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横浜市立図書館運営実行プラン(令和元年度から令和4年度)

最終更新日 2020年3月27日

1 『横浜市立図書館運営実行プラン』について

(1) これまでの横浜市立図書館の中期計画について

ア 横浜市立図書館アクションプラン

 『横浜市立図書館アクションプラン』(2010(平成22)年度から2014(平成26)年度)(以下『第1期プラン』という)は、「横浜市立図書館のあり方懇談会報告書」(2007(平成19)年8月)を踏まえ、『横浜市中期4か年計画』及び『横浜市教育振興基本計画』(ともに平成22年度策定)と連動して策定されました。
『横浜市立図書館アクションプラン(第2期)』(2015(平成27)年度から2019(平成31)年度)(以下『第2期プラン』という)は、平成26年に策定された『横浜市民読書活動推進計画』及び『第2期横浜市教育振興基本計画』と連動し、「市民の読書活動 を支える地域の情報拠点」基本目標として策定されました。

イ 横浜市立図書館児童サービス5か年計画

 子どもの読書活動の推進については、『第1期プラン』と連動して『横浜市立図書館児童サービス5か年計画』(2010(平成22)年度から2014(平成26)年度)を策定しました。2015(平成27)年には「子どもの読書活動の推進に関する法律」や「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」(2014(平成26)年4月1日施行)を踏まえ、『横浜市立図書館児童サービス5か年計画』(2015(平成27)年度から2019(平成31)年度)(以下『児童サービス5か年計画』という)を策定し、具体的に取り組みました。

ウ 横浜市立図書館蔵書5か年計画

 図書館サービスの基盤となる蔵書の充実を図るために、『第1期プラン』と連動して、『蔵書再構成5か年計画』(2010(平成22)年度から2014(平成26)年度)を策定し、市民の問題意識に寄り添った課題解決型図書館を目指し、調査研究に役立つ参考図書等の蔵書の補強と再構成に取り組みました。『第2期プラン』と連動した『横浜市立図書館蔵書5か年計画』(2015(平成27)年度から2019(平成31)年度)(以下『蔵書5か年計画』という)では、「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」の施行を受け、課題解決支援に加え、読書活動支援にも重点を置いた資料収集及び蔵書構築に取り組みました。

(2)『横浜市立図書館運営実行プラン』の位置づけと計画期間

 今回策定する横浜市立図書館の中期計画は、名称を『横浜市立図書館運営実行プラン』(以下『実行プラン』という)とします。『第3期横浜市教育振興基本計画』(2018(平成30)年12月策定)と連動し、計画期間を2019(令和元)年度から2022(令和4)年度までとします。
 『第3期横浜市教育振興基本計画』は、『横浜教育ビジョン2030』を具現化するためのアクションプランです。『実行プラン』は『第3期横浜市教育振興基本計画』のうち、図書館や読書に関する施策を計画的に実施することを目指します。また、『第二次横浜市民読書活動推進計画』(2019(令和元)年12月策定)とも連動します。
 『実行プラン』では、従前三つに分かれていた中期計画(第2期プラン、児童サービス5か年計画、蔵書5か年計画)を統合し、一体のものとして効果的・効率的に取り組みます。

横浜市立図書館運営実行プランの位置づけ

2 『実行プラン』の基本姿勢

(1) SDGs(持続可能な開発目標)(※1)の取組への支援

 第3期横浜市教育振興基本計画の基本姿勢として「SDGsとの関係性を意識した教育活動の展開」を掲げています。図書館においても、サービスを通じてSDGsの様々な取組を支援します。

(2)客観的な根拠に基づく取組の推進(EBPM)(※2)

 図書館の利用状況等のデータ分析や取組の効果検証を踏まえて、図書館サービスの充実に取り組みます。

3 図書館の現状と課題

(1)読書をめぐる社会状況・横浜市の状況

ア 社会状況

書籍・雑誌推定販売金額

 「読書離れ」「出版不況」と言われる状況が、現在まで長く続いています。2005(平成17)年以降、書籍・雑誌の実売総金額は減少し続けています(『出版指標年報2019年版』全国出版協会出版科学研究所 より)。また、2018(平成30)年の文化庁「国語に関する世論調査」によれば、1か月間に1冊も本を読まない人の割合が47.3%であり、2002(平成14)年度の調査結果37.6%から約10ポイント増加しています。

「学校読書調査」より不読率

 子どもの読書においても、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が、共同で毎年実施している「学校読書調査」によれば、5月1か月間の平均読書冊数や、1冊も本を読まなかった「不読率」はほぼ横ばいで推移しています。2018(平成30)年4月に文部科学省が発表した『第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画』の中では、子どもの読書についての課題として、(1)中学生までの読書習慣の形成が不十分 (2)高校生になり読書の関心度合いの低下(3)スマートフォンの普及等による子供の読書環境への影響の可能性 の3点があげられています。

 一方で、読書の比重が、個人のものから人と人をつなげるツールへと移りつつあります。従来からある親子向けのおはなし会、児童生徒を対象としたおはなし会やブックトークだけでなく、大人・高齢者のための朗読会やおはなし会、読書会など、読書の楽しさを複数人で共有することが広がっています。
本を紹介しあうコミュニケーションゲーム「ビブリオバトル」では、本を知ることができるだけでなく、その人の「人となり」を知ることもできるため、図書館だけでなく学校、企業等でも実施されています。また、個人が作る小さな図書館「マイクロライブラリー」も、本をきっかけに人や町につながりが生まれる活動として全国に広がっています。
 2019(令和元)年6月には、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下「読書バリアフリー法」)が成立しました。視覚障害などの障害の有無にかかわらずすべての人の読書環境の整備を推進するための法律です。図書館も、この法律の趣旨を受けた取組を進める必要があります。
また、外国籍・外国につながる児童生徒(※3)が増加しており、従来の日本語の蔵書だけでなく、母語で書かれた本への新たなニーズに応えることが必要になっています。
 ICTの発展は目覚ましく、読み上げに対応した電子書籍などアクセシブルな資料を提供することで、視覚に障害がある方なども読書を楽しむことができます。他都市の図書館でも、音声と共に文字や絵や写真が表示されるマルチメディアデイジーや電子書籍の貸出サービスを活用しているところがあります。

