ここから本文です。

蚊が媒介する感染症について

デング熱、ジカウイルス感染症など

最終更新日 2023年12月19日

目次

蚊媒介感染症とは

蚊媒介感染症は、ウイルスや原虫等の病原体を持った蚊が、ヒトを吸血することで感染する感染症全般を指し、代表的なものとして、ウエストナイル熱・黄熱・ジカウイルス感染症(ジカ熱)・チクングニア熱・デング熱・日本脳炎・マラリア等があります。

海外渡航の際にも注意!

海外では、蚊を媒介する感染症が多く報告されています。
海外へ渡航する際は、渡航前に現地の流行状況を確認し、必要に応じて感染予防や対策を行いましょう。
また、これらの感染症の多くは、日本に広く生息する蚊(ヒトスジシマカ等)も媒介できることがわかっています。
海外で感染して帰国した人から国内に感染が拡大することを防止するため、帰国後も注意が必要です。

感染予防のためには

感染を防ぐための対策は、感染を防ぐためには(ページ下部)をご確認ください。

蚊を増やさない・蚊に刺されない
蚊媒介感染症のポスター

横浜市の対応

  • 「横浜市蚊媒介感染症対策指針」(PDF:338KB)(平成28年4月)
    厚生労働省の「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」及び「デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き(地方公共団体向け)」に基づき策定しました。
  • 「横浜市の蚊のモニタリング調査について」
    横浜市では、市内の公園や港湾地域等で蚊のモニタリング調査を実施しています。ホームページでは、蚊の生息状況調査の概要やウイルス検査実績を公開しています。

主な蚊媒介感染症

ジカウイルス感染症(ジカ熱)

ジカウイルス感染症の特徴
原因ジカウイルス(フラビウイルス科フラビウイルス属)
感染経路ジカウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類)に刺されることで感染します。また、献血や性交渉によっても感染する場合があります。
発生地域アジア、中南米・カリブ海諸国、アフリカ、オセアニア・太平洋諸島、北米地域
症状2から12日(多くは2から7日)の潜伏期間の後、軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹、結膜炎等が現れます。また、妊婦の感染は胎児の小頭症発生や神経症状(ギランバレー症候群)の原因となることがわかっています。
治療特別な治療法はなく、対処療法を行います。
予防ワクチンはありません。蚊に刺されないようにすることが、唯一の予防方法です。

注意すべきこと

  1. 流行地域に渡航される方
    厚生労働省検疫所ホームページ等(外部サイト)で流行状況を確認し、現地で蚊に刺されないよう、十分な対策を行いましょう。(対策方法は、感染を防ぐためには(ページ下部)をご確認ください)
  2. 妊娠している方や、そのパートナーの方
    妊娠中の感染は、胎児の小頭症等を引き起こす可能性があります。妊娠の可能性がある方・妊婦の方は、できるかぎり流行地域への渡航を控えましょう。
    やむを得ず渡航する場合は、現地で厳密な防蚊対策を講じてください。

性感染症の予防

  • 男女ともに、流行地に滞在中と、流行地から帰国後6か月間(パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中)は、症状の有無に関わらず、性行為の際はコンドームを使用するか性行為を控えるようにしてください。
  • 流行地域に渡航歴のあり、子どもを持つことを希望する女性は、症状の有無に関わらず、最低6か月間は妊娠を控えるようにしましょう。
啓発チラシ(横浜市保健所作成)

医療機関の皆様へ(横浜市保健所)

関連サイト

デング熱

デング熱の特徴
原因デングウイルス(フラビウイルス科フラビウイルス属)
感染経路デングウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類)に刺されることで感染します。
発生地域アジア、中南米、アフリカ等の熱帯・亜熱帯地方で流行しています。
また毎年、世界中で5,000万人から1億人の罹患者がいると報告されています。
症状2から15日(多くは3から7日)の潜伏期間のあと、突然の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹等が現れます。一部は重症型のデング出血熱になることもあります。
予防・治療法ワクチンはありません。また、特別な治療法もなく、対処療法を行います。
  • 海外で感染し、帰国後に発症する人の報告が近年増えています。平成26年には、約70年ぶりに国内感染が確認されました。
  • 横浜市でも毎年10から20人前後の患者が報告されており、注意が必要です。
  • 対策方法は、感染を防ぐためには(ページ下部)をご確認ください。

医療機関の皆様へ(横浜市保健所)

関連サイト

チクングニア熱

チクングニア熱の特徴
原因チクングニアウイルス(トガウイルス科アルファウイルス属)
感染経路チクングニアウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類)に刺されることで感染します。
発生地域アフリカ、南アジア、東南アジアで発生。平成19年にはイタリアでも流行が報告されています。
症状3から12日(通常3から7日)の潜伏期間の後、突然の発熱、関節痛、頭痛、筋肉痛、発疹等が現れます。
予防・治療法ワクチンはありません。また、特別な治療法はなく、対処療法を行います。

関連サイト

ウエストナイル熱

ウエストナイル熱の特徴
原因ウエストナイルウイルス(フラビウイルス科フラビウイルス属)
感染経路自然界では、鳥(主にカラス)と蚊の間で感染が繰り返されており、ウエストナイルウイルスを保有する蚊(アカイエカ等のイエカ類、ヒトスジシマカ等のヤブカ類)に刺されることでヒトに感染します。
発生地域アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、西アジアの広い範囲で発生しており、近年まで報告のなかったヨーロッパやアメリカ等の西半球でも流行が発生しています。
症状2から14日の潜伏期間の後、突然の発熱、頭痛、背部痛、筋肉痛、発疹等が現れます。重症化すると、髄膜炎や脳炎を発症することがあります。
予防・治療法ワクチンはありません。また、特別な治療法はなく、対処療法を行います。

