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超音波検査
最終更新日 2022年4月1日
経頭蓋超音波検査
経頭蓋超音波検査~TC-CFI:transcranial color flow imaging / TCD:transcranial Doppler
紹介
頭蓋内血管の走行・血流を観察する検査です。
目的
頭蓋内血管の狭窄・閉塞を評価したり頭蓋内血管の手術後の経過を観察することに用いられます。
また、頭蓋内血流を30分間連続でモニタリングして微小栓子(血管を詰まらせる小さな粒)の有無を検索します。
注意
検査の時は特に痛みや苦痛はありません。検査時間が場合により長くなることもあるのでお手洗いは済ませておいてください(最長90分)。検査はこめかみ付近または後頭部などにゼリーを塗布し,プローブ(ハンドスキャナーのようなもの)を当てて検査をします。
検査によっては長時間モニタリングを行うために頭部に固定具を装着して行うものもあります。
頭の骨の具合によっては、検査が不可能な事があります。特に高齢の女性の場合で困難な例が少なくありません。検査できないことが異常ということではなく、あくまで骨の状態によるものです。
検査に際して、食事制限はありません。また、普段飲んでいるお薬についても服用していただいてかまいません。
検査の様子
検査機器
頸動脈超音波検査
紹介
脳梗塞とは頭の中の血管だけが原因で起こる疾患ではありません。心臓から頭に至るまでの血管が原因で起こることも良くあります。
首の所には心臓から頭に血液を送る血管で頸動脈という血管があります。この検査ではこの頸動脈の血流や血管内の様子を観察します。
目的
頸動脈超音波検査は、左図で示した血管(総頸動脈:CCA、内頸動脈:ICA、外頸動脈:ECA、椎骨動脈:VA)を評価できる検査です。後述の写真のように血管内腔を詳細に観察することができ、頸部血管病変を直接観察し動脈硬化の有無を検査することができます。また血流波形を得ることによって遠位または近位での病変の推定も可能です。
適応
生活習慣病による動脈硬化性変化や、脳血管障害の評価などに用います。
生活習慣病には糖尿病や高血圧症、高脂血症、ストレスや不眠、喫煙なども含まれています。検査時間は30分から45分くらいです。
注意
検査の時は特に痛みや苦痛はありません。仰向けの状態で検査を行います。
検査は首の所にゼリーを塗布し、プローブ(ハンドスキャナーのようなもの)を当てて検査をします。検査中はなるべく眠らないようにお願いします。
首の所を見ますので、前あきの服やVネックの服など、首元を広く開けられる服装でお越しください。
検査に際して、食事制限はありません。また、普段飲んでいるお薬についても服用していただいてかまいません。
検査は音の反射を利用していますので、いびきが大きい場合は起きていただくことがございます。
検査の様子
実際にプローブを当てている様子
実際にプローブを当てて得られた血管内の様子
経胸壁心臓超音波検査
目的
脳梗塞は心臓が原因で起こることがあります。例えば心筋梗塞後や不整脈による左房拡大などによる心内血流の欝滞によって形成された血栓や、心内腫瘍によって引き起こされる例もあります。
このため、心臓の検査は脳梗塞の原因検索として非常に重要な検査です。また、心機能が保たれているかどうかでも治療が変わってきます。あるいは高血圧がある方や弁膜症の方の中には「心臓肥大」が見られることもしばしばで、進行すると心機能の低下を招きます。
心臓超音波検査は原因検索だけのための検査ではありません。心機能を確認することで、その患者さんの可能な運動範囲が決定されてくるので、脳卒中慢性期の患者さんにとっても重要な検査です。
方法
胸の上(胸骨左縁~腋窩から肋骨の隙間を通して心臓を観察します。ゼリーを塗布しプローブ(ハンドスキャナーのようなもの)を当てながら超音波を使って観察していきます。俗に「エコー」と呼ばれている検査の一つです。
注意
上着を脱いで頂き上半身裸の状態で検査いたしますので、脱ぎ着のしやすい服装が望ましいです。
食事制限をお願いすることがございます。
服薬の制限はありません。その他においても特別な注意はありません。
経食道心臓超音波検査
目的
プローブ
脳梗塞は心臓が原因で起こることがあります。例えば心筋梗塞後や不整脈による左房拡大などによる心内血流の欝滞によって形成された血栓や、心内腫瘍によって引き起こされる例もあります。
通常の心臓超音波検査(胸の上に当てて観察する検査)は「心臓を表側から診る」検査ですが、経食道心臓超音波検査では心臓を裏側から観察します。
これによって、通常の心臓超音波検査では見えない部位を観察できたり、更に詳細に観察することができます。
方法
心臓の後ろ側には食道があります。経食道心臓超音波検査では、胃カメラのような管を飲み込んで頂き、この食道側から、つまり心臓を裏側から観察します。検査の要領は胃カメラとほとんど同じです。
