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第52回 横浜市公立大学法人評価委員会 会議録

最終更新日 2019年1月11日

【日時】平成25年7月19日(金曜日)14時から16時
【会議室】第一総業ビル4階会議室
【出席者】川村委員長、蟻川委員、岡本委員、山上委員
【欠席者】桐野委員
【開催形態】公開(傍聴者0名)
【議題】

  1. 第50回及び第51回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について
  2. 平成24年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績評価について
  3. その他

【配布資料】
資料1.第50回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)(PDF:217KB)
資料2.第51回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)(PDF:287KB)
資料3.平成24年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画に対する各委員評価一覧(PDF:381KB)
資料4.各委員評価のまとめに向けた総合調整項目(PDF:127KB)

報告

【川村委員長】議事の始めに、法人から発言を求められている。

  • 法人から、「教員の逮捕について」概要を説明した。

【川村委員長】法人から説明があったが、意見はあるか。

【蟻川委員】今回の評価にも絡む部分である。評価書作成時にこの一報があった。人材育成のところで、公募制により、人事を行っているとあり、この教員も公募により着任した准教授ということであった。採用というのは難しいものである。大学院を出てすぐの研究者は、任期制で3年、5年というループでいろいろな所を回っている。機会があれば、公募の採用に応募し、職に就いている。採用の募集をかけると非常に多くの応募があり、一つのポストに200人という応募があったり、平均でも60~70名といった応募は普通である。業績を上げなければ、採用されないため、論文は非常に沢山書いている。採用時には、論文の評価に注目しがちであるが、人物をどう見抜くかが問題である。教育機関であることから、より重要な観点となる。このような問題が起きたわけではないが、私共の大学でも反省点があった。教育面で良かれと思い採用した教員だったが、大勢の中からなぜその教員を選んだのか疑問に思うことがあった。公募での公平な採用とはいうものの、本人について事情を良く知る人から情報をもらうなど、工夫をするべきである。1つのポストであるので、採用はますます慎重にやってもらいたい。

【法人】御指摘のとおりであるが、こういった内容については、出てこないものであった。本学では応募者十数人の中から3名程ピックアップして面接をし、15分程度の模擬講義、研究プログラム等で評価するが、当該教員は非常に良い印象であった。普段は、学生からも信頼を得ていたので、ゼミ生が最初にそのギャップに動揺した。現在は、落ち着いている。学生のケアについても考えている。

【蟻川委員】なかなか見抜けない部分ではある。

【法人】重要な御意見である。二重三重に様々な方面から情報を得て、人事をやらなければ難しいと感じた。

【山上委員】現在、身柄は拘束されているのか。なぜ滋賀県警なのか。

【法人】新聞報道によると、教員がメールのやりとりをしたグループの中で、写真を撮影、掲載し、一番最初に逮捕された米原市役所職員の女性がいる。そこから端を発しているので、滋賀県警になるということである。サイバー犯罪が多くなる中で、滋賀県警が力を入れて捜査している。インターネットの犯罪であるので、何県というのが必ずしも決まらない。

【川村委員長】大変残念な事件である。現在、捜査中で本人も拘留中であるため、これから大学としても様々な調査をされると思う。経過についてはまたご報告いただきたい。

議題1:第50回及び第51回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について

事務局から、資料1「第50回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)」及び資料2「第51回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)」について説明し、承認を得た。

議題2:平成24年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績評価について

【川村委員長】議事2・24年度の業務実績評価だが、各委員には、個別の評価用紙に記入いただいた。これを基に委員会としての評価について審議する。評価結果は、市長がこれを受け、最終的に議会に報告する。例年どおり、8月中には、評価結果を確定する。まず、今後のスケジュールについて確認する。

【事務局】本日の議論を踏まえて、評価書案を作成し、7月29日に委員へ送付する。それに対し8月5日までに意見をいただき、次回8月22日の委員会で評価結果を決定したい。

【川村委員長】資料3及び資料4は評価結果である。事務局からの説明後、意見をいただく。

  • 事務局より資料3「平成24年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画に対する各委員評価一覧」及び資料4「各委員評価のまとめに向けた総合調整項目」の説明をした。

