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横浜市駐車場整備基本計画 対策

最終更新日 2019年3月11日

第3章 これからの駐車場対策

1 駐車場のバリアフリー化

路外駐車場が「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」の対象になったことから、新しい路外駐車場のバリアフリー化を推進するとともに、既設駐車場のバリアフリー化の努力義務や駐車場案内システムの中にもバリアフリー情報の提供を積極的に推進します。また、車いす使用者用駐車区画の適正かつ円滑な利用など、いろいろな立場の人のことを理解しあい、互いに助け合うために、思いやる心、譲り合う気持ちの輪を広げる「心のバリアフリー」についても推進します。

2 駐車場の緑化

立体駐車場以外の平置き駐車場にも緑化を推進していくため、既存制度との連携の中で、駐車場法や駐車場条例に基づく届出駐車場を緑化の対象とするような仕組みや駐車場の緑化を支援する制度を検討します。

3 附置義務駐車施設の隔地・集約化

まちづくりや地区交通マネジメントの観点からより望ましい効果が見込まれるなど積極的な理由がある場合は、隔地駐車場(※7参照)を弾力的に設置できるように基準を見直します。また、駐車場の規模の拡大による出入口の集約化、利便性の向上、維持管理の効率化等を図る観点から隔地駐車場の集約化についても検討します。隔地駐車場の集約化は対象となる建物に先立って整備することが望ましいですが、先行整備するリスクが伴うので、これを補完する支援策等についても検討します。

4 観光政策との連携

(1) 観光バス駐車対策の基本方針
 観光客の集中する横浜中華街周辺では、路上で観光客を乗降させ、離れた駐車場や周辺の路上で待機することが多く見受けられます。今後は、交通量が多く危険な場所や路上での乗降や待機は避けるよう、バス会社及び旅行会社に協力を求める一方、横浜中華街周辺で観光バス乗降所を確保し、併せて近隣駐車場において観光バス待機スペースを確保するようなシステムを構築します。 また、観光バス客の需要がある集客施設に、バス駐車場の設置を求めます。横浜駅周辺においては、地方観光などへ向かう観光バスの発着を路上で行っており、客が歩道に滞留し乗降をしています。このため、今後は横浜駅周辺において、観光バスの発着、客の乗降ができる場所を確保するとともに、バス会社及び旅行会社に対して路上での乗降をしないよう協力を求めます。

(2) 観光バス駐車場案内の充実
 観光バスは、事前に目的とする施設が決まっていることが多いため、原則として駐車場を事前に予約しますが、当日に予約なしで観光バス駐車場を探す場合も多く見られます。このようなバスは、空き駐車場を探すために走行したり、路上駐車をすることが多くなります。このような迷走や路上駐車を削減するため、観光バス駐車場の位置や料金などの情報を、インターネットで提供する観光バスの駐車場案内を充実させます。

5 荷さばき車対策

路上駐車の多くが、荷さばきのための駐車で占められているように、道路交通の円滑化のためには、荷さばき駐車場の設置が求められています。このため荷さばき駐車場に関しては、既設の建物に対しては、国で検討している共同荷さばき駐車場への支援等の動向を踏まえ、地区の特性に応じた対策を検討します。また、新設の建物に関しては附置義務化を検討します。

6 自動二輪車駐車対策

(1) 民間事業者による駐車場整備の促進
 排気量125ccを超える自動二輪車駐車場については、四輪自動車用駐車場と同様に民間による整備を中心に考えています。民間駐車場での自動二輪車の受け入れ条件を検証することを目的として、実験的に整備した「横浜西口自動二輪車駐車場」(平成18年3月)(注1参照)での利用運営状況等を基に、民間事業者を中心とした自動二輪車駐車場整備を促進します。また、国の補助制度拡充の動向を見据えながら、行政側の支援も併せて検討します。
(2) 行政による未利用地の活用
 平成18年6月に駐車監視員制度が導入され、自動二輪車の路上駐車取締りも強化されています。自動二輪車駐車場が絶対的に不足している状況での緊急対応として、街の遊休スペースなどを有効活用することの重要性が高まっています。適地の選定、安全性の確保、管理運営体制の構築など様々な課題を解決しながら、暫定的な駐車スペースの確保も検討します。
(3) 附置義務化の検討
 平成18年5月に駐車場法が改正され(同年11月施行)、大型自動二輪車及び普通自動二輪車が法の対象になり、自動二輪車の附置義務化が可能になりました。原因者負担の考えに基づき、一定規模以上の新築建物等に対して、自動二輪車駐車場の整備を義務付けることを検討します。

