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45.環境事業局栄工場改修事業に係る審査書

最終更新日 2019年1月23日

環保環審第135号
平成12年12月22日


審査書


環境事業局栄工場改修事業に係る環境影響評価準備書及び環境影響評価書に関する横浜市環境影響評価条例第23条第1項に規定する環境の保全の見地からの意見は、下記のとおりである。

横浜市長

高秀 秀信


第1 対象事業

1 事業者の名称及び住所
名称:横浜市
代表者:横浜市長 高秀 秀信
住所:横浜市中区港町1-1

2 事業の名称及び種類
名称:環境事業局栄工場改修事業
種類:廃棄物処理施設の建設

3 事業の位置
横浜市栄区上郷町1570-1

第2 審査意見

事業者が作成した環境影響評価準備書及び環境影響評価書並びに手続について審査した結果、事業特性及び周辺地域の環境特性を踏まえ、以下の事項について留意されたい。

1 基本的事項

(1) 環境事業局栄工場改修事業(以下「本事業」という。)は、

  • 老朽化が進む焼却設備を同規模で全面更新
  • 焼却灰及び焼却飛灰を無害化・安定化・資源化し、環境への負荷を低減させるための焼却残さ処理施設の増設
  • ダイオキシン類等の排出抑制をはじめとする環境保全対策の強化を図るための最新処理設備の設置
  • 熱エネルギーの一層の有効利用を図るための発電能力の増強
  • これら設備のための既設工場棟のかさ上げ、新棟の増築

を行うものである。
したがって、本事業が基本的には改修事業であることから、事業計画に示される最新設備の導入や環境保全対策の強化などにより、環境へ排出される汚染物質排出量は軽減されることになる。しかし、複雑地形の中に立地していること、改修後も相当長期にわたって稼働することを考慮すると、改修にあたっては、環境影響を極力低減させる方策を十分に検討することが肝要である。

(2) 大気汚染物質等の排出総量を大きく左右する一つの要因として、ごみ量とごみ質があげられることから、今後とも、減量化・資源化施策をより一層推進することが必要である。

(3) 解体工事ではプラント内部の残存物に有害物質が含まれる可能性が高いこと、及び工事量も多いことから、工事中については、周辺への環境影響について十分な配慮を行い、細心の注意による施工が必要である。

(4) 焼却残さ処理施設は、国内での稼働実績はあるものの、同型式、同規模の実績が少ないため、導入にあたっては、大気汚染物質発生量の把握、及びこれに伴う排ガス処理方式の検討、並びに、安全性の確保などが重要であり、溶融実験の結果等を踏まえ、計画段階から十分に検討する必要がある。

(5) 改修前後における栄工場が大気環境に与える影響の変化については、現況濃度の解析、有効煙突高の差異及び既設工場棟のかさ上げや新棟による後流渦の影響(ダウンウオッシュ)、複雑地形における排ガスの移流・拡散の挙動、汚染物質排出量の低減の度合いなどについて慎重に検討を行った結果、

  • 現況濃度については、風向別の解析結果等から既存の施設による明確な影響は見出せなかった。
  • 有効煙突高については、改修後には排ガス量が増加し、排ガス上昇に有利な面もあるが、一方では、排ガス温度や吐出速度の低下があって、総合的には有効煙突高が若干低くなることが見込まれる。
  • 風洞模型実験によれば、既設工場棟のかさ上げや新棟によるダウンウオッシュ、ダウンドラフトの発生の程度については、改修前と比べて同程度である。
  • 排ガスの移流・拡散については、計画地が複雑地形にあることを配慮し、風洞模型実験、野外拡散実験を実施し、これらの情報を用いて数値シミュレーションにより地上濃度の推定を行っている。一般的には、複雑地形では比較的煙突の近傍に最大着地濃度が出現しやすく、野外拡散実験でもこのような現象が観測されているが、数値シミュレーションではそのような傾向が再現されていない。煙突近傍の最大着地濃度は、改修前の現状においても出現していると思われるが、これらは、主として地形的なダウンドラフトによるものと考えられるので、改修後特にこの濃度を悪化させる理由はない。しかし、近傍の最大着地濃度を極力低減するため、排出諸元の改善に更なる努力が望まれる。
  • 汚染物質排出量については、改修前の実排出量と改修後の管理目標値及び最新の鶴見工場、旭工場の排出実態を比較検討し、考察した結果、相当程度の改善が見込まれる。

以上のことから総合的に判断すると、改修によって大気質を悪化させることはないものと思われるが、周辺の大気環境改善のために、運転管理等について一層の努力が望まれる。

2 個別的事項

(1) 工事中

ア 大気汚染、水質汚濁、廃棄物・発生土

(ア) 解体工事に伴う粉じんの飛散防止対策として、外周部の仮囲いの設置や散水を挙げているが、プラント機器の内部の残存物に有害物質が含まれる可能性が高いことから、「廃棄物焼却施設解体工事におけるダイオキシン類による健康障害防止について」(労働省労働基準局長 第561号通知)による対策を講じるほか関係法令を遵守すること。また、屋外における作業は最小限にとどめること。

(イ) 栄工場は、昭和50年代初期に建設されているので、アスベストの使用について十分な調査を行い、使用箇所については、「アスベスト(石綿)使用建築物の改修・解体工事指導指針」(横浜市環境保全局)に基づき適正に処理・処分を行うこと。

