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横浜市繁殖センターの飼育鳥類1

最終更新日 2019年2月28日

カグー・カンムリシロムク・オオミカドバトの紹介

繁殖センターで飼育しているカグーカンムリシロムクオオミカドバトを紹介します。

<学名> Rhynochetos jubatus

カグーの写真

カグーは、分類学上ジャノメドリ目に属しますが、1属1種で、近縁な鳥は現存しません。南太平洋の島、ニューカレドニアのグランドテール島にだけ棲む固有種です。
全長約55cm、体重は約1000gで、ほぼ全身が明るい灰色の羽で覆われています。風切羽と初列大雨覆に黒い翼帯があり、風切羽の中央部には褐色斑があります。頭部には長い冠羽があり、ディスプレイの際などに用いられます。光彩は赤く、嘴と脚は橙赤色をしています。
雌雄同羽色で大きさにも差違はなく、外見的に雌雄を見分けることは困難です。ただし、カグーは雌雄が大声で鳴き交わす時があり、雄の鳴き声には雌にはないフレーズがあるので、この声を聞けば雌雄を判別することが可能です。

翼を広げるカグーの写真

カグーは鬱蒼とした湿潤な森林地帯を好み、ペアごとになわばりを形成しています。昼間は臨床部を歩き回ってミミズやカタツムリなどの小動物類を食べ、夜は低い木の枝などに止まって眠ります。飛翔力はほとんどありません。
野生のカグーは主に6月から12月にかけて産卵期を迎えます。地上に落ち葉を積み上げたような巣を作り、その上にひとつだけ卵を産みます。卵には茶褐色に黒や褐色の斑があり、落ち葉と見分けがつきにくい保護色になっています。抱卵は雌雄が交代で行い、およそ33日間で孵化します。生まれた雛は焦げ茶色の羽毛で覆われ、立って歩くことも可能ですが、数日間は巣にとどまり、親鳥からの給餌を受けて成長します。

冠羽を立てるカグーの写真

かつてカグーは島全体に分布していたようですが、1853年にニューカレドニアの植民地化が始まり、ニッケル採掘のための森林伐採やヨーロッパ人によって移入されたイヌ、ネコ、ブタ、ネズミ等による生態系の攪乱が原因で生息数は激減し、一時は100羽程度にまで減少してしまったとも言われています。そこでニューカレドニア鳥類協会とニューカレドニアを統治する3つの州政府のうち、南部州政府は、1977年から本格的な保護活動を開始しました。その成果が上がって、現在保護区となっているリビエール・ブルー州立公園内におよそ600羽、ニューカレドニア島全体では推定1,000羽にまで回復しました。

横浜市の動物園では、1989年にニューカレドニア南部州政府より1ペアのカグーが寄贈されたのをきっかけに、飼育下繁殖に取り組み、成果を上げてきました。その後、1997年にドイツのヴァルスローデ鳥類園とアメリカのサンディエゴ動物園へも輸出され、本格的に生息域外保全への取り組みが開始されました。
日本国内では、現在、横浜市立野毛山動物園(外部サイト)と横浜市繁殖センターでしか飼育されていません。

<学名> Leucopsar rothschildi

カンムリシロムクの写真

カンムリシロムクは、インドネシアのバリ島固有のムクドリで、全長が約25cm、体重が約 120gと、ムクドリの仲間としては比較的大型です。
成鳥の体羽は白く、初列風切羽の先端部と尾羽の先端部のみ黒くなっています。南方系のムクドリによく見られる目の周囲の皮膚の裸出部は、鮮やかなコバルトブルー色をしています。雌雄同羽色で、外見上雌雄を見分けるのは比較的困難ですが、雌に比べて雄はやや大きく、冠羽や嘴毛が発達する傾向にあります。長い冠羽を立てて、体を上下に揺する”ボビングディスプレイ”と呼ばれる行動がしばしば観察されますが、雌雄共に行うため、この行動によっても雌雄を見分けることは出来ません。

カンムリシロムクの生息するバリ島はドライモンスーン気候で、12月から4月まで雨期が続き、6月から10月が乾期となります。一年を通じてほとんど気温に変化はなく、年平均気温は28℃前後です。カンムリシロムクが生息するのは、海岸沿いに広がる灌木の多いサバンナ林で、標高の高い地域には見ることは出来ません。
野生では昆虫や小動物などを餌としていますが、果実食の傾向も強く、ことに乾期には集団又はつがいで果実類を採食することが観察されています。

