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不正防止内部通報制度運営状況

最終更新日 2019年4月18日

不正防止内部通報制度運営状況
公表日期間通報件数受理件数不受理件数
31年2月25日30年10月1日~12月31日0件0件0件
30年11月15日30年7月1日~9月30日3件2件2件
30年8月23日30年4月1日~6月30日4件3件0件
30年5月29日30年1月1日~3月31日4件4件0件
30年2月22日29年10月1日~12月31日2件1件1件
29年11月10日29年7月1日~9月30日7件6件1件
29年8月21日29年4月1日~6月30日3件3件0件
29年5月31日29年1月1日~3月31日6件3件3件
不正防止内部通報制度・受理案件(調査結果が出たもの)概要一覧

公表日

通報の概要

委員会の対応本市の対応
31年2月
25日
出張等に関する件

1事案概要

本件は、責任職Xが、(1)市内出張に際し実際には乗車していないバス料金を交通費として毎回請求している、(2)公用車を使用した場合にも公共交通機関を利用したこととし交通費を請求している、(3)自宅から職場に出勤し、職場から自宅に帰っただけにもかかわらず出張としている、(4)病気休暇中の職員が自宅から病院まで通院する手段として公用車を使用した事実を把握したうえ黙認しているとして、これらの行為が不適切であればその是正を求める通報である。

2判断及びその理由

(1)市内出張に際し実際には乗車していないバス料金を交通費として毎回請求していることについて

・所属から提出された市内旅行命令書及び市外旅行命令書によれば、責任職Xに対しては、平成29年4月から平成30年1月までの期間において、89日、90回の旅行命令が発せられ、かかる旅行命令においては、合計150回(往路及び復路の合計)、職場の最寄りのバス停とA駅の間でバスを利用する経路が命じられていることが認められる。
・また、所属から提出された市内旅行内訳書及び市外旅行内訳書によれば、責任職Xは、上記150回のバス乗車料金を請求し、これが支給されていることが認められる。
・一方、本件において、責任職Xは、「駅まで徒歩で行くこともあったが経路の修正を失念し、結果的に乗車していないバス乗車料金の請求をしていることがあった。」と述べていることから、委員会としては、客観的資料により実際のバス乗車回数及び料金を認定するため、所属に対して、責任職Xを名義人とした平成29年4月から平成30年1月までのICカード乗車券の利用明細(以下「利用履歴」という。)の提出を求めることとした。
・所属は、利用履歴を取得するとともに、所属調査報告書において、上記150回のバス乗車料金の請求と整合するバス乗車は、合計8回であると改めて説明するところ、利用履歴等の証拠を吟味しても、上記150回のバス乗車料金の請求と整合するバス乗車は、上記8回以外は認めることができない。
・また、所属調査報告書では、上記8回に加えて、責任職Xの、「バスは回数券を利用して乗車している。」との説明を受け、バス乗車料金の申請の起算点となるA駅において鉄道に乗降車している合計3回については、利用履歴でバス乗車の履歴は確認できないものの、回数券を利用しバス乗車をしたことが認められると説明する。この点、ICカード乗車券を利用している中で回数券を利用することの合理性にはやや疑問があるが、責任職Xが現に回数券を所持していることは証拠から認めることができるし、また、市内旅行内訳書の記載どおり、これら3回についてはB駅ではなくA駅で鉄道に乗降車していることは利用履歴から認めることができるから、上記説明には一応合理性が認められ、他にこの説明を覆すに足りる事情は本件において見当たらないから、本件では、上記3回については、回数券を利用しバス乗車をしたものと認めるのが相当といえる。
・そして、旅費は、公務により旅行した場合に、その旅行に必要となる交通費、宿泊費等の経費に充てるために支給される金銭であって、一定の基準による旅客運賃、定額の日当等により支給されるものと解され、また、厳密な意味の実費と必ずしも一致するものとは限らないが、実際に職員が利用した経路における旅費の支給というように、実費弁償という側面を有するものであると解されるところ、上記のとおり、責任職Xが支給を受けた150回のバス乗車料金のうち、バス乗車をしたと認めることができるのは、上記8回及び3回の計11回であるから、139回分のバス乗車料金については、所属調査報告書のとおり、不適切な旅費の受給であるといわざるを得ない。
・本件について、所属は、上記139回分のほか、本件の調査期間ではないが、その前後の期間について、同様にして利用履歴から不適切な旅費の受給であると確認できる51回分を含め、合計190回分のバス乗車料金の戻入処理を行うとしており、また、利用履歴で確認できる期間以降のバス料金に係る旅費請求についても同様の確認を行った上で適切に対応するとしている。
・しかし、責任職Xは、本件に関し実施された所属のヒアリング以降もなお不適切な旅費の受給を続けていた事実も認められることから、所属は、上記の戻入処理について、速やかに行うだけでなく、責任職Xに対しては、バス料金に係る旅費請求についてバス乗車の事実を適宜確認することも含め、不適切な旅費の受給が今後生じないよう、強く指導していかなければならない。
・ところで、市内旅行内訳書及び市外旅行内訳書をみると、所属では、職場とA駅の間でバスを利用して移動することを認めている一方で、A駅に比べ、距離にしてより職場から近い駅としてB駅が存しており、B駅まで徒歩で移動することもまた認めている。
・また、A駅とB駅は隣接する駅であり、A駅の方がC駅に近い駅であるところ、C駅方面に出張の際にはバスでA駅まで移動し、C駅方面とは逆のD駅方面に出張の際には徒歩でB駅まで移動し鉄道を利用する経路となっていることが認められる。
・この点、本件において戻入対象となった139回のバス乗車料金の請求に係る旅行命令をみると、職場とA駅との間はバスを利用して移動しC駅方面へ出張するものとされているが、上記のとおり、これらについては、バスを利用して移動したことは認められなかった。
・本件において、多数回にわたる旅費の戻入が生じたのは、上記のような旅費額に差がある2つの経路が認められていることが、根本的な要因の一つと考えられる。
・更に、責任職Xの「バス停まで行った時点でバスを待つよりも歩いた方が早いと判断する場合などは、駅まで徒歩で行くこともある」との説明からすれば、責任職X以外にも、A駅までバスで移動する旅行命令が発せられている中でB駅まで徒歩で移動する職員がいることは想像に難くなく、職場全体として、本件で認められた責任職Xに係る実態と同様の実態が存しているものと強く疑わざるを得ない。
・したがって、このような事案の再発を防止するためには、全職員に対する注意喚起を行うに留めず、職員に旅費額に差がある2つの経路が認められている場合においては、旅費額の高い経路で請求する際に乗車したことを証する書類の提出を求めるなどの具体的な対応を検討すべきである。
(2)公用車を使用した場合にも公共交通機関を利用したこととし交通費を請求していることについて
・所属調査報告書によれば、日程表、旅行内訳書及び車両運転日報を照合した結果、責任職Xの公共交通機関の旅費の請求内容と公用車の使用状況との間に重複はなく、責任職Xも、公用車を使用しているにもかかわらず、公共交通機関を使用したこととし交通費を請求していることはないとしている。
・当委員会においても、所属から提出された市内旅行内訳書及び市外旅行内訳書、車両運転日報並びに所属作成の日程表との突合表を確認したところ、14回の旅行については、車両運転日報の記載から、その往路又は復路のいずれかで公用車により移動していることが認められるが、公用車で移動した区間については、市内旅行命令書及び市外旅行命令書において、バス等を利用して移動することとはされていなかった。また、旅費請求に係る市内旅行内訳書及び市外旅行内訳書をみても、公用車で移動した区間の旅費を請求しているとは認められなかった。
・したがって、旅費の請求と公用車利用で不整合な記載はなく、責任職Xの説明及び所属調査報告書の内容を覆すに足りる事実も見当たらないから、通報者が指摘するような不適切な旅費請求が行われていると認めることはできない。
(3)自宅から職場に出勤し、職場から自宅に帰っただけにもかかわらず出張としていることがあることについて
・所属調査報告書によれば、市内旅行内訳書及び市外旅行内訳書、車両運転日報並びに所属作成の日程表を照合した結果、責任職Xは虚偽の出張による旅費の不正受給や遅参早退を行った事実は確認できず、また、責任職Xもそのような事実はないとしている。
・当委員会においても、所属から提出された旅行内訳書及び車両運転日報並びに所属作成の日程表との突合表を確認したが、責任職Xの説明及び所属調査報告書の内容を覆すに足りる事実は見当たらないから、通報者が指摘するような虚偽の出張を責任職Xが行っていると認めることはできない。
(4)責任職Xは、病気休暇中の職員を公用車で病院に送迎した事実を把握したうえ黙認していることについて
・所属調査報告書によれば、所属の衛生管理者が、公務災害で受傷した職員のけがの状況を診断書により確認するため、自宅まで公用車で迎えに行き、同乗させたうえ、病院まで行き、さらに自宅まで送ったとのことである。
・また、所属から提出された車両運転日報によれば、安全運転管理者として責任職Xも押印し、これを承認しており、用件に「公災病院立会い」と記載されていることが認められる。この点、地方公務員災害補償法施行規則第49条第1項は、「補償を受けるべき者が、事故その他の理由により、みずから補償の請求その他の手続を行なうことが困難である場合には、任命権者は、その手続を行なうことができるように助力しなければならない。」と定めているところ、公務災害に係る事務処理においては診断書が必要とされており、また、本件では、公務上の災害により被災した職員はけがの症状から公共交通機関の利用は困難であったというのであるから、職場の衛生管理者が公用車により被災職員を病院に送迎したことは、同項に規定する任命権者の助力に当たると考えられる。
・したがって、上記公用車の使用が不適切であるとは認められず、責任職Xがこれを承認したことが不適切であったとはいえない。
・以上のとおり、責任職Xの旅費の受給については、調査期間において139回分のバス乗車料金相当額の旅費の受給が不適切であったことが認められた。
・この点、責任職Xに対しては、上司から注意がされ、また上記139回を含め、合計190回分の戻入処理がされるとのことであり、更に、全職員に対しては、本件通報後通知を発出し、注意喚起を行っているとのことであるから、委員会としては、本件について個別の勧告等は行わない。
・しかし、2(1)で述べたとおり、責任職Xは、本件に係るヒアリングを受けた後もなお不適切な旅費の受給を続けていたことや、職場全体として、本件で認められた責任職Xに係る実態と同様の実態が存しているものと強く疑わざるを得ないことから、所属は、本件のような事案が生じないよう、注意喚起等の通知を発出するというだけでなく、具体的な対応を検討すべきであることを付言する。そして、旅行命令、旅費申請等について、不適切な取扱いがないよう、所属全体の状況管理を適正に行うよう所属に対して伝え、対応を終了する。

・調査期間に請求した150回のバス料金に係る旅費のうち、11回を除く139回分については、旅費請求の対象となるバス乗車の事実が確認できないため、支給済みの旅費の戻入処理を行う。
・調査期間外においても、利用履歴から旅費請求の対象となるバス乗車の事実が確認できない51回分について、支給済みの旅費の戻入処理を行う。
・利用履歴で確認できる期間以降についても同様の確認を行った上で適切に対応する。