イ 横浜市の状況

横浜市において、1日のうち読書を「まったく、またはほとんどしていない」と回答した小中学生の割合

 『第二次横浜市民読書活動推進計画』によれば、1日のうち読書を「まったく、またはほとんどしていない」と回答した小中学生の割合は、年々増加しており、読書離れの状況は横浜市でも進んでいます。
 2013(平成25)年度からは、横浜市立小・中・特別支援学校に学校司書が順次配置され、2016(平成28)年度には義務教育学校も含め全校に配置しました。これにより、学校図書館の環境整備が進むとともに、利用促進が図られています。

(2)横浜市立図書館の現状と課題

ア 利用状況・予約冊数の推移

図書館の利用状況

 2013(平成25)年度からの5年間でみると、登録者数は減少傾向、貸出冊数・入館者数は、2015(平成27)年度をピークに漸減しています。しかし、予約冊数は増加を続け、2017(平成29)年度には300万冊を超えました。特にインターネットでの予約冊数が多く、予約冊数の90%近くがインターネットによるものです。

レファレンス受付件数

 レファレンス(資料相談)(※4)の件数は増加傾向です。特にEメールによる受付が増えています。

年代別延べ貸出利用者数

 年代別では、ティーンズ(おおむね13歳から19歳)・20代の利用が少なく、40代から60代の利用が多くなっています。ティーンズ世代の利用増が課題です。
高齢者に対しては、従前から大きな活字の本の提供などを行ってきました。近年は、地域性に応じて、認知症や成年後見など高齢者の課題解決のための講座の開催や、高齢者に役立つ資料を集めた「シニアコーナー」の設置などを行いました。これからの超高齢社会に向けて、さらに取り組んでいく必要があります。
 地域文庫や読書グループなどの団体向けの貸出は、「団体貸出」「グループ貸出」(※5)があり、長期間・多くの冊数を一度に貸し出しています。また、学校向けにも同様のサービスがあります。「団体貸出」「グループ貸出」「学校向け貸出」の全体として、貸出冊数は減少していますが、利用するグループの多様化などから、グループ貸出の登録グループ数は増えています。
 障害のある方へのサービスとしては、対面朗読、録音図書・点字資料の貸出、図書・雑誌の配送貸出し等を行いました。読書バリアフリー法の成立を受け、さらにサービスを拡充する必要があります。

ウ サービス拠点の整備

図書取次サービス利用実績の推移

 図書館利用の利便性向上のために新たな施設を作ることは、多くの時間と経費が必要です。
 増設に代わる手段として、図書取次サービスや移動図書館があります。2016(平成28)年1月には、港南台地区センターにおいて、予約した市立図書館の図書の受取と返却ができる図書取次サービスを開始しました。これにより、図書取次サービスの拠点は10か所となりました。今後は、さらなるサービスの拡充が課題となります。拠点の増加については、交通拠点となる駅付近への新設や、地区センター等既存の市民利用施設を活用するなどの手法が考えられます。費用対効果を考慮しつつ、サービスの拡充に取り組みます。
 移動図書館は、約3,000冊の本を載せた特別仕様の車です。図書館から遠い地域を対象に、21か所(平成30年度時点)を巡回しています。平成29年度には、要望の多い奈良地区(青葉区)への巡回を開始しました。しかし、1台の移動図書館車で巡回できる数は限られており、すべてのご要望に応えきれてはいません。

横浜市民の他都市における登録者延人数

 また、2017(平成29)年3月から、川崎市・鎌倉市・藤沢市・大和市との広域相互利用を開始しました。これは、横浜市民が、各市に在勤・在学でなくても直接4市の図書館で本を借りることのできるサービスです(4市の市民も横浜市立図書館で直接本を借りられます)。2018(平成30)年4月からは横須賀市とも開始しています。

エ 図書館の運営と施設整備

 市立図書館では、民間活力の導入による運営の効率化をはかるため、地域図書館のうち都筑・戸塚図書館に司書補助業務委託、山内図書館に指定管理者制度を導入してきました。導入から約10年が経過しており、それぞれの運営手法のメリット・デメリットについて、今後の図書館運営を見すえた比較検証が必要です。
 また、市立図書館の18施設は、1970年代から順次整備され、1995(平成7)年に1区1館を達成しました。現在、築年数が40年を超える施設も増えつつあり(資料1)、施設・設備の老朽化が進んでいます。本市では、公共建築物の目標耐用年数を基本的に70年以上としており、施設の長寿命化を基本とした計画的な保全・整備について検討する必要があります。

(3)横浜市立図書館各中期計画の振り返り

ア 第2期プラン

読み聞かせ・朗読等ボランティアの活動者延べ人数(図書館と連携した事業)

 「市民の読書活動を支える地域の情報拠点」を基本目標とし、「市民の読書活動を支える図書館」「地域の情報拠点としての図書館」「誰もが利用しやすい図書館」の三つを重点目標としました。各図書館で毎年策定する「図書館の目標」により進捗管理を行いました。計画期間中に、『横浜市民読書活動推進計画』の成果指標である「読み聞かせ・朗読等ボランティアの活動者延べ人数(図書館と連携した事業)」は2012(平成24)年度末の2,073人から2018(平成30)年度末の4,072人と、大きく増えました。また、図書館と地域施設・学校との連携も拡大しています。

イ 児童サービス5か年計画

 概ね予定通り進みました。全館的な取組として、子どもの発達段階に応じた読書活動を推進するため、3歳から6歳を対象としたブックリスト(※6)の作成とその活用や、わらべうたの会や本の紹介、読み聞かせ等の家庭での読書活動推進につながる企画事業を、実施しました。学校図書館への支援は、司書教諭や学校司書などを連携の主な窓口として行いました。また、地域の特性に合わせ、より身近な会場における保護者向け講座の開催や、外国籍等の子どもへの支援も選択的な取組として実施しました。

