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生麦事件
最終更新日 2025年1月4日
図書表紙:出版社承認済み、無断転載不可
時は文久2年(1862年)8月、武蔵国生麦村(現鶴見区生麦)でそれは起こりました。馬で川崎大師へ向かう英国人4名が行列をさえぎったと薩摩藩士に切りかかられ、内1名が死亡。
翌年、英国艦隊は犯人引渡しと賠償金を求めて薩摩に向かい、薩英戦争が勃発。また、その頃長州藩も欧州連合艦隊と戦っていました。
2つの戦いの後、攘夷をとなえていた薩摩・長州の2藩は軍備の近代化の必要性を感じ、逆に英国等の外国に接近し、明治維新へと発展していきます。
東海道の一漁村で起こった英国人殺傷事件が、日本の歴史を大きく変えたのでした。幕末時代の外交・近代日本の進路に大きな影響をもたらした、後に「生麦事件」とよばれる大事件です。
平成24年に150周年を迎える生麦事件について書かれた本をご紹介します。
吉村昭/著 新潮社 1998年
(文庫版は上(外部サイト)・下(外部サイト)巻 2002年)
この事件が幕府崩壊、明治維新成立の上で、きわめて重要な意義を持つものであると確信した著者は、2年余にわたり、鹿児島県、神奈川県での綿密な調査を行い、壮大な歴史小説を書き上げました。事件当時の天候も『関口日記』により事実に基づいて書かれています。
「幕末」に殺された男 -生麦事件のリチャードソン-(外部サイト)
宮沢真一/著 新潮社 1997年
異国の地で悲劇に遭遇した若き英国商人リチャードソンの足跡をたどり、何度も渡英し、戸籍資料や日記、書簡や未刊の外交文書を解読。
前作『薩摩とイギリスの出会い 生麦事件(英国側資料から見る)(外部サイト)』から、なお資料収集を行い、徹底的に調査した研究の集大成。
鶴見歴史の会/編 1992年
生麦事件130周年にあたる1992年に発行されました。
事件旧跡碑とその後の追悼祭についても記載されてします。巻末に年表つき。
淺海武夫/著 2011年
私設資料館・生麦事件参考館館長である淺海武夫氏による、臨場感あふれる生麦事件の再現と、元防衛大教授・平間洋一氏による薩英戦争のいきさつの解説です。巻末に「旧東海道 生麦歴史散歩」があり、縁の地をめぐるのに便利です。
生麦事件参考館については、『横浜学セミナー 35(外部サイト)』の中に、「私設「資料館」を作る-生麦事件参考館」として、開館のいきさつが記されています。
『ドキュメント生麦事件』巻末にある「旧東海道 生麦歴史散歩(画像:101KB)」をご覧いただけます。
また、『鶴見区史』や『鶴見の百年』など、鶴見の歴史を記した本にも記載があります。
その他、鶴見区役所のホームページ内「鶴見区の魅力ポイント」の中にも生麦事件と生麦事件参考館の解説があります。
今も事件旧跡碑は、キリンビアビレッジの近くに建っています。当時とは全然違った風景の中、昔をしのんではいかがでしょう。
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