ここから本文です。

第19回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

最終更新日 2020年3月5日

第19回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

日時 平成20年8月25日(月曜日)14時00分~17時00分
開催場所 ヨコハマジャスト1号館 3号室
出席者 川村委員長、蟻川委員、岸委員、山上委員
欠席者 桐野委員
開催形態 公開(傍聴者0名)
議題
1 第18回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について
2 平成19年度公立大学法人横浜市立大学の業務の実績に関する評価結果について
3 その他
決定事項
(1)第18回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)を了承した。
(2)各委員による個別評価をもとに最終調整を行なった。
(3)平成19年度財務諸表及び利益処分の承認についての意見書を了承した。

1.第18回横浜市公立大学法人評価委員会議事要旨(案)について

資料1(PDF:335KB)】により事務局から説明があった。
【山上委員】:内容が細かい議論になってきたが、法人へのヒアリングの時間が限られていたため、ある程度推測を前提として議論をしていることが気になっている。法人側にも反論などがあるのではないか。議論が深まっていくとますますそうなっていくと思うので、ヒアリングの方法を変えていかないといけないのではないか。例えば、病院は病院で個別に会議に出席してもらうなどの方法がある。ただ、会議の回数が増えたり、日程調整が大変になるなどの問題はあるので難しい面もある。少なくとも、実際にこの議事録の内容について、事務局あるいは法人側で、各委員が発言した内容について何か反論等があれば、こういう場で確認をしてほしい。会議で発言した内容を事務局で整理し修正していただいているので、記録としては議事録の状態で十分だが、内容はこれでいいのだろうか。委員として誤解があるようなことがあれば、このような場で指摘していただきたい。 私自身も、人事計画や設備計画についてヒアリングをしていない。財務諸表などから推測すると、現場サイドで計画が機能しているようには思えなかった。財務や経理のサイドでヒアリングをして、大学として一つの予算を作るが、それに縛られずにかなり柔軟に予算が動いてきたというのが実態だと思う。今後このままの状態ではいけないと思い、強い言い回しをしたのだが、法人としての言い分もあったのではないか。
【川村委員長】:山上委員はきちんと指摘しておられ、また誤解を招くような箇所については事務局からきちんと説明されているので、そこまで気にされる必要はないと思う。もし法人に意見があれば、随時指摘していただければと思う。
【神谷大学担当理事】:議事録の内容を含めて法人の意見をかなり細かく吸い上げており、特別何か意見がある場合は、本日のように逐次意見を入れさせていただきたい。我々の方も気を付けて進めさせていただく。

2.平成19年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績評価について

資料2(PDF:829KB)】により事務局から説明があり、最終調整を行なった。

<1. 全体評価>
【山上委員】:よくまとめられてると思う。目次は分かりやすくてとても良い。
【川村委員長】:目次は分かりやすくなったが、目次の最初の項目を「評価結果」といってしまうと「評価事項」といささか重複するのではないか。
【事務局】:ご指摘いただいた箇所は「総括的評価」として本文では訂正しているが、目次の修正が遅れてしまった。申し訳ない。

