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第17回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

最終更新日 2020年3月5日

第17回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

日時 平成20年7月4日(金曜日)14時00分~16時00分
開催場所 公立大学法人横浜市立大学エクステンションセンター講義室
出席者 川村委員長、蟻川委員、岸委員、桐野委員、山上委員
欠席者 なし
開催形態 公開(傍聴者なし)
議題
1 第16回横浜市公立大学法人評価委員会議事要旨(案)について
2 平成19年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績報告書並びに平成19事業年度財務諸表等について
3 その他
決定事項
(1)第16回横浜市公立大学法人評価委員会議事要旨(案)を了承した。
(2)平成19年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績報告書並びに平成19事業年度財務諸表等について、委員会としての意見を取りまとめるための確認を行なった。

1.第16回横浜市公立大学法人評価委員会議事要旨(案)について

資料1(PDF:270KB)】により事務局から説明があり、案を了承した。
【川村委員長】ご意見なければ、これはホームページ上で公開させていただく予定です。

2.平成19年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績報告書並びに平成19事業年度財務諸表等について

資料2(PDF:290KB)】【資料3(PDF:646KB)】【資料4(PDF:82KB)】【資料5(PDF:23KB)】【資料6(PDF:3,673KB)】【資料7(PDF:79KB)】【資料8(PDF:120KB)】【資料9(PDF:155KB)】【資料10(PDF:138KB)】【資料11(PDF:148KB)】【資料12(PDF:681KB)】【資料13(PDF:178KB)】【資料14(PDF:119KB)】【資料15(PDF:119KB)】【資料16(PDF:216KB)】【資料17(PDF:1,189KB)】【資料18(PDF:62KB)】を使い、法人から説明があり、委員会としての意見を取りまとめるための確認を行なった。