7 公共交通への乗換に配慮した施策の検討

都心部への自動車の乗り入れを適正に誘導するため、郊外の駅周辺駐車場におけるパークアンドライド(※4参照)としての利用を検討します。

8 駐車場の整備から活用へ

都市の駐車場不足を解消するため、駐車場の整備が行われてきましたが、十分活用されていない駐車場も見受けられます。駐車場の効果的な活用に取り組まないまま整備を行うのは、非効率であり、うろつき交通の誘発など新たな駐車問題を発生させる原因にもなっています。今後は、駐車場の有効活用等について検討します。

(1)既存駐車場の有効活用
 これまで駐車場案内は、路上の電光案内板で行っていましたが、設備の老朽化が進むとともに、提供できる情報に限度があるなど、コスト面や情報提供能力の面から時代にそぐわなくなっています。そこで、満空車情報に加え、周辺の商業、イベント情報や、バリアフリー情報など、運転者のニーズに合った情報をインターネットにより、パソコンや携帯電話でも入手できるように、駐車場案内システム(※3参照)の高度化を進め、駐車場の有効活用を推進します。
(2)既存駐車場の改善
 既存駐車場への自動二輪車の受入れやバリアフリー化に対応した施設の改善、共通駐車券制度導入なども検討します。

9 違法な路上駐車防止のための啓発等の推進

「横浜市違法駐車等の防止に関する条例」(平成5年9月制定)に基づく違法駐車等の防止対策を市民や事業者の協力及び関係機関等との綿密な連携のもとに推進します。違法駐車の取締りについては平成16年6月の道路交通法の改正を受けて、平成18年6月から駐車監視員制度が導入されています。道路交通の利便性向上及び円滑化のために、路上駐車対策を効果的に進め、地元警察だけでなく、行政、地域の商店街や交通事業者などが共同で取り組んでいくことが必要で、路上駐車防止活動等、商店街の自主的な活動に対する支援策について検討します。

10 量から質へ、地区別に(駐車場整備地区(※5参照)ごとの方向性)

(1) 中央地区
駐車場法に基づき平成10年9月に公示された中央地区駐車場整備計画の進ちょく状況を見ると、平成22年度までの路外駐車場整備目標値に対し、平成15年度までの整備量は約67パーセントまで進んでいます。中央地区は約755ヘクタールと広く、駐車需要も地区内で違いが生じていることから、次に示す地区ごとに、交通やまちづくりなどの特性に応じた駐車場施策を検討します。
ア 横浜駅周辺地区
 横浜駅周辺地区は、高度に商業・業務施設が集積していて、多くの来街者を抱え、多様な駐車場需要が多い地区です。また、この地区は、「都市再生特別措置法」に基づき平成14年10月に「都市再生緊急整備地域」に指定され、同法の制度を利用した大規模民間プロジェクトの検討が進められています。これらの動向を踏まえ、大規模民間プロジェクトを軸に横浜駅周辺地区の整備が進められる中で、次に示す課題を検討します。
 (ア) 歩行者優先の空間確保と街並みの形成
 歩行者の多い駅直近の地区では、歩行者優先の空間確保や街並み及びにぎわい形成のために、一般自動車の流入及び駐車場出入口の抑制について検討が必要になっています。このため、駐車施設を地区外に確保する方策のほか、民間開発に伴う附置義務駐車施設に街として必要となる台数を加えて整備を可能とする支援策の検討や、駐車場が相互に利用できる共通駐車券制度、駐車場のネットワーク化について検討します。また、共同駐車場やフリンジ(市街地縁辺)型駐車場(※2参照)などについても検討します。
 (イ) 既存駐車場の効率的な運用
 平日は業務系の駐車需要が多いが、休日は商業系の駐車需要が多くみられます。このため、都市空間の有効利用の観点から、既存駐車場においても平日は業務系の自動車利用を、休日は商業系の自動車利用を高める効率的な運用方法を検討します。
 (ウ) 自動二輪車駐車対策
 自動二輪車の駐車による歩道や公開空地の占拠が、歩行者の通行の妨げになっています。このため、自動二輪車駐車場の整備を促進します。
 (エ) 荷さばき対策
 小規模店舗が集積している地区において、共同荷さばき駐車場などを検討します。