<1.-2 大学運営(教育内容等)>
【蟻川委員】:4ページの上から4行目、「20名に増員した」は「20名増員した」の方が良い。また、3つ目の○の「FDを開催する」という表現は、実績報告書では「FD研修および懇談会に出席」という表現ではなかったか。「FDを開催する」という言葉遣いは使わないのではないか。
【川村委員長】:項目別状況のところでは、「FDに参加する」という表現がある。学内ではFDというのはどういう意味で使われているのか。FDに関する講習会等を「FD」と言っているのではないか。実績報告書と表現が違うと整合性がとりづらい。蟻川先生のところでは、FDはどういう内容を指しているのか。
【蟻川委員】:FDは教員の授業への姿勢であり、具体的な研修や会議は含まれないと私は思う。表現が統一されていないことが気になる。研修等を含めるのなら、「FDを開催」という表現もできるのだが。
【川村委員長】:注釈では、FDを「取り組みの総称」と書いているので、研修等も含まれるのではないかと私は理解した。
【蟻川委員】:開催という言葉ではなく、「FDを初めて実施する」という表現はどうか。 次に、理学専攻で「平成21年度の募集要項により、20年度実施の入試に~」という点だが、推薦制度の実施は20年度にする、ということになるのか。21年度から実施するのだから、試験は20年度にするということか。
【事務局】:19年度に検討し、20年度に推薦制度を導入できた、というところがポイントであり、表記が分かりづらくなっているので、分かりやすく修正したい。
【岸委員】:6ページの評価事項の下から3つ目の○について、「看護系大学院の早期実現を期待したい」とあるが、これが何故評価事項に入るのか。指摘事項のほうが良いのではないか。
【川村委員長】:これは指摘事項に属することかもしれない。
【岸委員】:書き方を変えれば評価事項になるかもしれないが、このままではすっきりしない。
【川村委員長】:評価をするならば、再編がそれなりに進んでいるということを評価したい。
【岸委員】:あるいは、「期待したい」という前に評価したいことがないとおかしい。
【事務局】:原文通りであれば、指摘事項に入れてしまってもいいと思うが、事務局としては、表記のとおり「新学部創設の理念具体化とも緊密に関わる」いわば市大の個性を支援する意味を込めて評価事項にいれさせていただいた。指摘事項のほうに入れてしまうと、法人としてマイナスに受け止めてしまう。
【岸委員】:趣旨は分かるが、言葉の書き方を検討してほしい。 また、これは単純に言葉の指摘であるが、同ページの「反映つつ」は「反映しつつ」ではないか。
【蟻川委員】:4ページの「国際総合科学研究科では、修士論文の国際学術雑誌への投稿及び論文採用結果の成績への反映について、博士後期課程では実施したが、博士前期課程においては実施できなかった。」とあるが、博士後期課程では学術雑誌へ投稿すると成績へ反映することを実施したが、博士前記課程では反映しなかったということであると思うが、これは修士論文ではなく学位論文のことではないか。また、その下の(3)の優秀学生に対する特待制度について、新入生で入試成績の優秀な学生に奨励金を与え、前年度の成績が優秀だった学生に対しても奨励金を与えるということだが、入学生を対象に実施したということは、在学生についてはまだ実施していないということなのか。
【法人】:19年度の成績を反映して、20年度に入ってから奨励金制度を実施した。
【蟻川委員】:この文章では20年度の入学生にだけ実施してみたように読める。
【事務局】:選定までは19年度で終わっているが、奨学金を授与するという行為は20年度に行なった。
【川村委員長】:20年度に行なったことについては20年度の評価対象とすべきだが、この選定は19年度に行ない、その結果を20年度4月から奨学金交付として実施しているということなので、19年度の評価にいれることでよろしいか。
【事務局】:はい。
【山上委員】:評価事項の一番最後、先ほど指摘事項と矛盾するという意見があったが、評価事項は組織体制を整えたところを評価し、指摘事項では運営について指摘しているのであって、評価すべきところは評価すべきである。矛盾している話ではない。センターの中にこのような部を作って精力的に機能強化をしていくという大学の意思は分かるので、当面組織体制を整えていくというところを評価してもいいと思っている。確かに、桐野委員が指摘していたが、なかなか成果は上がらないだろう。しかし法人としてはまず体制を整えなければ始まらない話であるので、削らなくていいのではないかと私は思う。
【川村委員長】:おっしゃるとおり、それはそれとして評価すべきことであるので、最後のところは活かしたいと思う。
【事務局】:修正するにあたり、この3本の研究体制を今後もさらに拡充していかなければならないので、「組織体制が整った」という表現を「整えつつある」という進行形に変えさせていただき、原文を残したいと思う。
【山上委員】:それでは、そのあとの「外部研究費」についてはいらないということでよろしいか。それだと整合性が出る。
【事務局】:「組織体制が整いつつあることは評価できる。」という表現にする。
【川村委員長】:先ほど指摘のあった大学院再編について、指摘事項に入れるのか評価事項に入れるのかということで、基本的には応援する気持ちで評価事項に入れたいと思うが、そのためにはこの表現は必ずしも適切ではない。「再編に意欲的に取り組んでいることには評価できる。ただし、この問題は~」再編への取り組みは評価できるということで、評価事項に残した方がいいと思う。