【川村委員長】まず、「業務実績報告書」で、ご意見ご質問はございませんでしょうか。
【桐野委員】10Pの研究費の執行体制について、すべての研究費は法的な研究・寄付金によるものなど、全て機関経理か。
【法人】はい。
【岸委員】前文の3P、「格付け取得」とはどういう意味か。資料21で国内外の格付けを比較しているが、法人はAA-を取っている。このことか。
【法人】そうだ。
【桐野委員】大学が格付けを取ったということでよろしいのか。
【法人】そのとおりです。
【川村委員長】業務実績報告書の1Pの、国際総合学部で、「履修の基本モデルを提示」とあるが、「項目別の状況」を拝見すると、履修基本モデルについて5Pではそれを「充実する」9Pでは「明確化・体系化を図る」26Pその「確立につとめる」というように表現がバラバラである。きちんと履修モデルが示されているのか。また、2PのTAについて、TAを効果的に配置するということだが、配置してどういう効果があったのか。「適正配置」とあるが、年度計画では「増員する」という表現をしていた。「適正配置」に変わったのはどういうことであるか。5Pの「入試管理委員会規程の見直しに至らなかった」とあるが、アドミッションポリシーを確立するうえで、委員会が果たす役割は極めて大きいはずで、そのもととなる管理委員会の規程がしっかり改正できていないのは残念である。入試の広報の充実などさまざまな取り組みが積極的に行われているのはいいが、アドミッションズセンター長を専任としたのか等よく分からない。大学全体としての明確なアドミッションポリシーの確立のための体制をきちんと整備すべきではないか。
【法人】まず履修基本モデルに対してさまざまな表現がでてくることに関して、最初に目標・計画を立てた時に、きっちりと整理ができていないままに目標を立ててしまい、分散して説明を書いてしまったため、文中にこのような表現が出てきてしまう。
【川村委員長】似た表現が多く出てくるのはかまわないが、履修モデルができているという表現と、これから作るという表現がある。実態として、履修基本モデルというのはできていると理解してよいのか。
【法人】今年度法人化後初の卒業生が出るので、学位の保証というか、学位をどう出していくかということにあわせ、それまでの1~4年までのステップ及びカリキュラム内容をしっかりさせるということが背景にあり、昨年1年間、この履修モデルを確立することが大きな目標であった。カリキュラムは確立できたので、Aという評価をした。しかしまだ次期中期計画を踏まえ、また社会全体に合わせて改良していく余地があるので、完成ではなく途上的な表現を使っているが、4年生の学位を出すという観点からは、十分現時点でカリキュラムはしっかり確立できたので、大学案内及び履修ガイド等に書き、周知を図っている。TAについて「増員」を「適正」に変更したことは、「増員する中で適切に配置している」というのが正しい表現である。効果については、毎年度・毎セメスターごとに、前年度におけるTAを使っての、良かった点・悪かった点等を、申請教員およびTAの方から事情聴取し、その次の年のTA配置を決めているということで、「適正」という言葉を使っている。
【川村委員長】TAは増員されているのか。
【法人】はい。
【法人】アドミッションズセンター長については、もともと独立した役職としての位置づけがなされておらず、これまで副学長・学務センター長といったあて職によって運営がなされていた。入試管理委員会の規程も含め見直しをはかってはいるが、もともとの学部・学科、入試委員会と学部との接続を含めて、さらには大学院についてもキャンパスが分かれているので、その辺の整理をしなくてはいけない。細部を、確認・調整しつつ、規程の見直しに向けてやっていきたい。
【山上委員】まず、全体的な印象だが、3年度に入ってきたということもあるが、中身が具体的になってきた。問題なのは、「こういう制度・委員会を作りました」という形はできたが、これからは中身に踏み込んだ評価をしていかなければならない。大学として努力をしているという印象だが、具体的な成果が十分あらわれていない項目もあると感じた。 2Pの「医学部」という項目でアンダーラインが引いてある「シミュレーターを用いた実技実習」というのは、きわめて進んだことなのか、ほかではすでに実施されていることなのか。いずれにしても、計画に盛り込んだものが実際に実技実習になったのだろうかが、そもそも、こういう仕組みは、他の医学部に比べてどうなのか?
【法人】このセンターについてはかなり予算をかけ、順天堂大学に次ぐくらいの規模であり、センター長も置いている。この3年間でだいぶ伸びた。
【山上委員】トップレベルということか。
【法人】そうだ。
【山上委員】また別の話だが、10Pで、「基礎医学の成果を臨床医学に応用する」という件で、「先端医科学研究センターでは、バイオバンク部に続き、研究開発部と研究推進部を立ち上げた」とのことだが、そもそも「先端医科学研究センター」とはどれくらいの組織なのか。開発と推進に分けて、成果を外部と連携し、ビジネス等につなげていくという想像はつくが、もともとどういう組織で、研究開発部・研究推進部はどういう体制になったのか。質問した意図としては、わずかな人数で分けた組織ならばかえって非効率になるのではないかということで、全体が知りたかった。
【法人】先端医科学研究センターは、基礎医学の研究成果を、予防・診断・治療方法など、臨床の現場に実際役立つようにするための、基礎から臨床へつなぐための将来有望なジャンルにしぼって研究していくところで、病院の治験のようなところと繋がっていくようなことをしながら、市大の強みを出していきたいという構想。現在は、検体は200体ほどで今後増やしていく。予算的には8千万円くらいなので、専任の職員をつけるほどにいたっていない。今5つのプロジェクトが立ち上がっており、成果は少しずつでてくると思うが、成果を見ながら今後の体制強化を図っていきたい。