胃カメラと同様にまずは嘔吐反射(「オエッ」と吐き出そうとする反射)を無くして管をすんなり飲み込めるように喉の麻酔をします。喉の麻酔は水飴のようなお薬と、スプレー式のお薬を使います。途中で深呼吸や息を止めていただくことがあります。
医師1名、検査技師1名で行います。
注意
胃カメラを受けられたことがある方はご存じかと思いますが、喉の麻酔が2時間ほど持続しますので、その間は飲食はできません。
検査を受ける前の注意
管を飲み込む際に嘔吐反射を伴うことがあります。胃内容物の残存があると嘔吐してしまいます。このため、食事は検査6時間前までに、水分は4時間前までにとどめておいてください。
義歯をされてる方は、検査前にはずしておいてください。
お車の運転はご自分でなさらないようにしてください。
検査後の注意
少し眠くなる薬を使用しますので、検査後は眠気・ふらつきなどがあり得ます。
眠気・ふらつき等が無くなるまで検査後は外来の処置室で十分にお休みになってからお帰りください。また、お帰りの際は、お車の運転はなさらないでください。
検査に際して、喉の麻酔を行います。喉の麻酔が効いてますと物がうまく飲み込めず、誤って気管支に入ってむせたり、肺炎の原因になってしまうことがあります。喉の麻酔は2時間ほど持続しますので、その間は飲食はせず、唾や痰は吐き出すようにしてください。
2時間後に、少しお水を飲んでみて、むせこみなく飲み込めれば、その後は普通に飲み物や食事を取っても構いません。まだむせ込むようであれば、また30分ほど様子を見てください。
腹部超音波検査
目的
腹部超音波検査では腹部臓器(肝臓・胆嚢・腎臓・膵臓・脾臓など)の器質的疾患の有無を検索します。
脳卒中は高齢者に多いため、肝機能や腎機能の低下の可能性もあり、薬剤性の肝機能障害もあり得ます。
また、脳卒中は生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病)や飲酒・喫煙習慣との関連も示唆されています。このため、肝臓などの評価も重要となります。
方法
検査の際は仰向けになって頂き、腹部上にゼリーを塗布し、プローブ(ハンドスキャナーのようなもの)を当てながら超音波を用いて観察していきます。俗に「エコー」と呼ばれている検査の一つです。これによって各臓器の形態を断層画像で診断していきます。
注意
検査の際は絶食状態にてお越しください。午前中に検査の方は前日の夜9時までに、午後検査の方は当日午前8時までに食事を済ませてください。
飲み物については、少量の水・お茶などは構いませんが、牛乳などは避けてください。
検査の際には腹部を露出して頂きますが、脱衣までせずまくり上げるだけでも十分です。脱ぎ着のしやすい服装か、まくり上げやすい服装でお越しください。
下肢深部静脈超音波検査
目的
脳梗塞は頭の中の血管だけが原因で起こる疾患ではありません。静脈、特に下肢に形成された血栓によって起きることもしばしばあります。
心臓の左心系あるいは動脈に形成された血栓は脳血管を詰まらし得ますが、右心系あるいは静脈に形成された血栓は左心系に戻る途中の肺の血管で捉えられ動脈系には入らないので脳血管に達することはなく、脳塞栓症にはならず肺塞栓症となります。
しかし、心臓の左心系と右心系を隔てている壁に隙間があると、右心系あるいは静脈で形成された血栓が脳血管に達して脳梗塞を起こすことがあります。これを「奇異性脳塞栓症」と言います。
静脈血栓はフィブリン、赤血球、血小板、白血球からなり、血栓の発生部位は太い静脈や下腿などの“静脈弁”の近傍で血流が停滞した場所などが多いとされています。長時間に渡って座ったまま、立ったままだと下肢静脈の血流が欝滞して血栓が形成されるのです。
この検査では、その下肢の深部静脈の血管の様子や血流を診たり血栓の有無を調べたりします。
方法
俗に「エコー」と呼ばれている検査の一つで、仰臥位で足の付け根から膝の上あたりまでが観察部位です。観察部位にゼリーを塗布し、プローブ(ハンドスキャナーのようなもの)を当てながら超音波を用いて観察します。次にベッドに座位の状態で足首から膝までの間の静脈を検査します。
ズボンを下げ、下肢の付け根にプローブをおき、膝の上まで圧迫を繰り返し検索します。これは血管内に血栓があれば、血管は圧迫しても扁平化する事はありません。また大きく吸って息を止め大きく吐くことを何度か繰り返したり、被験者のふくらはぎを握りこみます。
注意
下肢にゼリーを塗って検査を行います。脱ぎ着のしやすい服装か、まくりあげやすい服装でお越しください。
このページへのお問合せ
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター
電話:045-753-2500(代表)
電話:045-753-2500(代表)
ファクス:045-753-2894
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