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よこはま地価案内 基礎編4 不動産投資市場

最終更新日 2019年3月5日

不動産投資というと、所有地に建てたビルの一室を賃貸したり、ワンルームマンションに投資をしたりといった方法を思い浮かべがちですが、近年法律が整備され、株式と同じように一般投資家が小口資金で投資できるようになったため、我が国の不動産投資市場は、ここ数年で急速に拡大し、土地市場の動向に大きな影響を及ぼすようになりました。

不動産証券化とは

そもそも不動産を証券化するとはどういう意味を持っているのでしょうか。

一般に「証券化」とは、(1)金銭債権や不動産など、経済的利益を生み出す「資産」の所有者が、(2)その「資産」を貸借対照表から切り離し、特別目的事業体(証券化という特別の目的のために設立された法人。SPV。キーワード参照)等に移した上で、(3)SPVは、小口化された証券等の金融商品を発行して投資家から資金を集め、(4)「資産」が生み出す賃料収入などの経済的利益を投資家に配分する。という仕組みです。

不動産については、平成12(2000)年11月に『投資信託及び投資法人に関する法律』(一般的には『投資信託法』と呼ばれています)が改正施行され、投資信託の組み入れ資産として不動産が認められることになりました。そして、平成13年(2001)年3月に東京証券取引所に「不動産投資信託(J‐REIT。キーワード参照)」の市場が創設されると、株式同様に一般投資家が自由に取引できるようになったことから、不動産投資市場が急速に発展しました。

投資家にとっては、投資単位の小口化・リスク分散に役立つとともに、不動産保有者にとってみれば、証券化の仕組みを活用することで、高額で売却しにくい不動産を、証券等の形に変換して売却し、資金の調達を行うことができるというメリットが注目され、土地市場に一気に投資マネーが流入することになったのです。いわば、不動産の証券化取引は、不動産市場と資本市場とを直結させる仕組みであるといえます。

証券化が土地市場に及ぼす影響

不動産投資が拡大すると、土地市場にはどのような影響があるのでしょうか。

不動産証券化によって、不動産は利回りという共通の尺度で他の金融商品との比較が可能な金融商品としての側面を持つことになりました。こうした不動産の金融商品化は国際的にも進展しており、我が国の不動産市場も国際的な投資資金の動向が無視できない状況となってきています。

不動産は、持続的な管理を必要とする財産です。経済社会情勢の変化に応じ、必要な質的向上を図っていかなければ十分な効用発揮を期待することはできません。管理や質の向上に必要な資金が適確に充当されて初めて不動産の健全な維持、発展が可能となります。

一方、急激な資金流入や長期的な資金の流出は、市場に大きな混乱をもたらし、適正な土地利用が阻害されたり地価が乱高下するといった事態が生じる恐れがあります。ひいては国民生活に多大な影響を及ぼすことにもなりますので、注視していく必要があるのです。

キーワード

【証券化】
不動産や債権などの資産を有価証券化し処分する取引のことを言い、証券化が進むことで資産の流動化を促すことになります。
なお「不動産の証券化」は、不動産が生み出す収益を裏付けとする証券を発行して、投資家から資金を募る仕組みのことを言います。

【SPV(特別目的事業体)】
Special Purpose Vehicleの略。証券化を行うことを目的に組織される特別目的会社・信託・組合の総称。代表的なものにSPC(Special Purpose Company、特別目的会社)があります。

【Jリート(J-REIT)】Jリート=J-REIT=Japan Real Estate Investment Trust
不動産を対象とする投資信託のことを言い、オフィスなどの「不動産」を購入する際に、投資家から資金を集めて、そこから生じる賃料や不動産の収益を投資家に分配する不動産金融商品のこと。2000年に投資信託法が改正され、不動産の証券化が可能となり、個人では難しかった億単位の大型不動産への投資が可能となりました。

参考文献

  • 平成20年版土地白書(国土交通省)
  • 基礎からよくわかる不動産証券化ガイドブック改訂版(国土交通省不動産投資市場整備室監修、不動産証券化研究会編)平成20年発行

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都市整備局企画部企画課

電話:045-671-3953

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ファクス:045-664-4539

メールアドレス:tb-kokudo@city.yokohama.jp

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