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心機能検査

最終更新日 2024年2月21日

安静時心電図検査

紹介

心臓の大部分を占め血液の駆出作業に必要な固有心筋や特殊心筋(刺激伝導系)の活動電位を体表面に置いた電極で導出するものです。
簡単に言うと心臓の動いているときの電気活動を波形にしたものです。

目的

心臓の電気活動状態が分かります。心臓の電気活動はさまざまな要因で変化します。たとえば心筋梗塞や狭心症、不整脈などがそれに当たります。
心臓の筋肉の異常(心筋梗塞・狭心症・心筋症など)や不整脈、電解質の異常、ペースメーカーの管理、薬剤投与による効果などを調べることができます。

注意

まず始めに電極を付ける場所を出してもらいます。電極を付ける場所は胸と手首、足首です。洋服は脱がなくても手首、足首、胸が出せれば結構です。長いストッキングを履いている場合は脱いでいただきます。
両手足には、大きな洗濯バサミのような電極を4つ、胸には吸盤の様な電極を6つ付けます。電極が装着し終わったら検査開始ですが検査時間は1、2分程度です。その間はベッド上で仰向けになり、力を入れないで楽にしていてください。検査では吸盤の電極で引っ張られますが、痛みはほとんど生じません。
食事はしていただいて構いません。

検査の様子

運動負荷心電図検査(トレッドミル負荷、エルゴメーター負荷、マスター負荷、心肺運動負荷試験(CPX))

紹介

心臓に負荷がかかるような運動をしてもらい心電図変化等を調べます。

適応

通常の心電図では心筋梗塞、狭心症、心筋症などの心筋異常、不整脈、電解質異常を評価することができます。しかし通常の心電図では変化が現れずに運動時に心電図変化を起こすことがあります(例:労作性狭心症)。
この様な場合では通常心電図のみでは評価しきれないため、運動負荷を行いその変化を評価します。
また、心肺運動負荷試験(CPX)とは「呼気ガス分析」を併用して行う運動負荷試験のことを言います。運動中の酸素濃度・二酸化炭素濃度・換気量をリアルタイムに計測します。患者さんの体力(運動耐容能)を評価します。

注意

運動をしてもらいながら心電図を記録します。通常の心電図と異なり胸の電極はシールで計10個付けます(シールでかぶれることがある方はお申し付けください)。
運動負荷は4種類ありルームランナーの様な装置で、ベルトコンベアー上を歩いてもらうトレッドミル負荷心電図、自転車に乗るような感じで一定のテンポでペダルを漕いでもらうエルゴメーター負荷心電図やCPX、階段の上り下りを一定時間、一定のテンポで行ってもらうマスター負荷心電図があります。
食事はとっていただいてかまいませんが、運動負荷をかけるのであまり食べすぎないようにしてください。
服装については運動に適した服装で来院されるか、運動に適した服や靴をご用意いただき当院でお着替えください。また、汗をかくことがございますので、着替えもご用意ください。

検査機器

ホルター心電図検査(24時間心電図)

目的

ホルター心電図は丸一日(24時間)、心電図を記録する検査です。
普通の心電図検査(安静時心電図検査)はわずかな時間しか記録できませんし、夜間や早朝、運動時などの心電図変化を見ることはできません。そこで潜在的なあるいは一時的な心電図変化や、日常生活での一時的な自覚症状時の心電図を記録できるのがホルター心電図検査です。
この検査では、不整脈・狭心症の診断、不整脈・狭心症を思わせるような症状(めまい・動悸・けいれん・失神・胸痛など)がある時に心電図変化を伴っているか?などを鑑別することができます。また、抗不整脈薬投与前後の不整脈発生頻度の比較、心筋梗塞回復期患者の生活指導・予後判定などにも用いられます。

方法

心電図は、心筋が動くに伴って生成される電位を増幅して波形記録する検査です。この電位を生体から得るために電極を装着します。ここまでは普通の心電図検査(安静時心電図検査)と同じです。あとは、胸部に3ヶ所電極を貼り付け、小さな心電図記録器につなぎます。この時、特に意識して「何かをしなくてはならない」「なにかをやめなくてはならない」などと言うことはほとんどなく、むしろ普段通りの生活をしてください。日常生活の中で起きる心電図変化を記録するのが目的です。なお、行動・心臓への負荷・自覚症状などと心電図変化を対比して診断しますので、後述する「行動記録表」を記載しながら過ごしていただきます。記録器はお風呂に入れるタイプと入れないタイプの2つがあります。検査時に確認させていただきます。お風呂に入れるタイプはシールがより強力なものとなります。

