ここから本文です。
【コラム】エシカルな消費と世界の魚 第1回
環境カウンセラーとして活動しており、日頃から、MSC「海のエコラベル」について、小学校等で環境教育出前講座を行っている日吉さんに、コラムを執筆していただきました。
最終更新日 2024年10月29日
環境や社会に配慮した商品を選んで買うことを「エシカル消費」といいますが、日本の食卓に欠かせない「魚」と環境や社会の関係はどうなっているでしょうか。
実は、魚や海は、地球温暖化や海洋ゴミそして持続可能でない漁業など、環境や社会の影響をとても受けやすいのです。
秋の味の代表であるさんまも、2020年秋のシーズンは、かつてない不漁となり、その原因の一つに乱獲や海水温の上昇があるといわれています。
また、魚は日本人になじみのある食料ですが、最近では中国や台湾でさんまの消費が増えてきて、これに合わせるように各国の漁獲量が増えています。
世界における魚の消費量は、ここ50年で毎年平均3%も増えています。この間の人口の伸びは年平均1.6%、畜肉類(卵・牛乳等含む)の伸びは年平均2.7%であることから、魚が世界的に普及していることがわかります。
1961年~2013年における消費量の年間増加率の平均(%)(『FAO世界漁業・養殖業白書2020』よりFAO本部編集)
さて、その魚ですが、海の中も大きく変化しています。世界では、乱獲により枯渇した水産資源の割合は1974年に10%でしたが、年々増加して2017年には34.2%まで増えています。
世界の水産資源の状況(『FAO世界漁業・養殖業白書2020』より)
2006年にアメリカの学術雑誌「サイエンス」に掲載された論文には、2048年には世界で魚が獲れなくなるというショッキングなものがありました。この記事はその後、専門家による反論がありましたが、世界では水産資源の持続的な利用に向けていろいろな動きが始まっています。水産エコラベルのMSC「海のエコラベル」もその一つです。
次回テーマは「MSCでエシカルなライフ」で明るい情報をお届けしたいと思います。
2021年1月 日吉 栄一 作
このページへのお問合せ
みどり環境局公園緑地部環境活動事業課
電話:045-671-2484
電話:045-671-2484
ファクス:045-550-4554
メールアドレス:mk-kyoiku@city.yokohama.lg.jp
ページID:515-012-978