権太坂小学校体育館（改修）

鳥瞰

外観

外観

外観

体育場

体育場

体育場

舞台

コントロール室

器具庫

　体育館の大規模改修に合わせて空気調和設備の新設を行う工事なので、学校活動における熱中症による被害の軽減や、環境改善を最優先事項として計画を進めました。また、同時に建築物省エネ法も制定され、社会的にエネルギー消費性能の向上が喫緊の課題として求められていることから、単純に機械による空調コントロールだけではなく、建物外皮の断熱性能を向上させるような計画としました。具体的には屋根材の葺き替えに合わせて断熱材を敷設したり、屋根頂部に換気棟を設けることで、空調効率の向上を図っています。 省エネルギー化を進めることは施設の長寿命化にも繋がり、ひいてはサスティナブルな学校運営と児童にとって地球環境への意識付けの契機になると考えます。
　空調室内機の設置場所については、基本設計段階より既存建物の現地調査を行い、担当監督員及び関係者と協議を重ねたうえで、既存躯体への負荷が少なく最も効率的に設備配管工事が行えることから、キャットウォーク上に床置型を設置する計画としました。キャットウォーク下に設置するよりも対象空調体積は増えますが、不足の無い能力の空調機器選定やバランスの良い平面配置とすることで、空調設備による効率的な室内環境の向上を計画しました。
　工事完了後には、校長先生のご厚意により体育館竣工記念式典にご招待いただき、全校児童に向けて省エネルギーと建物に関わる話をする機会を賜りました。折しも高学年ではSDGsに関する授業に取り組んでいるところで、身近な場所にも地球環境を意識するきっかけがあるということを伝えられたのではと思います。このような機会を頂けたこと、また本プロジェクトに関われたことについて、学校関係者や工事関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。