行動記録表

先述の通り、行動や自覚症状と心電図を対比するために「行動記録表」を記載して過ごしていただきます。記録器を装着している間に行った行動や自覚症状を「行動記録表」に記載し続けてください。何か行動をするたびに、その開始時刻・行動内容を記入します(食事をした、薬を飲んだ、テレビを見ていた、昼寝をした、乗り物に乗った、たばこを吸った、散歩した、階段を昇った、寝た・起きた…など)。また、何かしらの自覚症状(動悸・めまい・けいれん・失神・胸痛…そのほか不快感や痛み)を感じた時には、どんな症状でも、その時刻・持続時間・症状を記入してください。この時、記録器のイベントボタン(青緑色のボタン)も押してください

注意

記録時間は24時間です。装着日翌日の同時刻に記録器をはずしに来院していただきます。都合「2日間の検査」とお考えください。記録時は機種によってはお風呂に入れない場合があります。
胸に貼付されたシール電極やコードには触れないようにしてください。貼付部位に痒みを感じることがあるかも知れませんが、掻かずに我慢してください。

検査の様子


胸に貼るシール電極と記録器です。

24時間血圧計

(ABPM:Ambulatory Blood Pressure Monitaering=自由行動下血圧測定)

目的

日常生活下において24時間、血圧を定時的に測定する検査です。
高血圧症であるかどうかが診断でき、血圧の一日の変動を見ることで昼間と夜間の血圧変動が保たれているかどうかが判定できます。また薬による血圧コントロールが良好か否かの判定にも使えます。血圧は夜間下がり昼間上昇します。これは交感神経と副交感神経が関係し、夜間は副交感神経が優位に昼間は交感神経が優位になることで血圧のコントロールをしています。(交感神経は心拍数を上昇させ、血圧を上昇させます。副交感神経は心拍数を抑制し、血圧の上昇を抑えます。)

この検査で分かることは、一日の血圧の変動から

  1. 夜間血圧が昼間の血圧と比較し下がるタイプ=dipper type
  2. 夜間血圧が昼間の血圧と比較し下がらないタイプ=non dipper type
  3. 夜間過度に昼間の血圧と比較し降圧するタイプ=extreme dipper type
  4. 夜間血圧が昼間の血圧と比較し上がってしまうタイプ=inverted dipper type

タイプに分類されます。
non dipper typeではより高い血圧レベルにあり脳・心臓・腎における臓器障害の可能性も高く心血管系疾患の危険因子とされています。JNC-Vの勧告によればABPMの適応は白衣性高血圧、薬剤抵抗性高血圧、発作性血圧上昇、降圧療法などの低血圧、夜間血圧変動、自律神経障害による低血圧、頸動脈洞性失神、ペースメーカー症候群などがあります。

方法

上腕にマンシェットを巻き、小型の自動血圧計を携帯して(肩から提げるか、腰に装着)、一日を過ごしていただきます。血圧の測定は血圧計に内蔵された時計に従って定時的[昼間:30分毎(○時ちょうど及び○時半ちょうど)、夜間(夜10時以降から朝6時まで):60分毎(○時ちょうど)]に行われ、血圧値が記憶されます。この時、特に意識して「何かをしなくてはならない」「なにかをやめなくてはならない」などと言うことはほとんどなく、むしろ普段通りの生活をしてください。日常生活の中での血圧の変化を記録するのが目的です。なお、行動・自覚症状などと血圧値を対比して診断しますので、後述する「行動記録表」を記載しながら過ごしていただきます

行動記録表

先述の通り、行動や自覚症状と血圧値を対比するために「行動記録表」を記載して過ごしていただきます。記録器を装着している間に行った行動や自覚症状を「行動記録表」に記載し続けてください。血圧計が作働するたびに、その時の行動内容を記入します(食事をしていた、薬を飲んでいた、テレビを見ていた、昼寝をしていた、乗り物に乗っていた、たばこを吸っていた、散歩していた、階段を昇っていた…など)。睡眠に関しては「寝た時間」と「起きた時間」だけチェックして下さい。その間は「睡眠していた」と言うことにします。また、何かしらの自覚症状(動悸・めまい・失神・胸痛…そのほか不快感や痛み)を感じた時には、どんな症状でも、その時刻・症状を記入してください。この時、記録器のイベントボタン(黒いボタン)も押してください。定時計測外で、その時の血圧を測定し記憶されます。

注意

記録時間は24時間です。装着日翌日の同時刻に記録器を抜去しに来院して頂きます。都合「2日間の検査」とお考えください。上腕にマンシェットを巻いていますので、記録器装着中は入浴できません。上腕に巻かれたマンシェットやコード・ホースには触れないようにしてください。覚醒中と睡眠中の血圧値の対比も非常に重要なポイントです。「何時に寝て(床に就いて)、何時に起きたのか?」、「どの程度眠れたのか?」についても記録しておいてください。

このページへのお問合せ

横浜市立脳卒中・神経脊椎センター

電話:045-753-2500(代表)

電話:045-753-2500(代表)

ファクス:045-753-2894

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