・所属の全職員に対し、文書により注意喚起した。今後も再発防止を徹底していく。
31年2月
25日
パソコンの不正使用に関する件

・本件は、職場のパソコンを私物化し、勤務時間中に市販のDVDを当該パソコンでコピーしているという理由で、A職員に注意することを求める通報である。
・この点、所属調査報告書によると、職場の一角に私物の机とデスクトップ型のパソコンが置かれており、机上にはコピー後のものと思われる映画の題名が記載されたDVDが置かれていることを確認したとのことである。また、A職員は、当該パソコンを1年に10回程度使用しており、勤務時間外にバッティングフォームの動画の視聴等に使用していたが、DVDのコピーは行ったことはなく、誰が行ったのかも知らないとのことである。
・本件においては、通報者から証拠は提出されておらず、上記のとおり、A職員は、DVDのコピーについては行っていない旨述べてはいるが、私物のパソコン及び違法コピーを行ったと思われるDVDが職場に置かれていることが認められることから、当委員会では、更に調査が必要と判断し、A職員以外の複数の職員への追加のヒアリング調査を所属へ指示した。
・他の職員へのヒアリングでは、私物のパソコンでDVDのコピーをしているような様子を見たことや聞いたことがあるなどの発言はあったものの、コピーをしていた人物を特定するに至る情報を得ることはできなかった。また、A職員については、パソコンを使用していたことを見たことがあると発言した職員は数名いたものの、DVDのコピーを行っていたことを確認している者はおらず、上記のA職員の説明と矛盾する点は認められなかった。
・以上からすると、A職員がDVDのコピーを行っていると認めることはできない。
・しかしながら、著作権法では、例えば、私的利用であっても、コピープロテクション等の技術的保護手段の回避を行って複製を行うことなどが禁じられているところ、職場には映画の題名が記載されたDVDが置いてあったこと、私物のパソコンにDVDのリッピングソフトがインストールされていたこと、また上記ヒアリング調査の結果をも踏まえると、職場に置かれている私物のパソコンを用いて、職員が、著作権法に違反するDVDの複製を行っていたことは強く疑わざるを得ない。今回の調査では、DVDのコピーを行っていた者やDVDの所有者を確認することはできなかったが、職場において不正なDVDの複製行為が行われていたとすれば、重大な問題である。
・そもそも、このような事態を生じた要因は、職場に所有者が不明な私物のパソコンが置かれ、職員が趣味などに自由に使用できる状態が長年続いていたことであり、このような状態は、情報セキュリティの点からも不適切であるし、仮に勤務時間中に私物のパソコンを使用していたのであれば職務専念義務違反となることも踏まえると、責任職の職場管理は、長年にわたり不十分であったといわざるを得ない。
・一方、所属では、本件通報に関する調査を行う中で、私物のパソコンが置かれていることやDVDのコピーなどの問題を把握したことから、私物のパソコンを職場内から撤去するとともに、職員に対し、映画等のコピープロテクション等の技術的保護手段を解除することは著作権法に反する行為であることなどの注意喚起を行っており、不適切な職場の環境は是正されたといえる。
・以上を踏まえ、当委員会としては、所属に対し、職員に改めて法令等の遵守を徹底するとともに、職場の責任職が職場環境の維持・管理を適切に行うよう注意、指導することを伝え、対応を終了する。

・私物のパソコンについては、職場から撤去した。

・コピープロテクション等の技術的保護手段の解除は著作権法に反する行為であり、公私にわたって行わないよう、職員に周知した。
31年2月
25日
服務規律等に関する件

本件は、平成30年8月上旬に台風接近・大雨等で区として警戒態勢が取られたが、区長が2週間近く休みを取り、遠方の山中にある自分の別宅へ一部の職員を泊まらせ、飲酒・飲食をしていたことが問題であるとし、改善を求める通報である。
第1前提事実
所属調査報告書ないし提出資料によれば、以下の事実が認められる。
1.横浜地方気象台は、平成30年8月7日、「平成30年台風第13号に関するお知らせ」と題する書面にて、同日12時現在の神奈川県の気象経過予想(概要)につき、台風が最も接近する期間は「8日夜遅く(21-24)から9日明け方(00-06)にかけて」、大雨のピークは「8日夜」などと通知し、同月8日15時20分に暴風警報が、同月12日2時21分に大雨警報が発表された。
2.区では、横浜市防災計画「風水害対策編」に基づく活動を行うに当たり、区の地域特性や過去の災害対応の経験を踏まえ、必要な細部事項を定めたマニュアルを作成し、災害対応体制等について、以下のとおり定めている。
(1)災害対応体制について
災害対策警戒本部は、副区長を本部長とし、(1)大雨警報、暴風警報、暴風雪警報及び洪水警報が発表されたとき、(2)水防警報が発表されたとき、(3)区域に風水害による被害が発生し又は発生するおそれがある場合で区長が必要と認めたとき、及び(4)大雪警報が発表されたときに設置することとされ、災害対策本部は、区長を本部長とし、(1)市災害対策本部が設置されたとき、(2)大雨特別警報、暴風特別警報、暴風雪特別警報、波浪特別警報及び高潮特別警報が発表されたとき、(3)区域において、総合的な災害応急対策を実施する必要があると認められる規模の風水害による被害が生じたとき、(4)区域において河川の堤防の決壊又は氾濫が生じたとき、(5)その他災害対策を実施するうえで、区本部を設置する必要があると認められるとき、及び(6)大雪特別警報が発表されたときに設置することとされている。
(2)職員配備体制について
初動体制及び1号から5号までの配備基準が定められ、災害対策警戒本部設置時の配備基準は、1号A(5名、土壌雨量指数が低い。)、1号B(26名、土砂災害警戒情報が発表される可能性が高い。)又は2号(67名、土砂災害警戒情報が発表されている。崖崩れが複数か所で発生している。河川に溢水のおそれがある。避難所開設時間の長期化が見込まれる。)とされている。このうち、1号Aについては、災害対策警戒本部設置時点において、全ての1号配備要員を参集させる必要がないと判断したときの対応とされ、輪番制の初動班として、10日程度を当番期間として総務課責任職及び職員並びに他課運営責任職の当番体制表を定めている。
3.そして、区においては、平成30年8月において、8日15時20分から9日6時0分まで台風13号接近に伴うもの(8日15時20分暴風警報発表・9日4時54分同警報解除)及び8月12日2時21分から6時20分まで大雨洪水警報に伴うもの(12日2時21分大雨警報発表・同日4時9分洪水警報発表・同日6時10分各警報解除)の2回、区災害対策警戒本部が設置され、8月8日から9日にかけては5名の職員が動員され、人的被害はなく、その他被害として倒木1件であり、8月12日は6名の職員が動員され、人的被害その他被害ともなかった。
4.区長は、8月1日(水曜日)から3日(金曜日)まで及び同月6日(月曜日)から10日(金曜日)まで休暇を取得しており、その間の同月7日(火曜日)から8日(水曜日)にかけて、職員を伴って宿泊した。この宿泊について、区長は、日頃から区の業務を熱心に取り組んできた職員はそれぞれ前向きに市役所職員としての将来像や自らの人生設計を考える時期でもあり、長年経験のある区長と話したいとの希望があったこと、別荘であれば費用も掛からず自炊も可能でいざとなれば中止もしやすいことから、今回の宿泊に至ったと説明している。
5.8日15時20分の災害対策警戒本部設置後から9日6時40分の同本部廃止までの間に、区総務部総務課長(以下「総務課長」という。)から区長に対し3回にわたりメールにて状況報告がなされ、区長から総務課長に対しそれぞれ返信がなされている。
第2判断
1.まず、通報者は、区長が8月上旬に2週間近く休み、この期間中にも台風接近・大雨等で区として警戒態勢が取られたにもかかわらず、その日に遠方の山中にある自分の別宅へ一部の職員を泊まらせ、飲酒・飲食をしていたことは問題である旨指摘する。
・しかしながら、前記第1で認定したとおり、区では、平成30年8月、気象警報の発表に伴い、マニュアルに定める基準に従って2回区災害対策警戒本部を設置しており、また、各被害状況を見ても、1号Aの職員配置基準を執ったことを不合理とすべき事情は見当たらず、いずれも適当な人員が動員されていたものと考えられるから、区の災害警戒態勢に不十分なところがあったとは認められない(気象警報が発表された状況下において、区長自身、総務課長と連絡を取り、適切な状況把握に努めていたことが窺われるのであって、これを超えて、区長及び職員が休暇を取りやめ災害対応に備えて待機することが必要な状況であったとまでは認められない。)。
2.次に、通報者は、区長が自分の別宅へ一部の職員を泊まらせ、飲酒・飲食をしたことはコンプライアンス上問題がある旨指摘する。
・確かに、統括コンプライアンス責任者から「職員行動基準に基づく本市職員としての自覚ある行動について(通知)」が毎年出されており、平成29年12月8日の通知では、虚礼・贈答に関する注意として「歳暮等の虚礼・贈答や供応・接待を受けることは、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くものです。わずかな気のゆるみが市役所全体の信頼等を著しく損なう汚職事件にもつながりかねないことを全職員が認識するよう、各職場で再度確認してください。また、職員間の儀礼的な慣習としての歳暮等は必要ないものであり、行わないでください。」とされている。
・しかしながら、同通知は、職員間の儀礼的な慣習としての歳暮等は行わないよう求めるものであり、職員間の親睦を深めるための懇親会や旅行会等をも一切禁止するものではなく、通報者が指摘する区長と職員との宿泊は、職場の職員同士の宿泊であって、区長が説明するような宿泊の目的等に照らしても、特に職務執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くものとは認め難く、コンプライアンス上問題のある行為とはいえない。
3.以上のとおりであるから、8月上旬の災害対応に関して、区の対応及び区長の行動に不適切な点があったとはいえない。ただし、本件のような通報がなされたことに鑑み、区長においては、区役所職員が疑念を抱くことのない、風通しのよい職場づくりを進めていくことを希望する。

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30年11月15日歩きタバコ等に関する件・本件は、責任職Aについて、(1)退庁時において、最寄駅まで歩きタバコ(以下「歩行中の喫煙」という。)をしている、(2)公園で職場の花見(以下「本件花見」という。)があった際に、責任職A、B及びC(以下「責任職Aら」という。)も参加していたが、ごみを分別せずに置いてきたとして、然るべき対応を求める通報である。

