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第53回 横浜市公立大学法人評価委員会 会議録

最終更新日 2019年1月11日

【日時】平成25年8月22日(木曜日)14時から16時
【会議室】第一総業ビル4階会議室
【出席者】川村委員長、蟻川委員、岡本委員、山上委員
【欠席者】桐野委員
【開催形態】公開(傍聴者0名)
【議題】

  1. 第52回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について
  2. 平成24年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績に関する評価結果について
  3. 平成24事業年度財務諸表及び利益処分の承認(案)について
  4. その他

【配布資料】
資料1.第52回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)(PDF:290KB)
資料2.平成24年度公立大学法人横浜市立大学の業務の実績に関する評価結果(案)(PDF:629KB)
資料3.平成24年度決算における剰余金について(PDF:228KB)

報告

【川村委員長】議事の始めに、法人から発言を求められている。

  • 法人から、「酢酸の取扱いに関する医療事故にかかる事故調査報告書について」概要を説明した。

【川村委員長】法人から説明があったが、意見はあるか。

【蟻川委員】今回の事故調査で、今後の管理体制について、マニュアル作成等の取組について書かれているが、酢酸と酢(食酢)を間違えて使用し、両者の認識が足りなかったことについても書かれている。酢を5倍に希釈した液でつまりが取れるかということが、基礎的な問題である。管にものが詰まった時の処置として、一般的には物理的な方法と化学的な方法がある。物理的な方法は、液を急速に流して物理的に流し出す方法で、化学的な方法は、薬品により付着したものを溶かす方法である。酢を希釈して用いたのは、これで溶けるとは思わないであろうから、何の目的で使ったのかわからない。しかも洗浄液は、胃をはじめ体内にはいるのだから、体への影響を優先的に考えるべきである。他の病院での事例の情報も集め、有用なマニュアルを整備すべきである。酢を希釈した液が管のつまりを取るのに有効なのか、実験的に検証すべきである。

【法人】指摘の通り、本来開通は圧力を用いて、基本的に白湯でやるべきものである。詰まり防止のために、酢を表面に塗っておくという論文が2、3件ある。濃度等については、明確に示されておらず、論拠はないが、詰まり防止のものについて、詰まりの開通に用いるという伝わり方をしたという背景がある。在宅ではよくあるということだが、本来、病院ではそのような使用方法はしてはならない。今回の件に関して、酢酸を撤去し、詰まりに対する使用は中止することになった。酢は元来、米等の食料で作られるものであるが、酢酸はアルコールで作られる。このことからも、人体に入れるものかどうかといった感覚が違っていた。投与する際に様々な部署に問い合わせたものの、酢や、酢酸といった表現で、曖昧なまま会話が進み、今回の事故に繋がってしまった。酢酸は臭うものであるから、感覚的に分かるものではあるが、医療従事者間の中で、変に信頼してしまったのではないか。そういう意味で日頃の指導やマニュアルの中で、常に安全性を考えてやっていくという意識作りが、非常に重要である。

【蟻川委員】iPS細胞等の高度な先端医療に取り組んでいながら、このような単純なミスで事故が起こるようでは、医療に対して疑問を持つ。医療関係者には自覚を持ち、信頼を失わせるようなことはして欲しくない。チューブのつまりという問題で調査を行うのは大切であるが、大げさにしてしまうのは恥ずかしい気もする。

【法人】重篤な患者のチューブを取り替えるのが、患者に負担がかかり難しいという点から、詰まりを開通させるという方法をとってしまった。

【蟻川委員】チューブを製作する側でも、そのような研究がされているのではないか。

【法人】学会もあるようだが、閉塞に関して対策は出していない。取り替えが原則である。

【蟻川委員】事故というのは、盲点をつかれるものだ。

【法人】手術や、劇薬、新薬というものには慎重に取り組むが、このような部分で、抜けるようなケースが出てきてしまうというのは、普段の心がけや意識の問題である。

【山上委員】マニュアル化されていなかったという点が、異例の事態なのだろう。滅多に起きることではないが、時々起きるということであれば、当然マニュアル化しておかなければならない。全てをマニュアル化することは不可能だが、現場の経験や知恵で行っている部分もあるのではないか。そういう中で事故が起きた。集中治療室の重篤な患者に対し、管が詰まったために、酢酸を薄めて入れてしまうという感覚に対する危機意識が必要である。医師に相談したもののチェック機能が働かず、薬剤部でもチェックされていない。用途を聞かずに渡すという点も含め、大病院がやることではない。前回の委員会では、本来はチューブを取り替えるが、患者の状態に合わせ、負担が大きくなるために取り替えず、開通させるという方法を用いるという話であった。チューブの詰まりを開通させるという慣行を聞き及び、結果的により危険な方法をとってしまったことが、非常に残念である。他にも経験的、慣行的に実施していることがあるのではないか。マニュアル化されていないこうした異例自体への対応については、これを機に調べ、必要があるものについては、極力マニュアル化していくべきである。手順通りのものは既にマニュアル化できている。しかし必ず異例が起きるわけであるので、異例の時にどのように対応するかが、非常に大事である。