イ みなとみらい21・ヨコハマポートサイド地区
 この地区は、自動車交通や駐車場需要を考慮して計画されているため、街の成熟と共に駐車場整備も進んでおり、駐車場容量に余裕が生じています。しかし現状では駐車場入口の分かりにくさなどにより、駐車場の利用に偏りが生じています。利用率の低い駐車場の効率的な運用のため、駐車場の情報提供や、どの駐車場を利用しても買い物額による割引が受けられるような共通駐車券制度の導入などを検討します。当該地区では駐車場案内システムを既に導入し、駐車場の利用促進を図っていますが、近年、情報通信技術がめざましい発展を遂げていることを踏まえ、より高度化した駐車場案内システムの導入を検討します。また、観光客の増加に伴う観光バスの駐車問題や、自動二輪車の駐車場問題も発生しており、それらの対策についても検討します。
ウ 山下町・元町・山手地区
 この地区は、横浜市の観光拠点となる地区で、みなとみらい線が開通し、観光客が増加している地区です。これらの動向を踏まえ、次に示す課題について検討します。
 (ア) 駐車場の利便性向上
 自動車で訪れる観光客のために、分かりやすい駐車場の案内などのビジター対応について検討します。
 (イ) 観光バス駐車対策
 観光バスの需要増加に対応するために、観光スポット近くに乗降所を確保し、近隣の駐車場に待機スペースを設ける等の対策を検討します。

エ 関内・馬車道・北仲通り・不老町周辺地区
 この地区は、平日昼間の業務活動、休日及び平日夜の商業活動による駐車需要が多い地区です。現況調査では、駐車需給バランスが平日・休日ともに取れており、違法路上駐車防止活動の成果もあり、近年路上駐車はかなり減少しています。このため、駐車場の効率的な運用及び路上での荷さばき駐車対策を検討します。
オ 伊勢佐木町・野毛地区
 この地区は、小規模な商業施設が集積している地区で、休日に駐車需要が多い地区です。歩行者優先空間の拡大による商業振興などの施策を支援するため、フリンジ型駐車場の整備、駐車場の効率的な運用策及び荷さばき用の駐車空間の確保などを検討します。
カ 平沼橋・戸部・阪東橋駅周辺地区
 平沼橋・戸部地区では、路上駐車を原因とするトラブルの発生が多い区間など、地区内の状況に合わせた対応策を検討します。阪東橋駅周辺地区では、大規模の一時預り駐車場は、市民総合医療センターと浦舟駐車場の2箇所だけで、路上駐車が多い地区です。路上駐車を原因とするトラブルの発生が多い区間など、地区内の状況に合わせた対応策を検討します。

(2) 港北ニュータウン第1、第2地区
 商業、業務、文化等の諸機能が集積、調和した多機能複合都市を目指し、計画的なまちづくりが推進されている地区ですが、第1、第2地区とも核となる大規模複合型ショッピングセンターに附帯する大型駐車場へ集中する傾向があり、入庫待ちによる通行障害や違法路上駐車発生の一因となっています。平成10年9月に公示された港北ニュータウン第1、第2駐車場整備地区の整備計画の進ちょく状況を見ると、平成22年までの整備目標値に対し、平成15年度までの整備量は約73%まで進んでいますが、主要な駐車場の利用状況から見ると駐車需要は年々増加傾向にあるため、今後予定されている地区開発動向などを踏まえつつ、次に示す課題を検討します。
ア 駐車場有効利用の促進
 地区全体では需給バランスは満足しているため、特定駐車場への集中を緩和し、利用率の低い駐車場などの利用率を高める施策を検討します。本地区では駐車場案内板を設置し、駐車場の有効利用を促進していますが、その効果が十分発揮されていません。このため、地理に不慣れな休日来街者が多い点や、起伏が大きく、平坦な市街地と比べて来街者の行動範囲が制約を受ける点などに配慮し、よりきめ細かな情報提供が可能となる高度な駐車場案内システムの導入について検討するとともに、その効果を高めるため、共通駐車券制度の導入についても併せて検討します。
イ 新たな開発への対応
 港北ニュータウンセンター北ショッピングセンター(仮称)(平成19年3月開業予定)など、今後予定されている新たな開発計画においては、需要に見合った駐車場の確保が図られるよう、施設設置者との連携を図ります。