イ 地域社会

隣接する霊園への来園者が多い盆・彼岸には、交通混雑の回避や霊園の静けさが望まれることから、これらの時期には工事の工程や工種に配慮すること。

(2) 存在・供用時

ア 大気汚染

(ア) 計画地周辺の大気環境改善のためには、汚染物質の一層の排出抑制を図る必要があることから、最新の排ガス処理技術を常に把握し、導入可能な技術については積極的に導入を図ること。特に、焼却残さ処理施設については、焼却炉煙道に接続する前の処理方式を含め、計画段階で慎重に検討すること。
また、焼却炉、焼却残さ処理施設、排ガス処理装置の適正な運転管理に努めること。

(イ) 計画では、現状に比べて有効煙突高が若干低下することが見込まれる。当該立地条件では、排ガスの上昇過程での地形効果や近接建屋の影響が大きいと考えられるので、これを極力避けるために有効な吐出速度の増加を図ること。

(ウ) 周辺地域の大気環境改善に資するため、ごみ収集車両、中継輸送車等に低公害車の導入が望まれる。したがって、これら車両の更新時等には、天然ガス、液化石油ガス、ガソリンを燃料とする低公害車の導入や軽油を使用するディーゼル車への排気微粒子除去装置の装着などに努めること。

イ 植物・動物

計画地は、近郊緑地保全区域、風致地区等に指定されており、極力、緑化されることが望まれることから、改修後にできるスペースには、極力、緑化を図ること。

ウ 景観

計画地周辺には緑地が多いことを考慮すると、建物等の人工物の存在が景観面で極力違和感を生じないよう配慮する必要がある。したがって、既設工場棟かさ上げ部や新棟についてはデザインの工夫を、また、これらを含めた建物・煙突等については色彩の検討を行うこと。

エ 安全

焼却残さ処理施設は高温の溶融炉が稼働することから、防災上格段の配慮が必要である。このため、既知の安全対策のほか、同類の電気式溶融炉を有する鉄鋼、アルミ精錬業などの事例も参考に万全の対策を講じること。

3 事後調査

(1) 大気汚染

大気汚染物質の排出に関する監視は、煙道出口で行われるが、管理目標値を遵守することはもとより、より低濃度な排出を行うためには、焼却炉及び焼却残さ処理施設の出口から煙道出口までの排ガスの濃度等の変化を把握し、運転管理に役立たせることが重要である。
したがって、稼働初期に、運転状態に応じた排ガスの挙動を十分に把握し、これらの結果を解析することにより、適切な運転管理に活用すること。

(2) 土壌汚染

事後調査項目として、土壌汚染調査が挙げられていないが、工場周辺地域の土壌汚染の状況を把握する必要があることから、稼働前後におけるダイオキシン類の土壌汚染調査を実施すること。なお、調査地点については必要に応じ関係機関と協議すること。

4 他の地方公共団体の意見

本事業の計画地は、鎌倉市、逗子市に近接しており、両市の一部が対象地域になることから、横浜市環境影響評価条例第53条に基づき両市長と協議を行った。この協議に基づき環境保全の見地からの意見を照会した結果、鎌倉市長より下記の意見が送付された。

今日、地域社会から発生する廃棄物は、量的に増大するとともに質的にも多様化しており、これらの処理等に当たっては、周辺環境への影響を可能な限り低減するように努め、併せて廃棄物の発生抑制、減量化・資源化に取り組むなど、地域住民の快適な生活環境を確保することが求められています。当該施設は、鎌倉市域にも近接し、その影響が懸念されることから、事業の実施に当たっては、鎌倉市民に対する的確な情報提供に努めつつ、環境影響評価書に記載された大気環境等への配慮事項や講ずべき環境保全対策の実施について万全を期すとともに、
工事中や供用開始後に予測し得なかった著しい環境影響が見られる場合には、適切な措置が講じられるようご配慮をお願いいたします。

本事業の実施にあたっては、この意見についても十分配慮すること。
なお、逗子市長からは、「特に指摘する意見はありません」との回答が送付された。

【参考】手続経過

1 環境影響評価準備書の縦覧及び意見書の提出

縦覧場所:境保全局総務部環境影響審査課
栄区役所総務部区政推進課
金沢区役所総務部区政推進課
鎌倉市役所企画部環境自治体課
鎌倉市役所大船支所
逗子市役所環境部環境管理課
縦覧期間:平成12年2月25日から平成12年4月10日
意見書:市民等1,544名から6,156通提出

2 環境影響評価書の縦覧及び意見書の提出

縦覧場所:環境保全局総務部環境影響審査課
栄区役所総務部区政推進課
金沢区役所総務部区政推進課
鎌倉市役所企画部環境自治体課
鎌倉市役所大船支所
逗子市役所環境部環境管理課
縦覧期間:平成12年6月15日から平成12年7月14日
意見書:市民等4名から6通提出

3 事業者説明会

平成12年3月24日18時30分から20時30分 出席者22名 横浜市立本郷小学校
平成12年3月25日14時00分から16時00分 出席者72名 横浜市立野七里小学校
平成12年3月26日14時00分から16時00分 出席者13名 横浜市立釜利谷南小学校
平成12年3月28日18時30分から20時30分 出席者10名 鎌倉市中央公民館

4 意見陳述

平成12年5月26日 意見陳述6名 神奈川自治会館

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環境創造局政策調整部環境影響評価課

電話:045-671-2495

電話:045-671-2495

ファクス:045-663-7831

メールアドレス:ks-eikyohyoka@city.yokohama.jp

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