【川村委員長】資料4の法人評価委員会評価欄に評価を入れていく。大項目として1から4まであるが、項目3法人経営と項目4自己点検は、法人の自己評価と各委員の評価が一致している。項目2附属病院の総合的な評価としては全員一致しているが、医療分野、医療人材、安全管理体制の各項目では評価が揃っていない。項目1大学の教育研究に関しては、全体的に微妙に食い違いがある。項目1大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するための取組の部分から議論する。多数決で決めることではないが、5名の委員で3対2となっている。私は、A評価だが、その理由は、今年は教育研究面で大きなことが多かったことを評価した。ただ、それらは計画通り実施したといえばその通りで、B評価なのだが、国際総合科学部の学部再編、生命医科学研究科の設置があり、先端医科学研究センターが竣工した。外部から見ると法人化以降では非常に大きな事柄、変化が多かった年だと思う。すべて計画通りなのでB評価であるということであれば、B評価としても良い。これからの評価書の作り方にも関することだが、こうしたことについてはABCという評価にせず、文章の中で表現するやり方もあると思う。

【蟻川委員】教育は、財政などと異なり数字で表現できるものではないが、計画が毎年A評価になったりB評価になったりするものでもない。積み重ねで芽が出てくるようなものである。昨年度の実績を見た限りでは、継続してきたものが、様々な面で実績が出てきたと感じる。努力と結果に進展があったと評価している。大学では、教育について計画をしても進み方が遅いが、動き出したというのであれば、A評価で良いのではないか。

【川村委員長】全体の総括的な表現の中で、法人にとって大きな年であったということを記述し、法人評価委員会としては、各委員がB評価としているため、総合的な評価について、一旦B評価とする。教育に関する取組の小項目は4項目あるが、法人の自己評価はA評価で委員3名がA評価、2名がB評価としている。

【山上委員】前回の委員会でも自己評価をA評価とした根拠を確認した。確かに一生懸命努力しているのは分かる。国際化については、具体化され進展したと思う。委員長のご指摘のとおり、学部、コース等の体制、教育環境が整い、24年度に具体的に整備され、担当部署からすると、一定の達成感が自己評価に反映されたのではないか。私もやるべきことはやったという印象であり、概ね計画どおりと判断しB評価とした。ただ、志願者の数が年々減っている点が気になった。少子化のため、他大学でも似たような傾向かもしれないが、特に国際総合科学部の志願者が低下傾向となり、24年度は倍率が2倍を割った。学生の質が悪くなってくるのではないか。大学の魅力をこれからどう高めるのかが、大きく問われてくる。また、留年生については200名を超えた。様々な理由があると思うが、学生の定員数からすると多いように思うし、年々増えているのには何か問題があるのではないか。詰めた議論をしたわけではないが、大学でコースの再編成等があり、学生の中に若干混乱もあり、十分教育が意図どおり浸透しなかったのではないか。これらの点から、教育の総合評価をA評価とするのは躊躇せざるを得なかった。学生支援に関する取組のところで、自己評価がA評価という項目がいくつか目立ったが、その取組の中身については、学生支援に関する取組としては当然のこととしてやるべきものであると思う。計画の中では、抽象的な表現で記載されているが、日常的なこととして所管部署が実施、努力していくものではないのか。他の項目との公平性からみて、A評価は甘いのではないかと思う。研究の推進に関する取組について、私はA評価としている。iPS細胞や、生命医科学研究科の設置、文科省からの助成金、外部資金の研究費獲得が最高だったという実績からして、むしろこちらの方がA評価とするべきではないか。学生支援の取組をA評価とするならば、こちらも当然A評価にしなければならない。その意味で、研究の推進に関する取組の方をA評価とした。

【岡本委員】山上委員と同じく、教育に関する取組はB評価、研究の推進に関する取組はA評価とした。A評価とB評価と非常に判断に迷うところである。教育の成果は目に見えにくいということたが、教育に関する取組について、生命医科学研究科が新設され、優秀な学生の育成等、具体的にどういう成果があるのか、形ができただけでA評価として良いのかと考えた。研究の推進に関する取組に関して、一般市民でもわかり易いiPS細胞があるが、相対評価をすべきではないと思うが、私はA評価とした。こだわりはないので、多数決で決めてもらいたい。その辺は文章で記載しても良いのではないか。