【岡本委員】私も介護をしており、チューブは、よく詰まるが、湯に浸すと簡単に通る。法人からもあったが、注意してやるべき医療の行為と少し外れた所で逆に不注意だったのではないか。この事例だけでなく、ローカルルールとして実施しているものに対しても、常識的に考えてもらいたい。経管栄養剤はたんぱく質が入っているため、酢を加えれば、固まるのではないかと考えるのが常識だと思う。

【法人】委員からの指摘のとおり、マニュアルの見直しをする。経管チューブについては、専門の教室からスタッフが、兼任で出る栄養サポートチームが担当している。感染に対することや専門医療の間をうめるところについても責任を持って実施する体制を作ることも必要である。

【川村委員長】報告書でまとめられたような具体的な再発防止策を講じてもらいたい。
以上でこの報告については終了し、議題に戻る。

  • 事務局より資料の確認をした。

議題1:第52回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について

事務局から、資料1「第52回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)」について説明し、承認を得た。

議題2:平成24年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績に関する評価結果について

【川村委員長】前回の議事録にあった各委員の意見を出来るだけ盛り込む形で評価結果(案)を整理した。この資料で市長へ報告する最終的な評価結果を確定していきたい。最初に全体評価があり、次に項目別評価の順に原案は整備されているが、まず項目別評価を確認してもらいたい。その後、全体評価を確定していく。最初に桐野委員の意見確認をする。事務局から報告をしてほしい。
【事務局】桐野委員からは、病院関係の評価結果について、仮決めした原案について賛成であるという意見を得た。2-2に関して、山上委員から臨床研修医のマッチングに関して高い評価を得たとお伝えしたところ、確かに評価できるが、首都圏にある大学であるから、人も集まりやすいという点を考慮すれば、B評価ではないかという意見であった。2-3に関して、医療事故について評価に入れる点であるが、今回の評価の中に入れることに了承を得た。医療安全管理と病院運営を同時に評価する項目であり、病院運営の評価としては黒字となったことを評価し、併せてB評価で良いのではないかという意見であった。川村委員長から患者が亡くなったという事実は、非常に重いという意見があったことをお伝えしたが、確かに重い事実ではあるが、それにどう対処したのか、今後再発防止策をどのようにしてくのかといった対応の方が重要である。評価については委員長の意見に加え、その旨を文章で表記し、B評価という意見を得た。医療分野の評価に関しても原案通りの評価での了承を得た。

  • 事務局より、1大学の教育研究等の質に関する目標を達成するための取組について説明した。

【川村委員長】何か意見はあるか。

【岡本委員】キャリア形成支援委員会についてだが、これは指摘事項というよりは、評価事項の方に入れた方が適切ではないか。もう一点、指摘事項から看護学科の合格率が100%を切った件が削除されているが、総括的評価に記載されている。総括的評価にあるならば、指摘事項にも挙げておくべきではないか。特に全体評価の平成23年度の評価概要に、看護師国家試験の合格率について4年連続100%を維持したという記載がある。それが変わってしまったわけであるから、指摘事項に入れた方が良いのではないか。