ウ 蔵書5か年計画

 「集めます【収集に関する取組】」「蓄積します【管理・保存に関する取組】」「みせます【蔵書の利用促進のための取組】」の3つの重点取組があり、全部で11の取組を計画し、概ね予定通り進みました。調査研究に役立つ参考図書等を中心とした蔵書の更新・補強、一般に流通しない地域資料の受入冊数の増加、横浜に関する資料のデジタル画像などを検索・閲覧できるデジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」のアクセス件数増加等の成果をあげることができました。

4 『実行プラン』の基本的な考え方

 『第3期横浜市教育振興基本計画』では、柱11に「市民の豊かな学び」を掲げています。この中に、「図書館サービスの充実」(施策2)があります。
 施策2では、「誰もが利用しやすい図書館づくり」「子どもの読書習慣の定着への支援」「蔵書とレファレンスの充実」の3点を重点的に取り組むこととしています。そこで、『実行プラン』は、この3つを重点項目とします。

横浜市立図書館運営実行プラン概念図

 なお、『第二次横浜市民読書活動推進計画』では、図書館は読書活動の中核の場として全体に関わりますが、特に「成人の読書活動の推進と担い手の拡大」「読書活動の拠点の強化と連携」に取り組みます。

 図書館は、人と本をつなげ、人と人をつなげ、地域の情報を集め、地域のハブとしての役割を果たします。

『第3期横浜市教育振興基本計画』における指標及び想定事業量(図書館に関わりのあるもの)

指標
施策 指標 2017(平成29)年度 2022(令和4)年度
施策2 図書館サービスの充実 市立図書館の新規登録者数 60,287人 60,000人(5か年平均)

想定事業量
施策 指標 2017(平成29)年度 2022(令和4)年度

施策1
生涯学習の推進

地域で読書活動を担うボランティア講座実施回数 80回/年 80回/年

施策2
図書館サービスの充実

図書館サービスの充実のための基本方針策定(図書館情報システム等) _ 策定
学校の授業支援等のためのセット貸出(※7)用図書の冊数 3,920冊 4,500冊
レファレンス回答事例のホームページ公開 1,071件 1,200件

『第二次横浜市民読書活動推進計画』成果指標(図書館に関わりのあるもの)
重点項目 目標 成果指標 平成30年度末
(当初値)
令和5年度末
(目標値)
2 成人の読書活動の推進と担い手の拡大 成人の読書活動の推進 図書館における貸出冊数(市立図書館での貸出及び広域相互利用による他都市での横浜市民への貸出も含む) 1,096万冊 1,100万冊
読書活動推進の担い手の拡大 読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動者延べ人数(a図書館と連携した事業の延べ人数 4,072人 4,200人
3 読書活動の拠点の強化と連携 地域や学校との連携による図書活用の推進 図書館でのグループ貸出、学校向け貸出の合計冊数 95,404冊 99,000冊

5 取組の方向性

登録者数

 『第3期横浜市教育振興基本計画』の3つの重点項目について、下記の通り取り組みます。これらの取組により、指標である「市立図書館の新規登録者数 60,000人(5か年平均)」を実現します。併せて『第二次横浜市民読書活動推進計画』の重点項目についても、指標である「図書館における貸出冊数」「読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動者延べ人数」「図書館でのグループ貸出、学校向け貸出の合計冊数」の目標値を達成します。
 『実行プラン』の進行管理のため、年度ごとに『図書館の目標』を策定します。年度ごとに「振り返り」を行うことで、事業や取組を検証し、『第3期横浜市教育振興基本計画』、『第二次横浜市民読書活動推進計画』及び『実行プラン』の進捗状況を確認します。
 また、利用者アンケートを行うなどにより、効果をはかり、見直しとサービスの向上につなげます。

(1)「誰もが利用しやすい図書館づくり」(第3期横浜市教育振興基本計画 施策11柱2 重点項目1)

ア 図書館のイメージアップと利用促進のための企画・イベント等実施

 横浜市立図書館は、1921(大正10)年に横浜公園内の建設事務所内仮閲覧所で図書の閲覧を開始したことに始まり、2021(令和3)年に開業100周年を迎えます。これを記念して、読書活動推進事業を実施します。
 周年事業に先立ち、図書館のイメージアップ、利用促進につながる企画を検討・実施し、より利用される図書館を目指していきます。展示や読書イベント等の図書館からのお知らせは、ホームページやチラシ等の従来の媒体だけでなくSNSを含めた効果的な手段を用いて広報し、市民のもとへ情報を届けます。
 また、図書館を応援していただく「横浜サポーターズ寄附金(※8)」や、広告事業などの財源確保の取組を推進していきます。

具体的取組
  • 2021(令和3)年の開業100周年の読書活動推進記念イベント等実施
  • 図書館のイメージアップ、利用促進につながる企画の検討・実施
  • 効果的な広報の実施
  • 広告事業や横浜サポーターズ寄附金などの財源確保の取組推進

イ 誰もが利用しやすい図書館サービスの充実

 図書館では、貸出・返却のサービスだけでなく、本の取り寄せをする予約サービスや、予約に対応するために図書館間で本を運ぶ物流など多くの業務が連携して機能することで全体のサービスを構成しています。またこのようなサービスを総合的に管理するために図書館情報システムを活用しています。限られた予算のなか、安定的な図書館運営を継続していくため、先端技術やICタグ(※9)の導入、物流、施設管理等、図書館サービスを安定運営させる機能について外部の調査機関など専門家等の意見を取り入れて基本方針を策定します。令和6年1月に予定している図書館情報システムの更新に際して、安定した図書館サービスの提供を継続するとともに、基本方針を実現する機能の拡充を検討します。
 高齢者に向けたサービスとしては、より身近な場所で本に親しんでいただけるよう、福祉施設等への図書の貸出や読書会等の取組を連携して進めます。
また、読書バリアフリー法の趣旨を受け、視覚障害者等が利用しやすいサービスを拡充し、障害の有無や年齢に関わらず、誰もが読書に親しめるような環境づくりに向けてICTの活用や先進事例の情報収集に努めます。
 図書取次サービス拠点事業や移動図書館事業は、市民の利便性の向上を図るうえで有効な事業ですので、新たなサービス拠点の設置や移動図書館車の増設など、サービスの拡充に取り組みます(資料2資料3)。