【山上委員】文章だとよくわからない。立上げたけど中身は伴っていないという気がするので、実際はどうなっていて、機能する形になっているのか、成果はどう現れたのか、ということをみないと、正確な評価ができないと思う。
【桐野委員】トランスレーショナルリサーチについて、楽観的な意見が出ていたが、実際はとても難しく、ひとつの薬の独自開発でも10~15年かかる。開発医療をやるとしたら、相当の陣容を組んで資金を持ってこないと難しい。すぐにはどこも成功していない。この件について、大学として雇用しているCRCの数、データマネージャーの数、生物統計家が何人いるか、倫理審査委員会でどれだけの審査数があるか、具体的な数字がほしい。さらにTR法を行うにあたり現在動いているパイプラインがどれくらいあるか、教えてほしい。
【川村委員長】12Pからの地域貢献及び国際化についてだが、この辺についてはどうか。
【山上委員】地域貢献について、前々からこの委員会でも指摘されていたが、エクステンションセンターの講座数・受講者が増えた。努力の成果が現れてきているところは評価したいが、データ集を拝見すると、講座数が増えても受講者が極めて少ない講座がある。それにコストがかかっているのではないか。今はニーズがあるものを探している試行錯誤の段階だと思うので、問題があるとは指摘しないが、今後は採算性に配慮していかなくてはならないと思う。
【川村委員長】14Pの国際化のことだが、外国の大学との単位互換のシステムが進んでいないのが残念だ。単位互換というのは、これから大学自体の国際化を進めていく上で基礎的な条件だと思う。外国人留学生を200人にするという目標は、どうやったら具体的に実現できるのか。国際化について、きちんとしたプロジェクト的な取り組みが必要ではないか。 14Pに海外からのサマーサイエンスプログラム受け入れを行ったと書いてあるが、これは具体的には「海洋生物学と持続可能な環境保全」という1週間のプログラムで参加者が14人だったということなのか?ほかにはないのだろうか。
【法人】サマーサイエンスプログラムについては、将来的にセメスタープログラムとしてできないか、ということで今回は本件を一定期間試行として行った。
【蟻川委員】12Pの高大連携について、法人からTAや大学院生を送ったりと色々しているが、実際に高校から連携の要望は大きいのだろうか?
【法人】横浜市の教育委員会と行っていることであり、これまでも理系中心にプログラム等をおこなっている。高校生が夢を持つということが狙いであり、教授があるトピックスについて講演を行うことで、紙の上だけでない知識を持つ、ということで、高校からの要望は高い。まずは横浜市立高校を中心に連携を深めている。
【山上委員】14Pの国際化は、大きな柱の一つであるわけだが、留学生を増やしていくには、海外大学とのネットワーク構築が大事なのではないか。留学生200人の目標をかかげているが、データ集では165名中、100名が中国・韓国である。中国・韓国に偏って増えるというのは、近いということもあるが、欧米など、グローバルな形で留学生が増えていかないといけない。中国・韓国ばかりが増えても、国際化が進んでいるといえるのか。これはなぜ偏るのか、基本的な方針はどうなっているのか。また、海外ネットワークで、17機関と覚書締結とあり、Aと評価されているが、国別にどういうバランスになっているのか。
【法人】国際化に対する取組に対しては、アジア圏だけでなく、カリフォルニアオフィスを開設した。留学生の受け入れに関しては、英語による授業展開がないものだから、基本的に日本語ができる外国人留学生を受け入れるということになり、欧米の学生が日本語を勉強して本学に留学するというケースがない。ありうるとすれば、交換留学生という形ならあるが、やはりそれも、学生寮の問題、英語によるプログラム、単位互換制度などが整備されていないと、向こうから来てもらうということができない。その辺を早急に解決する必要がある。海外の協定機関の件だが、FDA、メキシコにある国連機関など、昨年は多方面と協定が交わせており、特にアジア中国に偏っているということはない。
【川村委員長】国も留学生30万人計画というが、現在のわが国への留学生の9割が中国、韓国、台湾を中心とするアジア諸国出身者である。
【川村委員長】16Pから24Pまでの附属病院に関することについて。
【桐野委員】一般的にはよくやっているが、国立病院と比較すると、借入金の償還義務を負ってないということと、いわゆる経営効率化係数を付加されていないということで、国立に比べると楽なのではないかと思う。しかしそれにしても良くやっている。看護師の離職率の改善は驚異的だ。感心した。順調に運営されていると思うのだが、国立は平均すると収支率が104パーセントでプラスであるが、こちらは100%にいってない。さらに余裕があるのだろう。国立病院全体においては、法人化以降、研究プロダクトが急激に減っている。経営におわれるあまり、研究が滞っている。国の政策からいえば、大学にもっと研究開発を進めてもらいたいが現状は逆行している。横浜市大もそこは気をつけていただきたい。病院長の権限強化や、診療科の再編について書いてあるが、これからの病院の経営は誰がやってもなかなか大変な時代である。病院長というのは医師であり、経営人ではないので、成功させるのは難しいと思う。この二つについては、ここに書いてあることでは今後有効ではないのではないか。真剣に5年後くらいを考えて、人を増やして規模を拡大しつつ収益をあげるのか、落ち着いてやるのか、分かれ目の時期だと思うので、その辺を考えてほしい。
