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金沢区ゆかりの資料
金沢区が出てくる小説や随筆、金沢区にかかわりのある作家や作品を紹介しています。掲載のない作家や作品について、ご存知の方はお教えください。皆様の情報をお待ちしています。
最終更新日 2024年1月15日
金沢区が出てくる作品
吉田兼好
内容
34段に“…武藏の國金澤という浦にありしを…”とある。
「朝比奈切通・六浦」「金沢・能見堂」(『十返舎一九の箱根江の島鎌倉道中記(外部サイト)』所収)
十返舎一九
内容
江戸時代に刊行され好評を博した旅案内『諸国道中金草鞋』第24編を編集したもの。
「朝比奈切通・六浦」では朝比奈切通しから侍従川、照手姫身代わり観音、三島明神(瀬戸神社)琵琶島弁財天、茶屋の東屋の様子を、「金沢・能見堂」では八景の眺め、称名寺、能見堂や筆捨松を紹介している。
滑稽な戯作もつけられている。
「金澤八景」(『一蓑一笠(外部サイト)』所収)
大町桂月
内容
明治の人気随筆家、大町桂月による紀行文。
富岡から能見堂、金沢八景に至る道行、当時の風物や村人とのやり取りが軽妙洒脱に描かれている。
(貴重書扱いのため貸出、予約はできません。国立国会図書館デジタルコレクションでご覧いただけます)
「金澤八景」(『東京近郊一日の行楽(外部サイト)』所収)
田山花袋
内容
自然主義文学を代表する作家、田山花袋による「金澤八景」案内。
埋め立てのため水が引き、横須賀が軍港になって水雷(海軍水雷学校)が置かれ、金沢は衰えたと嘆く。
金沢文庫や九覧亭などを紹介。杉田の梅を見物した後金沢に立ち寄り、千代本で食事をして朝比奈切通しを鎌倉へ抜けるルートを提案している。
(貴重書扱いのため貸出、予約はできません。国立国会図書館デジタルコレクションでご覧いただけます)
「武藏金沢の一日」(『街頭に送る(外部サイト)』所収)
與謝野晶子
内容
短歌会のため、金沢を訪れたときの様子が書かれている。
金澤園で晩餐を饗せられることになり、食前に歌を詠むために園内を散歩して龜木浦の景色を称えている。
「近代金沢八景」(『草思堂随筆(外部サイト)』所収)
吉川英治
内容
著書初の随筆集『草思堂随筆』の中のひとつ。
“…横須賀の軍港と追浜の航空隊には夏も暑さもないようだ。そして、そこから、一葦帯水の地にある武州の金沢に、僕は、この夏を過ごしている。…”
戦前の不穏な情勢が伝わってくる。
大佛次郎
内容
主人公守屋恭吾の生きざまを通し、戦争によって変わっていく日本を描いた小説。
主人公とかかわる高野左衛子が夫と妾が暮らす家を訪ねる時に車で通るのが、16号の富岡隧道付近。
「金沢八景」(『わが恋の墓標(外部サイト)』所収)
曽野綾子
内容
女主人公の友人が、第二次大戦後に住み着いたのが金沢八景から坂道を登った崖の上の家。
六畳二間の小さな借家だったが、日当たりがよく、入江の海がよく見えたとある。
「富岡の家-直木三十五」(『屋根の花(外部サイト)』『旅の誘い(外部サイト)』所収)
大佛次郎
内容
直木三十五の墓所や記念碑、生前直木自身が行った住宅設計の顛末について語られている。
『富岡の家(外部サイト)』 (横浜文庫 第一集 直木三十五宅跡記念号)
平野零児編
内容
直木三十五の遺稿「家の事」や文藝春秋直木追悼号の座談会、直木邸の隣人や購入者の手記など、「富岡の家」に関する記事が収録されている。
三島由紀夫
内容
主人公の少年が暮らす家は山手、母が取りしきる洋品店は元町に。
この母子の前に船乗りの竜二が現れたことから、物語が始まる。
終盤、登場人物たちは青砥から鳥見塚に向かって歩く。