1歩行中の喫煙について
・責任職Aが退庁時において職場の最寄駅まで、歩行中の喫煙をしているとの通報者の主張については、所属調査報告書においても、責任職Aに対して、通勤時に職場とその最寄駅との間で、週数回、歩行中の喫煙をしていたことを確認したとされている。
・この点、横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例(以下「ポイ捨て・喫煙禁止条例」という。)第6条第1項は、「市民等は、歩行中の喫煙をしないよう努めなければならない。」と定めているのであるから、責任職Aの歩行中の喫煙は、同項に規定する市民等の努力義務に反しており、ふさわしくない行為であった。
・そして、当該職場は、ポイ捨て・喫煙禁止条例を所管する部署として、市民等に対し歩行中に喫煙をしないよう協力を求める立場であり、また、そのためにも市民等に対して範を示す立場であることからすれば、責任職Aは、これら横浜市の施策を推進する責任職として常に自覚を持った行動をとる必要があることから、通勤時はもとより私的な時間であっても歩行中の喫煙はしないことが適切である。
・責任職Aの通勤途上における歩行中の喫煙については、所属において、既に責任職Aに対して指導を行ったとのことであるが、通報者からは、住民から歩行中の喫煙について指摘されたことがある旨の主張もされているのであるから、あらためて、所属職員に対しては、所属は街の美化に関して所管していること、市民等に対し歩行中に喫煙をしないよう協力を求める立場であることなどの自覚を持つよう周知するとともに、ポイ捨て・喫煙禁止条例を遵守するよう注意喚起を行うことが適当である。
2本件花見の際のごみの分別について
・通報者は、責任職Aらについて、「ごみを分別せずに置いてきたようだ。ガスコンロのスプレー缶もひとまとめにしていた。市民にごみ分別を言っている部署でありながら、自ら不法投棄という、条例違反以上の刑事罰を受けるような行為をしていたようだ。」と主張し、責任職Aらが、本件花見において、ごみを分別しなかったことが問題であるとしている。
・この点、横浜市では、資源を循環利用し、かつ、廃棄物の発生を限りなく抑制する社会の実現を目指して総合的な廃棄物対策を的確に実施する必要があることに鑑み、これに対応するため、横浜市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、減量化、資源化、廃棄物の適正処理及び地域の清潔の保持を推進するため、横浜市廃棄物等の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例(以下「廃棄物条例」という。)を定めている。
・廃棄物条例では、横浜市の責務として、あらゆる施策を通じて、減量化、資源化、廃棄物の適正処理及び地域の清潔の保持の推進に必要な措置を講じなければならないことを定め(第3条第1項)、その施策の実施に当たっては、市民の参加及び協力の推進等の必要な措置を講じなければならないと定めている(第3条第2項)。
・また、事業者及び市民に対しては、減量化、資源化、廃棄物の適正処理、横浜市の施策へ協力等をすることを求め(第4条及び第5条)、家庭から排出される廃棄物及び事業系廃棄物について一般廃棄物処理計画に定める分別の区分に従って排出すること(以下「分別」という。)を義務付けている(第25条の2及び第25条の3)。加えて、分別を行わない者に対して、市長は、改善その他必要な措置を講ずるよう勧告、命令等をすることができ(第25条の3の2及び第25条の3の3)、命令等に反して分別を行わずに廃棄物を排出した者は過料に処することを定めている(第53条第2項及び第3項)。
・これを本件についてみると、本件花見によるごみは、職員が公園に花見のために特別に設置されたごみ箱に入れて帰ったとのことであるから、それ自体は一般市民の行動であれば問題となるものではない。
・しかし、当該職場は、一般廃棄物の発生抑制、再使用及び再生利用の推進や市民及び事業者に対する啓発及び指導に関することなどを業務として取り扱うこととされていること、横浜市は、廃棄物条例で定めるとおり、市民や事業者に対して、廃棄物の減量化、資源化等の観点から分別を行うことを求めていること、本件花見をした公園は、責任職Aらの職場の所管区域内であることなどに鑑みると、本件花見のごみについて、職員が持ち帰ることなく、また分別を行わずに公園に設置されたごみ箱に捨てたことに対して、通報者から疑問が呈されることももっともといえる。
・責任職Aらは、本件花見には職員からの呼びかけに応じる形で参加したと述べ、また、本件花見が終了した後は、飲食に伴うごみはそのまま自身がいた場所に置いたままにし、すぐにその場を離れたため、ごみがどのように片付けられたかは把握していないと述べるが、これは、「本件花見には呼ばれたのであって、ごみについては関係ない」と述べているとも受け取れる主張であり、そのような趣旨の主張でないとしても、このように受け取れる主張をすること自体、ごみの分別に関する職業倫理を欠いていることを如実に表しているといえる。
・責任職Aらは、横浜市の施策を推進する責任職であり、率先垂範して廃棄物の適正処理を推進する立場であることからすれば、責任職Aらは、その場を離れる際に、参加者に対して、ごみの持ち帰りなどの適当なごみの処理について注意喚起し、かつ、自ら可能な範囲で分別をすることにより範を示すこと、また、後日、最終的にごみを適切に処理したかを参加者に確認することなどの行為をなすべきであったと考えられる。
・さらには、当日公園には公園管理者がごみ箱を設置していたが、ごみ箱に分別表示を行っていなかったとのことであり、花見客によりごみが大量に発生することが予想される中で、分別表示を何ら行わないままにしていたのも疑問である。本件を機に、責任職Aらが先頭に立って、所管区域内の集客施設において、ごみの分別が励行されるよう、責任を持って分別指導等に取り組むべきである。
・以上のように、責任職Aらは、責任職という立場にありながら、ごみの分別に関する職業倫理を大きく欠いていたといわざるを得ない。
・ただし、本件を踏まえ、所属において、職員自らがごみの減量化や分別に取り組むようにし、様々な機会を捉えて公共施設の管理者に対しても清潔の保持や廃棄物の分別のために適正な措置を講じるよう協力を呼び掛けるとしている。
・したがって、当委員会としては、所属に対し、街の美化、廃棄物の適正処理等の所管業務について、市民等に協力を求め、義務を課していることの意義を各所属に改めて認識させるとともに、特に責任職に対しては、範となるべき立場であることを十分自覚し、行動すべきことを指導するよう伝え、対応を終了する。

・歩行中の喫煙については、職員としてふさわしくない行為であるので、局内で条例の規定を再度周知する。
・責任職Aに対しては、今後歩行中の喫煙をしないよう、指導を行った。
・本件花見の際のごみの分別については、引き続き、職員自らがごみの減量や分別に取り組むとともに、様々な機会を捉えて公共施設の管理者に対しても、清潔の保持や廃棄物の分別のために適正な措置を講じるよう、協力を呼び掛けていく。

30年11月15日情報公開請求に関する件

1 事案概要

・本件は、責任職が、A職員に対して、通報者が事務所に関する情報公開開示請求(以下「本件開示請求」という。)をした事実を伝えたことが、秘密保持義務違反に当たるか否かについて、当委員会に判断を求める通報である。

2 委員の判断及びその理由
・本件では、責任職は、A職員に対して、本件開示請求に係る開示請求書(以下「本件開示請求書」という。)を見せたことを認めているが、通報者は、これが秘密保持義務違反に当たる旨主張する。
・この点、地方公務員法第34条第1項は「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」と定め、職員に守秘義務を課している。
・また、同条第2項は「法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。」と定め、任命権者の許可を条件として守秘義務を解除し得ることを定めている。
・このことは、本条が守ろうとするものが、行政に対する信頼であり、その効果として、結果的に個人のプライバシーや企業秘密を守ることになることがあるとしても、本条の直接の保護法益が後者にあるわけではないことを意味する(橋本勇「新版逐条地方公務員法」第4次改訂版、学陽書房、681頁)。
・そして、同条第1項のいう「職務上知り得た秘密」とは、職員が職務の執行に関連して知り得た秘密であって、自ら担当する職務に関する秘密は当然に含まれるが、担当外の事項であっても職務に関連して知り得たものも含まれると解される。また、「秘密」とは、一般的に了知されていない事実であって、それを了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものをいい、「秘密を漏ら」す行為とは、当該職員以外は了知していない事実、あるいは特定の者しか了知していない事実を広く一般に知らしめる行為又は知らしめるおそれのある行為の一切をいうものと解される(同書683-688頁)。
・以上を踏まえ、本件についてみると、本件開示請求書には、通報者の氏名、住所、請求年月日等が記載されており、これを通報者以外の者に見せることにより、通報者が特定年月日に本件開示請求をした事実を明らかにしてしまうこととなるところ、かかる事実は、一般的に了知されていない事実であって、それを了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものであるから、地方公務員法第34条第1項の「秘密」といえる。
・また、本件開示請求は、事務所が保有している行政文書の開示請求であり、本件開示請求に関する開示、非開示等の決定の事務処理は事務所で行うこととされているから、通報者が本件開示請求をした事実は、責任職の「職務上知り得た秘密」といえる。
・そのうえで、責任職がA職員に対して本件開示請求に関することを伝えたという行為が、地方公務員法第34条第1項の「秘密を漏ら」したといえるか検討する。
・上記のとおり、同項のいう「秘密を漏ら」す行為とは、当該職員以外は了知していない事実、あるいは特定の者しか了知していない事実を広く一般に知らしめる行為又は知らしめるおそれのある行為の一切をいうものと解される。
・確かに、本件においては、責任職が本件開示請求に関することを伝えたとするA職員は、業務上本件開示請求に係る事務に従事することはないから、責任職は、A職員に対して本件開示請求に関することを伝えることにより、責任職を含めかかる事務に従事する職員しか了知していない通報者が本件開示請求をした事実を知らしめたともいえる。
・しかし、本件開示請求に関する開示、非開示等の決定の事務処理は事務所で行うこととされているところ、A職員は当該事務を直接担当することはないとしても、責任職と同じく当該事務処理を掌る同事務所に所属する職員である。そして、責任職は所管の事務を掌理し、所属職員を指揮監督することが定められているところ、責任職が所管の事務について所属職員に対して指示や相談などを行うことは至極当然に認められることである。
・したがって、所長のする指示や相談などが、当該所属職員の担当事務外に関するものであっても、当該事務所の所管の事務に関するものであれば、それらの指示や相談などをする行為を、所長以外が了知していない事実、あるいは特定の者しか了知していない事実を広く一般に知らしめる行為又は知らしめるおそれのある行為と直ちに判断することは適当ではない。
・本件においては、責任職は、所管の事務である開示請求に関することを同事務所に所属するA職員に伝えたのであり、開示請求事務の処理のために必要であったかということには疑問が残るものの、開示請求によらなくとも情報提供できる行政文書であるということを伝える趣旨であったに過ぎないことも併せ考えれば、責任職がA職員に対して本件開示請求に関することを伝えた行為が、通報者が本件開示請求をした事実を広く一般に知らしめる行為であるとまで判断することはできない。また、A職員を含む同事務所の職員もまた地方公務員法による守秘義務が課されており、責任職から業務中に伝えられた職務上の秘密を他に漏らすことは禁止されていることからすると、責任職が同事務所に所属するA職員に対して本件開示請求書を見せた行為が、かかる事実を広く一般に知らしめるおそれのある行為ともいえない。
・したがって、責任職がA職員に対して本件開示請求書を見せた行為は、行政の信頼を損なうような、通報者が本件開示請求をした事実を広く一般に知らしめる行為又は知らしめるおそれのある行為ということはできないから、同法に規定する守秘義務違反に当たる行為とまでは認められない。
・一方、地方公務員法第34条第1項とは別に、個人情報の保護を通じて、個人の権利利益を保護することを第一義的な目的として、横浜市個人情報の保護に関する条例(以下「個人情報保護条例」という。)を定め、第15条では、「実施機関の職員は、職務上知ることができた個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない」と定めている。
・この点、個人情報保護条例第2条第2項は、「個人情報」を「個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。」と定めるところ、本件開示請求書には、開示請求者の氏名、住所等が記載されており、開示請求者という特定の個人を識別することができるものであるから、これらの情報は「個人情報」であるといえる。
・また、「職務上知ることができた」とは、担当職務の執行上知り得た場合のほか、担当外の事項について職務に関連して知り得た場合を含むとされているところ(横浜市個人情報保護条例の解釈・運用の手引41頁)、本件開示請求は、事務所が保有している行政文書の開示請求であり、本件開示請求に関する開示、非開示等の決定の事務処理は事務所で行うこととされているから、開示請求者の氏名、住所等は、責任職の「職務上知ることができた」個人情報といえる。
・そして、「みだりに他人に知らせ」るとは、他人に知らせることが当該職員の権限、事務に属しない場合、又は権限、事務に属する場合であっても正当な理由なく知らせることなどをいうとされているところ(同手引41頁)、「他人」とは自分以外の者をいうと解されるから、実施機関の職員であっても自分以外の者は他人であり、責任職からみるとA職員は「他人」といえる。
・本件においては、上記のとおり、所長は開示請求によらなくとも情報提供できる旨を伝える趣旨でA職員に対して本件開示請求書を見せたとのことであるから、責任職がA職員に対して開示請求書を見せたことに不当な目的は窺えないが、A職員は、事務所の職員ではあるものの、開示決定等に係る事務に従事することのない職員であるから、開示請求に関する事務を行う上でA職員に開示請求書を見せる必要があったとはいえない。
・したがって、開示請求の事務処理上必要のない職員に開示請求書を見せたことに正当な理由があったと認めることはできないから、責任職は、職務上知ることができた個人情報をみだりに他人に知らせたといえ、個人情報保護条例第15条に反していたといえる。
・個人情報保護条例には、第67条、第68条及び第69条に罰則が規定されているが、第67条は電子計算機処理に関する個人情報ファイルを提供したとき、第68条は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したとき、及び第69条は個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集したときの罰則規定であるため、本件はこれらの適用対象外である。
・ところで、本件では、通報者が本件通報をするに至った経緯として、「A職員は、通報者に対して、「開示請求書を見た」と連絡してきた。」と述べているところ、A職員も責任職と同様に通報者が本件開示請求をしたという事実を通報者本人ではあるが伝えていることとなる。これが地方公務員法や個人情報保護条例に照らして適当といえるかどうかについては検討の余地はあるものの、本件において、かかる事項は、通報の対象とはされていないから、この点については、所属の調査・判断に委ねることとする。
・以上のとおりであるから、当委員会としては、本件について勧告を行わないが、所属に対しては、責任職が個人情報の不適切な取扱いを生じさせたことを重く受け止め、改めて、開示請求者に関する個人情報等の取扱いを含めた情報公開制度の運用に当たり、横浜市の保有する情報の公開に関する条例、個人情報保護条例等の規定に則して、適切な取扱いを徹底するよう伝え、対応を終了する。

