(気道)が狭くなることで、咳や息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という笛の鳴るような音(ぜん鳴)がみられたり、呼吸が苦しくなる状態(発作)を繰り返す病気です。
ぜん息の人の気道は、慢性的な炎症があるため刺激に対して敏感な状態になっています。そうすると、わずかな刺激にも敏感に反応して、気道が収縮することによりぜん息発作が起こることがあります。
また、小児ぜん息は成長につれて症状が軽くなり寛解(かんかい)するケースが多いのに対し、成人ぜん息は長期化しやすいと言われていますので、根気強く治療を続けていくことが大切です。

出典:独立行政法人環境再生保全機構ホームページ
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html

成人ぜん息の原因

ぜん息には、ダニやカビなど環境のアレルゲンに反応する「アトピー型ぜん息」と、アレルゲンに反応しない「非アトピー型ぜん息」があります。小児ぜん息ではアトピー型が多く、成人ぜん息ではアトピー型と非アトピー型が半々になるという特徴があります。

主な原因や悪化因子

・吸入アレルゲン(ダニの死がいやフン、動物の毛やフケ、カビ、花粉など)
・大気汚染物質
・タバコや花火などの煙
・ウイルスなどによる呼吸器感染症
・天候や季節(季節の変わり目や台風などの気象の変化)
・激しい運動(運動誘発ぜん息)
・薬剤(非ステロイド性抗炎症薬の含まれる内服薬・注射薬・座薬・湿布薬)

成人ぜん息の症状

ぜん息の主な症状

・主に夜間や早朝に息苦しくなる、咳が止まらなくなる
・「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と笛の鳴るような呼吸の音(ぜん鳴)
・強めの運動をしたとき、冷気や煙を吸ったときに息苦しさや咳が出る
・ホコリや煙を吸うと咳が出る
・横になっているより座っているほうが楽

成人ぜん息の診断

問診や診察

<症状について>
・ぜん息を疑う症状について(ぜん鳴、咳、痰、息苦しさ、胸の痛み)
・症状が一日の中で変動するか(夜間や早朝にみられるなど)
・症状は季節によって変化するか(季節の変わり目に多いなど)
<背景について>
・小児ぜん息を含め、過去にぜん息と言われたことがあるか
・両親やきょうだいにぜん息の方がいるか
・他のアレルギー疾患があるか
・ペットを飼っているか

検査

・血液検査、皮膚検査(アレルギー体質かどうか、アレルゲンは何かを調べる)
・胸部X線検査(肺や心臓に他の病気がないかどうか)
・呼吸機能検査、気道可逆性テスト(気道が狭くなっているかを調べる)
・呼気NO(一酸化窒素)検査(気道に起きている炎症の程度を調べる)
・気道過敏性テスト(気道が刺激に対してどれくらい敏感になっているかを調べる)

成人ぜん息の治療

ぜん息治療の目標

・発作やぜん息症状を起こさないような状態を保つこと
・将来のリスク(呼吸機能の低下など)回避
治療によって症状が落ち着いても、すぐには治療を中断せず、定期的に受診して医師の指示のもと治療を続けましょう。

ぜん息治療の種類

・長期管理薬
 気道の慢性的な炎症をしずめ、発作が起こらないようにする薬です。自己判断で中止せず、症状がなくても毎日続けます。
・発作治療薬
 発作が起きたときに、狭くなった気道を広げて楽にする薬です。気道の慢性的な炎症をおさえる効果はありません。
・環境整備
 発作が起こる原因、悪化因子への対策も重要です。

ぜん息との合併に気をつけたい病気

ぜん息と合併していると、ぜん息を悪化させてしまう病気があります。ぜん息の治療を正しく行っているのになかなかよくならない場合は、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、胃食道逆流症(GERD)など他の病気を合併している可能性もありますので、早めに主治医に相談しましょう。

横浜市立みなと赤十字病院の専門医による個別相談

横浜市立みなと赤十字病院の専門医による「こどものぜんそく個別相談」と「成人ぜんそく個別相談」を実施しています。

相談窓口・イベント情報

その他相談窓口・イベントに関する情報は下記リンクよりご確認いただけます。

よくある質問

さらに詳しく知りたい方へ

※「ぜん息日記」は、下記より環境再生保全機構に申し込むと無料で入手できます。

このページへのお問合せ

医療局医療政策部医療政策課

電話:045-671-2466

電話:045-671-2466

ファクス:045-664-3851

メールアドレス:ir-seisaku@city.yokohama.lg.jp

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