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脳神経外科

最終更新日 2021年10月1日

特徴

二刀流の脳神経外科

脳神経外科では、一刻をあらそう脳卒中救急での「切る」外科的治療と「切らない」脳血管内治療を担当します。その他に脳腫瘍や頭部外傷などの脳神経外科疾患一般にも対応します。
また急性期脳卒中だけではなく、脳卒中予防の手術についても積極的に取り組んでいます。外科的治療と血管内治療を使い分けるだけではなく、両者を組み合わせたハイブリッド治療も可能です。

血管内治療

血管の中からカテーテルと呼ばれる細い管を病変に到達させて治療するもので、身体を切り開くことがないことから負担の少ない治療として近年急速に普及してきました。
当院では従来から脳血管内治療に積極的に取り組んできましたが、脳神経血管内治療医を増員し、小児・周産期以外の脳卒中の血管内治療に24時間365日対応しています。

集学的な専門医療

3テスラMRI、320列CT、脳血流SPECT、三次元脳血管撮影装置(3D-DSA)などの高機能な検査機器を用いて正確に診断を行い、必要に応じて脳神経内科やリハビリテーション科による神経機能評価を加えて手術適応を決定しています。患者さん一人ひとりの状況に合わせて最適な治療方法を選択しています。
急性期治療と同様に、未破裂脳動脈瘤やなどの内科的・予防的治療についても、脳神経内科と共同して診療を行っています。
また、脳血管疾患だけでなく、悪性脳腫瘍などは除く脳腫瘍に対する腫瘍摘出術、全身管理を要する多発性外傷などは除く頭部外傷による急性硬膜外・硬膜下血腫や慢性硬膜下血腫に対する外科手術、三叉神経痛や顔面痙攣に対する微小血管減圧術などの脳神経外科疾患一般についても治療を行っています。

対象疾患と治療法

出血性脳卒中

くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)、脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻、脳内出血など

脳動脈瘤

脳動脈瘤(脳内の動脈にできた膨らみ)の破裂により、脳脊髄液のある脳の表面のくも膜下腔に血液が流れ出てくも膜下出血が発症します。典型的には、ハンマーで殴られたような激しい頭痛で発症し、多くの場合嘔吐を伴います。また意識低下で発症することもあります。
外科的治療では、開頭して脳動脈瘤の頸部を金属製のクリップで閉塞するクリッピング術が行われます。脳血管内治療では予防的に、血管を通して未破裂脳動脈瘤内に到達し、プラチナ製のコイルを動脈瘤に詰めるコイル塞栓術が行われます。年齢、全身状態、脳動脈瘤の形態から、より安全で確実な治療手段を選択しています。

(下図)双こぶ状の脳動脈瘤に対してステント(金網でできた筒)を併用してコイル塞栓術を施行しました。動脈瘤は完全に閉塞しています。

脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻

脳出血やくも膜下出血、けいれんの原因となります。疾患の性状が多様であることから、適切に外科的治療・脳血管内治療を選択することが必要で、当院ではそれらを組み合わせたハイブリッド治療にも対応します。

(下図)けいれんで発症した大型の脳動静脈奇形を、液体塞栓物質Onyxを用いて塞栓しました。ほぼ完全な閉塞が得られています。

脳内出血

高血圧が原因となり、もろくなった脳内の小血管に動脈瘤が破れて脳内に出血します。出血の部位やサイズによって、開頭血腫除去術・定位血腫吸引術や脳室ドレナージ術などが行われます。

(下図1)右被殻出血で突然の左半身のまひが起こった症例です。
(下図2)脳皮質下での出血が脳室まで広がった脳室穿破の症例です。

虚血性脳卒中

頸動脈狭窄症、頭蓋内動脈狭窄症、モヤモヤ病、急性期脳主幹動脈閉塞症など
当院では虚血性脳卒中については、全身管理や再発予防などで内科的治療も重要な役割を担うことから、脳神経内科と共同して治療を行っています。

頸動脈狭窄症

脳梗塞の原因となります。外科的治療では、直接血管を切開して動脈硬化の部分を取り除く頸動脈内膜剥離術(CEA)が行われます。血管内治療では、動脈硬化による狭い部分にステント(金網でできた筒)を送り込んで拡張する頸動脈ステント留置術(CAS)が行われます。

(下図)内頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術を施行しました。良好な拡張が得られています。

頭蓋内動脈狭窄症・モヤモヤ病

狭窄の部位や病態などによって、外科的治療(バイパス手術)、脳血管内治療(バルーン血管形成術・ステント留置術)が選択されます。年齢、全身状態、狭窄部の性状から、より安全で確実な治療手段を選択しています。

頭蓋内動脈狭窄症
左側の中大動脈が狭窄しており、血流が滞っています。
この状態を放置すると脳梗塞を発症するリスクがあります。

モヤモヤ病
頭蓋内血管の閉塞がみられます。血管造影では血管が閉塞し、周囲に「もやもや病」がみられます。
バイパス手術によって血管が頭蓋骨を通り、皮膚の太い血管と脳をつなげて治療します。