・責任職が個人情報の不適切な取扱いを生じさせたことを重く受け止め、対応の甘さを指摘するとともに、個人情報の取扱いについて、慎重に取り扱うよう厳重に注意した。
・責任職及び職員に対して、個人情報の適切な取扱いに関して再周知し、再発防止に努めるとともに、事務処理の適切な執行に努めて行く。

30年8月23日電波法に関する件1事案概要

・本件は、下水道の点検調査にドローンを活用するに際しては、電波法(以下「法」という。)第4条第1項の規定に基づき、無線局の開設免許を受ける必要があるにもかかわらず、これを受けずにドローンを活用したことが同条に反するなどとして、その違法性の有無の調査及び違法の場合には管轄である総務省への通報を求める通報である。

2前提事実

・以下の内容は、通報者の通報内容並びに所属調査報告書及び提出資料によって認められる事実である。

(1)本件研究

・平成29年7月3日、団体X、団体Y及び団体Z並びに横浜市は、中大口径管路等を対象とした無人小型飛行体による腐食調査技術の実用化に関する研究(以下「本件研究」という。)を共同連帯して行うことについて、共同研究体協定書(以下「協定書」という。)を締結した。

・本件研究では、横浜市内の様々な下水道施設(中大口径管路等)の内部において、ドローンによる飛行試験を通じ、事業採算性や費用対効果等を含む普及可能性、飛行性能確認、国内外の下水道施設への適用性について検討を行うことが目的とされている。

・協定書では、「各構成員の本委託研究の分担は、次のとおりとする」とし、「団体X現地飛行試験計画立案、試験実施、ドローンシステム調整・改良など」、「横浜市フィールド提供、現地試験計画書の確認、試験現場関係者との調整など」(第8条)等と定められており、「構成員は、運営委員会が決定した工程表によりそれぞれの分担研究の進捗を図り、委託契約の履行に関し連帯して責任を負うものとする」(第10条)と定められている。

(2)実証研究におけるドローンの活用

・平成29年8月7日から平成30年1月26日までの間に12回の実証研究が行われた。実証研究では、5機種5機体のドローンが活用された。これらのドローンを活用するに当たっては、無線局の開設に伴う総務大臣の免許は受けていない。
・5機体の周波数帯域は、機体Aの映像伝送用を除き、操縦用及び映像伝送用ともに2.4GHz帯である。機体Aの映像伝送用の周波数帯域は5.8GHz帯である。
3判断及びその理由
・法第2条第4号は「無線設備」を「無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。」と、同条第5号は「無線局」を「無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。但し、受信のみを目的とするものを含まない。」と定めている。
・そして、法第4条第1項は「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない。」と定め、同項第3号は「空中線電力が1ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるものであつて、次条の規定により指定された呼出符号又は呼出名称を自動的に送信し、又は受信する機能その他総務省令で定める機能を有することにより他の無線局にその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することができるもので、かつ、適合表示無線設備のみを使用するもの」と定めている。
・この点、適合表示無線設備とは、法第38条の7第1項の規定による技術基準適合証明(以下「技適マーク」という。)が表示された特定無線設備(小規模な無線局に使用するための無線設備であって総務省令で定めるもの。以下同じ。)等とされているところ(法第4条第1項第2号)、本件研究で活用した5機体のうち、機体Aを除く4機体は技適マークが表示された特定無線設備であることが所属の提出した資料から認めることができるから、これらの機体は法第4条第1項第3号に該当し、同項本文の免許を受ける必要はない。

・一方、機体Aについては、平成29年12月15日11時30分から12時までの間に5分間程度、操縦用電波を用いて飛行しているところ、所属調査報告書にあるとおり、当時、機体Aには技適マークが表示されていなかったというのであるから、法第4条第1項本文の規定により、無線局の開設免許を受ける必要があったといえるが、上記2記載のとおり、本件研究においては法第4条第1項本文の規定に基づく無線局の免許を受けていなかったのであるから、同項に反して機体Aを活用していたといえる。

・なお、映像伝送用の周波数帯域が5.8GHzである機体Aを活用する際における「電波を発射しない状態」がどのような状態をいうかについて、通報者と所属の説明が異なるが、上記のとおり、機体Aには技適マークが表示されていないことをもって、法第4条第1項に反するといえるから、本件においては、映像転送用の電波に係る「電波を発射しない状態」の妥当性については判断するまでもない。
・もっとも、この点については、ドローンシステム調整・改良等の役割を担う団体Xが、平成30年4月、総務省関東総合通信局に確認をし、映像転送用の電波が発射できる状態にしないよう、機体側の映像伝送モジュールの電源コードを外し、スイッチで電源を入れることができない状態で活用したことについて、問題ないとの回答を得たものの、一方で、本件において機体Aを活用するには、技適マークが表示されていることが必要であることの指摘を受け、口頭厳重注意を受けたとされている。
・所属調査報告書では、本件研究において、本市の役割がフィールド提供等であり、ドローンの試験実施を行う役割は、団体Xであったことが記載されているが、協定書にも「構成員は(中略)委託契約の履行に関し連帯して責任を負う」と明記されているとおり、他の構成員の分担であったとしても、本市も責任は免れない。
・しかし、現在は違法状態は解消されており、また、本件を踏まえ、所属としても、今後の取組については、団体Xに対して、共同体の一員として、法令遵守等を求める立場であることを明確にし、法令に抵触することがないよう十分に注意を払うとしている。・以上を踏まえ、当委員会としては、本件について勧告等を行わないが、所属に対しては、横浜市も共同体の一員として、法令に抵触することなく共同研究全体の遂行を図るために、他の構成員とともに事前の確認を適切に行うなど十分に注意を払い取り組むよう伝え、対応を終了する。

本市も共同体の一員として、法令に抵触することがないように十分に注意を払い、法令を遵守のうえ引き続き研究を進めていく。
30年8月23日通勤時の送迎に関する件・本件は、責任職が、住居から職場までの通勤方法について、乗用車での送迎による通勤をしていることから、これが規則に違反し、通勤手当を不正受給している疑いがあるとして、不正受給の調査及び当該責任職への相応の処分を求める通報であった。

・横浜市一般職職員の給与に関する条例(以下「給与条例」という。)は、通勤のため交通機関等を利用してその運賃等を負担することや自転車等を使用することを常例とする職員に対して、通勤手当を支給する旨を定めており(給与条例第11条第1項)、また、通勤手当に関する規則(以下「規則」という。)は、職員が支給の要件を具備するに至った場合には、通勤届により、その通勤の実情を、速やかに、任命権者に届け出なければならない旨を定めている(規則第9条第1項)。

・この点、当該責任職が任命権者に対して届け出ている通勤届を確認したところ、当該責任職は、住居から住居最寄駅までは自動車・自動二輪・原付で、住居最寄駅から職場最寄駅までは鉄道で、職場最寄駅から職場までは徒歩で通勤することを届け出ており、これが認定されていることが認められる。

・また、当該責任職の保有している定期券の写しを確認したところ、当該責任職は、通勤届による通勤方法及び通勤経路に対応する自転車駐車場定期利用券及び継続の鉄道定期乗車券を購入し、保有していることが認められる。

・一方、当該責任職は、数年前から体調が悪いとき、荷物が多いとき、終業後に予定があるときなどには、家族により乗用車で自宅から職場まで(又は職場から自宅まで)送迎をされていたとのことであり、その頻度は、平成29年4月から同年11月までの間は、出勤時は月2・3回、退勤時は期間中2・3回、また、同年12月から翌年3月までの間は、出勤時は勤務日の半分近く、退勤時は期間中1・2回生じていたとのことである。

・この点、給与条例第11条第1項は特定の通勤方法を常例とすることを要件として通勤手当を支給することとし、規則第9条第1項は通勤届によりかかる通勤方法及び通勤経路を通勤の実情として届け出なければならないこととしているところ、乗用車での送迎による通勤は、通勤届により届け出て、認定を受けているものとは異なる。

・しかし、通勤届とは異なる通勤方法及び通勤経路により通勤することも、個々の事情により生じ得ることは考えられるのであるから、かかる通勤が、給与条例第11条第1項の常例とする通勤方法、また規則第9条第1項の届け出なければならない通勤の実情に該当するか否かは、かかる通勤をする頻度や理由等を踏まえ、個々に判断すべきものといえる。

・本件においては、1年間のうち平成29年12月から翌年3月までは、出勤時のみであるものの、月の半分近く乗用車により送迎されていたことから、この点だけをみれば、乗用車での送迎による通勤が、常例とする通勤方法、また通勤の実情であるとの疑義を生じさせ得るものである。

・しかし、上記期間中(平成29年12月から翌年3月まで)における退勤時の乗用車による送迎は1・2回であり、平成29年4月から同年11月までは出勤時及び退勤時を併せてみても月2・3回である。また、送迎される理由は1年を通じて上記のとおりであり、加えて、当該責任職が通勤届どおりの定期券を購入し、保有している実態をも考慮すれば、乗用車での送迎による通勤が、常例とする通勤方法、また届け出なければならない通勤の実情であるとまではいえない。

