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横浜マリンタワー(改修)
最終更新日 2022年8月3日
横浜マリンタワー改修工事
名称 | 横浜マリンタワー(改修) |
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所在地 | 中区山下町14番地の1 |
構造規模 | 【展望部・塔体部】 |
延べ面積 | 約4,389㎡ |
設計 | 株式会社日建設計 |
工期 | 令和元年9月20日~令和4年3月31日 |
施工 | (建築工事)株式会社渡辺組 (電気設備工事)株式会社共栄社 (空調衛生設備工事)株式会社日本工業所 (昇降機設備工事)三菱電機ビルテクノサービス株式会社横浜支社 |
外観(遠望)
外観(遠望・夜景)
外観(近景)
外観(近景・夜景)
外観(見上げ)
外観(見上げ・夜景)
展望室
展望室
階段
設計者からのコメント
横浜開港100周年を記念し建設され、長年民間企業によって保有・運営されてきた横浜マリンタワーは、入場者数の減少に伴う経営難を受けて2007年に横浜市が取得し、開港150周年に向けて全面リニューアルを行うこととなり、弊社が設計監理を担当させて頂くことになりました。
設計にあたっては、横浜が持つイメージである、歴史や異国情緒と創造性や先進性を併せ持つ文化を大切にし、横浜を象徴とするアイコンとして人々の心に刻まれるものであり続けることを目指しました。また、民間事業者に施設の運営を委ねる事業スキームの中で、タワーがかつての賑わいを取り戻し、持続できる計画を企図しました。
約100mの高さにある展望部は、外装を全て更新し、展望窓は小割の窓を4倍の大型の窓にすることで、ベイブリッジからみなとみらいまでの横浜のパノラマビューを楽しめるものにしています。鉄骨造の塔体部は、現行の建築基準法で求められる耐震性を確保するため、外観イメージを損なわない耐震補強を行うと共に、外部側をマリンタワーシルバー、内部側をブラウンオリーブの塗装に一新して新たなイメージを創出し、またタワーの基壇部は、古い外装を取り巻くように同心円状に増築を行い、山下公園側のイメージを一新させています。内部には、当時から残っている、山下清画伯による2面のガラスモザイク画「横浜の今昔」と、かつて世界一高い灯台としてギネスブックに載っていた灯火を鑑賞できるよう、吹き抜けを拡張してメインホールとして設えました。
この大規模リニューアル工事完成に合わせ、横浜市はこの施設運営を行う民間事業者を募り、10年間の運営を委ねられました。その間、将来の更なる長寿命化に備え、2016年には中長期修繕計画の策定を行い、運営期間が満了後に行うべき修繕について検討を始めました。その結果を踏まえ、次の事業者の運営開始に先立ち、更なる長寿命化に向けた改修工事を行うこととなり、再び弊社が設計監理を担当させて頂きました。当初は塔体の腐食部の補修と塗装の上塗り程度が想定されておりましたが、詳細な調査の結果、建設当初の塗膜の付着力の低下や、有害物質を含んだ塗装が検出されるなどの問題が顕在化し、検討の結果、長年塗り重ねられた塗膜の除去と鉄骨部の補修、対候性の高い塗装への塗り替えを行うこととなり、足掛け4年もの長期休館を伴う改修工事を行うことになりました。
施工にあたっては、塗膜剥離工事や新規の塗装の工事に伴う周辺への粉塵等の飛散を防ぐためのシート養生を完全に行わねばなりませんでした。しかしながらシートで完全に養生すると、強風時には風荷重による揺れの影響が懸念されました。これらの影響に関しても事前の検討を行い、万全に安全性を確保しました。また、施工範囲内が蒸し風呂のような作業環境になることや、地上からの昇降における作業者への負担などへの配慮など安全・衛生面への気配りも欠かさず行い、無事完工を迎えることができました。
これらの多くの関係者の長きにわたるご苦労に支えられ、間もなくリニューアルオープンいたします。今後も適切に維持保全が継続されることによって横浜マリンタワーが更なる長寿命化を遂げ、これからも永く人々に愛され、横浜のシンボルとしてあり続けることを願ってやみません。
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電話:045-671-2956
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