【蟻川委員】言葉を変えて記載した方が良いものがある。項目別評価、法人の全学的な取り組みの部分で、「ディプロマポリシーおよびカリキュラムポリシーに関して」を変更してはどうか。「ディプロマポリシー、カリキュラムポリシーとカリキュラムの整合性」とある。これは、ディプロマポリシーはディプロマポリシー、カリキュラムポリシーとカリキュラムの整合性と取れてしまう。ディプロマポリシーおよびカリキュラムポリシーとカリキュラムの整合性とした方が良い。1-(2)学部教育に関する取組の部分で、基礎ゼミについての記述を全て削除しているが、教養教育に基礎ゼミを作るということはかなりのクラスを設けなければいけないため、大学の取組としては努力した点であると思う。教養科目に基礎ゼミを新設し、リメディアル教育についても教育実施状況を検証したとある。共通教養教育が効果的に実施されるためにもリメディアル教育は必要な事項である。新設した点について追記することは、より共通教養の充実となるのではないか。国際総合科学部において、新コース体制における部分の、学生への履修相談会について全部削除してある。新コースを実施し、学生がコースの選択を誤らないように十分理解させるということは、教育効果を高めるのに必要なことであるので、国際総合科学部においては新コース体制の実施にあたり、学生への履修ガイダンスの徹底に努めたとしてはどうか。1-(3)の2番目、文部科学省のGP事業である理数学生育成支援プログラムに採択されたという部分で、5年1貫教育というのが削除され、優秀な理数学生を育成する体制をとなっているが、この表現はそもそも5年一貫教育を受けるにふさわしい優秀な学生という部分が、大切である。この表現は残し「優秀な理数学生を育成する体制を整備することができた。」としてはどうか。評価事項から、リメディアル教育に関する記述が削除されている。リメディアル教育は、大切なことであるので、リメディアル教育の見直しにより、共通教養教育が効果的に実施される体制が整えられたことを評価し、残すべきではないか。評価事項として、先端医科学研究センターについて記載されているが、産学連携ラボについての記述が削除となっている。産学連携ラボが先端医科学研究センターに入所したというのも大切であるので、記述に含めてはどうか。

【岡本委員】2-(1)研究水準及び研究の成果等に関する取組の外部研究費に関してだが、2つの目標に対してのことであり、学際的ユニットによる戦略的研究推進費については25年度の決定した部分、実績があった。それとは別に科学研究費補助金の獲得拡大に向け、サポート等を得たことにより確保され、取得した。25年度のからの広報テーマを決定したこと等も、これらの取組に入ってしまい、公募テーマを決定したため、24年度に獲得したようにも読めてしまう。これは分けて、外部研究費の獲得に関してという記述は消し、次に消されている学際的・複合的ユニットに関する部分を復活させ、戦略的研究推進について、各研究費の中間評価を行い、平成25年度からの公募テーマを決定した。また、科学研究費補助金の、というふうに2つに分けたほうが良いのではないか。

【山上委員】岡本委員が指摘された看護師の件だが、私が、指摘事項を削除した方が良いと事務局に伝えた。国家試験の合格率100%は立派なことだが、90パーセント台であっても標準より高いレベルである。総括的評価を残す理由としては、100%を継続してきたという点は、価値のあることで、初めて100%を切ったのは、非常に残念ではあるが、今後の努力を促すという期待の意味から、指摘ではなく、触れておいてはどうか。あえて指摘事項から外し、総合的評価で触れることにそれなりの意味があるのではないか。蟻川委員が指摘されたことだが、冗漫な文章で表現するのではなく、全体的に簡潔に書いた方が良い。評価事項が網羅的になっているという印象を受けた。第2期中期目標期間に入り、評価委員会として真に評価すべきものを評価するという、より選択的に評価すべきではないかと思う。1-(2)学部教育に関する取組、学生への履修相談会についてだが、新体制となり、履修相談会をやるのは、当然のことである。評価項目にあげるほどのことではないのではないか。市立高校との連携についても、卒論発表会見学に従来は、重点校のうち1校のみの参加であったが、3校全てが参加したからといって評価すべきことではない。また、北仲スクールの継続事業となるYCCスクールについても、従来通りの取組である。実施したことを網羅的に列挙するのではなく、選択的に評価をする項目にアクセントをつけていけば良いのではないか。リメディアル教育についても、事務局が全体的に判断し、評価事項から外したのではないか。本日の各委員の意見と、委員長の判断に一任するが、もう少し選択的に評価事項を整理してはどうか。

【岡本委員】大学部分の記述が多く、病院の記載が少ないという印象を受けたので、選択的に評価事項を記載するというのは賛成である。看護学科の国家試験合格率を指摘事項に入れる点については拘らないが、指摘事項は、必ずしも厳しい指摘ばかりではなく、期待する事項についても記載する。合格率が100%を切った理由を分析し、翌年度以降さらに下がるような要因を含んだ原因によるものであった場合には、早期に対策をしなくてはならない。

【山上委員】傾向的に合格率が下ってきたという状況が見られれば、指摘をしなければならない。今回1回だけではわからないので、分析をして改善できるものは改善して欲しい。事務局からも説明があったが、期待したいというものについては、指摘から外すという意味で、ここは外し、文章の中で触れるのが良いのでないか。