・したがって、本件において、通勤手当の受給について、給与条例及び規則に反する点は認められない。

・以上のとおりであるから、当委員会としては、当該責任職に対して、誤解や不信を招くことのないよう服務規律を改めて確認させるとともに、引き続き、職員の通勤の実情調査を行い、通勤手当の支給が適正であるか確認を行うことで職員の労務管理を徹底するなど不断の努力を行うべきことを所属に伝え、対応を終了する。

・責任職本人に対しては誤解や不信を招くことのないよう、服務規律について十分に理解するとともに、自らを厳しく律するよう注意を行う。

・引き続き、局内において通勤の実情の調査を行い、通勤手当の額が適正であるか確認を行うことで職員の労務管理を徹底するよう周知を行う。
30年8月23日学歴詐称等に関する件・本件は、A職員がB大学を卒業しており、学歴を詐称しているため、厳正に調査し、処分をすること等を求める通報であった。

・横浜市の技能職員採用選考における学歴要件は、業務内容や年度によって異なる場合はあるが、高等専門学校、短期大学及び大学を卒業した人は受験できないこととされている。
・横浜市では、平成19年に他都市で学歴詐称の問題が報道されたことから、学歴を詐称して採用された職員への対応方法を決定し、平成19年7月31日までに申し出た場合には停職処分とし、それ以後に学歴詐称の事実が判明した場合は原則として懲戒免職処分とすることとしている。
・本件は、具体的な証拠等が添付されていなかったが、過去に横浜市として学歴詐称に対し厳しい対応をしていること、通報で具体的な学校名を挙げていることもあったため、事実について確認するために調査すべきとの判断のもと、受理して調査を実施した。
・A職員が受験した当時は、技能職員採用選考については、大学卒業者は受験できない職種であったことが認められる。
・A職員については、過去にも同趣旨の通報がなされており、最終的には学歴詐称の事実は確認できないとの判断がなされている。

・今回、所属を通じて、通報で特定されているB大学にA職員の学歴の照会を行ったが、B大学からは、原則として照会対象者本人以外の者からの照会には回答できない旨の回答であり、A職員がB大学に卒業していた事実を認めるに足りる証拠は得られなかった。
・また、本件では、A職員の暴力性及び不良な勤務態度並びにこれらを管理者である所属上司が放置している旨の通報もなされているところ、A職員の勤務状況等を確認したが、特段の問題が存すると認めるに足りる証拠はなかった。

・以上のとおり、当委員会で調査を行ったが、通報にある学歴詐称の事実等を確認することはできず、通報者から具体的な証拠等も提出されていないことから、これ以上の調査については行わず、委員会としての対応を終了する。

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30年5月29日

アスベスト対策に関する件

・本件は、市が事務所等として使用している建築物及び市の公共施設の建材に石綿(アスベスト)が使用されている中、市の対策が不十分であるため、職員、市民等がその粉じんにばく露するおそれがあるとして、適正な対応を求める通報であった。
・所属の調査結果によると、市が所有する公共建築物については、平成17年及び19年に建築物の壁等に吹き付けられた石綿等(以下「レベル1建材」という。)に関する実態調査を実施し、107施設でレベル1建材の使用が判明したことから、87施設については平成25年度までに当該建材の除去をなし、除去を実施していない20施設については、封じ込め又は囲い込みの措置を実施しているものが7施設、閉鎖しているものが2施設、当該建材の石綿の含有量が低く、囲い込み相当の状態にあるもの又は当該建材が飛散性の低い固化状のもので封じ込め相当の状態にあるものが11施設であり、いずれも石綿の粉じんのばく露のおそれはないと判断しているとのことである。上記のうち、囲い込み又は封じ込め相当の状態にあるものについては、毎年、空気中の総繊維数濃度測定を実施してきたとのことである。
・平成26年の石綿障害予防規則(以下「石綿規則」という。)の改正により、除去等の措置対象に追加された石綿等が使用された張り付けられた保温材、耐火被覆材等(以下「レベル2建材」という。)については、平成28年8月に関係局により、横浜市公共建築物台帳に掲載された建築物(学校施設を除く。)における使用状況等に関する調査を実施し、736施設でレベル2建材の使用が確認され、このうち119施設でこれらの損傷又は劣化が確認された。
・実際に石綿が含有されているかどうかは、個々の成分調査等を必要とするため、これらは石綿が含有されているものとして対応することとし、平成28年12月、上記調査結果を踏まえ、関係局が当該施設所管部署に対して通知を発出し、職員への注意喚起及び対策の検討等を依頼した。これを受けて、119施設のうち81施設については、応急措置を実施したが、残りの施設のうち1施設は当該建材を除去予定であり、37施設については、応急措置も行われていないとのことであった。
・本件通報後の平成30年2月、関係局が通知を発出し、レベル1建材が残存する20施設を対象として、毎年、当該各施設において実施されている対応状況の現状を報告させることとし、レベル2建材が残存する施設についても、対応の進捗を把握することとしたとのことである。
・学校施設におけるレベル2建材については、平成28年10月時点で、325施設で室内等に露出して設置されている保温材等が確認されたものの、応急措置を行い又は損傷、劣化等が見られないため、石綿の粉じんにばく露するおそれがあるものはないとのことであった。
・市が借り上げている施設については、石綿含有建材の有無等を、それぞれの所有者等に照会し、居室その他の専用部分には特定建材が使用されていないことが確認された。一方で、いくつかの施設において特定建材の使用が確認されたが、既に囲い込み又は封じ込めの措置が実施済であること、又は職員が立ち入らない場所に設置されたもので損傷、劣化等も確認されていないとのことであった。
・国の通知において「通常労働者が立ち入らない場所」に設置され、「建材等で隔離されているもの」は措置の対象には含まれない旨が定められていること、封じ込め又は囲い込みの措置が実施されていないレベル1建材が残存する施設についてはこれまでも空気中の総繊維数濃度の測定が行われていること、今後は、毎年、当該各施設において実施されている対応状況の現状を報告させること等を考慮すると、上記の措置状況が直ちに違法又は不当であるとは認め難い。
・しかし、発じん性が著しいレベル1建材については、除去することが最も望ましいことは否めず、より抜本的な措置として、レベル1建材の除去に向け、各施設の利用形態を考慮の上、優先順位を付けながら、中長期的な計画を立案し、計画的に取り組むべきである。
・一方、レベル2建材(レベル2建材である可能性のあるものを含む。)で、損傷、劣化等が確認されたもののうち、応急措置をしている施設については、国の通知を参考に措置を行ったとのことであるが、「応急措置」であることに加え、未措置の37施設に使用された建材がレベル2建材であるか確認されていない現状自体が大きな問題であるとともに、上記状況の判明後も何らの措置も講じていないことは、行政の怠慢であるといわざるを得ない。平成30年2月に関係局が通知を発出し、対応の進捗を把握することとしたとのことであるが、明らかに遅きに失したものであり、当該保温材等の除去を原則とした措置の実施に向け、中長期的な計画を立案し、計画的に取り組むべきである。
・また、定期的な目視点検や総繊維数濃度の測定が行われているのは、レベル1建材が使用されている施設の一部にすぎず、これは石綿規則に直接抵触するものではないとはいえ、国の技術上の指針に反しており、地方公共団体としては不適切な状態である。レベル1建材又はレベル2建材(以下「特定建材」と総称する。)が残存する公共建築物(学校施設を除く。)の全てにおいて定期的な点検を行えるよう、関係局が連携し、当該公共建築物を所管する所属の進捗管理を行うべきである。
・学校施設についても、他の公共建築物と同様の調査により、レベル2建材の使用状況を把握することが必要というべきである。その結果、レベル2建材の使用が確認された場合は、当該保温材等の除去を原則とした措置の実施に向け、中長期的な計画を立案し、計画的に取り組むべきである。また、併せて、特定建材が残存する学校施設の全てを対象として定期的な点検を行うべきであることは当然である。
・市が借り上げている施設については、明確に違法又は不当である点は確認することができなかったが、借上ビルにおいても、特定建材の除去を原則とした措置を所有者等に求めていくことや、これが困難な場合は、執務室等の移転を検討することなどが望まれる。また、当該特定建材の損傷、劣化等の状況の定期的な点検については、統一的な対応を確認することはできなかった。これは、地方公共団体としては不適切な状態であり、定期的な点検を当該借上ビルを所管する所属が実施するか、その所有者等に実施させるべきである。石綿含有建材が使用されていると認められる箇所については、通常職員が立ち入らないとされている場合であっても、改めて、立ち入らないよう職員等への注意喚起及び情報提供をすべきである。
・国の通知により、特定建材が使用されていることが明らかとなった場合はその損傷、劣化等により石綿等の粉じんにばく露するおそれがある旨を職員に情報提供することが望ましいとされている。特定建材の公共建築物における使用状況等は、今後、庁内で情報共有するとのことであるが、労働安全衛生法、石綿規則等の趣旨を踏まえ、職員の健康管理を担う局が中心となり、関係局と連携して、職員への周知を行うべきである。
・その他の石綿含有建材等(以下「レベル3建材」という。)については、使用状況等を把握していないことが直ちに違法又は不当であるとは認め難いものの、レベル3建材の把握を行えていない中では、職員等が建物の建材に対し切断、穿孔、研磨等を行うに際しては、十分に使用建材の確認を行うよう、職員への周知、教育を徹底する必要がある。
・以上を踏まえ、特に、特定建材が残存する市の公共建築物や市が事務所等として使用する建築物については、特定建材の除去を原則とする抜本的な対策が必要であると考える。したがって、関係する部署が多数ある中では、市の公共建築物を所管する部署、職員の健康管理を所管する部署がそれぞれ責任をもって早急に中長期的な計画を策定し、各責任部署による進捗管理を徹底した上で、取組を確実に進めるべきであることを指摘し、対応を終了した。

・公共建築物のレベル2建材対策は、平成28年8月に実施した使用状況調査において119施設でレベル2建材の損傷又は劣化が確認されているが、平成29年7月時点で、そのうち81施設で応急措置を実施しており、38施設について応急措置の方法を検討していたところである。この38施設については、平成30年3月時点で、2施設で除去の措置、12施設で応急措置等を実施した。また、4施設で分析の結果、アスベストが含有されていないことなどを確認した。残りの20施設についても対応を進めていく。
・学校施設におけるレベル2建材については、他の公共建築物と同様の調査を行い、必要な対策を進めていく。
・レベル1建材及びレベル2建材の損傷、劣化等の状況について定期的に点検等を実施する。
・これらの取組状況などについて、職員への情報提供・周知を進めるとともに、職員へ必要な注意喚起等を行う。