具体的取組
  • ICタグの活用等図書館サービスを安定運営させる機能について基本方針を決定
  • 基本方針を実現する次期図書館情報システムの検討
  • 読書バリアフリー法の趣旨を受けた、視覚障害者等が利用しやすいサービスの拡充
  • 図書取次サービス拠点事業、移動図書館事業のサービス拡充

ウ 広域相互利用の拡大

 横浜市立図書館は、市内各区に図書館を1館ずつ整備しサービスを提供してきましたが、市民の利便性をさらに高めるため、隣接する都市との間で相互に図書館を利用できるよう広域的な連携に取り組んでいます。
 2018(平成30)年度までに広域相互利用を開始した5市(川崎市、鎌倉市、藤沢市、大和市、横須賀市)とは、今後も連携を深めていきます。また、隣接市のうち広域相互利用未実施の2市(逗子市、町田市)と、引き続き調整を進めていきます。

具体的取組
  • 協定未締結の隣接市との調整
  • 協定締結済みの市との連携の推進

エ 人材育成の推進

 図書館には、現在約180名の司書職員が在籍しています。図書館を取り巻く状況の変化に対応できる専門性を身に付けていくために、司書職に求められる役割や能力・知識などを明確にし、人材育成の取組をより進めるため、2019(令和元)年に『司書職人材育成計画』を改訂しました。これからの図書館について先見性・専門性を持って議論する能力、地域の読書活動団体等や区役所等と連携して地域の読書活動に関わる施策を企画し実行するコーディネーターとなるための能力、学校と連携して学校教育を支援する能力、レファレンス等の課題解決に適切に対応する能力の向上を図るため、経験年数等に応じた体系的な研修に取り組みます。また、乳幼児向けおはなし会の充実を支援するため、乳幼児向けおはなし会ボランティア講座を継続的に実施することで、ボランティアだけでなく司書のスキル向上と継承を図ります。
 また、図書館で働く事務職員、会計年度任用職員(※10)に対しても、OJTを中心として人材育成を進めます。

具体的取組
  • 司書職人材育成計画に基づいた、計画的な人材育成
  • 図書館で働く事務職員等へのOJTを中心とした人材育成

オ 地域と連携した読書活動の推進

 地域の読書活動を支える団体貸出については、団体の現状やニーズを踏まえて、団体等が利用しやすいサービスとするための制度等の改正を行なうことが必要です。グループ貸出についても、福祉活動に取り組む関係機関や活動団体等も含め、より多くのグループに利用していただけるよう努めます。
 また、読書活動の推進には、図書館の司書だけではなく、ボランティアなど市民の皆様の力が必要です。このため、地域の読書活動の担い手である読み聞かせボランティア等の育成のため講座を引き続き開催します。初心者向け講座により活動開始を後押しするとともに、スキルアップ講座などのレベル別講座や乳幼児向けなど対象別講座を充実させ、担い手一人ひとりの資質の向上を図ります。
 同様に、図書館だけで取組を行うのではなく、地域の読書関連施設に対して、選書に関する情報の提供を行うほか、市民利用施設も含めた連絡会を開催し、情報共有と協力関係を深めます。
 そのほか、区、企業、民間団体など、読書を通じて図書館の外とつながり、地域全体の読書活動を推進します。

具体的取組
  • 利用しやすい団体向け貸出サービスの検討
  • レベル別、対象別のボランティア講座の充実
  • 地域の読書関連施設への選書情報の提供
  • 地域施設との情報共有と協力

カ これからの図書館についての検討

 図書館の管理運営方法については、サービス向上と効率的な運営を図ることを目的に、2010(平成22)年度から山内図書館において指定管理者制度を導入し、司書業務のうち貸出・返却などの定型的な業務から選書・レファレンスなどのより専門性の高い業務に重点が置けるよう、2011(平成23)年度から都筑、戸塚図書館において司書補助業務委託を開始しました。2014(平成26)年に策定された読書計画では、区役所、学校と連携して読書活動の推進に取り組むことや、学校等を図書館の専門的な情報や人材を活用して支援することが求められており、読書活動の推進に向けた図書館の体制づくりが必要です。
 制度導入後、約10年を経過したところで、山内、都筑、戸塚図書館の導入後の効果について検証し、今後の図書館の管理運営について方針を策定します。
また、市立図書館の多くの施設は設置から30~40年を過ぎ、施設・設備の老朽化への対策が課題となっています。一方、市民が気軽に集い、交流する場としての機能など、これからの図書館に求められる新たなニーズに応えるため、施設環境の改善も必要です。そこで、施設の長寿命化を基本としながら、今後の図書館が担うべき機能と必要な施設環境の整備や改修について、課題の整理と改善策の検討を行います。
 さらに、施設の更新は、公共建築物の多目的化・複合化等による施設再編について定めた本市の方針にのっとり、地域の状況に合わせて、関係部局と調整しながら検討していきます。

具体的取組
  • 管理運営手法の検証(直営、指定管理者制度、司書補助業務委託等)と方針策定
  • 老朽化対応も含めた、市立図書館の施設環境の整備・改修等の検討

(2)「子どもの読書習慣の定着への支援」(第3期横浜市教育振興基本計画 重点項目2)