現在でも、ほぼ小説の描写どおりに変電所、トンネル、右に線路、左に住宅街が見られる。
行き着くのは富岡総合公園のあたりか。
物語は苦い結末を迎える。
「金沢八景」「遊心庵」(『こしかたの記 続(外部サイト)』所収)
鏑木清方
内容
回想記。
幼いころ一立斎広重の『金沢八景』に魅せられ、八景に親しみを覚えていた著者が、横浜を訪れた折に、金沢八景まで足を運んだのをきっかけに別荘を持つ。
別荘の東屋に“游心庵”と名付け、そこで過ごした様子も綴られている。
渡辺淳一
内容
偉人野口英世ではなく、人間野口英世を描いた伝記小説。
長浜検疫所時代の描写もあり、古い検疫所の様子がよくわかる。
治田茂夫
内容
長年にわたり金沢区で暮らし、横浜国立大学教育学部附属横浜中学校の教諭でもあった著者による短編集。
時を超え別の時空をたどり、失われた金沢八景を鎮魂するメルヘン。
杉本苑子
内容
妻房子の視点で福沢桃介、川上貞奴・音二郎の人間模様を描いたもの。
大東亜戦争のおり、房子が疎開の意味で移り住むのが富岡の別荘。
『四千万歩の男(外部サイト)(全5巻)』
井上ひさし
内容
1800年、56歳から16年“二歩で一間”の歩みで日本を歩き、実測で日本地図を完成させた伊能忠敬を描いた歴史小説。
行く先々で事件に巻き込まれ、第4巻では金沢八景で殺人事件に遭遇する(“金沢八景殺人事件”)。
内田康夫
内容
称名寺の背後、金沢山の頂上にある八角堂中で男が死んでいた。
浅見光彦シリーズ。
称名寺の描写・金沢八景の由来・西柴の宅地開発…、角川文庫版巻末取材のエピソードとともに当時の横浜の様子に興味をかき立てられる。
斎藤栄
内容
タロット日美子シリーズ。
高校時代の友人・紀子に誘われて、日本のエーゲ海と呼ばれる岡山県牛窓を旅行中の日美子の前で殺人事件が起こる。
同じ頃日美子の夫二階堂警部が管轄する横浜市金沢区の「海岸ゴルフ練習場」でプレー中の会社員が変死した。
二階堂夫妻は二つの事件に関係があると気づく。
斎藤栄
内容
タロット日美子シリーズ。
夫・二階堂警部の転勤に伴い神戸に引越した日美子。
友人・紙野姉妹に誘われ天の橋立を旅行中、男性の死体を発見する。
一方横浜市金沢区の野島では、発見された死体が消失するという怪事件が発生していた。
被害者は両者とも紙野姉妹の両親を殺害した強盗団のメンバーだった。
斎藤栄
内容
柏木陽一はお見合いの場所、八景島で殺人事件に遭遇。
お見合い相手まで疑われ、更なる殺人事件へ巻き込まていく。
八景島シ-パラダイス、オープンの年に刊行され、出来たばかりの話題の場所が詳しく描写されている。
谷啓
内容
トロンボーン奏者にしてコメディアン、クレージーキャッツの音楽コントで一世を風靡して以来、テレビに映画に大活躍だった谷啓の自伝。
「金沢八景とか金沢文庫あたりを六か所ぐらい引っ越している。」という彼が通っていたのは六浦尋常小学校。
「横浜のなかの鎌倉文化」(『街道をゆく 42 三浦半島記(外部サイト)』所収)
司馬遼太郎
内容
北条実時が金沢文庫を興した事に触れ、横浜市立大学で日本史を専攻した担当編集者の案内で称名寺を訪ねる。
金沢文庫が立つ、袋の中のような地形「谷(やつ)」には「鎌倉文化の余香がかおっているようである」と結ばれている。
「心なごむ春の景」(『空の上のお星さま(外部サイト)』所収)
太田治子
内容
「心なごむ春の景」に鎌倉からの帰りに金沢八景駅のホームに立ち、眼の前に見える茅葺の屋根の民家からの連想を導入に、浅井忠の『春畝』について書いている。
姫野カオルコ
内容
平凡な会社員の男と調理師学校の女性講師。
人生の悲しみをそれぞれに噛みしめてきた二人は、同じ京浜急行快特を利用していました・・・