【川村委員長】看護師国家試験合格率100%というのは、母数が多い場合には意味があるが、個人の事情で変動する要素があるため、あまり拘ることはないのではないか。傾向的であれば、問題があると思う。山上委員の指摘のとおり、評価の立場がだんだん難しくなってきている。1期の時点では評価事項と指摘事項の区別は、評価は丸で指摘事項はバツということでスタートし、それでよかったと思うが、第2期では内容的に充実してきて意見が多く付されるようになってきたため、中間的なものがあっても良いのではないか。他の公立大学の評価手法を見ると、丸、三角、バツといった仕分けにしているところもあるので、今後、評価委員の対応も評価事項と指摘事項の2つだけで良いのか。意見を付すという対応もあって良いのかもしれないが、今回は従来通りの評価方法をとっているため、新しく中間ランクをつけるということはしない方が良いと思う。私は山上委員と同様の意見である。今後、評価の実施要領等も見直す必要があると思うが、今回はこの形で進めていく。

【山上委員】評価事項の中で、学生のキャリア支援について、個別の企業名が出ているが、評価事項の中には、入れないほうが良いと思う。

【川村委員長】各委員の意見を参考に、法人の取り組みについては、法人と調整し、整理する。評価事項が、17項目あり、追加を含めると18項目となる。項目数が多すぎるため、選択の余地があるのではないか。

【山上委員】蟻川委員には申し訳ないが、先端医科学研究センターの評価事項も削除して良いのではないか。これから稼働していくものであり、施設を作り、予定通り企業が入居したというだけで評価して良いのか。むしろ今後どのように機能し、成果が上がっていくのかという方が重要である。先端研の項目については、少し内容をコンパクトにしてはどうか。

【蟻川委員】先端研の方は、一番初めを生かすならば、産学連携ラボを入れたほうが良いと思っただけであり、先端研の項目を消すのであれば、両方消しても構わない。

【川村委員長】まとめて整理するのは、結構である。評価事項にある少人数教育のための教員の採用、GPAの運用開始、医学生支援体制での学生の担任業務等、確かに法人の努力は、理解できるが、全体をコンパクトにまとめるのであれば、事項として整理をした方が良いのではないか。もう一点、PEによる英語教育だが、これを削ると国際化に反するかと思う。PEも努力しているため、削除はしない。先ほど蟻川委員が指摘された、国際総合科学部における履修相談会の話はどうするか。

【蟻川委員】それは削除して構わない。

【川村委員長】リメディアル教育も悪いとは言っていない。

【蟻川委員】リメディアルの方は、共通教養の体制を充実させたという2つの柱があり、ひとつはゼミ。もうひとつはリメディアル教育の充実である。共通教養の実施体制の強化に2つの問題があると思った。リメディアル教育を残すのであれば、共通教養に基礎ゼミを新設したというのをセットにして共通教養教育の体制を整えたとしてはどうか。必要なければ削除しても構わない。

【川村委員長】法人の取組に入れ、学部教育の取組でリメディアルを実施したと記載してはどうか。評価事項には記載をしない。指摘事項についてだが、岡本委員指摘の看護師国家試験合格率の話だが、これには載せずに、キャリア支援の項目について、評価事項とする。指摘事項が5項目となったが、どうか。

【山上委員】取組の評価をA評価としたことから、ちょうど良いのではないか。

【川村委員長】それでは一応こういう整理にする。先ほど蟻川委員が指摘した法人の取組の表現は、法人と最終的に整理、調整して字句の修正をすることとしてはどうか。基本的には、法人が記載する部分であるので、指摘を踏まえ、整理する。次は、附属病院の取組について進む。

  • 事務局より2.附属2病院に関する目標を達成するための取組について説明した。

【川村委員長】全体的評価は最後とし、項目別評価から始める。包括的評価の最後が医療事故の問題である。事故の問題については、事故原因の徹底究明と再発防止策の構築のふたつがある。これは桐野委員の意見にもあったが、今後の対応のためにも徹底究明し再発防止をする。再発防止策の構築は、紙に書いたものだけでは困るので、具体的にしなければならない。事故原因の徹底究明という言葉を入れる必要があるのかどうかということがひとつ。もうひとつは、今回の事件の対応をコンプライアンス意識の徹底という言葉で表現するのか。酢酸を漫然と使う慣行があったということ。コンプライアンスというのは単に法令に書いてあることを遵守するというだけでなく、もうひとつ高い次元を含めてコンプライアンスと言うのであれば、この言葉が必要だと思う。事故原因の徹底究明ということをここで改めて使うと、報告書を無視するようなかたちになるので心配だということが、事務局から説明があった。そのことも含めてここの評価事項と指摘事項は、先ほど岡本委員が指摘されたように、全体的に簡潔に書かれている。法人の取組もあっさりと書いてあるし、評価事項も数が減ってきている。各委員から意見はあるか。

