IV　まちづくりのすすめ方

栄区のまちづくりは、今後、この方針に基づいて都市計画や個別の事業計画など具体的な計画が定められ、実施されていくことになります。

しかしながら、具体的なまちづくりの施策、事業を推進していくためには、その実行主体を明確にし、区民、事業者、行政との間で情報交換や連携をはかりながら、それぞれの役割を果たすことが大切です。

ここでは、それぞれの役割分担と、連携・協力のあり方、この方針の将来的な運用の考え方についてまとめます。

まちの主役は、地域に住む区民一人ひとりです。そのため、まちづくりにあたっては、「自分たちの住むまちを自分たちの手でより良くしていく」という意識と、自発的な行動が大切です。

日頃から自分たちのまちに関心を持ち、区民同士で呼びかけて交流及び連携の体制を創りあげ、様々な制度を活用して、行政や事業者が行うまちづくりに提案を行うとともに、地域における様々な課題について、住民同士で合意形成をはかり、地域相互のルールづくりを行うなど、区民が自主的なまちづくり活動を展開していくことが期待されます。

区内で事業を展開する企業、商店などの事業者も、栄区の重要な担い手であり、まちづくりへ積極的に参加してもらう必要があります。

本方針に基づく具体的な事業が実現されるためには、こうした事業者との連携・協力が不可欠であり、特に、具体的な事業を進めるうえでの資金、人材、情報、ノウハウなど、多くの面で、事業者が持っている力を活用し、まちづくりに貢献していくことが期待されます。

まちづくりに関する行政の主な役割は、
１）　公共施設などの整備
２）　都市計画法などの法制度による規制・誘導
３）　自発的なまちづくり活動への支援・調整
４）　まちづくりの情報公開・提供
などがあります。

市民ニーズや地域の課題が多様化する中で、公的なサービスをすべて行政が提供し、また課題を解決していくことには限界があることから、今後は、民間活力を積極的に活用し、区民や事業者との協力、協働による事業手法を進めていきます。そのため、地域の行政機関である区役所への権限委譲、機能強化を進め、地域の個性を生かした対応をはかります。

区役所は、区民にとって最も身近な行政機関であり、地域の情報が多く寄せられるところです。様々なまちづくりの事業は、横浜市の各局をはじめとして、国や県など多くの事業主体によって進められていますが、区役所は地域を総合的な視点でとらえ、行政と区民とのコーディネート役となって区民との協働によるまちづくりを進めていきます。

１）区民や事業者が行うまちづくり活動の支援

区民が主体となるまちづくり活動や、本方針を踏まえた事業者の具体的な事業等に対して、コーディネーターの派遣や助成などの支援を行うとともに、連携・協力のための調整などを行います。

２）地域情報の把握

地域のニーズに応じたまちづくりを進めていくため、地域の課題や地域住民の意向、さらに地域活動の状況をきめ細かに把握し、その情報を区民と共有し、いつでも活用できる体制づくりを進めます。

３）区民との協働

区民とともに、地域の資源を生かしながら、きめ細かなまちづくりに取り組みます。

４）各種事業の調整

区民の意見や地域の状況などに配慮しながら、各種事業の調整を行います。

栄区プランは、まちづくりの目標と方針を掲げています。

これを実現していくためには、方針の中であげている具体的な取り組み等について、随時、区民、事業者、行政の協働をはかりながら進めていく必要があります。

特定の地区において、栄区プランに基づいてまちづくり事業の具体化をはかる段階で、まちづくりの方針をより詳細に示す必要がある場合には、「地区プラン」を策定します。

策定にあたっては、できるだけ地域の実態に即したものとするため、地域の意見、提案を伺うなど、積極的な住民参加を進めます。

栄区プランは、おおむね20年後を想定した方針となっていますが、今後の社会情勢の変化や技術の革新、それによる生活形態や意識の変化などによって、現実との大きなギャップが生じた場合は、プランの更新を行います。

また、まちづくりを進めるなかで、策定時に想定されなかった事態が生じ、新たな方針を必要とする場合については、部分的な見直しを行い、より一層の充実をはかります。