子どもの読書習慣の定着への支援

 「子どもの読書活動の推進に関する法律」第2条<基本理念>では、「子どもの読書活動は、子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」としています。
 横浜市立図書館では、この基本理念に基づき、子どもが自ら読書に親しみ、より良く生きていくための力を養うことができるよう、児童サービスを行います。
 このため、乳幼児期から学齢期まで子どもの発達段階に応じた読書活動を推進させるとともに、学校、市民利用施設、幼稚園・保育所など、子どもにとって身近な場所における読書推進の取組を充実させます。また、読書への関心度合いの低下が指摘される中学生や高校生の時期の子ども(※11)(以下、「ティーンズ世代」)に効果的な取組を推進します。
 児童サービスの実施には、蔵書の充実が欠かせません。長く読み継がれてきた基本書をはじめ、子どもたちが知的好奇心を満たすことができる本に出会えるよう、横浜サポーターズ寄附金等も活用し更なる蔵書の充実に努めていきます。その際、障害のある子ども、外国籍等の子どもなど、支援を必要とする子どもが主体的に読書を楽しむことができるような資料も収集し、関係機関とも連携してサービスを行っていきます。

具体的取組
  • 長く読み継がれてきた基本書を中心とした幅広い蔵書の充実
  • 子どもにとって身近な場所における読書推進の取組の充実
  • 関係機関と連携した、障害のある子どもや、外国籍等の子どもへの支援

ア 家庭での読書活動の推進

 子どもの読書習慣の定着には、家庭での日常生活における継続的な働きかけが重要です。子どもに最も身近な保護者が読書への積極的な役割を果たすことができるよう、図書館では、本の楽しさを子ども同士や家族で分かち合えるような企画事業を実施し、家庭での読書習慣の定着化へ結び付けていきます。例えば、絵本の読み聞かせを中心とした「おはなし会」は、本と子どもをつなぐ企画事業の一つです。わらべうたやストーリーテリング(※12)等も組み合わせながら、子どもの発達段階に応じて、親子向け、一人で聞ける子向けなどのプログラムを実施していきます。図書館の仕事体験や調べもの講座、ブックトーク(※13)の会等、本や図書館に親しむ事業についても、企画していきます。どの事業も、参加しやすい曜日や時期を考慮して、実施します。
 保護者・保育者(妊娠中の「プレママ」等も含む)に対しては、わらべうたや読み聞かせの楽しさ、読書の大切さをより理解してもらうために、図書館で作成した『おひざにだっこで楽しむ絵本』『おうちでいっしょに楽しむ絵本』といった年齢別ブックリスト等を活用して、講座等を開催します。
 おはなし会や講座等の開催は、図書館だけでなく、子育て支援拠点、保育所・幼稚園、市民利用施設、福祉保健センター等関係施設とも連携を図り、参加者にとって、より身近な、参加しやすい会場での実施にも努めます。受診率の高い乳幼児健診では、ふだん図書館に来館しない保護者に対しても読み聞かせ等の意義を伝えることができるため、より多くの区での実施に向けて関係機関との調整を図ります。
 また、絵本から物語へ読書のジャンルが移行する子どもへの読書支援も求められています。一人で読める本が増えることで、読書の幅も広がっていきます。読み聞かせから一人読みへの移行を支援するブックリストを作成し配布します。

具体的取組
  • 子どもの成長や年代に応じた読書の楽しさを知るおはなし会や企画事業の実施
  • 乳幼児健診の場等、参加しやすい会場でのおはなし会や講座の実施
  • 年齢別ブックリストを活用した読書啓発事業
  • 一人読みへ移行する子どもを支援するためのブックリストの作成と配布

イ 学校教育への協力、学校図書館充実のための支援

 子どもたちに一番身近な図書館である学校図書館の充実は、子どもの読書習慣の定着のために重要です。図書館では、学校図書館の機能強化を支援するため、学校司書等のスキル向上のための研修への司書の派遣を行っています。また、日常的な支援として、読み聞かせや調べ学習に対するアドバイスのほか、年に一回発行するおすすめ本リスト「読んでみようこんな本」、新刊情報、テーマ別図書リスト等、学校図書館で本を購入するときの選定に役立つ情報の提供などを行っています。
 教職員向け貸出(※14)やセット貸出などの学校向け貸出、教職員からの本や学校図書館整備についての相談対応も引き続き行います。特に、外国籍・外国につながる児童生徒の日本語能力向上の一助として、教科書掲載作品、日本の名作を中心に母語で書かれた図書を学校に貸出す取組を進めていきます。各区の図書館は「学校向けプログラム(※15)」を基に、上記以外にも児童生徒に対しては、図書館見学や職業体験等を受け入れ、学校教育の中で、図書館について学ぶ機会を提供する等、様々な学校連携に取り組んでいます。
 また、学校で活動するボランティアに対しては、読み聞かせや修理に関する講座開催を引き続き実施していきます。

具体的取組
  • 学校図書館の機能強化を目指した学校司書等のスキル向上
  • 学習指導要領に準じたセット貸出の提供及び内容の更新
  • 外国籍・外国につながる児童生徒の読書への支援
  • 教職員に向けた、本に関する情報の提供
  • 図書館見学・調べ学習や職業体験・職業インタビュー等の受入
  • 教職員や学校ボランティアに対する本や学校図書館に関する相談業務、講座開催

ウ ティーンズ世代の読書活動の促進

 ティーンズ世代の読書離れが言われており、図書館の利用も少なくなっています。ティーンズ世代と図書館をつなぐ取組として、学校との連携、特に高校、大学との連携を図りつつ、ボランティア体験や、図書館に親しみ、今後の利用につながるような企画事業を実施していきます。さらにティーンズ世代が読書活動を支えるボランティアとして活躍し、主体的に関われるような取組を行い、読書への関心を高めていきます。また、SNS(※16)を利用した広報など、図書館への来館を促す取組等が必要です。
 横浜市立図書館では、2006(平成18)年に、13歳から19歳くらいまでの、子どもと大人の中間にいる人たち向けの本を集めたティーンズコーナーを全館に設置しました。この年代に読んでほしい、各分野の基本となる図書をはじめ、進路やエンターテインメント等、ティーンズ世代のニーズを意識して選定しています。
 しかし、コーナーの設置から10年以上経過し、蔵書を見直す必要性が出てきています。特に、この年代は児童書から一般書へ読書傾向が変わる時期でもあり、児童書、一般書双方に資料の範囲がまたがることから、選書の際には児童書、一般書双方に目を配る必要があります。ティーンズ世代に配慮した資料収集とともに、これらを活用した企画事業を効果的に行うため、全館的にティーンズサービスのあり方などを検討する仕組みを作ります。