「金沢八景」(『街物語(外部サイト)』所収)
中沢けい
内容
多数の作家によって書かれた、街に因んだ短編集の一篇。
現在と過去を交差させ、能曲「放下僧」や説教節「小栗判官」、人柱伝説などを交えて、著者の故郷「金沢八景」を描く。
竹中直人
内容
金沢区富岡に生まれ育った著者のエッセイ集。
少年時代の家族の思い出や、台風の日にボートに乗った冒険譚、関東学院中学校の同窓会などが語られている。
夏木静子
内容
保険金を不当に搾取するために不必要な入退院を受け入れる“モラル病院”があるという。
それを題材にした作品。
“私”の母親が海の公園近くの団地に住み、ベイサイドマリーナにお店を持ち、鳥浜営業所でレンタカーを借りる設定。
田辺聖子
内容
天保12年、筑前の裕福な商家の主婦小田宅子(おだいえこ)が友人と連れ立って800里の旅をした記録「東路日記(あずまじのにっき)」を田辺聖子が紹介する。
鎌倉へ向かう道中、金沢・能見台に立ち寄っている。
「道の記」(『近世女人の旅日記集(外部サイト)』所収)
田中愛
内容
江戸時代の女性が残した旅日記を、文学博士の前田淑氏が編集した中の一編。
鶴岡の名家に生まれた女性の旅日記。
文政十年(1827)2月から5か月を費やし、伊勢、京、大阪、須磨、明石、江戸を又にかけた大旅行。
「金沢のながめ、ゑもいはすおもしろし」と金沢の眺めを褒めている。
「東路日記」(『近世女人の旅日記集(外部サイト)』所収)
小田宅子
内容
江戸時代の女性が残した旅日記を、文学博士の前田淑氏が編集した中の一編。
田辺聖子の『姥さかり花の旅笠』のもとになった作品。
「桜花と私」(『作家の四季(外部サイト)』所収)
池波正太郎
内容
太平洋戦争末期、富岡の「横浜海軍航空隊」に勤務していた池波は、隊門前の桜を目にして思わず涙した。
来年再び桜花を見ることはできないだろうという思いが込み上げたのだ。
死を前にしてあらゆるものの美しさに心を惹かれずにはいられなかったという……
「海軍八〇一空」(『青春忘れもの(外部サイト)』所収)
池波正太郎
内容
池波は九死に一生を得る形で自動車・講習員から横須賀海兵団を経て、磯子にあった八〇一空に転属となる。
電話交換手として勤務し、やがて入浴外出が認められるようになる。
ある日池波は、向かうことの禁じられている東京へ向かうことにするが…
「母と直木三十五」(『生きかた下手(外部サイト)』所収)
団鬼六
内容
団鬼六の母・幸枝は直木三十五の内弟子だった。
直木の墓参りに長昌寺を訪れた幸枝は、住職から第3回南国忌の講演を依頼され、直木の思い出を語ることになる。
小貫信昭
内容
有名ミュージシャン小田和正は金沢文庫すずらん商店街の商家の生まれ。
このロングインタビューの中で、生家の間取りやアーケードの様子が語られている。
栗原仲道/編
内容
室町後期、聖護院門跡の道興准后(どうこうじゅごう)が著した紀行歌文集「廻国雑記」の内容を紹介、解説する。
金沢にやって来た道興は、称名寺三重塔で出会った老僧の厚意により、秘宝「楊貴妃の玉簾」を特別に拝観する事が出来た。
松本徹
内容
説教節「小栗判官」の物語に沿って進む紀行文。
照手姫が漁師の妻に責められた姫小島や、姫を追ってきた侍従が身を投げた侍従川など金沢八景周辺を訪ねている。
下川博
内容
南北朝時代、悪党から村を守るために侍を雇った百姓たちの物語。
舞台の因幡国智土師郷(ちはじごう)は金沢称名寺の領地で、雑掌(代官)代理として派遣された光信は主人公・吾輔と協力して仏教の桃源郷を志す。
朱野帰子
内容
有人深海調査船初の女性パイロットを目指す天谷深雪。
だが、かつて調査船の建造に携わった父への葛藤から閉所恐怖症となってしまう。
