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ご家族の皆様へ

最終更新日 2021年6月4日

依存症は、本人だけでなく、家族も巻き込んで生活に様々な影響をおよぼします。

家族は、これまでも本人のために十分頑張ってきました。育て方が悪かった、関わり方が悪かった等、家族が「自分の責任」と思う必要はありません。

本人が回復していくためには、まずは家族が元気で生活できることが重要です。そのためには家族自身の趣味や生活を犠牲にせず大切にしてください。また、家族や周りの人が「依存症かもしれない」と思ったら、家族だけで抱え込まず、まずはご相談ください。

困ったときは、遠慮せず、早目に相談することが大切です。本ページからも相談窓口を検索することができます。

もくじ

家族ができること

 依存症は放っておくと量や頻度が増えたり、家族などを巻き込んでしまうこともありますが、専門の医療機関や相談機関、回復支援施設等の社会資源を利用することで、回復することができます。しかしながら、本人は病気という自覚がない場合も多く、また家族に正しい知識がないままでは、愛情のある関わりや叱責・罰を与えるような関わりを続けていればいつか変化してくれるだろうと考えたり、本人の問題には家族の責任があると考えて、本人の起こした問題の尻ぬぐいをしようとしたり、隠そうとしたりしてしまうことがあります。

 家族は、本人の度重なる嘘に何を信じてよいかわからなくなって不安に陥ったり、本人の依存行動を止めることに必死になったり、自分の仕事や趣味を犠牲にして借金返済のためのお金を工面しようとすること等を繰り返していくうちに、家族も次第に健康的な生活を送れなくなってしまうのです。

 本人が支援につながり依存症から回復するには時間がかかることも多いため、まずは家族や周囲の方が専門機関に相談して、適切な対応を知ることから始めましょう。

(1) 依存症の正しい知識を得る
(2) 本人への関わり方を学ぶ
(3) 相談する・つながる・支えあう

(1)依存症の正しい知識を得る

 依存症と付き合うためには、まずはどのような病気であるのかを知ることが必要です。また、本やインターネットなどの情報や知識を得て、自分の状況について理解を深めていくことも大切です。
(詳しくは、 依存症の基礎知識のページをご覧ください。)

(2)本人への関わり方を学ぶ

 本人の問題に家族が巻き込まれ、なんとかしようと取り組んできた結果、家族からのコミュニケーションに、怒る・責める・泣いて懇願する等が増えてしまうこともあります。家族の対応が変わることで、家族自身が健康的に過ごせるようになったり、本人が回復に向かいやすくなります。

本人の状況の整理

飲酒や薬物使用、ギャンブル、ゲーム等の行動をすることで、何か良いことが起こったり嫌なことが解消されるとその行動は繰り返されます。
・頻度や曜日、時間帯に決まりがありますか?
・いつから始まっていましたか?
・誰かに困り感がでてきたのはいつ頃からでしょうか?

 これらを整理していくことで、本人にとっての行動を続けるメリットとデメリットを明かにすることができます。また本人が似た行動を繰り返していたら、どう対応を変えたらトラブルを回避できるのか考えやすくなります。

コミュニケーションを変える

以下を参考に、伝え方を工夫することで、本人の反発が少なくなり、意思疎通がしやすくなります。

①わたしを主語にする(アイ・メッセージ)の活用
「あなたは〇〇だ」と言われると、言われたほうは攻撃されたと感じます。自分がどう感じているかを言葉にしましょう。
例1「なんで(あなたは)また飲んで帰ってきたんだ?」
⇒「(わたしは)あなたの体調が心配だから、飲まずに帰ってきてほしいと思っているんだよ。」

例2「(あなたは)どうせわたしたちの事なんか気にもしていないくせに!」
⇒「(わたしは)あなたがお酒を飲むのを見ると、わたしたちの事を気にかけていないのかなって気持ちになるの」

②肯定的な表現にする
会話の中に否定的な言い方が多くなると関係はますます悪化します。
例1「こんな生活、続けていたらいつか破産してしまうよ!」
⇒「この先も一緒に生活していきたいって思ってる。そのために、お金のことを相談したい」

例2「どうしてあなたはいつもそうやってわたしの話を聞いてくれないの!?」
⇒「少しだけ、わたしの話を聞いてくれると嬉しいの」

③簡潔に伝える
一度に全部伝えようとしても、なかなか伝わりません。何を言いたいのか整理して、1~2文程度で伝えましょう。
例1「週末はお酒を控えなさいって何度も言ったでしょう!これまで何回週初めの仕事を休んでるかわかっている?誰が代わりに職場に電話していると思ってるの。いい大人なんだから、いい加減自分で何とかしなさい!嘘をついて職場に連絡をしないといけないこっちの気持ちも考えてよ。あの時だってそう…」
⇒「週末、少しでいいから飲む量を減らしてもらえると嬉しいわ。あまりに欠勤が多いと、会社を辞めさせられてしまう気がして心配で。」

④具体的な行動に言及
「もっと」「すぐに」等抽象的なことは、人によってとらえ方が異なります。また外からは見えない気持ちの部分よりも、具体的な行動として伝えていきます。
例1「いい加減しっかりしてくれよ!」
⇒「日曜日に親父と一緒に釣りに行きたいんだ。前日はお酒を控えてくれると嬉しい」

例2「前からずっと病院に行くって言ってるけど、いつになったら行動するんだ?」
⇒「来週金曜日、仕事の後良かったら一緒に病院に行ってみないか?」

例えばこんなことを言ったり、やったりしていませんか?