具体的取組
  • ティーンズ世代向け図書館ボランティア体験や企画事業の実施
  • ティーンズコーナーの蔵書の見直し
  • 全館的にティーンズサービスのあり方などを検討する仕組み作り

エ 地域での読書活動への支援

 子どもが読書に親しめる環境づくりとして、地域での読書活動の支援にも取り組む必要があります。区役所や子育て支援拠点、地区センター、コミュニティハウス、地域ケアプラザ等の市民利用施設と連携し、読み聞かせボランティアをはじめ子どもの読書活動に関わる人々に対して、読書の魅力や興味関心を促すような講演会や講座等を開催します。
 また、各施設において実施する、わらべうたや絵本の読み聞かせの講座・講習等で、司書が講師を務める等、事業開催の協力も進めます。
これらによって、図書館だけでなく、子育て支援拠点、保育所・幼稚園、市民利用施設、福祉保健センター等で活動するボランティア等、読書活動の担い手を育成します。
 さらに、保育所・幼稚園、市内の文庫(※17)団体、読み聞かせボランティア等に対して、グループ貸出等の制度を通じた図書の貸出や、地域の施設に対して年齢別ブックリストや本の選定に役立つ情報の提供等を行い、地域の読書活動を支援していきます。

具体的取組
  • ボランティアの拡大と円滑な活動を支援する講座・講習等の実施
  • グループ貸出等を通じた読書活動の支援

オ 児童サービス担当者連絡会の設置

 児童サービスの円滑な運営管理を全館的に推進していくために、各図書館の児童サービス担当者が情報共有し、スキルや経験を蓄積できるように児童サービス担当者連絡会を設置します。全館的な取りまとめは、中央図書館が行います。

具体的取組
  • 児童サービス担当者連絡会の設置

(3)「蔵書とレファレンスの充実」(第3期横浜市教育振興基本計画 重点項目3)

ア 地域の情報拠点としての蔵書の充実

 『蔵書5か年計画』の成果を踏まえつつ、引き続き、市民に必要な情報の提供ができるよう、偏りなく公平な立場で客観的に資料の収集を行い、蔵書の充実に努めます。
 『第2期プラン』では、図書館の機能に関し、重点項目として、「市民の読書活動を支える図書館」、「地域の情報拠点としての図書館」を掲げていました。これまで構築してきた蔵書構成を踏まえ、引き続き各地域の情報拠点として、市民の暮らしに役立つ情報や学びのための読書に応えられるように、地域課題やニーズに合った蔵書の充実に努めます。併せて郷土に関する資料をはじめ、地域の歴史や文化に関する様々な地域情報を引き続き収集していきます。
 中央図書館は、170万冊以上の蔵書があります。特に、医療・法律・ビジネスなど各分野の専門性の高い資料は、市民の学習や課題解決に役立てられています。図書館開館から現在まで蓄積してきた資料は多岐にわたり、戦前の貴重な資料から最新の知見が備わった資料まで、多様性のある蔵書を常にそろえています。これらの豊富な蔵書があることで、知りたい情報を多面的に得ることができます。今後も、地域の課題やニーズのほか、学術研究レベルの専門性の高い資料をはじめとする幅広い資料を収集し、タイトル数を増やし、蔵書の魅力を向上させます。
 また、読書バリアフリー法制定に伴い、どなたでも読書に親しめるよう、点字図書、拡大図書、録音図書や音声読み上げ対応の資料、マルチメディアデイジー規格の資料等についても収集を行います。
 蔵書を通じ学校に対する支援を行うため、教職員向け貸出用の図書や、外国籍・外国につながる児童生徒の日本語能力向上の一助として母語で書かれた図書を充実させます。
 子どもの読書活動を推進していくため、定番の絵本や知識の本も充実させます。
 蔵書の充実にあたっては、ピーク時の半分近くまで減少している資料費の予算確保に努めるとともに、年度ごとに計画的な資料収集を行います。また、購入だけでなく、寄贈や横浜サポーターズ寄附金等による収集に努めます。
 電子書籍は、来館しなくても24時間利用が可能、文字の拡大機能、辞書機能、検索機能など、利用者の利便性向上が期待できるほか、返却の延滞がないなど、サービス面でもメリットがあります。しかし、図書館向けの電子書籍は、タイトル数が限られており、紙の図書で利用の多い新刊の小説や児童書があまり提供されていません。
 また、利用期間が定められており図書館の蔵書にならないなどの課題があるため、これらを踏まえて検討します。

具体的取組
  • 地域課題やニーズに合った蔵書の充実
  • 年間資料収集計画に基づく資料収集
  • 寄贈や横浜サポーターズ寄附金等の活用
  • 電子書籍についての検討

イ 資料の管理・保存

 資料の収集とともに重要なのが蔵書の管理・保存です。2021(令和3)年に開業100周年を迎える横浜市立図書館には、長い歴史の中で蓄積された400万冊を超える蔵書があります。しかし、平成6年の開館から20年以上経過し、中央図書館の書庫のスペースも少なくなってきており、後世に活用される蔵書を見極め、適正に保存していくことも今後の重要な責務となっています。そこで、保存方針を策定し、資料を選択・保存していくとともに、適正な保存環境の整備に努めます。