【蟻川委員】大学の立場になると、評価したいという気持ちが強い。山上委員の指摘のとおり、志願者数を見ると、倍率が2を割った。合格者を多数出しているということは、定着率が60%とあまり良くない。定着率を上げられれば、合格者数を少なくすることができるので倍率が上がる。いかにしたら定着するのかということが、どこの大学でも課題となっている。これを評価に入れるというと難しい面もある。大学は、志願者数を増やし、質の良い学生を確保するかというのが目的であり、達成できないことには本当の評価はできない。これまでの懸案事項が整備され、体制が少しずつ整ってきたため、今後の成り行きを見ていきたい。段階毎にA評価をし、さらに努力を促せれば良いのではないか。

【岡本委員】1つ確認だが、先ほど留年生が増えているという話があったが、就職活動のため意図的に卒業しないという留年か。

【法人】国際化に絡み留学のために1年遅れるという積極的な留年が増えていることが、ひとつの要因になっている。以前はプラクティカルイングリッシュのために留年するというのがあったが、近年は、9割方留年せずに進級している。留学を1年すると、4年間での卒業が難しくなるが、それでも留学するという積極的な理由での留年が増えている。

【山上委員】留学を要因とする留年は、何名程増えているのか。

【法人】積極的な理由による留年生は100名弱だと思うが、海外での留学、研修、ボランティア等による留年は約70名であり、就職活動を継続したいという学生は約30名である。国際化の進展と非常に相まった状況だと捉えている。海外フィールドワークに300名近くの学生が出ることに伴い、異文化に1週間なり触れた学生は、その後、留年をしてでも、更なる海外生活を体験しようとする傾向がある。公立大学の大きな特徴として、休学した場合に学費が無料となる。経済的な課題を抱えている学生も多いことから、周知するようにしている。休学中の学費がかからないということが、学生間で共有され、あえて休学をして海外へ出るという方向性があるのではないか。

【山上委員】留年の増加は、問題ないということか。他大学もそういう状況なのか。

【法人】他大学に関しては把握していないが、本学では、就職率が96~97%程であるため、就職ができなくて留年をしているということではないと思う。

【蟻川委員】留学中の学費が無料というのは大変良いことだが、私共の大学では、留学中の単位を帰国してから認定する単位の互換制度というものがある。1年間休学せずに、規定どおり4年間の学生生活の中で1年留学ができる。学生にとって非常に魅力であるもので、その間授業料は半額払うが、留年しないで4年間で卒業できるという制度がある。こういうのも一つの方法であると思う。

【法人】単位の互換制度はあるが、制度を利用できる交換留学の相手先がまだ狭い。そこが問題である。

【蟻川委員】確かにぴったりと合う留学先は数少ないが、教養科目や自由選択科目に充てたり、専門科目は帰国してから単位取得する等1年間休学せずに4年間で卒業できるようにするのも検討課題だと思う。

【川村委員長】かつて留学というものは、大学間協定による単位互換制度で単位を取得してくるいわゆる正規留学が中心だったが、近年は、学生の海外経験の仕方が多様化してきている。必ずしも1年間の留学で正規の単位を取得するだけではなく、短期海外派遣というような、交換留学の協定を結んでいない大学へ行くような場合も出てくる。大学として、学生の実態の変化に対応し、積極的に認めていくべきである。全てを単位認定するという話ではないが、互換制度の形をとらなくてはならないという固い対応は取らない方が良いのではないか。国内でも教育ボランティア活動について、単位認定するという議論もある。昔は、そういうことはなく、教育実習での2週間の実習分だけが単位認定されていたが、それ以外にも教育ボランティア等の社会活動も積極的に単位化すべきではないかということで単位化を認める大学も出てきている。学生の学習活動が多様化している実態を踏まえた単位認定の仕方を考えてもらいたい。

【法人】本学では、2年次から4年次までゼミが必修となっているため、これがネックになっている。その辺りのシステムを変えなければいけない。卒論まで続くため、そこにウエイトがかかってくるという点が問題である。委員長ご指摘のとおり、多様化しているため、今後検討したい。