【川村委員長】病院長の権限強化ということについて、予算面での病院長の権限とはどれくらいになっているのか。
【法人】看護師の確保については資料9に掲載されている。1の(7)の離職防止の取組としては、若い看護師の相談相手として師長のほかに副師長をおいて、相談しやすいよう制度化した。夜勤看護手当の見直し以外にも初任給調整手当の増、夜勤時のタクシー代上限を緩めるなどの点を改善した。それだけではなく病院全体で看護のことを考えてくれているということが看護師に伝わったことから改善されたのではないか。研究の面については、苦しいところであるが、研究費という形で横浜市から1億円くらいいただいているので、高度先進医療を増やそうと一生懸命やっている。病院長の権限は、基本的には予算案は病院で作り、最終的には大学本部で編成する。備品や研究費について病院長枠という病院長の判断で執行できる枠を設けている。
【川村委員長】25Pから31Pまでの、経営からその他まで、それから財務諸表についてはいかがでしょうか。
【山上委員】質問ではないが、27Pにおいて、市民向けの財務レポートを作成され、大変よくできていると思う。欲をいえば、エクステンション講座のことや、地域医療の貢献についてもまとめるといいのではないか。市民向け出すなら、財務だけではなく、経営のさまざまな実態を社会に知ってもらうというレポートも出すといいのではないか。また、業務実績報告書の総括の下に書いてある学位審査等一連の問題について、評価委員会においては、年度計画に対する評価と考えれば別件であるということもできるが、結果として、内部監査がしっかりしていなかったから不祥事が起きたとすると、評価に反映させる必要があるのではないか。どのようにこれを反映させるのか、常識的には、評価をする以上、大学運営全体に関わる指摘事項として評価に反映させざるをえないとは思うのだが、非常に悩ましいと思う。
【岸委員】監事による監査など、とてもしっかりとやっている。内部監査については、19年度は会計的なものに限定したのでしょうがない。監査は、真剣に何度もやっており、色々な視点で見ている。通常の監査はこれでクリアしていると思う。つまり、法人全体でこういう視点が抜けていた、ということではないか。まず、内部の者には慣行・慣習があると分かっていたが、外部からは分からず、監査計画の段階でも分からなかった。学位審査等一連の問題については結果責任として考えたほうがいいのではないかと思う。また、財務諸表について、今年はじめて決算についての資料13が提出された。今後の課題まで書いていただいたので、これからも続けてほしい。また、1.予算と実績の乖離についての考え方が気になっている。役所会計の名残があると思うのだが、予算がしっかりできない限りは実績がついていかない。予算の編成と実績の把握の時期がうまくできていないのではないか。実績の推計を早くされて、次年度の予算に役立ててほしい。2.一番の問題は人件費比率だと思う。目標値を立てているが、うまくいかない。問題があるのは分かるが、なるべく目標に近づけてほしい。努力しているのはわかるが、やはり結果はどうかということになるので、この2点をお願いしたい。
【山上委員】資料13だが、従来より数字のまとめ方が非常によくなっている。良く分かるようになったため、問題が浮き彫りになった。法人化を契機にさまざまな新しい計画がスタートし、コスト負担もじわじわ効いてきている。特に附属明細書9Pの固定資産の動きの「工具器具備品」は大して増えてないように思うが、2年間で38億投資している。その結果、減価償却が17億4千9百万円、だいたい増加額と償却額が同じであり、少し積極的に投資しているから投資の方が増えている。この流れは、財政的に病院会計全体にどれくらい影響するか考えてほしい。新しい機器は買う必要があるかもしれないが、今までは横浜市という大きな傘の中で最終的にカバーされて動いてきたが、独立しているのだから、もう少し財政的に自立してほしい。損益的には限界に来ているということを考え、機器を買うなら経費を圧縮したり、他の予算を回すなど考えないといけない。機器などが増えて償却が増えるということは、固定費が増えることになり、売り上げが落ちるとすぐ赤字になるという危険な状況である。財政構造自体に、経営的な感覚がほしい。どこかがチェックをしていかないといけない。全体のガバナンスで理事会や学長などがしっかりしていかないと、どんどん財政的に苦しくなっていく。大学病院というのはそういうところが難しい。
【岸委員】やはり市から借り入れが増えている。そこはガバナンスでやっていかないといけない。法人は、良い医療・良い教育をしなければいけないということは分かるが、企業なら、将来、利益がでる見込みがなければお金は借りられないが、法人は横浜市から借りられるので、経営状態に関係なく借りている状態だ。
【山上委員】こういう問題点が浮き彫りになってきた。数字を読み取るというのは難しいが、しかし財務諸表をまとめるためではなく、経営をどう舵取りするかに必要なデータなので、次の経営にいかして、数字を分析してほしい。
【法人】たしかにそのように財務諸表を見ていく必要があるが、医療に対する市民の高い期待もある。また、医師のインセンティブを下げないということも必要である。積極的な医療で市民の医療を満足させていくというのも、一定程度の配慮がないといけない。バランスが大切だということを委員の先生にも受けとめてほしい。

3.その他

【桐野委員】もし可能なら附属病院の資料がほしい。患者数・外来患者数・外来単価・入院単価・病床稼働率などのスタンダードデータの毎年の推移を見せていただきたい。

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