具体的取組
  • 保存方針の策定

ウ レファレンスの充実

 レファレンスサービスについては、「平成24年度 横浜市立図書館利用者アンケート」で、レファレンスサービスを知らない利用者が多く見られたという結果を受け、サービスの周知・PRに努め、Twitterでレファレンス事例を紹介する等、新たなPRにも取り組んできました。引き続き、効果的なサービスの周知・PRを検討・実施していきます。
 また、中央図書館による地域図書館への支援体制作り、資料に関する知識の習得や利用者の求める情報を聞き出すインタビュー方法等のスキル向上のための専門研修を行い、市民が抱えている様々な課題に対応できるよう取り組んできました。しかし、市民の情報要求は、ますます多様化・高度化しています。それらの要求に円滑に応えられるよう、中央図書館と地域図書館の連携をさらに強化し、約100年にわたり体系的に蓄積された蔵書と司書の知識を融合して、レファレンスに対応する体制を整備します。
 社会のデジタル化の進展に伴い、スマートフォンやタブレット端末等の普及が進んだことにより、多くの人が時間や場所を問わず、インターネットで手軽に情報検索ができるようになった一方、膨大な情報の中から必要な情報を的確に選択することが困難になっています。そこで、調べ方案内の作成、ホームページでのレファレンス事例の公開に引き続き取り組み、利用者が適切な情報にたどり着くことができるツールを整備していきます。新聞記事等を効率よく検索できるオンラインデータベース(※18)の充実にも取り組み、利用者自身が資料や情報にアクセスしやすい環境を整えます。
 加えて、図書館では本市の政策立案や市民サービスの向上に資するために、本市区局に対して、日常業務や新たな事業の企画立案等に役立つ資料の貸出や必要な情報の調査、ブックリスト作成等を行う庁内への情報支援サービス(庁内情報拠点化事業)を1999(平成11)年度から行っています。本市区局の業務を支援することは、市民サービスの向上につながることから、市民に対する間接的な図書館サービスの提供でもあります。今後も、多様なニーズに応え、事業を充実していきます。

具体的取組
  • レファレンスサービスの周知・PR
  • レファレンス協力体制の充実
  • 調べ方案内の作成
  • レファレンス事例の公開
  • オンラインデータベースの充実
  • 庁内情報拠点化事業の充実

エ 資料の活用と情報発信

 横浜市立図書館では、市民からの質問に対する回答業務だけでなく、課題解決のための情報発信も含めて、レファレンスサービスであると捉えています。そこで、資料を活用したテーマ展示や、大学や民間事業者等と協働し、地域の課題や生活課題に応じた質の高い講座や専門的なセミナーなどの企画事業を実施し、新たな視点、情報の発見の入り口となる機会や、市の施策に関連する情報に触れる機会を作ります。
 また、地域に分散し、埋もれている資料を図書館に集積し、提供するため、地域資料のデジタル化に引き続き取り組みます。資料のデジタル化は、時間的・地理的な制約なく、広く資料を利活用できるほか、貴重資料等を劣化・破損の心配なく公開することができ、検索の利便性も高まるためレファレンスサービスの充実につながるといったメリットがあります。横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」には、すでに約12,000点(2019(平成31)年4月現在)の図書や地図、浮世絵、絵葉書等を収録していますが、さらに幅広い資料の公開に努めるとともに、機能向上に取り組みます。

具体的取組
  • 市民の課題解決支援のための情報発信及び企画事業の実施
  • 地域資料のデジタル化・公開
  • デジタルアーカイブの機能向上

※1 SDGs
 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年に国連のサミットで採決され、17の目標から成る。
※2 EBPM
 Evidence Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)の略称。
※3 外国籍・外国につながる児童生徒
 両親の両方又はどちらかが外国籍である等、本人の国籍を問わず、様々な形で外国につながる児童生徒を総称して使用している。
※4 レファレンス
 図書館の資料や機能(オンライン検索等を含む)を使って、図書館員が利用者の調べものや相談に回答をするサービス
※5 団体貸出、グループ貸出
 団体貸出:読書活動の振興を目的として、会員が30人以上の市内で活動する地域団体、社会教育団体等に対して、会員数により1,000冊までの範囲で本を貸出する制度。
 グループ貸出:市内で読書に関する活動をしている、会員が5人以上の小規模な市民グループに対して、1グループにつき30冊までの範囲で本を貸出する制度。
※6 ブックリスト
 ある基準に沿って作成された、本を紹介するリスト。テーマ別、対象別などがある。
※7 セット貸出
 学校の授業等で使用されるテーマの資料を、市立学校向けに一括して貸出する制度。
※8 横浜サポーターズ寄附金
 横浜市における「ふるさと納税」の制度。令和2年4月からは「横浜市へのふるさと納税」
※9 ICタグ
 蔵書の管理番号等を記録した非接触型タグ。
※10 会計年度任用職員
 地方公務員法及び地方自治法の一部が改正され、令和2年3月までの嘱託員・アルバイトは、令和2年4月から一般職の非常勤職員である「会計年度任用職員」として任用される。
※11 中学生や高校生の時期の子ども
 文部科学省「第四次『子供の読書活動の推進に関する基本的な計画』」において、おおむね12歳から18歳を指す。
※12 ストーリーテリング
 語り手が物語を覚えて、本を見ないで聞き手である子どもたちに対して語ること。おはなしを耳から聞くことで、子どもが自ら想像しながら物語を楽しむことができる。
※13 ブックトーク
 1つのテーマにそって、数冊の本を順序よく紹介することで、子どもと本を結びつける手法。
※14 教職員向け貸出
 教職員向けに、授業や研究に必要な資料を貸し出す制度。一度に40冊、30日間まで借りられる。
※15 学校向けプログラム
 横浜市立の小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校及び高等学校に向けて行っている市立図書館のサービスをまとめたもの。
※16 SNS
 Social Networking Serviceの略称。インターネット上で社会的ネットワークを構築できるサービス。Facebook、Instagram、Twitterなどがある。
※17 文庫
 地域住民によって開設・運営している私設図書館。個人の蔵書を開放し運営している家庭文庫や地域住民等が団体を形成し運営する地域文庫等、運営の主体によって呼称を区別する場合もあるが、総称して文庫と呼ぶ。
※18 オンラインデータベース
 インターネット経由で利用できるデータベース。

資料1 横浜市立図書館 一覧  [蔵書数は、平成31年3月31日現在の数値]
館名

設置年
(建築年)

延床面積(㎡)