彼女の所属する海洋研究開発機構は横須賀にあり、金沢区の横浜研究所も登場する。
佐伯泰英
内容
長編シリーズの第42作目。
主人公坂崎磐音ら一行は程ヶ谷(保土ヶ谷)から鎌倉へ向かって金沢街道を訪れ、朝比奈切通しで敵と戦っている。
瀧口房州/撰
内容
金沢八景を筆頭に、近江八景や會湖八景、中国の瀟湘八景や西湖十景などをうたった漢詩や和歌を収録。
松崎雅美
内容
2015年、篠原摩利伽は剣道場から県立金沢文庫の近くにある自宅に帰りつく直前に地震に遭遇し、意識を失った。
気が付くとあたりは空と海と砂浜、そして木木木……。
なんとそこは758年前の金沢だった…。
著者は歴史ある金沢を気に入り、2003年に区民となった。
佐藤さとる
内容
高名な童話作家の自伝物語。
「杉田のかなり先、もう少しで横須賀市に入る、という手前の町にあった」
K学院工専が母校として登場する。
これは関東学院大学の前身にあたる関東学院工業専門学校の事。
樋口有介
内容
母と二人黄金町に暮らす高校生、アキオの夏休みは忙しくなった。
父の隠し子の身辺調査、父の起こした猥褻事件の再調査、そして三毛猫に取りついた幽霊の身元調査・・。
十年前金沢町で起きた殺人事件を調べるため、アキオと幼馴染のメイが称名寺周辺を訪ねる。
佐藤多佳子
内容
名の知れた葉書職人(ラジオ番組の常連投稿者)であった主人公・富山は、接触恐怖症である事をネット拡散され、大学を休学している。
彼が親元を離れ一人暮らしを始めたのが金沢区六浦のアパート。
深夜バイトをするコンビニは関東学院大学そばの国道16号線沿いにある。
長崎尚志
内容
金沢区の住宅街で一家惨殺事件が発生した。
現場を見た警官たちは、15年前近隣で起きた未解決事件を思い出す。
どちらも一家3人が殺害され、凶器、殺害方法、部屋の荒らされ方、犯人のものらしい脱ぎ捨てられた衣類や血で押された手形、被害者の遺体にピエロのような化粧が施されているのも同じだった。
15年前の事件を担当した刑事はすでに退職していたが、アドバイザーとして捜査に参加する。
佐藤いつ子
内容
それほど足が速いわけではないが、走るのが好きで箱根駅伝を夢見る少年、走哉の成長を描くシリーズ。
第3巻では、走哉は中学2年になり、部員不足で廃部寸前だった陸上部に新入生が加わる。
9月で部活を引退するはずの3年生は残留し、10月に開催される「中学校駅伝競争大会」に現メンバーで参加する事になった。
この駅伝大会開催地のモデルが金沢区「海の公園」。
河西和子/文
斉藤斉/絵
内容
赤い自転車はレイちゃんの自転車。朝も夜もいつも一緒。レイちゃんが帰ってくるのを、いつも駅前で待っている。
でも、ある日、どんなに待ってもレイちゃんは帰ってこなくて……
自転車が待っているのは、金沢八景駅。シーサイドラインが延伸する前の姿の駅です。
金沢区ゆかりの作家
直木三十五
慶珊寺周辺の景観を気に入り、晩年に家を建てた。旧直木三十五邸は改修され、平成15年まで住居としていたが、老朽化が進み、23年に取り壊された。長昌寺に墓がある。
代表作
佐藤得二
慶珊寺に墓がある。
代表作
胡桃沢耕史
直木三十五を慕い、生前に長昌寺に墓を購入。
代表作
中沢けい
金沢八景の弁天屋は父方の実家、米元釣船店は母方の実家。
自身も朝比奈、六浦、洲崎と移り住み、光輪幼稚園に通った。
代表作
太田治子
能見台駅付近に住んでいたことがあり、金沢図書館でも講演会を行った。
代表作
笹山久三
1969年、横浜金沢郵便局に入局。
配転により、現在は異動。
『郵便屋』は十余年の郵便局勤務をもとに書かれた作品。
代表作
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