【川村委員長】外部から、大学の秋入学や、4学期制といった話が出てくる。学生の立場になって工夫することで、4年で卒業できるのではないかという発想になる。

【川村委員長】様々な意見があったが、教育に関する取り組みについては、A評価とし、2名の委員からの指摘については、文章の中で表現する。続いて研究の推進について議論するが、A評価かB評価で悩ましいところである。

【蟻川委員】確かにiPS細胞、先端医療、生命医科学の分野は非常に注目を集めているが、他の研究はどうなっているのか、研究の全体像が見えてこない。生物、化学、物質から生命ナノシステム、今は生命医科学が一番出ているが、物質的なものの研究は、今はされていないのか。医学関係で言えばiPSとか一部のものが非常に脚光を浴びているが、科研費を多く獲得しているので、研究は進んでいると思うが、法人評価の中であまりでてこないので、大学全体としての他の研究はどのようになっているのか。

【法人】生命ナノシステム科学研究科の中に、物理・化学・生物の3系統の教員がおり、物理と化学系の教員からなる物質システム科学専攻と、生命系の教員からなる生命環境システム専攻からなっている。自然科学の発展により、分子原子レベルによる生命系の解明という領域に入ってきている。したがって、先端医科学も化学系、物理系の担う部分が多くあり、本学の売りである医学系に繋がる領域もある。特に物質系、活躍している分野は計算化学の立川先生で、高い評価を受けている。あとはナノ物質生成・応用がある。各キャンパスで外部資金を獲得しているが、鶴見の生体超分子の十数億と比べれば一桁変わる。研究費はそれぞれ着実に獲得している。自然科学の研究が物質系から生命系の方に潮流がいっているため目立たなくなってきているということは確かだが、健闘している。文系の方も、学術的な研究というよりはフィールドワークの部分で、地域街づくり、地方行政政策に関わっているが、その辺はまだ資金獲得ができていないため科研費を獲得するのが難しい。理系の方は、高大院一貫という教育プログラムが採択されたが、なかなか科研費を獲得するのが難しいところである。

【川村委員長】科研費は、総額でいえば最高額ではあるが、受託研究、奨学寄附金が減っている方が、気になる。

【法人】景気の低迷による企業の問題が大きい。企業が絞り込んでいるため、共同研究、受託研究等が、減っているのは確かである。以前はある程度ハードルが低かったが、現在は資金面の問題がある。

【川村委員長】企業の絞り込みついては理解できるのだが、地域との連携を考えると、実践的なものを主体的に大学として取り入れるという努力が必要ではないか。科研費は、基礎研究的なことが多いため大学の研究だということになろうが、地域と密着した研究のあり方というのも大切だと思う。

【法人】法人化後、すぐに取り組み始め、物質系等については、IHI、東芝、ニッパツ等と包括協定を結び共同研究を進めたが、何年か経過し、一区切りしてしまっている。委員長が指摘されたのは、今の地域貢献は、ソフトな面でトータルなスマートグリッド等、その辺りを大学がどう係われるかというようなところになるかと思う。社会科学については開発中であり、昨日も文部科学省のCOCプログラムのヒアリングに横浜市の理事にも協力していただき、対応した。市との連携が一番重要とのコメントがあり、ヒアリングを終えてきた所だが、これまでとは違った形で、市との政策や社会学的なところで連携ができればと思う。

【川村委員長】COCの申請については、非常に結構なことだと思う。市大の立ち位置を考えると、世界第一級のiPS細胞の研究も良いが、やはり大学全体としては、地域との関連が深いより実践的な研究を数多くすることで、市民からの視点で親しみやすくなるのではないか。