蔵書数(冊) アクセス

併設施設
(身障者用駐車場は
内数)

中央図書館 H6(1994)
(H6(1994))
21,834.36 1,730,445 京浜急行線日ノ出町駅徒歩5分
JR、市営地下鉄線桜木町駅徒歩10分
公共駐車場:110台(有料)、身障者用2台
鶴見図書館 S55(1980)
(S54(1979))
1,510.45 112,075 京浜急行京急鶴見駅、JR鶴見駅東口徒歩7分 鶴見保育園
駐車場:なし
神奈川図書館 S62(1987)
(S62(1987))
1,502.32 119,460 JR東神奈川駅西口徒歩9分
京浜急行京急東神奈川駅2階改札口徒歩10分
東急東横線東白楽駅徒歩12分
老人福祉センター「うらしま荘」
駐車場:施設全体で21台、身障者用1台
中図書館 H1(1989)
(H1(1989))
1,506.48 109,960 横浜市営バス「本牧原」バス停徒歩2分 本牧地区センター、知的障害者の通所施設「オリブ工房」
駐車場:施設全体で身障者用2台
南図書館 H4(1992)
(H4(1992))
1,790.34 108,672 京浜急行弘明寺駅より徒歩1分
市営地下鉄線弘明寺駅より徒歩8分
弘明寺公園プール、自転車駐輪場
駐車場:施設全体で身障者用1台
港南図書館 S62(1987)
(S61(1986))
1,503.36 109,937 市営地下鉄線上永谷駅出口3徒歩4分 駐車場:身障者用1台
保土ケ谷図書館 S57(1982)
(S57(1982))
2,477.02 188,038 相模鉄道星川駅北口徒歩4分 保土ケ谷公会堂
駐車場:施設全体で5台、身障者用1台
旭図書館 S61(1986)
(S61(1986))
1,507.80 132,952 相模鉄道鶴ヶ峰駅北口徒歩13分 公共駐車場:39台(有料)、身障者用2台
磯子図書館 S49(1974)
(H11(1999))
2,891.66 157,314 JR磯子駅徒歩5分 磯子区役所、磯子公会堂
区庁舎駐車場:施設全体で139台(有料)、身障者用2台
金沢図書館 S55(1980)
(S55(1980))
2,121.25 160,772 京浜急行金沢八景駅徒歩7分
シーサイドライン金沢八景駅徒歩7分
金沢地区センター
駐車場:施設全体で16台、身障者用1台
港北図書館 S55(1980)
(S35(1960))
2,372.05 190,232 JR横浜線・東急東横線菊名駅東口徒歩7分 菊名地区センター
駐車場:施設全体で身障者用1台
緑図書館 H7(1995)
(H7(1995))
1,987.38 121,721 JR十日市場駅南口下車4分 老人福祉センター「緑ほのぼの荘」、十日市場地域ケアプラザ
駐車場:施設全体で8台、身障者用1台
山内図書館 S52(1977)
(S51(1976))
2,147.22 196,041 東急田園都市線、市営地下鉄線あざみ野駅徒歩3分 山内地区センター
駐車場:施設全体で12台、身障者用1台
都筑図書館 H7(1995)
(H7(1995))
2,396.42 162,476 市営地下鉄センター南駅徒歩6分 都筑区役所、都筑公会堂
区庁舎駐車場:施設全体で159台(有料)、身障者用5台
戸塚図書館 S53(1978)
(S53(1978))
3,386.00

185,756

JR、市営地下鉄線戸塚駅西口徒歩7分 戸塚地区センター、戸塚公会堂
駐車場:施設全体で34台、身障者用1台
栄図書館 H1(1989)
(H1(1989))
1,518.15 108,343 JR本郷台駅徒歩13分 駐車場:15台、身障者用1台
泉図書館 H1(1989)
(S63(1988))
1,520.31 125,488 相模鉄道いずみ野駅北口徒歩3分 駐車場:5台、身障者用2台
瀬谷図書館 S60(1985)
(S59(1984))
1,547.94 111,193 相模鉄道瀬谷駅北口より徒歩8分 駐車場:9台、身障者用2台
    総数 4,130,875    

資料2 図書取次サービス拠点 一覧  [令和2年3月現在]
図書取次サービス拠点 所在区
二俣川駅行政サービスコーナー
東戸塚駅行政サービスコーナー 戸塚
港南台地区センター 港南
美しが丘西地区センター 青葉
大場みすずが丘地区センター 青葉
奈良地区センター 青葉
藤が丘地区センター 青葉
若草台地区センター 青葉
田奈ステーション(区民交流センター) 青葉
青葉台コミュニティハウス 青葉

資料3 移動図書館「はまかぜ号」巡回場所 一覧  [令和2年3月現在]
所在区 駐車場 所在地
神奈川 1 宮向 宮向団地管理事務所前(5-4号棟下)
神奈川 2 片倉 神大寺中央公園
西 3 みなとみらい グランモール公園「美術の広場」
港南 4 港南台 港南台中央公園
5 左近山 左近山ショッピングセンター南側広場
6 中沢 中沢町公園(きのこ公園)
7 希望が丘 中希望が丘第五公園
磯子 8 杉田大谷 杉田大谷第一公園
金沢 9 並木 イド藻公園
金沢 10 八景西 八景西公園
港北 11 南日吉 南日吉団地管理事務所前
港北 12 綱島東 綱島東三丁目公園
13 竹山 竹山中公園
青葉 14 奈良北 奈良町第三公園
青葉 15 ならやま 奈良山公園
都筑 16 東山田 東山田地域ケアプラザ
戸塚 17 品濃 品濃中央公園
戸塚 18 名瀬 名瀬下第三公園
戸塚 19 俣野 ドリームハイツ第一公園
20 緑園 緑園東公園
瀬谷 21 阿久和 三ツ境大原第二公園

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このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館企画運営課

電話:045-262-7334

電話:045-262-7334

ファクス:045-262-0052

メールアドレス:ky-libkocho-k@city.yokohama.jp

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