<2. 地域貢献に関する目標を達成するための取組>
【蟻川委員】:法人の主な取組状況の3つ目の「○」に、「高校の理系退職教員と教員免許を有する大学院学生による学部での物理学補習クラスを実施した。」と、4つ下にある「高校教員経験者と教員免許を有する大学院生による物理学補修習クラスを実施した。」は同じような内容に思える。
【事務局】:これは内容が重複しているので修正します。
【川村委員長】:この際なので、ひとことお願いしておきたいが、法人の作成した実績報告書に記載されていないことが法人の主な取組として取り上げられている。やはり評価は実績報告書に基づいて行うべきことで、このような食い違いが起こることは、基本的に具合が悪いのではないか。法人の行ったことについては、まず実績報告書にきっちり記載するようにしていただきたい。

<3. 国際化に関する目標を達成するための取組>
【岸委員】:11ページの評価事項「今後の取組に期待したい」とあるが、他の箇所では具体的な取組を書いて、期待したいとしてあり、ここは抽象的になっている。具体的な取組を書くか、削除したほうがいいのではないか。漠然としすぎている。
【川村委員長】:「今後の~」は削除でいいと思う。
【岸委員】:26ページの全体の書き方について、前年度は、法人の評価と評価委員会の評価が異なっている場合には、注記でABCについての説明がついていた。書き方をどうするか検討してほしい。
【川村委員長】:BまたはCというのは具合が悪い。
【山上委員】:Cとする場合には、総括的評価の表現を変えないといけない。
【川村委員長】:総括的な評価を見ると、「的確に実施したと認めることはできない」となっている。概ね順調に実施しているとすればBである。BとCどちらにするか、つまり法人の取組をどう評価するか。
【山上委員】:国際化について基本的に明確な理論やアクションプログラムに沿って動いているように思えない。やりやすいところやできるところからやった結果がこうなったかんじである。市大の国際化はどうして行きたいのかという絵が描けていない。そこが一番大事なところであると思う。色々行なっているので、Cというのは可哀想だが、基本的なところが抜けているので、やはりCという評価にならざるをえない。
【川村委員長】:私は残念ながらCではないかと思う。国際化といっても色々とあるが、その中でどのような取り組みを選択していくのか。留学生200人計画が取り上げられているが、それだけが国際化の取り組みのように思える。しかもその200人計画の具体的内容としては留学生宿舎の整備がじゅうぶん進んでいないということのみ取り上げられている。もちろん宿舎の確保は大事な問題だが、宿舎だけではなく、学生が留学しやすい環境の整備、例えば奨学金を出すなどの選択肢もある。地域の中で国際化という手もある。
【事務局】:今回は資料に入っていないが、19年度の最初の法人評価委員会で、法人が作成した国際化の取組についての資料があり、そこに各委員のおっしゃる取組について書いてあり、それに沿っては取り組んでいる。まったくビジョンがないわけではないことは理解いただきたい。そのビジョンが現場サイドや教職員全体に行き届いているのか、いわゆるガバナンスや方向性がしっかりしているのかという点については委員の皆さんのご指摘を重く受け止めている。
【山上委員】:法人の取組項目としては色々なことをやっているが、バラバラといったかんじだ。法人の先生方の気持ちとしては、与えられている条件の中で努力され、精一杯なことをやっているとは思う。我々としては期待している部分もあるが、ちょっと違うのではないか。そうは言っても、環境整備も簡単にはできないし、一生懸命やっているというところで同情はあるのだが、悩むところだ。
【川村委員長】:国際化で一番基本となる学生の交流もじゅうぶん進んでいない。そこをきちんとやっていただきたい。英語による大学のHPも簡単なもので、このご時世にその程度ではどうかと思う。年度総括評価のところは、「概ね順調に実施している」とは認められないのではないか。
【事務局】:年度総括評価のところで「概ね順調に実施しているとは認められない」となる前に、できれば個々の取り組みを行なっているということは記述させていただきたい。
【川村委員長】「個々の取組については着実に成果を上げつつあるものもあるが、必ずしも順調に年度計画を実施しているとは言えない」という表現でどうか。