【岡本委員】事故原因の徹底究明という部分は、事故調査委員会の調査結果による提言を受けてという表現にしてはどうか。

【川村委員長】報告書を受けて再発防止策の構築とするということか。

【山上委員】事故に関する記載について、総括的評価の書き出しの部分だが、これまでの不適切な安全管理の結果という書き出しがきついと感じる。これまで不適切な安全管理を継続してきたためにこういう結果になったと読み取れる。この部分以外は、適切な表現であると思う。

【川村委員長】不適切な安全管理というのは、削除する。25年度当初に発生しているため、24年度の評価にあたり、原因は24年度にあったということで、これまでの不適切な安全管理という表現になった。

【山上委員】時間の経過を考慮するとこのような流れになるが、この書き出しだと今までが相当悪いという印象を与えてしまう。もう少し違う表現はないのか。

【川村委員長】これまでの結果として事故が起きたが、長期という表現は少し大げさかもしれない。報告書からすると24年の秋ごろから実施していたということになる。

【山上委員】評価事項中に救急医療体制の充実についての記載がない。総括的評価の中では触れてあるので、評価項目に入れた方が良いのではないか。そうしないと総括的評価との整合性がなくなる。法人の主な取り組み状況1医療分野・医療提供等に関する取組について、救急患者数が改善されはじめたというのはどういう意味なのか。満床における受入不能件数が改善されたとあるが、救急患者数が改善され始めたのか。

【法人】救急患者数が増えたということである。

【川村委員長】表現が分かりづらい。

【山上委員】救急患者の受入態勢が整備され、満床における受入不能件数が改善されたという記載にしてはどうか。指摘事項の言葉の使い方だが、患者様の様は削除するべき。

【川村委員長】事故原因の徹底究明は、報告書を受け、報告書に基づく再発防止策の確立ということで、ここにコンプライアンスは入っていない。

【岡本委員】入れた方が良いのではないか。

【川村委員長】合わせて修正する。

【山上委員】法人の主な取組3.医療安全管理体制・病院運営等に関する取組で、センター病院の平均在院日数が、14.1日と大幅に短縮されたと記載されているが、短縮された日数は0.7日である。0.7日というのは、大幅に短縮されたという表現をするのか。改善されたという表現で良いのではないか。この言葉に少々疑問を持った。

【法人】急性期の患者であるという点がポイントである。非常に重症度の高い患者を14日以内である程度落ち着かせる。慢性患者の30日を29日に縮めるのと、急性期の救急患者を1日縮めるのとはでは、訳が違うという現場の思いが入っている。患者の容態によって15日を14日に下げる、今回の場合で言うと14.8日だったものが14.1日に短縮されたのであるが、たとえ0.7日でも縮めるには相当な医療行為があったという現場の思いがある。字面でいけば大幅という表現でなくても構わないが、思いとしてはそういう内容で理解してもらいたい。

【山上委員】一般的な感覚からすると大幅という表現に違和感を持ったため、確認した。

【蟻川委員】指摘事項2番目、女性医療スタッフの支援の部分で、すべての女性医療スタッフとあるが、すべては除き、女性医療スタッフという表現で良いのではないか。

【川村委員長】これは、すべての職種のという意味で、医師以外の看護師などの職種も含むと言う意味である。

【蟻川委員】働いている女性全てという意味だと思った。

【川村委員長】入れるとすれば職種、医師だけというのではなく、全ての職種という表現になるのではないか。

【蟻川委員】各職種においても女性職員が、継続してというのであれば理解できる。総括的評価の部分の表現であるが、不適切な安全管理とすると、安全管理は全て不適切となってしまうため、安全管理において不適切な対応があった結果という表現のが、少し柔らかいのではないか。

【川村委員長】これまでの安全管理の一部に不適切な対応があったとする。

【法人】総括では、安全管理に対する意識の薄れという表現をしている。

【川村委員長】総括のところで意識のことにふれているということか。

【法人】医療安全は、平成11年に医療事故を起こした結果、医療安全等に関して、様々な体制をとってきたが、両病院を通し、意識の薄れというものが見受けられる。12年という時間の経過とともに、全部が薄れているわけではないが、それほど重要と思えない所にまで常に問題意識が広がっていないといけない。