【法人】受託研究、奨学寄附金、共同研究費という点で、年度によって、企業の都合で変動する部分もあるが、法人化直後や、4年前から比べるといずれも上がってきている。

【山上委員】A評価としたが、いくつかポイントがあった。1つは外部研究費が過去最高だったこと。23年度も36億円程で、過去最高だったと思う。その時に委員会で評価され、これが大きなポイントとなり、A評価となった。それをさらに超え、文科省の事業でNMR装置の補助金を獲得したことを考えると、23年よりも評価されて良いのではないか。加えてiPS細胞の研究も世界からも注目されている。ライフイノベーションに関連して成果が上がった。横浜市が推進する16のプロジェクトのうち7つが共同研究をし、新しい動きとして評価されて良いのではないか。研究の成果を地域に還元する地域貢献についても一段と努力をし、成果が上がってきていることを考えても評価されるべきである。医療関係でも医師の派遣等、地域貢献をしているため、A評価で良いのではないか。蟻川委員も指摘のとおり、学術院が様々なユニットを作り研究を行うなどの全体的に幅広く研究が粛々と進んでいるという感じは見えないが、研究というのは、成果を上げるには得意分野でテーマを絞りスポット的にいかざるを得ないところもあると思う。地域貢献センターも、地味な活動ではあるが、市大らしい良い活動をしていると思い、これらを総合してA評価とした。

【川村委員長】私は受託研究の箇所がひっかかった。先端研の竣工や、iPSは着目すべきところである。B評価としたが、A評価かB評価かで迷った。山上委員指摘のとおり、昨年の36億円の時も非常に迷った。

【蟻川委員】お聞きして分かったが、全体としても非常に良い取り組みができている。A評価にしても良いのではないか

【川村委員長】適切なご意見をいただいた。研究の推進は、A評価とする。教育研究の実施体制は、項目が少ない部分ではあるが、A評価が1名、B評価が4名である。A評価としたのは私だが、学術院の活動ぶりが理由である。学術院は、第1期では研究院であったが、第2期に学術院へ変わった。今までの活動を見ていると、どうしても研究活動を中心に様々なプロジェクトを実施していたように思うが、ようやく情報教育、キャリア形成支援等、大学横断的な教育問題にも正面から立ち向かって活動が広がってきたように思う。学術院という組織替えをした成果が出てきたのではないか。学術院の構想は当初からそうだと言われれば、それで良いが、私はあえてA評価とした。他の委員がB評価であるので、B評価とする。

【山上委員】ホームページを見たが、ユニットの数が割合少ない。学術院ができてまだ何年も経っていないため、仕方ないのか。テーマが多数あれば当然ユニットの数は増えてくるが、そういう意味では、本格的になってくるのはこれからか。

【法人】以前ユニットとして実施していたものを全学的な委員会等へ切り替えている。現在のユニットには全学的な展開に至らない前段階のものがある。

【山上委員】キャリア支援等が、成果として出ているが、生命医科学もそうである。ぼちぼち成果が出てきているが、まだ本格的な話にはなっていない。

【川村委員長】学術院にはこれからさらに発展してもらいたい。キャリア形成については、他の公立大学でも大変な取組をしている。COCの話が出てきているが、公立大学にとって地域との連携の中で、いかに学生を地域社会の中で活動させることができるかが課題である。このようなプロジェクトを実施することは、大変良いことだ。ここはB評価とする。次に、項目2附属2病院(附属病院及び附属市民総合医療センター)に関する目標を達成するための取組についてであるが、総合的な評価としては、B評価となっている。中項目1医療分野・医療提供等に関する取組ではA評価が4名、自己評価はB評価となっている。

【山上委員】自己評価がB評価であることに前回の委員会で疑問に思った。謙虚といえば謙虚であるが、もともとフル回転で取り組んでいる分野であるので、その延長だということなのかもしれない。実際に計画以外のものについても取り組んでいるのになぜB評価なのか。現実に結果として医療収益が上がっている。救急病床等、体制を整えてフルに動き出した。平成23年度は附属病院では施設整備や看護師の手当等の経費が先行し、赤字となったが、その効果が24年度の収益改善につながった。従って24年度こそ評価されて良いのではないか。他の委員もA評価が多い。

【岡本委員】B評価としたが、劣っていると考えてB評価にした訳ではない。計画通りという点でB評価としたが、A評価にすることについて異議はない。

【川村委員長】紹介率、逆紹介率が高いというのも予定通りといえば予定通りだが、努力したと思う。他の委員もA評価であるため、A評価とする。次の2-2医療人材の育成等に関する取組だが、B評価が4名、A評価が1名である。これについては、どうか。