急性期脳主幹動脈閉塞症

脳梗塞の中でも重症な急性期脳主幹動脈閉塞症については、迅速な診断を行い血栓回収療法が開始できる体制が極めて重要です。しかしながら横浜市においても、24時間365日血管内治療に対応できる施設は決して多くないのが現状です。当院は脳血管内治療医の増員によって常時治療可能な体制を整備し、脳神経外科・脳神経内科で共同して診療に当たっています。治療に当たってはステント型血栓回収機器や血栓吸引カテーテルを駆使して、80~90%の症例で有効な再開通を得ています。

(下図)右片麻痺と意識障害で発症した左内頸動脈閉塞症で、ペナンブラ血栓吸引カテーテルとステント型血栓回収機器で血栓回収療法を施行しました。完全再開通が得られ、症状は改善しました。

頭部外傷

頭部外傷は交通事故などの高エネルギー外傷から、スポーツや転倒による外傷まで様々です。外傷の種類には、皮膚の裂傷(縫合処置を要するもの)、頭蓋骨骨折、外傷性頭蓋内出血(急性硬膜下血腫や急性硬膜外血腫、脳挫傷など)、脳振盪など様々です。私たちは、これらの幅広い頭部外傷の患者さんの治療に当たっています。

急性硬膜下血腫

急性硬膜下血腫は脳と頭蓋骨の間に出血するため、脳が血腫により圧迫され、意識障害や麻痺を来す重症の疾患です。
緊急で手術を行なうことで脳の損傷を最小限に抑える外科治療や、脳を保護するための内科的治療を組み合わせて治療を行ないます。

画像では右側頭部に血腫ができています。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫は頭部の軽いケガや打撃をきっかけに、約1,2ヶ月後に頭の中に血がたまる病気です。
脳が血腫によりじわじわ圧迫され、ついに麻痺や意識障害,認知機能障害を来します。手術治療により比較的良好な経過が期待できます。

画像では左側頭部に灰色の血腫ができています。

脳振盪

脳振盪はほとんどの場合自然に改善するため予後の良い疾患ですが、特にスポーツに関連する脳振盪は繰り返し受傷するリスクが高いため注意が必要です。また、まれに頭痛やめまい、睡眠障害、精神的な変動が長く続く方もいます。スポーツに関連する脳振盪や、長引く脳振盪症状は専門医への受診をお勧めします。

最後に、「転びやすくなった」「最近よく転ぶ」といった場合には、頭のケガが治ってもまたケガをすることが少なくありません。歩行の不安定性や歩き方が変わった(すり足)などの場合には、原因となる疾患を調べることも重要です。このような場合にも外来への受診をお勧めします。

JND (Japan Neurosurgical Database)

当院では一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業に協力し、治療を行なった患者さんのデータベース登録事業を行なっております。本研究事業の詳細はこちらからご確認ください。
日本脳神経外科学会データベース研究事業 (Japan Neurosurgical Database) に関する研究(PDF:232KB)

外来診療担当表

外来診療担当表
※外来の受診については外来のご案内をご覧ください。

スタッフの紹介

中居康展医師

中居康展医師

脳神経外科部長

出身大学・卒業年など

筑波大学(平成5年)
医学博士(筑波大学・平成29年)

専門分野

脳血管障害
脳神経血管内治療
脳卒中の外科手術

専門資格

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医

略歴

筑波大学医学医療系講師、筑波メディカルセンター病院診療科長を経て現職

甘利和光医師

脳神経外科担当部長

出身大学・卒業年など

日本大学(平成5年)
医学博士(日本大学大学院・平成11年)

専門分野

脳血管障害
脳神経血管内治療
トラウマの心理療法

専門資格

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医

清水曉医師

脳神経外科医長

出身大学・卒業年

北里大学(平成4年)

専門分野

脳神経外科一般

専門資格

日本脳神経外科学会専門医

望月崇弘医師

脳神経外科医長

出身大学・卒業年

北里大学(平成10年)

専門分野

脳神経外科一般

黒田博紀医師

脳神経外科医長

出身大学・卒業年など

北里大学(平成17年)
医学博士(岩手医科大学大学院・平成23年)

専門分野

脳血管障害
脳循環代謝

専門資格

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会技術認定医

三宅茂太医師

脳神経外科副医長

出身大学・卒業年など

横浜市立大学(平成23年)
医学博士(横浜市立大学大学院・令和3年)

専門分野

脳神経外科一般
神経外傷
スポーツ医学
神経解剖学(研究)

専門資格

脳神経外科学会専門医
脳神経外傷学会指導医
スポーツ協会公認スポーツドクター
日本化学療法学会抗菌化学療法認定医

診療実績

脳卒中・神経疾患部門をご覧ください。

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このページへのお問合せ

脳卒中・神経脊椎センター医事課

電話:045-753-2500(代表)

電話:045-753-2500(代表)

ファクス:045-753-2904(直通)

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