<4. 付属病院に関する目標を達成するための取組>
・事務局及び附属病院から説明
【山上委員】補足説明のあった病床休止問題について、特別室はいいとして、集中治療室が休止することによって治療が受けられないというのは問題がないのか。それとも集中治療室はたくさんあって、一部を休止したのか。安全な医療の上で問題がある気がする。
【法人】集中治療室は8床から6床に縮小したので、すべて止めてしまったわけではない。先ほど申し上げたとおり、集中治療室から病状により病床を移していき、回転を早めるという対応をした。これは過程なので、データとして出すのは難しいが、ICUが足りなくなり患者サービスに影響が出るようなことはなかった。
【山上委員】看護体制を維持するためにはやむを得ない措置だったかもしれないが、個人的には長すぎたということに問題がある。もし休止しなかった場合には、病院全体の看護体制に問題が起きるという、より大きな問題が生じるため休止を選択したという理解をしているので、それならば止むを得なかったのではないかと思い、法人の修正案でもいいかと思っているが、私は専門ではないので良く分からない部分がある。地域の中核の病院としては、こんなに長い期間休止したことは問題があると私としては思う。
【岸委員】特別室病床等の一部休止についての経過と決断の理由が今日の資料ではないので分からない。今日の説明も、特別室病床等の一部休止については、結果として収入や看護師の件と絡めて説明されたが、10ヶ月間も休止するのは大変なことだ。これが製造工場だった場合、製品に異常があって休止する場合と、製造上の自分たちの理由で休止するのとでは全然違う。そう考えると、今の説明は素直に頷けないというのが個人的な感想である。
【事務局】ICUについては、法人の中で議論をした結果である。ICUは8床あり、一般病床が90%越えの稼働率で、ICUは75%であった。フル稼働させれば、6床でも患者に影響のないギリギリのラインとの判断であった。実績報告書における説明責任という意味で少し言葉が足りなかったと思う。
【川村委員長】話の趣旨は分かるし、病院全体を守るために行ったことだと言われれば、事実そうだったかもしれないが、何故もう少し早く看護師確保に取り組まなかったのか。全体の看護体制を守るためと言うが、それでは前年度には何をやっていたのかと言わざるを得ない。今いただいた資料ではこの機会に特別室のバリアフリー改修工事を行ったとあるが、休止時にそのことの説明はなかった。休止する時に、せめてそのことの説明があればと思っている。さらに言えば、今は入院しながらも仕事を半分でもしたいといったこともあり、特別室のニーズは非常に高まっているのではないか。そういう意味で今回の事態は非常に残念であったと思う。改修工事の件は実績報告書にも何の記載もない。それがこの案で、基本的に看護体制の維持を図ったからいいではないかと言われると、それならもっと前にやることがあったのではないかと言いたくなってしまう。私が「今後このような事態が再発しないよう看護師の確保をはじめ」と申し上げたのは、そういう意味である。結果として、看護体制が確保できたことについては評価できるかもしれないが、それ以前の問題という気がする。
【川村委員長】 診療科の再編について、この案で診療科の再編を進めているという内容で良いか。
【事務局】法人と事務局で議論をしてきたのは正にここで、診療科の再編について、19年度の業務実績を照らし合わせても、いくつか取組がある。桐野委員をはじめこの議論に関しては非常にレベルが高く、医局も含めて、臨床の診療科だけでなく、本来大学病院とはどうあるべきかを議論すべきだと重く受け止めている。例えば診療科の名前を従前の外科第一・外科第二などと表記するのをやめて、内科なら循環器科や気管科など市民の方にも分かりやすく変更するといったような取組を、一つ一つ進めてきたという経緯もあり、できれば評価いただきたいという思いがある。診療科の再編については、「取組を進められているのは認められるが、なおさらに大学病院として進化をしてもらいたい」というような趣旨にしていただければありがたいと事務局では思っている。
【川村委員長】大学病院の場合、研究・教育・医療の三位一体でやらなければいけないという桐野委員の意見に賛成したい。
【事務局】委員長が言っていただいた箇所で、「引き続き留意されたい」という表現では頭で考えればいいということになってしまうので、ここについては原文どおり「引き続き努力をされたい」の表現の方がよいと思う。大学病院においては、まさに三位一体の取組であり、「それぞれの取組を進めていることは認められるが」という文言を入れていただけるとありがたい。
【川村委員長】留意ではなく、努力されたいと、記述するということにしたい。
【川村委員長】三位一体でないと改革にならないのではないか。医局別に医療があるとなると、また今回のような事態が起きることが懸念される。先ほどの診療科の表示を臓器別に分ければよいということではなく、それは教育の方にもどういうカリキュラムを作るかということに影響し、さらに研究にも影響することと思う。それを桐野委員は指摘していたのではないか。ここはやはり引き続き努力されたい。医局のあり方が診療体制に枠をはめるということはなく、むしろ枠を取り払うことになるのではないかと思う。17ページも案が異なっているが、病院の位置づけについて議論があるのか。