【山上委員】桐野委員がご専門の立場から、前回の委員会では高く評価されていた項目である。特に臨床研修医の育成の部分で、トレーニングセンター、臨床教育研修センターの設置、研修医の研修体制を整え、成果としてプログラムが100%充足された。これも計画通りと言えば計画通りだが、23年度は定員割れで指摘事項となったところであり、24年度は研修医の受け入れ態勢を整え、成果が出たので、A評価で良いのではないか。

【川村委員長】これまでの審議でもマッチング率100%は、評価されるべきことということだったが、私は迷ってB評価とした。センター病院で病棟実習が始まったということだが、逆にいうとなぜ今までセンター病院で実施していなかったのか。入学定員60名の時代は附属病院で実施するという体制であったが、その後段階的に定員が増えたのだから、もっと早い時期からセンター病院を活用するべきではなかったのか。医師の養成にまで、附属病院とセンター病院の役割分担があるのか。計画通り病棟実習が順調に開始されたということでB評価とした。この部分では専門家が不在のため、これは預からせてもらい、後日事務局の方で個別に桐野委員に意見を聞くということでどうか。2-3医療安全管理体制であるが、ここは大きく分かれており、A評価が1名、B評価が3名、C評価が1名である。

【岡本委員】A評価としたが、ここは、安全管理に重きを置くのか、管理体制、運営に重きを置くのかによる。月次決算、分析の取組を評価し、A評価とした。前回の委員会で、医療事故を今回の審議に入れるのかどうか、うやむやで終っていたが、私は入れなかった。今回入れるとしたらA評価をつけるのは、問題である。

【川村委員長】私は、C評価とした。病院の運営では、収益も上がり努力している。A評価でも良いと思うが、医療事故をどの時点で評価するのかである。今回評価しなければ、来年度の評価になる。前回の説明で、経緯を聞く限りでは突発的な事故ではない。酢酸の不適切な取扱がある期間続いていた結果が、24年度に出てきたのではないか。そうだとすると、評価としては、24年度評価にするのが、適当ではないか。事故としては、非常に大きな事故だったと思う。経営面での改善の努力が評価されないことになるが、止むを得ないのではないか。

【山上委員】私は医療事故について平成25年度に入って発生したものであるが、評価に加味し、項目としてはB評価とした。病院運営全体は体制が整い収益も上がり良い結果が出た。一方で安全面については、25年度に入ってからとは言え、極めて重大な事故が発生しており、評価の面でマイナスに考慮せざるを得ない。しかし、その一点で全体をC評価にするのはどうか。24年度に限れば即時公表の医療事故は発生0件であった。安全面でもそれなりに努力したという印象があったが、今回の医療事故をもって、これまでの努力を否定し、C評価にしてしまうのはいかがかと思う。しかも、この項目は病院経営も加味した幅広いものであり、医療事故については、文章の中で厳しく反省を求めることを表現し、項目としてはB評価で良いのではないか。

【川村委員】附属2病院について、以前にもC評価があったと思う。麻酔科の医師と看護師が麻薬の不適切な取り扱いをしたのは何年度だったか。

【法人】22年度である。

【川村委員長】あの時はC評価だったと思うが、患者が亡くなったわけではない。

【事務局】以前の評価区分ではあるが、法人の経営に関する目標を達成するための取組については、全体がC評価、中項目の業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するための取組がC評価であった。

【川村委員長】以前の問題は医師の行動についてであったため、ガバナンスとコンプライアンスの話であった。今回は、患者が亡くなったということが、安全管理の面での問題である。他に意見はあるか。特に無ければ、C評価は1名のため、一応B評価とする。桐野委員にも意見を伺う。患者の命を奪うということは、あってはならないことである。桐野委員の意見と調整し、最終的に各委員の判断をいただく。項目3法人の経営以下の部分は、B評価で委員の意見が一致している。事務局から再度評価の確認をする。

