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I 栄区の現状と課題

最終更新日 2019年2月1日

栄区は、横浜市の南部に位置し、東は金沢区、磯子区、北は港南区、西は戸塚区、南は鎌倉市に接しています。市の中心部までは12km程の距離で、区の玄関口である本郷台駅、大船駅から横浜駅まで、東海道線または根岸線を利用して所要時間20~30分、東京駅まではおよそ40km・約50分と、首都圏の通勤圏にあります。また、鎌倉、江ノ島、逗子等に近接しており、横須賀線や湘南モノレール、横浜横須賀道路などを利用して、気軽にリゾート地帯に出かけることができます。

しかしながら、住宅地の大部分では最寄り駅までバスを利用する必要があり、道路渋滞によって駅まで著しく時間がかかるなど、実際の距離以上に遠く感じられることもあります。

地形については、区の中央を東西に流れるいたち川と西部を北から南へ流れる柏尾川沿いに低地が形成され、丘陵がその周囲を取り囲む、起伏に富んだ地形となっています。

東西の長さ約7km、南北の長さ約6kmで、面積は約18.55km2(18区中15番目)となっています。

本郷台駅を中心とした距離圏(画像:26KB)
図I-1本郷台駅を中心とした距離圏


栄区の地形(画像:58KB)
図I-2栄区の地形


栄区の歴史は、縄文時代の土器が発見された松ケ丘遺跡(笠間5丁目)や弥生時代の住居跡が発見された笠間中央公園に見られるように、遠い昔にまで遡ることができます。特に鎌倉時代には鎌倉幕府との結びつきが強く、いたち川流域の豊かな田園が食糧生産を担うとともに、東北地方に対する軍事政策の上で重要な役割を果たしていたと考えられています。

明治・大正時代までは、平地部のほとんどが田畑で、山裾や谷戸に集落がある程度でしたが、横須賀に軍港があった関係で明治22年に横須賀線が開通し、分岐点として大船駅が開設されました。

昭和期に入り、昭和13年に小菅ケ谷に第一海軍燃料廠が設置されると、付近には軍関連施設が次々と設けられ、昭和18年には軍用道路として六浦から笠間十字路まで原宿六浦線(現在の環状4号線)が開通しました。

また、この頃から柏尾川沿いに大規模工場の進出が相次ぎ、川沿いの水田地帯は工業地帯へと変わっていきました。

戦後、第一海軍燃料廠等の施設は、大部分がアメリカ軍に接収され大船PX(倉庫地区)となりました。接収地は本郷地区の中心であったため、地域の発展の大きな障害となっていましたが、昭和40年から接収解除・払い下げが実現し、公共施設、学校、中高層住宅などの集積地に生まれかわるとともに、昭和48年の根岸線全線開通に伴って本郷台駅が開設され、地域の拠点となりました。

また、昭和30年代後半から50年代前半にかけては、丘陵部において大規模な宅地開発が行われ、谷戸が連なる里山は戸建てを中心とした住宅街に大きく変貌しました。

こうした大規模開発により人口が急増したことから、地域により身近な行政を推進するため、昭和61年11月3日、戸塚区からの分区によって、栄区が誕生しました。

大規模開発の動向(画像:63KB)
図I-3大規模開発の動向


[2]区の現状と課題

栄区の人口は、123,429人で、18区中では西区に次いで2番目に少ない数値です(全市人口3,561,897人)。平成5年をピークに減少が続いていましたが、マンション開発に伴い、平成14年から緩やかな増加に転じています。

区内の人口分布を見ると、丘陵部の開発住宅地に一定の人口がまとまっているとともに、本郷台駅周辺等の大規模な集合住宅が立地しているところには人口が集中しています。また、柏尾川西側は大規模工場及び農業地域となっていることから、人口密度が低く、区の南東部は緑地やゴルフ場等になっているため、人口は非常に少ない状況です。

町別に平成13年~15年を比較すると、開発住宅地の人口が軒並み減少しているなかで、マンション開発が進んだ飯島町、鍛冶ケ谷二丁目で1,000人以上の増加が見られました。

区民の平均年齢は42.5歳であり、18区中5番目に高くなっています(全市41.1歳)。65歳以上の老年人口割合は16.9%となっており、ここ数年急激に増加し、全市平均を上回りました(全市15.8%)。一方、15歳未満の年少人口の割合は平成2年から平成15年の14年間で5.6ポイント減少しています(栄区18.2%→12.6%、全市17.1%→13.7%)。

また、高齢者の単身世帯及び夫婦世帯数は、5,791世帯(栄区計43,331世帯:平成12年10月1日国勢調査による)と、区全体に占める割合は13.4%であり、10年前の平成2年調査(2,431世帯・6.0%)に比べ2倍以上の数値を示しています。