30年5月29日

工事の進捗等に関する件

・本件は、局が発注した工事について、局発注部署の担当職員(以下「局担当職員」という。)の不作為等により施工が遅延し、施工済みの別の工事(以下「A工事」という。)の費用も計上されていたこと、また、これらのことについて内部通報すると上司に伝えたところ、通報を断念するようにとの不当行為を受けたとの通報であった。
・調査結果によると、局担当職員の事務処理の中で、書類の記載誤りや回議の遅延、日付を遡及して記載しようとしたことなど、局担当職員による事務処理ミス等が複数確認された。また、そうしたミス等を起こした後、本来であれば、反省し、監督部署である現場事務所等の関係者に対し、信頼回復のための調整等を行うべきところ、真摯に対応することなく、結果として、関係書類の回議の遅延に際し、現場事務所から怠慢であるとして善処を求める要請を受けるなどにつながっており、その後の対応も不適切であった。
・次に、本件工事には、当初、A工事費が計上されており、もともと本件工事の中でA工事を行う予定であった。一方で、当該A工事は、別に整備中の事業を行うために不可欠なものであり、A工事の施工を遅らせることができない状況の中で、本件工事の当初の入札が不調になった。このため、別途発注済の現場事務所管内一円工事で施工することとしたものの、当該工事では、他に緊急性の高い工事個所が生じればそちらが優先され、結果として当該A工事が行えない可能性があることなどから、本件工事から当該A工事費を削除する設計変更をすることなく再入札を行ったとのことである。所属からの報告では、「規定やマニュアルに定めがあるものではないが生じ得るケース」などとしているが、本件工事の再入札時には、当該A工事は完了していたのであるから、局の説明は何ら合理性を持たない。完了済み部分が含まれる工事の入札及び契約は、マニュアルがあるなしの問題ではなく、当然にあってはならないものである。発注担当部署が、局と現場事務所に分かれているとはいえ、連絡を取り合っていれば、二重発注ともいえるような本件工事の契約は容易に防ぐことができたはずである。最終的に、契約変更により是正されたとはいえ、契約行為の重要性の認識が極めて希薄であったといわざるを得ず、極めて遺憾である。しかしながら、局では、双方の工事の進捗状況をより綿密に情報共有する必要があったとの反省から、今後は、現場事務所を訪問し、設計や工事の進捗状況を確認するなどの取組を進めるとのことであり、こうした取組の徹底を求める。
・一連の局の報告は、本件工事が最終的に無事完了したことをもって問題なしとしているようにも思われるが、その過程において局担当職員の不適切な業務処理や事務処理の遅滞などがあり、関係者に迷惑をかけたことについての反省は十分であるとはいえない。ただし、本件に関し、局コンプライアンス責任者は、現場の施工管理が円滑に進むためには、双方の連携が不可欠で、これまで以上にコミュニケーションを図り信頼感のある業務遂行を図っていく必要があることを認識し、チェックを徹底することや業務進捗を組織的に共有し、担当者の事務・調整力の向上を目指して適切な指導を行っていく予定とのことであるので、これらが確実に実行されるように求める。
・次に、本件工事に係る局担当職員の不作為等について、現場事務所係長に内部通報すると伝えたところ、通報を断念するような不当行為があったとの指摘に関しては、次のような事実が確認された。
・現場事務所係長は、現場事務所職員が、局担当職員の対応遅延状況とともに、局担当職員との間では調整しきれないため、遅延は局担当職員の怠慢である旨を文書により訴えようと考えているとの話を聞き、副所長に相談し、文書では一方的な主張になる可能性があると考え、責任職も関わり、局責任職を含めて対応していくと判断したとのことである。副所長から、文書の提出を止めることはしないこと、責任職が調整に関わっていくことを説明し、その段階で当該職員の理解が得られたと考えたとのことであった。
・こうしたことから、現場事務所責任職は、本件の早期解決を目指して、積極的な関与により調整を図ろうとしたものと考えられる一方、内部通報制度の利用を妨げるような不当行為があったとまでは確認できなかった。
・なお、最終的に工期が1か月ほど延長されているが、一連の不適切な事務処理が進捗に影響したものではなく、国との協議に時間を要したためであり、制度に則り、組織的に手続きは完了しており、不当な状態とはいえない。
・以上を踏まえ、局担当職員に対する育成、指導や、現場事務所との情報共有を含めた連携が不足する中で当然にあってはならない工事の発注が行われていたことなど、局の業務管理は不十分であったといえる。途中からは改善がみられたものの、今後は、局の人材育成を強化し、仕事の進め方や業務管理について、責任職が適切に指導を行うよう改善すべきことを局に伝えるとともに、工事の施工管理を円滑に進めるためには、発注部署と監督部署間の連携が重要である中では、現場事務所としてもその連携に協力するよう区にも伝え、本件の対応を終了した。

・双方の情報共有や連携を図るため、局が現場事務所を訪問し、工事の進捗状況を確認するなどの取組を進めることとした。
・業務進捗を組織的に共有するとともに、職員の育成、指導を行っていくこととした。

30年5月29日

宿泊研修に関する件

・本件は、消防団の宿泊研修について、宿泊地や委託先事業者が指定された状態で消防署に話が持ち込まれて実施され、その内容は宴会旅行だったとして、公費で実施することの是非を問う通報であった。
・本研修は、消防団員のモチベーションアップや魅力ある消防団づくりのための「消防団活動充実強化費」に基づく事業であり、消防署内で決裁され、実施されたものであることが確認された。また、本研修では、もともとの行程に含まれていない場所に立ち寄っている事実が確認されたが、これは、宿泊施設に向かう途中の時間調整のために立ち寄ったものであり、研修内容についても、消防、防災にかかる施設見学や講義のほか地元消防団員との意見交換などであった。講義については、必ずしも遠隔地で行う必要性が高くないものも含まれていたが、研修全体として消防団員の資質向上に役立つものと考えられるものであった。以上のことから、過去の判例に照らしても、本件研修には全体としての公益性があり、公費支出に違法性があるとはいえない。
・また、委託先事業者についても、複数社から見積書を徴して安価な業者に決定しており、手続き上の不適切な点は確認できなかった。ただし、実態として消防団からの提案通りの研修となっている中、そのこと自体が直ちに不適切というものではないものの、研修が年度当初の事業計画には含まれておらず、年度途中に追加されたものであったことなど、市民等から誤解されかねない面があったことも否定できないことから、今後、こうした事業の実施に当たっては、意思決定過程において、その趣旨を明確にして関係職員にも示すなど、より適切な業務の執行に努める必要がある。
・さらに、本研修では、参加した責任職が時間外勤務記録簿への記載を失念し、正規の勤務時間以外の勤務の記録に関する手続きの不遵守が確認され、帰りのバスの中では責任職が飲酒し、正規の勤務時間内であったことから、職務専念義務違反に当たる事実も確認された。これらは、職員の範たるべき責任職としての自覚に欠ける不適切な行為であり、当該職員は深く反省する必要がある。
・なお、局の報告では、勤務時間内の飲酒については、不適切であったとするのみで、職務専念義務違反については触れられておらず、局としてこのことに思いが至らなかったことは、極めて遺憾であるといわざるを得ない。
・以上を踏まえ、こうした研修等においては、勤務時間中は飲酒しないことはもとより、休日勤務に係る時間外勤務記録簿の記載などを局として改めて周知徹底すること、また、研修等の実施に当たっては、事業の趣旨等を明確にし、職場における円滑なコミュニケーションの下で適切に業務が進められるよう、責任職が率先垂範して取り組むよう所属に伝え、対応を終了した。

・所属長から当該職員に対して厳重注意を行った。
・研修の目的、宿泊を行うことの必要性を確認し、内容を精査することとした。
・時間外勤務記録簿の作成を徹底することとした。

30年5月29日

通勤方法等に関する件

・本件は、バス通勤の届出をしているにもかかわらず、出勤の際に、家族に送迎してもらったり、認められていないバイクによる通勤をしている旨を指摘する通報であった。
・調査結果によると、当該職員の通勤については、公共交通機関の利用が原則であるが、勤務上、早朝出勤が必要な場合等は、所属長から事前に許可を得ることで自家用車又はバイクによる通勤が可能であり、当該職員についても早朝勤務等が必要な際には、事前に許可を得た上でバイクで通勤していた事実が確認されたが、事前に許可を得ない無断でのバイク通勤の事実は確認されなかった。
・その一方で、健康のために自転車通勤への変更を届け出て以降、届出とは異なる方法での通勤を繰り返し、中には、自転車通勤よりも多い月もあり、このことは、通勤方法に変更があった場合の届出義務を定めた就業規程に抵触する。また、給与に関する規程では、通勤手当について、常例とする通勤方法に支給すると規定しており、当該職員は変更を届け出ていないことから、本来の手段以外で通勤手当を受給していることになるが、届け出ない方が手当が安価であることから、意図的に通勤手当を不正に受給しようとしていたとまではいえないものの、通勤手段によっては一部の月について疑義を生じさせるものであって、適切な通勤届の変更を怠ったことは明らかであるから、その規範意識には甘さがあるというほかない。
・事態を受けた所管局は、当該職員の行為は市民の信頼を大きく裏切るものとして厳正に対処するとともに、所属の職員に対して、適切な通勤方法及び届出について注意喚起を促すとのことであり、併せて、不適切に受給した通勤手当についても返納を含めた精算手続を進めていくとのことであった。
・以上を踏まえ、当委員会としては、所属の職員に対して指定外通勤許可申請の適切な運用を図るとともに、改めて適正な通勤方法及び届出について周知するよう伝え、対応を終了した。

・所属長から所属の職員に対して、改めて適正な通勤方法及び届出について周知した。

30年5月29日

告発義務に関する件

・本件は、職員が犯罪事実を確知したにもかかわらず、告発をせず、又は告発に関する指摘をしなかったことは、刑事訴訟法に抵触する旨を指摘する通報であった。
・指摘を受けた一方の局の調査結果によると、指摘を受けた所属は、市政報道に係る事務や報道機関との連絡等を職務としており、個々の事案に係る告発の指示等の業務は行っていないこと、また、告発に関する判断は、事案の詳細情報も踏まえて行う必要があることから、その詳細情報を把握する所管部署において、当然行われるべきものと認識しているとのことである。
・刑事訴訟法では、公務員に課せられた告発義務について、「その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発をしなければならない」と規定されており、本件の場合、資源物の収集運搬業務において発覚した犯罪行為であることから、告発の対象となるべき行為を業務上所管する部署の職員に課せられていると解するのが適当である。
・また、告発するか否かについては、一定の裁量は認められると解されるところ、当該事務における決定権限を有する所管部署の課長以上の判断の適否をもって検討すべきである。
・この点業務所管局の調査結果によると、本件では、局コンプライアンス推進委員会が開催され、被害者の被害が回復されたこともあり、被害届を取り下げる発言をされたことをもって「被害者の方は犯人の訴追を求めない」意向であると受け止め、局として告発まで行う必要はないと判断したとのことである。
・告発とは、捜査機関に対し、他人の犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求める意思表示であることから、今回、告発を行わなかったことの判断について、告発義務違反となる点は見られず、組織として適切に対応したものと認められる。
・さらに、本件では記者発表を行い、発生した事件自体については広く公表しているので、組織として犯罪事実を隠蔽した事実もなく、それぞれが職責に応じた事務を適切に遂行していたことも確認された。
・以上を踏まえ、当委員会としては、それぞれの局に対し、引き続き適切に業務を遂行するよう伝え、対応を終了した。

