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食品の管理は大丈夫ですか?(その2 シバンムシ類)
最終更新日 2025年2月26日
シバンムシ類の幼虫と成虫
- 台所の棚の上、居間の窓際でヨチヨチ歩く褐色の小さなゴマ粒大の虫をみかけませんか?
- 大事に保管した、乾燥食品の中に虫がいませんか?
- 保存中のソバ、そうめんの束やチョコレートに小さな穴があいていませんか?
家庭でごく普通に見かける代表的な甲虫にシバンムシ類がいます。
シバンムシ類は代表的な食品害虫です。
食品を加害するのは、幼虫の時期だけです。
幼虫は、食べ物の中で生育します。ですから、なかなか見ることは出来ません。でも、生育の過程で表面に細かなくずを排出するので、それが目印になります。食べ物の周辺にくずが見られるようになったら要注意です。
成熟した幼虫は体長が約2~3mm、コガネムシ型で乳白色をしています。幼虫はそのまま食品の中で蛹になります。蛹からかえった成虫は食べ物に孔を開けて出てきます。したがって成虫がたくさん羽化した食品には無数の孔がみられます。
成虫は、約2.5mmほどで、褐色をしています。動きは活発で、食品の上をせわしく歩いたり、明かりに向かって飛んだりします。
シバンムシ類の幼虫と蛹
脱出孔
家庭内で見かけるシバンムシ類は、タバコシバンムシとジンサンシバンムシが代表的です。
雑食性のシバンムシ類が加害する食品は豊富です。
例えば、貯蔵穀類(米、麦など)、粉類(小麦粉、ホットケーキの素等)、菓子類(ビスケット、チョコレート、クッキー等)、香辛料、薬草、木の実類、ソバ、シイタケ、乾燥果実等の乾燥した植物質などです。
[保管はパッキン付きの容器で!!]
未開封の食品でも包装だけでは不充分です。わずかな隙間があれば産卵されます。しっかり密閉できる容器に入れて保管してください。
[疑わしいと思ったら]
シバンムシ類は日本で60種以上が記録されています。
食品を加害する以外に、書籍にはフルホンシバンムシ、畳にはクシヒゲシバンムシ、建築材料にはマツザイシバンムシなどが知られています。
それぞれの種の同定は非常に困難です。疑わしい時は、近くの福祉保健センターに虫を持って行き、相談してください。
(本文中のシバンムシ類の説明)
タバコシバンムシ Lasioderma serricorne
成虫の体長は1.7-3.1mm。赤褐色、長楕円形で全体に黄色の微毛に覆われる。触角はのこぎり状。
幼虫は、コガネムシ型で、成熟した幼虫の体長は3-5mm。体色は乳白色。主として幼虫で越冬する。
穀類の加工食品、穀粉、乾燥果実、菓子類、香辛料、動植物の標本などを加害する。 タバコの重要害虫でもある。
日本では本州以南に広く分布する。
ジンサンシバンムシ Stegobium paniceum
成虫の体長は1.7-3.5mm。赤褐色または茶褐色で全体に黄色の細毛に覆われる。触角は先端3節が特に太く、長い。
幼虫は、コガネムシ型で、成熟した幼虫の体長は約3.5mm。体色は乳白色。
主として幼虫で越冬する。
穀類、穀粉、乾燥果実、菓子類を加害する。乾燥朝鮮人参の害虫として有名。
日本では本州以南に広く分布する。
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