これらは、昭和40~50年代に移り住んできた定住層が高齢化するとともに、その子どもたちは他区や他都市へ流出し、出生数の低下等がおこったためと考えられます。

町別に見ると、本郷台、桂台、庄戸周辺では高齢化率が区の平均以上であるとともに、年少人口割合が10%以下であり、他地区に比べ少子高齢化の傾向が顕著に表れています。

町別人口分布(画像:85KB)
図I-4町別人口分布


町別人口増減(画像:47KB)
図I-5町別人口増減


町別高齢者・若年者人口割合(画像:48KB)
図I-6町別高齢者・若年者人口割合


栄区では、平成16年4月1日現在、総面積約1,854haのうち市街化区域が1,301ha、市街化調整区域が553haとなっており、市街化区域のうち88.9%を住居系用途地域が占め、大半は戸建て住宅地となっています。

丘陵部の開発住宅地においては、建築協定地区計画等により、住環境の保全策が講じられている地区も多くありますが、少子高齢化が進んでいることから、2世帯住宅への変更や、商店などの生活利便施設の立地を容認するなど、住み続けられるまちを目指した柔軟な運用が求められています。

低地部は、狭い区画と細い街路の入り組んだ木造住宅密集地や、幹線道路沿いに商住が混在した市街地となっており、住宅地内道路の整備やオープンスペースの確保など、住環境及び防災性の向上が課題となっています。

区西部の田谷町・金井町周辺、区南部の公田町周辺にはまとまった農地があり、農業を取り巻く状況の変化にあわせた都市農業の振興や区民との連携が課題となっています。

都市計画道路桂町戸塚遠藤線、横浜鎌倉線(鎌倉街道)注1、環状4号線(原宿六浦線)注2の沿道では、道路整備の進ちょくに伴い、商業系施設や集合住宅が増加しています。また、横浜環状南線・横浜湘南道路沿道のまちづくりについては、これらの事業進ちょくと併せて進める必要があり、工場用地、緑地、農地など、それぞれの土地の特性にあわせて多角的に検討していくことが求められています。

本郷台駅周辺は、様々な公共公益施設や商業施設等が集中し、区民生活の拠点となっていますが、より求心力を高めるために、魅力ある区心としてのあるべき姿が求められています。

注1横浜鎌倉線(鎌倉街道)
鎌倉街道という名称が一般的ですが、以降本文中では都市計画道路名称である「横浜鎌倉線」で統一します。
注2環状4号線(原宿六浦線)
原宿六浦線とも呼ばれていますが、以降、本文中では都市計画道路名称である「環状4号線」で統一します。

土地利用現況図(画像:114KB)
図I-7土地利用現況図


栄区の緑被率は41.7%(全市31.2%・平成13年9月現在)と高く、全体的に緑豊かな環境となっています。なかでも区東部は、大規模で良好な自然が残り、横浜市の緑の七大拠点のひとつに数えられています。都市公園の面積は、区の面積の2.86%(平成16年3月31日現在)です。緑地の大部分は民有地ですが、一部は、市民の森緑地保全地区に指定されるなど、緑地保全施策がとられています。

区内の緑地は昭和30年代後半から50年代前半にかけての大規模開発により急減し、その後は微減となっていましたが、近年、斜面地でのマンション建設や市街化調整区域における墓地造成等が進み、残されていた緑の減少が加速しています。豊かな自然を将来にわたって保全していくためには、既存の保全施策の活用を進めるとともに、新たな緑の保全の枠組みを検討する必要があります。

区の中央を東西に流れるいたち川は、ふるさとの川整備事業の対象に指定され、自然環境に配慮した河川改修が行われるとともに、プロムナードが整備されて、栄区のシンボルリバーとして区民の憩いの場となっています。下流域についてほぼ改修が完了しており、現在、区東部にかけて事業が進められています。

緑と水の現況(画像:81KB)
図I-8緑と水の現況


栄区の都市計画道路の整備率は31.2%(自動車専用道路を除く・全市59.8%・平成15年4月1日現在)と18区中最低となっており、骨格的な道路網の整備が急務となっています。

特に環状4号線については、幹線道路であるとともに、丘陵部の住宅地から鉄道駅を結ぶ主要ルートとなっており、さらに横浜鎌倉線と一部区間で重複することから、慢性的に交通渋滞が発生し、早期の拡幅整備が必要となっています。

また、自動車専用道路である横浜環状南線や横浜湘南道路は、栄区をはじめ横浜市南部地域における骨格的な道路として、また、首都圏の広域的なネットワークを形成する道路として、整備を進めていく必要があります。