  • 事務局が法人評価委員会評価の確認をした。

【川村委員長】事務局が、気にしていることは項目1の総合評価の取扱いか。

【事務局】項目1の中項目3項目中、2項目がA評価であるのに総合がB評価となっている。このB評価は、1-3に引きずられたように見えるが、これで良いか。

【山上委員】特段こだわりはない。

【蟻川委員】1と2は、教育に関する基本的なところであるためウエイト的に大きい。その2項目がA評価であるということは、項目1全体をA評価にしても良いのではないか。

【岡本委員】総合評価がB評価であったのは、1-1をA評価とした委員は、1-2をB評価とし、個々に見ると総合でB評価になる。意見を交わし1、2共にA評価としたので、総合では、A評価で良いのではないか。

【川村委員長】御指摘のとおり、項目1はB評価ではなく、A評価と修正する。項目2附属病院については、桐野委員の意見を伺い、次回最終判断をすることにする。各項目について、整理をしてきたが、評価書とすると、文章表現の部分が多くなってくるため、書くべきことや表現等についてご意見があれば伺いたい。資料3、17頁の総合的な評価コメントで触れられていることには、各項目に書ききれないことがあると思う。評価の文章表現中に盛り込むことについて、意見があるか。

【山上委員】一番下の欄が私のコメントだが、少子化の問題は、大学に共通した問題である。市大も対策をとっていると思うが、志願者が減ってきているという現実があり、合格率が落ちてくるということは、大学にとって大きな課題だと思う。これを大学としてどう受け止め、どう魅力を高めていくのか問題意識を持っていると思うが、そのことに触れておいた方が良いのではないか。准教授逮捕の件だが、これも25年度に入ってからの問題であるが、社会的な信頼を大きく損なうこととなった。この事態をどう回復していくのか。大学の教員が逮捕されれば、学生の間で動揺が広がり、来年の志願者に対し、父兄も含めて大きな影響が出る。逮捕後の処分が軽く大きな問題にならないかもしれないが、事件の経過次第では大きなダメージになるのではないか。今の段階でははっきり分からないが、何らかの形で触れておかざるを得ないと思う。

【川村委員長】准教授の方は、24年度の評価で言っては具合が悪いのではないか。まだ先き行きが分からない。

【山上委員】実際に事件が起きてしまっている。

【川村委員長】選考したのは、2年前ということだが。

【法人】採用選考は21年である。

【川村委員長】今年起こった事件について、評価委員会が何も指摘せず、来年言及するのでは、社会的には間の抜けた話になる。

【事務局】逮捕されたが、送検等、確実に容疑が確定しているわけでない。事件の進捗を見て、評価書の内容を相談するというのではどうか。

【川村委員長】その辺の進展をみながら、最終的に8月22日の委員会で検討する。志願率の低下については、大きく言えば日本の大学全体の問題でもある。

【法人】入試形態の科目数を5教科7科目にした影響が出ている。

【川村委員長】3教科から5教科になると大きく変化する。事前に告知していたのか。

【法人】2年前から告知していたが、3教科3科目型、5教科7科目型の両方を併用し、募集人員も、5教科7科目型の方を2倍程度の人数とした。志願者数にしてみれば、3教科3科目型の方が多い。

【川村委員長】定員を分けたということか。

【法人】私立型3教科3科目型から国公立型5教科7科目型に移行したということになる。3教科型の募集人員を無くすことは難しいため一定の人数を残しつつ、今後は、幅広く学んだ学生を獲得していきたいという大学の方向性に基づき、入試結果を踏まえたうえで、5教科7科目型への移行を検討していくという状況にある。実際にこれまでも3教科型であっても、5教科7科目型の受験生というのは、センター試験の結果で確認できるが、歩留まりが高いということが分かっている。本学を第一志望とする学生の獲得に努めていきたい。看護学科の歩留まりは非常に高かったため、定員超えという状況になっている。人数も重要だが、優秀な受験生を獲得するため、入試の転換を試みている状況である。

【川村委員長】人数には響いてくるのか。

【法人】今年は見込まれていた想定の範囲であった。志願者のレベルが下がっているわけではない。

【川村委員長】他になにかあるか。特に意見がなければ、ただ今の意見、桐野委員の意見も踏まえて事務局で整理し、評価の原案を作成する。

予定していた議題は以上である。以上をもって第52回横浜市公立大学法人評価委員会を終了する。

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