繁殖期は雨期にあたる1月から3月で、通常1ペアで1回の繁殖しか行いません。巣は木の洞の中に、枯れ草や小枝などを集めて作ります。クラッチサイズは2卵から4卵で、野生下では1回の繁殖で1羽しか成育しないと言われていますが、飼育下では2羽以上の雛が巣立つことは珍しくありません。

生息地の写真

カンムリシロムクが発見されたのは1911年で、発見当初から生息域は島の北西部の海岸付近に限られ、個体数も少なかったようです。1960年代になると、農業開発による森林の伐採や、その美しさ故に飼い鳥として乱獲されるようになり、1970年代には200羽と推定された野生の個体数も、1980年代中頃には100羽を下回るようになりました。
カンムリシロムクの生息地であったバリ島の西部地域は、1982年にバリ・バラト国立公園に指定されましたが、その後も野生個体数は減り続け、1990年には14羽にまでその数を減らしてしまい、2006年後期には、野生での姿が見られなくなりました。

一方、飼育下ではヨーロッパやアメリカ、日本の動物園などで、およそ700羽以上が飼育されており、血統管理に基づいた飼育下繁殖計画が進められています。インドネシア国内では、動物園の他、個人でこの鳥を所有しているケースが多く見受けられます。しかし、保護鳥であるカンムリシロムクを飼育するのには国の許可が必要なので、多くの場合は違法飼育です。従って、どのくらいの数が飼育されているのか、十分に実態が把握出来ていないのが現状で、一説には500羽とも1,000羽とも言われています。

1987年に、インドネシア林業省と国際鳥類保護連盟、北米動物園協会、イギリスのジャージー動物園が協力して、カンムリシロムク保護プロジェクトを立ち上げました。これは、カンムリシロムクの唯一の生息地であるバリ・バラト国立公園の環境を監視、維持、改善すると共に、飼育下で繁殖した個体を野生復帰させることで個体数を回復させようとするもので、1994年まで続けられました。
その後、国立公園では、残された施設を活用して飼育下繁殖に取り組み、増やした個体を用いて野生復帰事業を再開させました。1998年から2005年までの8年間で82羽を放鳥し、2007年末には、更に約60羽を放鳥しました。また、バリ島の東側に位置するヌサペニダ島では、個人で繁殖させた個体を、2007年に独自で野外に放鳥したという報告もあります。

<学名> Ducula goliath

オオミカドバトの写真

オオミカドバトは南太平洋の島、ニューカレドニアにのみ生息しているハトで、現地名をノトゥと言います。ニューカレドニア本島と隣接するパイン島に分布していますが、パイン島の個体群は少数です。全長約50cm、体重約700gで、樹上性のハトとしては世界で最も大きいと言われています。体上面は灰黒色で、頭から胸にかけて青灰色、腹部と尾羽中央部は赤褐色、下尾筒はパフ色、光彩は赤く、雌雄同羽色で、外見的な性差はありません。

本種は、ニューカレドニアの森林部の高い樹冠に単独または数羽で生息し、主に漿果類を採食しています。木の葉や花などを食べることもあり、移動する時と採食時間以外は、樹上でじっとしていることが多く、地上に降りることは稀(まれ)です。繁殖期は6月から12月で、地上から15m以上の木の上に、厚さ8~15cm、直径30~40cmの巣を作り、白い卵を通常1卵産みます。抱卵と育雛は雌雄が協力して行います。

以前は島全体に数多く生息していたようですが、ニッケル採掘のための森林伐採で生息する森が失われてしまったり、近年では狩猟などによって生息数が極端に少なってしまいました。現在、オオミカドバトは、保護区となっているリビエールブルー州立公園内だけで6,000~7,000羽程度が生息していると言われます。しかしながら、法律の規制があるものの、未だに狩猟の対象となっていて、このことが本種の生存に対する大きな脅威となっており、IUCNのレッドリストでは絶滅危急種に指定されています。

このページへのお問合せ

横浜市環境創造局公園緑地部 動物園課繁殖センター

電話:045-955-1911

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ファクス:045-955-1060

メールアドレス:ks-hansyoku@city.yokohama.jp

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