家族が問題を解決しようと一生懸命になることで、本人の飲酒や薬物使用、ギャンブル等、ゲームなどの行動を支えてしまうことがあります(イネーブリング)。家族が健康的に過ごしていく為に、どうしたらよいか考える上で、行動や発言を振り返ることはとても大切なことです。

〇小言・説教・叱責
「体に悪いのがわからないの?!」
「やめるやめるって、いつになったらそうするつもりなの?!」
「またパチンコにでかけるつもりなの?!」

<対応方法>
本人のことを心配して、顔をみるとつい一言いいたくなります。本人からみると、自身に対しての不平不満に聞こえてしまい、責められた感情だけが残ります。小言や叱責などをしそうになったら一旦距離をとるか、アイメッセージ(わたしは~と思う)などを使い、最低限の会話のみにするようにしましょう。

〇世話焼き・尻ぬぐい
仕事を休むために家族が会社に連絡をする。
お金が足りないと言われて渡す。借金を肩代わりする。
部屋に散らかった空き缶を常に家族が片付ける。

<対応方法>
これらの行動をやめることで、起きている問題を本人が自分の事としてとらえてもらうことにつながります。

〇本人の行動をコントロールしようとする
もう飲まない・使わない・しないと本人に約束させる・誓約書を書かせる
お酒や薬物をこっそり捨てる

<対応方法>
上記のような行動をとっても、本人は隠れて行動するようになります。家族が24時間見張ることはできず、行動に一喜一憂したり、家族は振り回されて疲れてしまいます。飲酒・薬物・ギャンブル等をやるかやらないかは本人に任せて関わらないようにし、生じた結果も本人に責任をもってもらうようにしていきます。

〇実行しない脅しをやめる
「今度酔って問題を起こしたら実家に帰ります」
「今度薬物を使ったら家から出て行ってもらいます」

<対応方法>
実行しない脅しは、本人が家族の言葉を軽くとらえたり、家族が実行しない脅しを繰り返すことで本人はどうせ実行しないのだろうと考えるようになります。感情に任せて発言しても効果がないということを留意しておきましょう。

本人を治療や相談につなげるポイント

 ずっと治療や相談を拒否しているようにみえても、本人の心は「治療や相談を受けてみようかな」という気持ちと「絶対に受けたくない」という気持ちの間で揺れ動いています。本人を治療や相談につなげるためには本人が治療や相談を受けてみようかなと思いやすいタイミングで声をかけることが効果的です。

 具体的には、泥酔して救急搬送された後に本人が反省しているときや、本人が借金を抱えきれずに家族に助けを求めてきたとき等、本人の行動の結果生じた問題に対して後悔しているときです。また家族がどこかに相談したり、家族教室へ参加していることに関心を示してきたときや、お孫さんから「酔っぱらっているから嫌だ」と言われたとき等、本人が周囲から予想外のことを言われて動揺しているときなどが、「治療や相談をうけてみようかな」と思いやすいタイミングです。

 本人が関心を示した時に家族から「以前相談したときに教えてもらった病院へ一緒に行ってみる?」等、どんな言葉をかけるか準備をしておきましょう。また本人が相談できる所に家族があらかじめ相談して準備をしておくことも大切です。

身の危険を感じた時

 家族に対し、叩く・蹴るという身体的な暴力だけでなく、室内の物を壊したり、脅して怖がらせたり、激しく怒りをぶつけてくることも暴力にあたります。この状況を家族が許容したり耐えたり我慢をし続けると、結果的に本人の暴力へのハードルを下げてエスカレートさせてしまいます。

 身に危険を感じた時は自室や親類の家に逃げる等、まずはその場から避難をすることを優先し、家族の安全を確認しましょう。また、このような状況が予見される場合、あらかじめ避難する先を考えておくと良いでしょう。逃げられない、怖いと思ったら躊躇せずに110番をしてください。

(3)相談する・つながる・支えあう

 家族や本人の回復をサポートする社会資源は、相談機関・家族会・自助グループ・専門医療機関・回復支援施設など様々あります。家族だけで抱え込まず、まずはご相談ください。困ったときは、遠慮せず、早目に相談することが大切です。
(詳しくはそれぞれ個別相談のページ家族教室のページをご覧ください。)

<参考資料>
・吉田精次+ASK.アルコール・薬物・ギャンブルで悩む家族のための7つの対処法CRAFT.アスクヒューマンケア.2014
・吉田精次.CRAFT薬物・アルコール依存症からの脱出 あなたの家族を治療につなげるために.金剛出版.2014
・依存症についてもっと知りたい方へ.厚生労働省ホームページより

コラム記事の同内容のリーフレットを作成しました。(横浜市こころの健康相談センター)
A3見開きで印刷・ご活用ください。

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このページへのお問合せ

健康福祉局障害福祉保健部こころの健康相談センター

電話:045-662-3543

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ファクス:045-662-3525

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