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ぐるっとSTORY(2023年冬号)
最終更新日 2024年9月4日
横浜市交通局の広報誌『ぐるっと』では、「わたしのまちの地産地消STORY」と題して、市営地下鉄・バス沿線で行われている地産地消の取り組みにフォーカスしています。誌面に入り切らなかったインタビューをWEB限定記事としてお届けします! 今回は横浜市内産の米を原料としたお菓子を製造・販売するミツハシライスの山邉恵一郎さん(写真右)、山口茉莉加さん(中央)、三枝明日香さん(写真左)へのインタビューです。
横浜市内産の米粉でつくった「横濱お米かりんと」
右から珈琲味、はちみつ味、麻辣味の「横濱お米かりんと」
横浜市内で米に関する商品を扱うミツハシライス。市内産の米粉を100%使った「横濱お米かりんと」を2021年から製造・販売しています。
米を扱う横浜生まれの企業として、米の消費量を増やし、そのおいしさをたくさんの方に伝えるのが最大の課題。そのうえで、市内の米を使った地産地消のお土産を開発したい──。その想いからできたのが「横濱お米かりんと」だ。
横浜市内で生産される米は生産量が少ないうえ、ほとんどが自家消費に使われる。そのため一般の量販店に大容量に流通するものではないという。そんな市内産の米を、米粉に加工して、かりんとうに仕上げた。
小麦粉でつくるイメージがあるかりんとう。歴史をさかのぼると米を使う場合もあったそうで、味や食感が米粉と合いやすいと山邉さんは言う。
フレーバーは珈琲、麻辣、はちみつの3種。どれも35gずつのチャック付き包装で、小腹を満たしたいときのおやつにぴったりだ。箱に詰まった3種セットもあり、横浜土産の新定番となるよう開発した。三枝さんは「帰省するときに、親戚に配ると喜ばれる」と言う。
手前から時計回りに、はちみつ味、麻辣味、珈琲味。ナッツ類を混ぜて食感にアクセントをつけた
「米粉と米油を使っているため、さっぱりしています。食べても胃が重たくなるような感じがなくてサクサク食べられます」。こう話すのは商品開発に携わり、試食を重ねた山口さん。パッケージもおしゃれでカジュアルなものを目指し、若年女性を中心に幅広い層から好評だ。
フレーバーは横浜のまちのイメージから考案した。麻辣味は横浜中華街をイメージし、珈琲味は横浜が珈琲文化の発祥の地と言われていることにちなんだ。珈琲味とはちみつ味はそれぞれ横浜市の企業から材料を買い付けた、市内企業とのコラボレーション。コーヒーは「三本珈琲」から、蜂蜜は「ちぼり堂」から仕入れている。
農業都市としての横浜
ミツハシライスは、横浜市鶴見区で米の卸売をする小さな会社から始まった。横浜に育ててもらった企業だからこそ、この地での地産地消に注目した。
「横浜は観光地や住まいとしてのイメージが強く、農業にスポットライトが当たりづらいのかもしれません。でも小松菜の生産量が多いし、浜なし・浜ぶどうのような果樹ブランドもあります。横浜市によると市内の農地面積は約7%です。あまり知られていないだけで意外にも農地があり、農業都市といえると思います」
人口も多く、観光や移住で訪れる人も多い横浜のまち。農地や住宅地、観光地が混在する農業都市・横浜は地産地消の場所として魅力的と山邉さんは言う。
米粉の歴史は浅い。だからこそ
「横濱お米かりんと」発売の2年後に発売した「横浜お米すなっく」
「横濱お米かりんと」のほかに「横浜お米すなっく」も2023年6月から発売している。アレルゲン28品目不使用で、グルテンフリーであるため、体に気を遣う人たちも手に取りやすい。これからも、米粉の味や品質の向上を追求して新しい商品を開発するつもりだ。山口さんは米粉でフワフワとした焼き菓子をつくれないかと考えている。
「炊いたお米が冷めると固くなるように、米粉のお菓子やパンは固くなってしまう。焼き菓子などは小麦粉の方がおいしいと感じてしまうことがあります。だから小麦粉に負けないお菓子をつくりたい」
米粉のお菓子やパンがお店に並ぶようになった現在でも、米粉100%のものは多くないという。「米粉は小麦粉に比べて、商品の種類も少ない。そうした面でもまだまだ可能性があると思っています」と山邉さんは話し、こう続ける。
「横浜の人たちに食べてもらいたいし、観光で訪れた人にも食べてもらいたいですよね。市内産の米のよさも伝えたいです。市内の米の生産者の方々と連携し、このまちを盛り上げていきたいと思います」
原点を大事に、これからも米と農業都市・横浜の魅力を探っていく。
取材は、ミツハシライスが事業展開する飲食店「GOHANYA’ GOHAN みなとみらい店」で行った。季節やイベントに合わせたさまざまなブランド米を楽しむことができる
「横濱お米かりんと」
種類:珈琲、麻辣、はちみつ
希望小売価格:各310円・税込
容量:各35g/袋
販売店:GOHANYA’ GOHAN みなとみらい店 ほか
所在地:西区みなとみらい4-6-2 グランドセントラルテラス1階
営業時間:11:00〜21:00
アクセス:ブルーライン 桜木町駅から市営バス156系統・292系統「横浜美術館」下車徒歩約2分
*横浜市役所2階「ヨコハマメモリーズ」やその他市内の土産物店、JA直売所などでも販売しています
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