【事務局】これは主な取組の中で、業務実績報告の中にもあげているが、大学附属病院はがん、センター病院は地域支援など、それぞれの病院のカラーはそれなりに作ってきたと捉えている。最後は「より一層努力されたい」としていただければと考えている。
【川村委員長】それはいいが、位置づけを明確にするという言葉が抜けてしまうことが問題だと思う。病院の特性を最大限に発揮することに向けて色々努力されていることはよくわかるが、大学病院の本来の使命は、医師の養成である。教育研究と言っているが、ドクターの養成というのが基本的な使命で、そこが普通の病院とは違う。では、センター病院はどうなのかということになる。附属病院として、教育・医師の養成ということをきちんと担っているのか。あるいは附属病院として、教育のない研究と診療ということでいいと思うのか思わないか、ということではないか。ここでその位置づけの明確化ということを取り払ってしまって大丈夫かという気がする。
【法人】2病院の位置づけについて、もともと中期目標ではセンター病院は地域貢献と救急、附属病院は教育と先進医療という位置づけが、最初の段階で決まっているという経過があり、それについて2病院は取り組んできた。19年度は、センター病院では趣旨を実現するために、地域支援病院ということで、地域の病院に対して支援することと、救急については特に、母子医療センターの部分が救急にあるので、これについて力をいれた方向で、19年度は、取り組んできたということもあり、そこもぜひ評価項目の中に入れていただきたいという想いがある。
【川村委員長】中期目標では、センター病院の位置づけは地域と救急になっており、教育は最初から外れているのか。
【法人】教育を行わないというわけではないが、附属病院とセンター病院の位置づけとして、病院の性格を分けようということが最初にあり、附属病院は教育・先進医療、センター病院については、同じような機能を持つのは横浜市としてももったいないということで、地域貢献と救急を担うということで執り行うことにした。
【事務局】中期目標を読み上げると「センター病院は幅広い三次救急機能を備えた病院として、難度の高い救急医療を担うほか、大学附属の病院として、高度医療への対応を行う地域医療を支援する病院を目指し、支援、生涯学習を含めた医師の教育等を通じて、地域医療への貢献を図っていく」という表現になっており、病院を二つ持っているという中で、より地域医療・生涯学習に特化している。附属病院には明確に「特定機能病院として、高度・先進医療へ取り組み、基礎研究成果を予防・診断・治療へ応用する「トランスレーショナル・リサーチ」など臨床医学研究を積極的に行うとともに、医学部の学生をはじめ医療関係者の育成を進めていく。」と育成について書かれている。
【川村委員長】特色を分けるのはいいが、そこに医師養成ということが入っているのか。
【事務局】地域支援病院として、センター病院が地域と連携を図っている。一方で大学附属病院については高度医療を行い、医学部生・看護学生の養成について担う。中期目標で横浜市が考えたレベルには達しているというように評価していただけないか。病院の位置づけを明確化するという言葉は今の修正には入っていないが、入れてもいいのではないかと思う。明確化する取組が進められているうえでさらに、という表現にさせていただければと思う。
【川村委員長】それなら問題ないと思うのだが、やはり病院の位置づけということはここで記載しておいたほうがよいのではないか。
【川村委員長】16ページの一番下の部分の病院長の権限強化について、これは削除すべきではないか、ということでよいか。
【事務局】非常に貴重な意見をいただいており、病院長の権限強化について、法人と事務局で議論し、一定程度の成果は上がってきたと思う。しかしそれが当委員会で議論されているレベルまで行っているかどうかというのはある。例えば、削除させていただき、後ろのほうに、法人全体のガバナンスについて書いていただいたこともあるので、こちらにシフトしてしまった方がいいのではないか、分かりやすいのではないかと思い、修正を入れさせていただいた。
【川村委員長】ガバナンスの重要性は後半で指摘されており、当然のことだと思うが、病院というのはやはりそれ自身の自己完結性の強いところで、しかし自己完結されてしまうとガバナンスが通用しない。一方で自由度がなければうまくいかない。従って強化すべき権限とこれにともなう責任ということで、後ろと必ずしも矛盾しないと思う。
【山上委員】私は委員長の意見に同感で、あえて削除しなくてもいいのではないか。確かに権限強化をされて、病院運営については機動的にしやすくなったというのはあるが、ガバナンスがきかなくなるという危険もある。そういう意味で、法人側のガバナンスがしっかりしないと、一人歩きしてしまう。そういうことについて、ちゃんと範囲を明確にしてほしい。権限強化については私も肯定的に考えたいと思うが、一方ではそういう問題があるので、指摘をしていく必要があるのではないかと思う。法人全体の問題と別に、病院長の権限強化と絡めて、指摘をしておいた方がいいと私は思う。