区民の最も身近な移動手段であるバス交通については、鉄道駅やバス停から離れた地域の交通利便性の改善とともに、高齢化社会に対応するため、小型バス等による住宅地域への新路線導入や、バス路線全体の再編が検討課題となっています。

幹線道路・地区幹線道路の整備状況(画像:72KB)
図I-9幹線道路・地区幹線道路の整備状況


鉄道駅とバス停からの徒歩圏(画像:72KB)
図I-10鉄道駅とバス停からの徒歩圏


栄区では、地縁的団体である自治会・町内会が地域コミュニティの核になっているとともに、それぞれの状況や関心に応じた様々なテーマごとに多くのグループが活動をしています。高齢社会にいち早く対応し、各福祉施設を拠点として配食サービスや移送サービスが行われるなど福祉活動が盛んであると同時に、生涯学習活動も全区的に行われ、特にスポーツ、音楽などの体育・文化系の市民団体が多いのが特徴となっています。

このように区民の活動が活発な一方、区西部方面など一部の地域においては、市民活動・福祉活動を行う拠点が不足している状況があります。

これらの現状をふまえ、既存施設の有効活用や公有地の複合的な利用などによる、施設整備を進めることが必要となっています。

公共公益施設の分布(画像:45KB)
図I-11公共公益施設の分布


地図の凡例解説

いたち川、柏尾川流域一帯の標高が低い地域は、かつて、頻繁に洪水に悩まされていました。近年では、河川改修が進んでいますが、継続的な浸水対策が必要となっています。

また、区の大半は、宅地造成が始まる前は丘陵地帯であったことから、現在も住宅地の周辺部に斜面緑地が残っています。これらのなかには、急傾斜地崩壊危険区域及び斜面崩壊予測箇所があるため、順次、災害防止処置の事業実施や対応が必要であると考えられます。

震災対策については、「横浜市地震マップ(平成13年8月公表)」によると、南関東地震が発生した場合、区のほぼ全域が震度6以上となることが予想されており、建物の耐震化や不燃化を早急に進めるとともに、繰り返し防災訓練等を実施していく必要があります。

広域避難場所、震災時避難場所、緊急給水栓設置場所については、各地域に万遍なく分布し、区全体で概ね充足していると考えられますが、災害時の医療救急活動や生活物資の緊急輸送路となる幹線道路等の道路基盤整備が急務となっています。

また、地域防災拠点については、災害時の運営状況の把握や市民の避難生活・防災拠点活動支援のため、防災行政用無線による情報受伝達機能の強化が必要です。

洪水予測・斜面崩壊予測箇所の分布(画像:85KB)
図I-12洪水予測・斜面崩壊予測箇所の分布


栄区の地震マップ(画像:112KB)
図I-13栄区の地震マップ


現在、横浜鎌倉線をはじめとする都市計画道路の整備に伴い、沿道型商業施設や集合住宅の建設が進んでいます。

また、斜面緑地の開発や工場の移転などにより土地利用が転換され、景観が大きく変化していくことが予想されます。

こうした宅地の高度利用や土地利用転換の際には、周辺環境との調和を考慮した土地利用及び景観づくりに向けて誘導を行う必要があります。特に、横浜環状南線の整備にあたっては、地下を通る区間の上部の有効利用や周辺と調和した良好な景観の形成が課題となっています。

このほか、区全域において美しい街並みや良好な住環境を維持、形成していくためには、住宅地においても、生垣等による緑化の推進や壁面後退など、地域の特性に合った取り組みが必要となっています。

建築協定・地区計画の分布(画像:44KB)
図I-14建築協定・地区計画の分布


栄区には、古代の遺跡や中世からの歴史を持つ寺社が分布しています。上郷町にある證菩提寺(しょうぼだいじ)の国指定文化財の仏像や、本郷ふじやま公園内の市指定文化財の旧小岩井家住宅主屋及び長屋門など、貴重な歴史的文化遺産が存在し、この他に、いくつかの寺社や石橋等の土木遺構も分布しています。

年中行事についても、昔から受け継がれているサイト焼き(ドンド焼き)が今も行われ、お囃子和太鼓を継承する活動なども行われています。

このように、古くから伝わる歴史・文化などを伝承していく取り組みは、地域コミュニティを形成するうえでも重要な要素であるといえます。

今後は、こうした活動を推進するとともに、公共施設や文化施設、歴史的文化資産(寺社や古民家等)について、市民活動、福祉活動団体や地域コミュニティと連携した事業展開を検討していく必要があります。

歴史・文化資源の分布(画像:38KB)
図I-15歴史・文化資源の分布


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栄区総務部区政推進課

電話:045-894-8161

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ファクス:045-894-9127

メールアドレス:sa-kusei@city.yokohama.jp

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