【川村委員長】気のゆるみが生じ意識が薄らいだという部分である。事故調査報告書に指摘されている通り、意識の低下があった結果、事故が発生したということであれば、安全管理の問題はそこだと本文中に指摘されているのであるから、意識のゆるみが生じていた結果、起こったということ。組織の縦割り、横断的な活動が不十分だったから起こったという部分もある。意識のゆるみだけではなく、報告書の30頁にもいわれているように、マニュアルの整備や取組が不十分だったこと、大学病院の縦割りの組織の存在や組織間の壁のコミュニケーション能力ということである。これを先ほどの言葉で言えば、安全管理となる。表現は別途検討するとして、今回は、救急体制の整備を評価事項に入れないこととする。

  • 事務局より3.法人の経営に関する取り組み、4.自己点検評価を説明した。

【川村委員長】指摘事項にある教員採用の問題で、今回の准教授逮捕の事件も、これで整理したことにするのか。公募による教員採用の問題は、蟻川委員が前回の委員会でも指摘したが、ここで整理するとして、この問題はこれ以上触れない。加えるとすれば、総括の部分で指摘しないといけない。

【山上委員】准教授の問題はその後どうなったのか。

【法人】略式起訴で罰金50万となった。大学の懲戒審査委員会で、現在審議中である。

【川村委員長】事件としては終わっているのか。

【法人】本人は自宅謹慎中である。

【川村委員長】本人は退職すると言っていないのか。

【法人】最終的に微妙な段階である。

【川村委員長】不祥事に振り回されるのも良くないが、本委員会でも知らなかったわけではないので、来年度に尾をひかないようにしてもらいたい。その他、何かあるか。

【山上委員】総括的評価で、最初の3行が削られているが、ガバナンスについては、本委員会でも以前から何度も指摘し、法人としても改善の努力をしてきたと思う。もう少し違った表現で、ガバナンス強化の努力について記載をしてはどうか。経営審議会、経営方針会議の運営充実を図るとともに理事長、学長、両病院長等の意思疎通の強化に努めていることについて触れ、ガバナンス強化、コンプライアンスについての評価を総括的評価で評価してはどうか。

【川村委員長】山上委員指摘の通り、努力している。

【山上委員】評価事項に、法人としてのガバナンスのいっそうの強化とあるので、これをコンパクトにしてはどうか。

【川村委員長】自己点検評価まで含め、何かあるか。では、これまでの議論を踏まえ、冒頭の全体的評価に戻る。

・事務局より全体的評価の説明をした。

【川村委員長】全体評価の一番最後の部分の表現だが、現在の案だと再発防止策を徹底するという文言がない。報告書を受けて再発防止の確立に全力をあげて取り組むとした方が良いので、手直しをする。それ以外に何かあるか。

【岡本委員】一部、漢字と平仮名が混在している部分がある。あえて変えているのか。確認してもらいたい。

【事務局】字句については、横浜市の文書規則に従い修正する。

【川村委員長】同様の話だが、両病院と2病院という表現も混在しているので、どちらかに統一してほしい。各委員から多くの意見があった。字句の修正は、委員長に一任いただきたい。事務局と整理し、後日最終的に各委員に確認をするが、全体的にはこれで了承したということにしたい。もうひとつの議題に移る。平成24年度財務諸表及び利益処分の承認である。これは、評価結果と同様、あらかじめ評価委員会の意見をとりまとめ、市長へ報告する。財務諸表、剰余金の取り扱いの案については、法人から既に説明があったが、剰余金の取り扱いについて、再度説明がある。

  • 法人より、財務諸表、剰余金について説明した。

【川村委員長】24年度の剰余金は、1,095,306,409円である。説明にあったような形で、教育、研究、診療の質の向上等に使いたいとこういうことだが、何か意見はあるか。特に意見がなければ、事務局より市長へ提出する本委員会の意見書案の説明をする。

  • 事務局が意見書案の説明をした。

【川村委員長】案を整理し、提出する。予定していた議題は以上だが、他に何かあるか。

  • 事務局よりスケジュール確認をした。

【川村委員長】以上をもって第53回横浜市公立大学法人評価委員会を終了する。

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総務局大学調整部大学調整課

電話:045-671-4273

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