<5. 法人の経営に関する目標を達成するための取組>
【川村委員長】19ページの中ほどの教員評価についての法人修正案だが、19年度内は合意に至らなかったという部分で「誰と」同意できなかったのかという記述がないと、誤解が生じると思う。理事会の中で対立があるように読まれてしまう。「19年度内は説明会を開催することができなかった」というのが正しいのではないか。
【事務局】「合意には至らなかった」という言葉は「19年度に教員への説明会を開催することができなかった」の方がよろしいと思う。
【川村委員長】これはややナーバスな問題で、学内でも色々と意見があると思う。執行部内部の対立に思われてもいけないので、ここは「開催できなかった」という表現でいきたいと思う。
【山上委員】修正案の方が確かに文章として分かりやすい。ここはこれでよろしいのではないかと思う。

<6.:自己点検・評価、認証評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するための取組>
<7.:その他業務運営に関する重要目標を達成するための取組>
<8.:予算、終始計画および資金計画 等>
【山上委員】21ページの評価事項で大学評価本部等の取組について削除するという案であるが、私は必ずしも矛盾しているとは思わない。評価委員会としては、ルールがある程度できあがってきたが、個別にはまだ指摘されたことができていないというのが指摘事項の文案であって、この委員会で指摘されたことが組織の中で議論されて、改善に向けてそれぞれのセクションが動いているというのが評価事項の文章である、組織内で議論するというルールが従来より前進してきていると思うので、評価していいと思う。しかし指摘事項にあるとおり、実現していないものもあるので、進捗管理を進める必要がある。私は評価委員会で指摘したことについて真剣に受け止めるという点で、改善されている気がするので、評価していいのではないか。今までと明らかに動きが変わってきている。事務局から見た実態がどうなのか正確に認識していないが、前進しているのではないか。
【岸委員】内容的には山上委員が指摘したとおりだが、全体として良くないという印象が強い。若干指摘事項をやわらかい表現にしてもいいかと思う。まだ足りない部分があるということは指摘したいが、相反することはない。はっきり評価できると言っておいて、全体としてやってないからしっかりやりなさいと言うのは、文章を読んだ方が具体的に分からないと思う。一生懸命やっていることは評価すべきだと思うので、指摘事項を少しいじることが必要だと思う。
【川村委員長】評価が、「業務に反映させている」と言ってしまうと指摘事項と相反してくるので、「業務に反映させる取り組みが進められつつあることは評価できる」という表現にすればいいのではいか。
【山上委員】22ページの指摘事項の2番目の個人情報保護についてだが、大学の実態について踏み込んでヒアリングをしているわけではないので、推測を前提とした指摘事項になっている。事務局に大学の意向を確認しつつ、表現できるなら表現してほしいとお願いしたところであるが、今の大学の動き方を見ると、啓発や研修を行って個人の意識を高めているのは分かるが、大学には膨大な量の個人情報がある。個人の意識を高めるくらいで防げる問題ではない。どこまでシステム的に、制度的に仕組みができているのか。それほどしっかりした管理体制になっていないのではないかと思う。現に、様々な学校で問題が起きている。それぞれ、個人を信頼し、注意をすれば守ってもらえると大学側が思っているなら、今の時代には通用しない。もっとシステム的にガードがかかっているものを作っておかないと、とても管理できない。蟻川委員の大学ではどうか。
