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4月号 市電の歴史紹介

 2021年4月1日に100周年を迎える横浜市営交通。路面電車、バス、地下鉄とさまざまな交通網で横浜の街と人を支えてきました。 今回は、100周年を迎える横浜市営交通の歴史を学ぶため、横浜市電保存館に伺いましたので、これまでの歴史について紹介します。

最終更新日 2021年4月1日

横浜市電のはじまり

本町通りの復興と市電
本町通りの復興と市電(1930年頃)

 横浜は幕末の開港から発展し、今日に至りますが、都市の発展と拡張を支えてきた交通機関が市電(路面電車)です。市電は警笛の音から「ちんちん電車」と呼ばれ、市民の生活に欠かせない存在でした。

 市電は初めから公営だったのではなく、1904年に横浜電気鉄道が神奈川-大江橋間を開通させたことから始まります。その後、第一次大戦後に横浜電気鉄道の経営は不安定となります。ストライキや、運賃の値上げなどが検討されるなど、市民生活に大きな影響が起きたため、1921年に横浜市が横浜電気鉄道を買収し、「横浜市電」が始まったのです。
1923年、関東大震災が発生し、市電は車両の半数以上を失いましたが、復興事業による線路の改良が進められ、郊外の各方面へ新しく路線が作られました。線路の距離は震災前の2倍以上となり、市電の路線網はこの時期にほぼ完成したそうです。

懐かしさを感じる500型

 市電保存館には1928年に大量購入した500型の1台が展示されていました。
 当時使用されていた車両とのことで、床の軋みや警笛を踏み鳴らすフートゴングなど、歴史を感じることができ、とても感動しました。500型が活躍していた時代を知らない私が、懐かしさを感じるような不思議な体験でした。

新たな交通のはじまり

市電のお別れ式
市電のお別れ式に集まった市民(葦名橋)昭和47(1972)年 提供 染谷午郎

 その後、太平洋戦争(1941-1945年)による空襲などによって市電は幾度も破壊されましたが、戦後すぐに復興し、昭和30年代(1955-1964年)に最大規模に達しました。
 しかし、横浜の市街が広くなると、低速の市電が都市交通としての役割を果たすことは難しくなっていき、高度経済成長が進むにつれて、ついには都市内の交通機関としての限界を迎えることになりました。
 昭和時代後半からは、郊外から都心へ向かう交通の主役は、国鉄(現在のJR)や私鉄の高速電車でした。そして、横浜市は、市営の高速電車である「地下鉄」の建設に着手し、同時に路面電車の路線は順次撤去され、1972年に横浜市電はその役割を終え、完全に姿を消しました。
 現在では、路面電車に代わって地下鉄とバスが市民生活を支える交通機関として利用されています。

 今回の取材を通して、普段当たり前に利用している交通機関は、戦争などで焼失しながらも、都市開発とともに成長し、長い年月をかけてつくり上げてきたものであると再認識することができました。2020年には、ベイサイドブルー(連節バス)の運行が開始され、「生活の足」だけでなく、「観光の足」としても活躍している市営交通。今後はどのような歴史をつくっていくのでしょうか。

横浜市電保存館

住所
磯子区滝頭3−1−53

開館日時
9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
(毎週月曜・12月29日〜1月3日は休み)

入館料
大人(高校生以上) …300円
3歳から中学生…………100円
※このほか優待制度料金もありますので公式サイトをご確認ください。

公式サイト
https://www.shiden.yokohama/(外部サイト)

公式YouTubeアカウント
https://www.youtube.com/channel/UC5XtqwnUnCCWTJhQuFlVoiA(外部サイト)

公式Amazonショップ
https://www.shiden.yokohama/shop/(外部サイト)

横浜市営交通100周年記念事業

100周年ギャラリートレイン運行中

懐かしい車両のポスターや、市営交通の現場を職員の目線でお伝えするドキュメント「100の一歩」等で車内広告をジャックしたギャラリートレインを運行します!
【期間】4月14日(水曜日)~5月中旬(予定)
【運行車両】1編成
 ※運行時刻は毎日変わります。ウェブサイト「3000V形運行時刻表」でご確認ください。
 http://navi.hamabus.city.yokohama.lg.jp/koutuu/pc/diagram/SpecialTrainDiagramCalendar(外部サイト)

100年史の発行

横浜市営交通の100年のあゆみを辿る100年史が令和3年6月頃に発売予定です。
貴重な写真も多数掲載されており、横浜市営交通を存分に知ることができる内容です。
詳細は、市営交通100周年ウェブサイトでお知らせしますので、是非ご覧ください。
 

詳しくは、横浜市営交通100周年公式サイトをご確認ください。
https://kotsu100th.city.yokohama.lg.jp/(外部サイト)

このページへのお問合せ

交通局総務課

電話:045-671-3671

電話:045-671-3671

ファクス:045-322-3911

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