(3) 新横浜北部地区
 本地区は、新幹線等による広域交通ターミナルとしての利便性を生かし、業務・商業等、多様で広域的な機能集積を図り、横浜の都心機能を担うべき地区です。平成10年9月に公示された整備計画の平成22年までの整備目標値に対し、平成15年度までの整備量は約65パーセントまで進んでいます。いわゆるコインパーキングや暫定利用の青空駐車場など、地区全体にわたって中小規模の駐車場が林立しているのが特徴です。駅周辺では大規模施設の附帯駐車場など特定の駐車場への集中が発生し、周辺部で利用率の低い駐車場が発生しています。これらの現状を踏まえ、次のような課題を検討します。
ア 駐車場有効利用の促進
 駐車需要が増加傾向にある一方で利用率の低い駐車場が存在しているため、駐車場案内システムや共通駐車券制度の導入など、空き駐車場の利用率を高めるための施策を検討します。また、利用率の低い駐車場を活用した共同荷さばきスペースの設置などを検討します。

(4) 戸塚駅周辺地区
 市南西部における交通、商業等の中心地と位置付けられていますが、駐車場については、平成10年9月に公示された整備計画の平成22年までの整備目標値に対し、平成15年度までの整備量は約20パーセントに留まっています。現在、東口は再開発事業が完了し、西口において「戸塚駅西口第1地区市街地再開発事業」(平成16~23年度予定)が進行中です。主要な駐車場の利用状況を見ると、ほぼ満車状況が続き駐車場が不足している状況となっており、再開発事業の計画での整備量と駐車需要とのバランスに考慮しつつ、新たな駐車場整備を検討します。
(5) 上大岡駅周辺地区
 交通ターミナルとしての拠点性の一層の強化及び、それを生かした商業・業務機能の集積を図るべき地区と位置付けられていますが、平成10年9月に公示された整備計画の平成22年までの整備目標値に対し、平成15年度までの整備量は約27パーセントに留まっています。地区全体での現状の需給バランスは満足しており、主要な駐車場の利用状況を見ると、まだ余裕がある一方で駐車需要はほぼ一定となっています。しかし、駅直近の鎌倉街道上などを中心に路上駐車が多発しており、一般の交通やバスの運行に支障を与えています。また、すり鉢状の地区形状から道路が狭あいで一方通行も多く、休日を中心に、駐車場への入庫車両や駅付けタクシーなどがふくそうし、混乱を生じています。今後は、予定されている再開発事業との連携を図りつつ、交通の整序化を含めた次のような課題を検討します。
ア 駐車場有効利用の促進
 タクシーと駐車場利用車両の動線整理、駐車場案内システムの検討など、狭あいでわかりにくい地区の道路状況に対応した、空き駐車場の利用促進策を検討します。
イ 新たな開発への対応
 本格的な事業実施となる「上大岡C南地区市街地再開発事業」(平成17~22年予定)については、再開発事業で増加する床面積に見合った駐車場の整備を図るなど、新たな開発に対応した駐車対策を講じます。

11 駐車場対策推進に向けた附置義務制度の見直し

附置義務制度は、建築物の床面積に応じた駐車施設を敷地内に設置することを義務付けた制度です。今後は、一律の基準による駐車台数の確保の観点だけではなく、地域の課題やまちづくりの観点等を踏まえた附置義務制度の転換が必要となっています。一方で、附置義務駐車施設の不正改造事件などから、建築基準法など他の法令とも連携して社会規範が守られる仕組みづくりが求められています。これらの動向を踏まえ、次に示す課題を検討します。
(1) 適正な原単位
 原単位(※6参照)基準を見直し適正な基準とします。
(2) まちづくり政策と連携した隔地駐車場基準の弾力化と継続管理
 建築物1階部分の駐車場出入口が、良好な景観やまちのにぎわいを阻害する場合があるので、街並み形成の誘導施策ともバランスが図られるよう、隔地駐車場(※7参照)の基準等や集約駐車場について検討します。また、駐車施設を適正管理していくための担保やその維持継続が図られるよう、他法令等との連携を含めた制度の強化を図ります。
(3) 荷さばき駐車施設の附置義務化
 荷さばき駐車が路上駐車の多くを占めているため、荷さばき駐車施設附置義務制度を検討します。
(4) 自動二輪車駐車施設の附置義務化
 自動二輪車が横浜駅などの主要駅周辺を中心とした路上や公開空地に放置され、社会問題となっているため、自動二輪車駐車施設附置義務制度を検討します。

このページへのお問合せ

都市整備局 都市交通課 ※ 駐車料金等の運営に関わるお問合せは、各事業者に直接ご連絡ください。

電話:045-671-3853

電話:045-671-3853

ファクス:045-663-3415

メールアドレス:tb-parking@city.yokohama.jp

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