【蟻川委員】個人情報保護委員会というものは作り、規定などは定めたが、目に見えるような強固な管理体制とまではいえるかどうか。
【山上委員】今は民間企業はかなり神経質になっている。大学では、誰かが意図的に外部と連携して個人情報を流すという問題が起きることまで考えていないのではないのだろうか。誰もそんなことをしないという前提で組織が動いているとすればそれは危険だと思う。銀行などは相当高いレベルでシステムをガードし、情報を特定の人にしか見ることができないようにしている、ある程度大学もやっていると思うが、レベルが良くわからない。注意喚起した方がいいかと思う。
【川村委員長】指摘のとおり、一般的に大学側は自己の持つ情報量の多さを自覚していないように思われる。卒業生も入れれば大変な情報量だ。そういう認識で、ぜひ入れていただきたい。
【蟻川委員】各教員が成績を持っているのでしっかりした管理が必要だ。
【川村委員長】成績やレポートなど、個人情報が多く含まれている。
【蟻川委員】教員に注意を喚起しているが、徹底するのは難しい。
【山上委員】銀行などでは持ち出しは絶対に禁止している。そういう体制に慣れさせていくというのが大切である。
【川村委員長】26ページの評価で健全な病院経営について、病床休止の問題をどうするか。一方で医療収益は上がっているが、Bかと思う。患者本位のところは、Aでもいいと思ったが、法人の自己評価はBでもあり、積極的にAに引き上げる理由が見当たらないので、Bでいいのではないか。
【山上委員】桐野先生は専門の方だがすべての項目でAをつけている。専門の方が良い評価をするということは、他の病院に比べれば良くやっているということなのではないか。指標はちがうが週刊誌の病院ランキングで、市大の2病院は全国的にもトップレベルとなっている。市大の2病院について世間の評価は高いのだと思う。
【岸委員】26ページ「法人評価結果の作成」のところで、項目別評価で総括的評価を行っているので、そのことを入れておいてほしい。
【川村委員長】貴重なご意見ありがとうございました。本日の各委員のご意見をもとに評価結果を整理し、表現については私に一任していただいて、委員会として市長に報告したいと思う。

3.その他

資料3(PDF:74KB)】により事務局から「平成19年度財務諸表及び利益処分の承認についての意見書」を報告

PDF形式のファイルを開くには、別途PDFリーダーが必要な場合があります。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Get Adobe Acrobat Reader DCAdobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ

このページへのお問合せ

総務局大学調整部大学調整課

電話:045-671-4273

電話:045-671-4273

ファクス:045-664-9055

メールアドレス:so-daigaku@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:188-534-398

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews