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【コラム】エシカルな消費と世界の魚 第2回
環境カウンセラーとして活動しており、日頃から、MSC「海のエコラベル」について、小学校等で環境教育出前講座を行っている日吉さんに、コラムを執筆していただきました。
最終更新日 2024年4月18日
第1回のコラムでは、世界で魚が減っていることを書きましたが、そうした現状を解決するとても良い取組があることについて説明したいと思います。
MSC「海のエコラベル」 青い海と魚のイメージ
英国ロンドンに本部を置く(NPO)海洋管理協議会のことを、皆様はご存じでしょうか?英語では、Marine Stewardship Council(略してMSC)と称するこのNPOは、1992年カナダでタラ漁業が乱獲により崩壊したことを重く受け止めた(NGO)WWFとユニリーバ社が設立しました。この団体は、持続可能な漁業に関する原則を定め、この原則を満たしていることが認証された漁業で獲られた魚(水産物)に「MSCラベル」を付ける仕組みを作りました。
MSC認証の漁業では、漁獲しながらもその魚の資源量が回復する例がたくさん出てきており、資源回復に大きな役割を果たしています。例えば、スペインでのイワシ漁業は、10年前には資源状態がよくありませんでしたが、MSC認証漁業が増えたことで、資源量が最大レベルに回復しました。
MSC認証漁業は、現在では世界の天然漁業の15%を構成するまでに増え(MSC2019年度報告書より)、世界の水産資源の回復に期待がかかっています。
ところで、MSCラベルの付いた商品は私たち消費者にとって、どんないいことがあるのでしょうか?
筆者は、そのメリットを「魚の品質が良いこと」「その魚が‘本物‘であること」と理解しています。なぜなら、MSCラベルのついた魚は、漁場からスーパーの店頭に並ぶまで他の魚との入り交じりがなく、由来や経路がはっきりしているからです。そして、消費者として持続可能な社会をつくるエシカル消費の一端を担えることは、とてもいい社会貢献につながると思っています。
しかし、このMSCラベルは日本ではまだまだ知る人が少ないです。皆様もシーフードを選ぶとき、このラベルがついているものはないか、お店の方に聞いてみてはいかがでしょうか。
2021年1月 日吉 栄一 作
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