・引き続き、不祥事防止に努めるとともに、万が一、不祥事が発生した場合には、刑事訴訟法に定められた告発義務も踏まえた対応を行っていく。

30年2月22日

カード型広報媒体の配布に関する件

・本件は、既定の配布の取扱いによることなくカード型広報媒体を提供したことが、特別な便宜に当たり、そうした行為の事実関係の確認、公表等を求める通報であった。
・本件では、既定の配布の取扱いによることなく、区経営責任職が議員に本件カードを提供した事実が確認された。この行為は、一部の者に対する有利な取扱いを禁じた職員服務規程に反する行為である。
・議員が支持者からの要望を受けてカードを渡す行為については、本件カードが市民に無料で配布される広報物であり、直ちに財産上の利益を有しているとまではいえないことから、公職選挙法で規定する寄附行為には必ずしも当たるとはいえないものの、同法に抵触するとの誤解も招きかねない行為であることを、職員としては当然に認識し慎重に対応すべきであり、その対応は極めて遺憾なものであったといわざるを得ない。
・また、本件カードの入手過程において、職員も本件カードを受け取ったことについては、市民が入手するためには所定の配布場所に出向く必要があり、1人に1枚しか入手できない中、職務や地位を私的な利益のために用いてはならないと規定した職員服務規程に反する行為との誤解を招きかねず、市職員としての自覚が欠けていたといわざるを得ない。
・さらに、本件カードについては、一般的な市の広報物と異なり、一般市民への配布の方法を明示しているものであることから、市民等から誤解を招かないよう、より慎重に対応すべきであった。これに関しては、今後、配布の取扱いについて、所管局で整理するとのことである。
・一方、区コンプライアンス責任者は、配布された全ての本件カードを回収するとともに、区職員の服務に関して、厳しく受け止め、本件に関与した経営責任職に対し、厳重に注意するとともに、再発防止策を区コンプライアンス推進委員会で検討し、職場内研修を実施したとのことである。
・また、今回の事案を市全体の問題として捉え、同様の不適切な対応がされることがないよう、全区局への注意喚起とともに本事案を踏まえた研修の実施等につなげていくことが必要と考え、区コンプライアンス責任者から関係局に本事案について報告するとのことである。
・以上を踏まえ、当委員会としては、広報物の配布については、市民からの疑念を招かないよう、市内部での取扱いを適切に定めるよう取組を進めるとともに、再びこうした不適切な取扱いで本市に対する市民からの信頼を失うことのないよう、再発防止に向けて関係局を含めた取組を徹底するなど、不断の努力を行っていくよう所属に伝え、対応を終了した。

・配布に関わった職員に対して、区コンプライアンス責任者から厳重注意を行うとともに、区コンプライアンス推進委員会で再発防止策を検討し、職員に研修を行った。また、今回の事案を市全体の問題として捉え、全庁的な注意喚起と研修につなげるため、関係局に報告する。

30年2月22日

事務分担に関する件

・本件は、区土木事務所において、市の事務分担に関する規程上、当該所属の所掌事務とされていない国庫補助事業に係る公共下水道工事に関する業務を分担していることが、当該規程に違反することを指摘する通報であった。
・調査結果によると、関係規程において、本件のような国庫補助事業に係る工事の設計については、局が所管し、土木事務所の分担は「市単独事業に係るものに限る」としているとのことであった。
・各土木事務所では、職員の人材育成を強化する必要性や、各地で大地震が発生する中、本件事業の早期の完了が求められていることなどから、平成29年度より下水道担当職員による当該工事に係る設計を試行しているとのことである。
・今回の業務分担については、試行の段階であることから、事務分掌に関する規程の改正は要さず、試行状況を検証して、今後、正式業務としての実施に向けて検討していくとのことであった。
・以上を踏まえ、当委員会としては、今回の試行について職員などから説明を求められた際には、真摯かつ丁寧に説明するとともに、試行状況の検証後、正式業務として実施する場合には、関係規程を速やかに改正するなど、適切な対応を進めるよう所属に伝え、対応を終了した。

・本件業務分担の試行状況を検証し、今後、正式業務としての実施に向けて検討する。

30年2月22日

庁舎駐輪場の使用に関する件

・本件は、区総合庁舎の来庁者用駐輪場に、職員が通勤用のバイクを駐輪していることを指摘する通報であった。
・調査結果によると、今回、通勤届では公共交通機関利用としながらバイクを使用して通勤したことについては、使用実態を確認したところ、通勤実態の届出義務を定めた規定に反するとまではいえなかったものの、公共交通機関の定期券を購入せず、バイク通勤を繰り返したことは、通勤実態と異なる手当を受給しようとしたかのような誤解を招くおそれがあった。
・また、バイク通勤が認められた場合であっても、本来、その駐輪場所は近隣の民間駐輪場を借りるべきところ、当該職員は、職員の使用が禁止されている来庁者用の敷地に無断で駐輪しており、これは、行政財産の適正管理に関する規定に反し、市職員としての自覚を欠く極めて不適切な行為であった。
・さらに、この間、同僚職員から二度にわたり注意を受けていたにもかかわらず、当該行為を繰り返していたことは、規範意識が著しく欠如していたといわざるを得ず、猛省すべきである。
・その上で、本件については、所属としても重く受け止め、当該職員に対し、所属長から厳重注意が行われていること、また、結果として、バイクを常例の通勤方法とみなすまでは至らず、通勤手当の返納も要さなかったことも考慮し、当委員会としては、所属に対し、引き続き職員の労務管理の適正化を徹底するとともに、行政財産の適正な管理についても周知徹底するよう伝え、対応を終了した。

・所属長から当該職員に対して厳重注意を行った。

30年2月22日

市民応対に関する件

・本件は、窓口に来所された市民に対して、職員が不適切な言動を行っていることを指摘する通報であった。
・調査結果によると、就労支援専門員である当該職員は、担当する支援対象者との面談をフランクな雰囲気で行い、親身になって話を聞いたり元気づけるような声掛けを行ってきたが、最近になり、「おい」「おまえ」「しっかりしろ」「やる気あるのか」といった話し方をすることで、距離が縮まり、話しやすい関係を築くことができる場合があると考えて、支援対象者の性格や状況にあわせて、一部の方に対し、上記のような話し方をしていたとのことである。
・また、本件のほかにも、不適切な言葉遣いをされ、改善してほしい旨の手紙があった事実も確認された。
・当該職員においては、上記のような話し方で対応することが支援に役立つという誤った認識の下で、市民対応を行っていたものであり、こうした対応は、支援対象者の心情への配慮を欠き、服務に関する規定に反した不適切な対応であるといわざるを得ない。
・これを受け、当該職員に対しては、所属長から相手の心情を慮り、公務員として適切な話し方に留意するよう注意するとともに、再びこのようなことが生じないよう、今後、継続的に指導するとのことであり、現時点では不適切な言動は見られないとのことである。
・また、当該所属においては、朝のミーティングや研修等を通じ、窓口での適切な話し方、対応について、注意喚起を行うとのことであった。
・以上を踏まえ、当委員会としては、適切な市民対応が行われるよう、責任職から職員への指導を行うとともに、苦情の手紙等についても適切に対応するよう所属に伝え、対応を終了した。

・市民応対について、所属長から当該職員に対して指導面談を行うとともに、職場全体に対しても、窓口の対応を適切に行うよう注意喚起を行った。

29年11月10日

差押処分に関する件

・本件は、国民健康保険料の滞納を理由に、不動産に対する参加差押処分を解除したことについて、関係法令、通知等に逸脱した処分であることを指摘する通報であった。
・調査結果によると、本件処分に係る滞納者が、国民健康保険料を滞納したため、所有する不動産に対して順次3件の参加差押処分を実施し、その後、当該不動産については、健康福祉局との検討会において公売候補となったが、並行して、給与債権の差押えも執行したとのことであった。
・担当職員は、給与債権からの徴収が順調であったことから、延滞金も含め完納できると考え、また、法令上、他の財産を差し押さえた場合に先行する差押えを解除することができるとされていることや、不動産の公売と給与の差押えが重なることで、滞納者の生活の維持を困難にするおそれがあると考えたことから、上記各参加差押えについて、換価猶予を理由として解除することになったとのことであった。
・しかし、当該不動産の使用状況等の確認をしていないことから、滞納者の生活の維持を困難にするおそれがあるとまでは認められないこと、また、財政局の通知には、滞納税額の全額が納税されるなど、法で定められた要件が充たされるまで差押えは解除しないとの記載があり、本件解除処分は、法令や横浜市の方針等に照らして、極めて不適切であったといわざるを得ない。
・さらに、本件解除処分の決裁手続においても、担当職員の上司が関係法令等との適合性を確認することはなかったとのことであり、決裁権者としての役割を十分に果たしていないといえる。
・これらから、本件解除処分は、担当者と管理監督者双方の関係法令、通知等に対する理解の不足により引き起こされた案件であったが、一方で、後任職員の指摘を受けた健康福祉局の判断から、再度差押処分となり、現在は解除前の状態に戻り、不適切な状態については是正されている。
・以上を踏まえ、当委員会としては、引き続き、相談しやすい職場環境の構築及び相談があった場合の真摯な対応を求めるとともに、担当者及び管理監督者も含めた所属全体で、法令や通知に則った処理を進めるよう所属に伝え、対応を終了する。

・当該所属において、仕事のしやすい職場環境作りを指示するとともに、関係法令や通知等を今一度確認するよう注意喚起を行った。

29年8月21日

占用許可に関する件

・本件は、無許可で河川区域内に設置された公共下水道管について、河川占用に関する許可基準に適合しないこと等から、必要な是正措置をとるべきこと等を指摘する通報であった。
・調査結果によると、河川占用許可を受けるべき公共下水道管について、これを受けていない案件が300件以上あることが確認されたが、当該申請は、洪水等による災害の発生、流水の正常な機能の維持を阻害する行為等を未然に防止するため、事前に行われる必要があることは当然であり、占用主体と河川管理者が帰属する団体とが同一である場合も別異に取り扱う理由はないとのことであるから、この認識を欠いたまま、下水道管の設置が行われてきた状況に特段の対策等を講じてこなかった所管局の対応は不適切であったというべきである。この点について、従前は、河川管理上の支障がないかどうかについては、所管局内の該当課の間で協議を行う取扱いとしていたとのことであるが、後日、その内容を確認することができる資料等の作成、保存等が行われていないことを考慮すると、なお所管局の対応は不適切というべきである。
・一方で、本件通報にあっては、河川占用許可に際して縦断占用は一切認められない旨が指摘されているが、国が示した許可基準においては、「工作物は、原則として河川の縦断方向に設けないものであること」と規定されており、縦断方向の設置について一切の例外を許容しないものとは解し難い。
・所管局としては、本件下水道管については、その設置位置等を考慮し、治水上の支障等は認め難いとして、本件下水道管に加え、今回確認されたその他の案件についても許可申請書を提出しているとのことであり、これを受けた各土木事務所長は、速やかに、かつ、慎重にこれらの内容を確認し、治水上の支障等の有無を回答すべきである。
・現時点において、上記状況に対して所管局がとり得る対応としては、当該下水道管の現状に対して是正措置を講ずる必要の有無の確認を事後的に河川管理者に依頼する、すなわち、事後の許可申請書を提出するほかないが、これは本来制度が予定する態様ではないことは明らかであり、やむを得ないものとして認めざるを得ない性質のものといわなければならない。
・以上を踏まえ、当委員会としては、上記申請書の内容を確認した結果、一定の是正措置等が必要となった場合は、速やかにこれを講ずることはもとより、かかる事態に至った経緯、原因、市民生活への影響等について市民への説明責任を全うし、今後においては、法令による許可等が必要となる工作物の設置に当たっては、関係諸手続の確実な履行その他適正な制度運用を図るよう所管局に伝え、対応を終了した。

・本件下水道管に加え、今回確認されたその他の案件についても、各土木事務所に許可申請書を提出した。
・法令による許可等が必要となる工作物の設置について、今後は諸手続に漏れがないよう確実に履行していくこととした。

29年8月21日

空調設備に関する件

・本件は市立学校の教室に個別に設置された空調設備の操作方法及び稼働期間の弾力的な運用を求める通報であった。
・教育委員会では、市立学校における空調設備の運用について、快適な学習環境を提供するとともに、地球環境に配慮したものとなるよう指針を定めているところ、調査結果によると、当該校では職員室での一括集中管理により空調設備の運転を行っているが、稼働期間及び温度設定については指針に適合した運用としており、個別に教室から連絡があった場合に加え、当日の気温や各教室の配置状況等を考慮して運転するという個別の状況に応じた運用を行っているとのことである。
・また、教室ごとの個別のリモコンの使用については、指針には特段の定めがないが、当該校においては、過剰な運転や電源の切り忘れ等による環境負荷、電力料金等の増大を招くおそれがあることを考慮し、リモコンを使用せず、職員室での一括集中管理を継続しているとのことであり、これらについて違法又は不当な点は認め難い。
・以上を踏まえ、当委員会としては、本件について勧告等は行わないが、当該校において上記の運用を継続するのであれば、各職員にその趣旨等を十分に周知し、その理解が行き渡るよう配慮するとともに、職員から空調設備の運用その他の学習環境への配慮に係る意見等があった場合は、学校長はその内容を真摯に受け止め、速やかに職員間での十分な話し合い等を経た上で判断するなど、可能な限り現場の職員の意見等に配慮しつつ、引き続き、指針に則った空調設備の運用その他の快適な学習環境の提供等に努めるよう所属に伝え、対応を終了した。

・当該校において、指針の趣旨等を改めて周知した。また、空調設備の運用については、職員間で情報共有するとともに、職員から意見等があった場合は十分な話し合い等を経て決定することとした。

29年5月31日

通勤方法等に関する件

・本件は、職員の通勤用自家用車の施設敷地内への駐車について、災害時の安全性に支障が生じるおそれがあること及び使用料を徴収していないこと並びに当該自家用車を公務に使用しており、その場合でも公共交通機関を使用したとして旅費が支払われていることを指摘する通報であった。
・調査結果によると、本施設にあっては、複数の職員について、自家用車通勤及び敷地内駐車を認める一方、使用料を徴収していないこと、さらに、上記職員の中に、正規の出退勤時刻を考慮すると、公共交通機関による通勤が困難であるとは直ちには認められない日勤の職員が含まれていたことが確認された。
・本施設においては、自家用車通勤及び敷地内駐車をしようとする職員は、当該局の労務主管課に関係書類を提出し、承認を受けることとされているが、公有財産管理に関する全市的なルールに適合しているかどうかの確認を行うことなく駐車が承認されていた上、使用料徴収については念頭にすら置かれていなかったなど、公有財産を適正に管理する意識に甚だ欠けていたといわざるを得ず、極めて不適切である。
・さらに、上記職員については、公共交通機関を使用するとして旅費を請求している出張が確認されたところ、所管局としては、実際には自家用車を使用したかどうかを確認することは困難である旨述べているが、そもそも出張手段として自家用車を使用させるなど、誤った労務管理に責任職自らが気付かない状況の中、管理体制も杜撰であった結果、実態把握すら十分にできなくなったものとも解され、指摘に係る行為が疑われてもやむを得ないというべきである。
・なお、自家用車の駐車位置については、災害時の避難等に支障とならないよう配慮し、あらかじめ指定しているとのことであり、当該駐車位置の配置、本施設の敷地規模等を考慮すると、直ちに災害時の安全性に支障が生じるとまでは認められない。
・所管局においては、要綱の策定等の改善措置をとるとのことであるが、本件指摘があったことを組織として重く受け止め、労務主管課及び本施設の管理監督者に対して厳重注意を行い、上記改善措置を徹底することはもとより、今後違反行為が確認された場合は、その態様等に応じて、該当者の懲戒処分等を検討すべきであること、また、自家用車通勤についても交通事故の加害者となるリスク等を考慮した運用とするよう伝え、対応を終了した。

・当該局コンプライアンス責任者から労務主管課及び本施設の管理監督者に対して厳重注意が行われた。
・通勤用自家用車の敷地内駐車に関する要綱を策定した。
・通勤用自家用車の公務使用の禁止を徹底するため、施設内の巡回等にあわせ、定期的に自家用車の駐車状況を確認することとした。

29年5月31日

指定管理者選定委員会に関する件

・本件は、特定区で任命された指定管理者選定委員会の委員数が条例上の定数を超過していること等を指摘する通報であった。
・調査結果によると、当該施設の設置に関する条例では、委員定数は10人以内と規定され、また、区内に複数の施設が存在する場合でも、区ごとに設置された1の委員会が調査審議等を行うこととされているところ、当該区では、条例改正により平成24年4月以降は委員定数に上限が設けられたにもかかわらず、常設委員と臨時委員との区分を失念し、条例改正前の平成22年度に実施した選定と同様の委員構成を採用し、合計20人の委員に任期2年の委嘱状が交付されていたことが確認された。
・当該委員会については、条例に適合しないといわざるを得ないことから、この点を理由として、既になされた選定又は指定の効力に影響を及ぼすべきかどうかが問題となるところ、当該区からの報告によると、条例の定数を超えてなされた委員の任命自体は直ちには無効と解されないこと、委員会の運営方法の決定権限を有する区長が本件で実施された運営方法を認めていたこと、さらに、当該指定の相手方の信頼の保護、法的地位の安定性の維持等のため、本件選定等を有効なものとして扱うことが妥当であると解されるとのことであるが、このような当該区の判断もやむを得ないものとして相応の合理性が認められるところである。
・一方で、当該所属の所管課長にあっては、本件について自ら積極的に問題点を整理した上、速やかに上司に報告し、対応を検討すべきことが求められていたにもかかわらず、部下職員からの報告を漫然と待っていたことなど、管理監督者として極めて不適切であったといわざるを得ない。
・以上を踏まえ、本件については前例踏襲による事務を漫然と継続してしまったことを所属として重く受け止め、今後実施する委員任命等について条例等との齟齬を生じないよう万全を期すことはもとより、本件で確認された不適切な事務処理について、所属内の十分な周知や関係局との情報共有を行うとともに、決裁文書の審査等に当たっては、法令等への適合性の確認など、職員一人一人が自覚と責任をもって処理し、また、管理監督者にあっては、職員間のコミュニケーションを密にすることにより、組織内の情報共有を徹底するなど、再発防止を図るよう伝え、対応を終了した。

・当該区の関係職員間において、指摘のあった問題点を共有した上、次期選定に向けて、委員会の委員構成を条例に適合したものに是正した。

29年5月31日

職員の勤務態度等に関する件

・本件は、特定職員について複数の職務専念義務違反等に該当する行為が行われているため、注意・指導をしてほしいとの通報であった。
・調査結果によると、当該職員にあっては、休暇、遅参等に係る手続が適正に行われていなかったこと、出張の変更手続を怠る等により旅費を不適正に受給していたことなど、複数の服務規律に抵触している事実が確認された。
・以上の事態が生じた原因は、当該職員が、職務遂行に当たって全力を挙げて専念しなければならないという公務員にとって最も基本的な義務に対する認識を欠いていたことにあり、まして、当該職員は管理監督者として部下職員の規範となるべき立場であるにもかかわらず、職場の規律等を乱したことは、極めて不適切であったといわざるを得ず、この点はかかる状況を組織として放置していた上司も同様である。
・局としては、基本的な服務規律が徹底されていなかったこと、さらに組織としてこれを放置していたことを重く受け止め、当該職員及びその上司に対して厳重注意が行われ、休暇取得等に係る手続及び旅費の戻入も行われたとのことであるため、引き続き、当該職員及びその上司について、服務状況の適正な管理及び必要に応じて指導を行うよう伝え、対応を終了した。

・休暇取得等に係る手続及び旅費の戻入が行われたことに加え、当該職員及び上司に対して厳重注意が行われた。

29年5月31日

優待券の授受に関する件

・本件は、利害関係者に該当する企業との打合せの際に市職員が当該企業の社員から優待券を受け取ったことを指摘する通報であった。
・当該所属においては、指摘対象となった職員を含め、過去に当該課に在籍した責任職に対して調査を行ったところ、優待券等が差し出された事実やこれを受け取った事実などを確認することはできなかったとのことである。
・また、当委員会から、通報者に対して、通報対象行為が行われたことを客観的に確認することができる資料の提出を求めたところ、特定日時に当該企業との打合せが行われ、その際に優待券が手渡された旨が手書きされた、通報者個人の当時のスケジュール帳の写しが提出されたが、上記に該当する資料と認めることは困難である。
・以上のことから、引き続き、利害関係者との接触に関する指針等を踏まえた慎重な対応に努めるよう伝え、対応を終了した。


29年5月31日

仕事納め等に関する件

・本件は、自粛又は禁止の対象とされている庁舎内における飲酒を伴う仕事納めが実施され、委託先従業員も参加していたこと、また、職員と委託先従業員との間で土産物の菓子類の授受が行われていることを指摘する通報であった。
・市の事務所においては、従前は、職場での仕事納めを全庁的に自粛していたが、その後、各区局の責任において自主的に判断し、一定事項に留意した上、実施することができるものとしており、当該局においても、総務担当課から、仕事納めの実施について、準備等を含めた実施時間帯、参加等は任意とすること、ごみ処理の留意事項等を通知していることが確認されたことから、当該課がこれに従って仕事納めを実施していたこと自体に不当な点は見られない。
・一方で、利害関係者に該当する委託先従業員が参加することについて必要な手続を経なかったことは、所属において利害関係者との接触に関する指針の趣旨等の周知が徹底していなかったことを示すものである。また、仕事納めの実施に当たっては、当該区局の判断を十分に職員へ伝えることが求められるところ、本件通報があったことを考慮すると、この点が不十分であったといわざるを得ず、さらに、時間外勤務に従事している職員がいた執務室内で仕事納めを行ったことも適切であったとはいい難い。
・なお、土産物の菓子類の授受が行われていたとの点については、当該菓子折等はその場で開けられ、各職員に配付するという態様であり、単価も高額に至らないこと等を考慮すれば、規制対象行為に該当するものではないと解されるが、本件通報があったことを踏まえると、注意喚起が必要であることは否めない。
・以上を踏まえ、本件を契機として、仕事納めの実施について職員に誤解等が生じないよう丁寧な周知を図るとともに、職員一人一人に指針の趣旨等の理解を浸透させ、必要とされる手続等の遵守を徹底するよう伝え、対応を終了した。

・当該所属において、利害関係者との接触に関する指針について改めて周知し、注意を喚起した。

29年5月31日

不利益な取扱いに関する件

・本件は、当該所属に着任後1年で人事異動の内示を受けたことは内部通報を行ったことを理由とする不利益な取扱いであるため、是正してほしいとの通報であった。
・調査結果によると、責任職の定期人事異動に当たっては、各区局が作成した異動案を人事所管局に提出することとされているところ、当該所属が作成した異動案については、内部通報が行われたことを当該所属が了知した日よりも20日以上前に人事所管局に提出されており、その時点で通報者は能力活用の観点から異動対象者となっていたとのことであることから、上記内示は内部通報を行ったことを理由とするものであるとは認められないため、対応を終了した。


調査結果公表後2年を経過したものは、ホームページからの掲載を省略します。

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