関連サイト

マラリア

マラリアの特徴
原因マラリア原虫
  • Plasmodium属原虫のPlasmodium vivax(三日熱マラリア原虫)
  • Plasmodium falciparum(熱帯熱マラリア原虫)
  • Plasmodium malariae(四日熱マラリア原虫)
  • Plasmodium ovale(卵形マラリア原虫)等の単独又は混合感染
感染経路マラリア原虫を保有する蚊(ハマダラカ)に刺されることで感染します。
発生地域

アフリカ、アジアや南太平洋諸国、中南米等、熱帯・亜熱帯地方で発生しています。
世界保健機構(WHO)の推計によると、年間2億人いじょうの罹患者と200万人以上の死亡者がいるとされており、横浜市でも海外で感染した人の報告が、毎年数例あります。

症状10から30日の潜伏期間の後、発熱、顔面紅潮、頭痛、筋肉痛、呼吸器症状、胃腸炎症状等が現れます。また発熱は、発熱期と無熱期を繰り返します。(潜伏期間、症状、発熱の間隔はマラリア原虫の種類によって異なります)
速やかに治療を行わないと、重症化し、死に至ることもあります。
予防・治療法抗マラリア薬の予防内服が有効です。また、マラリアと診断されたら、抗マラリア薬の投与を行い治療します。

関連サイト

黄熱

黄熱の特徴
原因黄熱ウイルス(フラビウイルス科フラビウイルス属)
感染経路黄熱ウイルスを保有する蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることで感染します。
感染サイクル
  1. 熱帯雨林(森林型)サイクル
    ヒト以外の霊長類-蚊-ヒト以外の霊長類(偶発的にヒトへ感染します)
  2. 都市型サイクル
    ヒト-蚊-ヒト(大規模なアウトブレイクの可能性があります)
  3. 中間(サバンナ)サイクル
    ヒト-蚊-ヒト以外の霊長類
発生地域アフリカや中南米の熱帯地方で流行しています。
世界保健機構(WHO)の試算によると、年間8万から17万人の罹患者と6万人の死亡者がいるとされています。
症状3から6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛、背部痛、嘔吐等が現れます。多くは感染しても症状がないか軽症のみで終わりますが、発症者の約15%は重症化します。その場合、数時間から一日程度の寛解(完全に治癒していないが、一時的に症状が軽減または消失すること)期に引き続き、高熱の再燃と、黄疸や出血傾向が進行し、20から50%が死亡すると言われています。
予防・治療法予防接種が有効です(接種は特定の接種機関でのみ実施しています)。国によっては、入国に際し、黄熱の予防接種証明書の提示を求められる場合があります。また、治療法は対処療法が中心となります。

関連サイト

感染を防ぐためには

海外へ渡航される方

  • 蚊に刺されないよう十分注意しましょう!
  • 渡航先の感染症流行状況は、厚生労働省検疫所FORTH「海外感染症情報」のページ(外部サイト)外務省「海外安全ホームページ」(外部サイト)等で逐次確認しましょう。
  • 渡航先では、長袖・長ズボンを着用し、素足でのサンダル履きを避ける等、できるだけ素肌を露出しないよう注意しましょう。
  • 虫よけ剤(忌避剤)を適切に使用しましょう。
    • 使用のポイント
    • を防ぐために有効な成分「ディート(DEET)」や「イカリジン(ピカリジン)」が含まれるものを選びましょう。(日本では、ディートは最高30%、イカリジンは最高15%の濃度のものが販売されています)
    • 年齢に応じた用法・用量や使用上の注意を守って、適切に使用しましょう。
    • 水や汗によって効果の持続性は落ちるため、こまめに塗り直しましょう。
    • 日焼け止めを使う場合は、その上から虫よけ剤を塗りましょう。
    • 首、耳、手の甲、足首等の小さな露出部分も忘れないようにしましょう。
  • 屋内でも蚊取り線香や蚊帳等を使用し、蚊に刺されないように対策しましょう(ネッタイシマカは屋内でも活動します)。
  • 帰国時や帰国後に発熱等の症状があった場合は、検疫所や最寄りの区の福祉保健センター健康づくり係へご相談ください。
  • 発熱などの症状があった場合は、市販の解熱鎮痛薬を飲まないようにしましょう。
  • 帰国後は、症状がなくとも2週間程度は蚊に刺されないよう対策を行いましょう。
  • 輸血による感染伝播を予防するため、帰国日から4週間以内の献血は自粛してください。
  • 海外へ渡航する場合の感染症対策は別ページ(横浜市保健所)も参照してください。

身の回りの蚊を減らしましょう

医療機関の皆様へ

デング熱やジカウイルス感染症の疑い患者が受診した場合

感染が疑われる方が受診した場合、国立感染研究所作成の「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(外部サイト)」を参照し、次のとおりご対応ください。

処方する解熱剤に注意!

デング熱が疑われる患者を治療する際は、処方する解熱剤にご注意ください。

  • 処方するのはアセトアミノフェン等とし、以下のものは使用すべきでないと明記されています。(国立感染症研究所「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(外部サイト)」を参照)
    • アスピリン等サリチル酸系の解熱剤・・・・・・出血傾向やアシドーシスを助長するため。
    • イブプロフェン等非ステロイド性抗炎症薬・・・胃炎あるいは出血を助長するため。

記者発表資料

関連サイト

PDF形式のファイルを開くには、別途PDFリーダーが必要な場合があります。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Get Adobe Acrobat Reader DCAdobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ

このページへのお問合せ

医療局健康安全部健康安全課

電話:045-671-2463

電話:045-671-2463

ファクス:045-664-7296

メールアドレス:ir-kenkoanzen@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:197-460-950

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews