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不妊症の基礎知識

最終更新日 2022年4月1日

不妊症の基礎知識

1.不妊症とは

困っている男女

妊娠を希望する健康な男女が避妊をせず夫婦生活を行っているが、一定期間(1年程度)経過しても妊娠しない場合をいいます。日本では、不妊の検査や治療を受けたことのあるカップルは5.5組から6組に1組といわれています。

2.原因

女性の不妊原因についての図

妊娠が成立しない原因は、男性・女性それぞれにあります。

【女性の原因】

・排卵障害:卵子がうまく育たない等、排卵を起こすことが難しい場合のことをいう。
・卵管障害:卵管が詰まっている、狭い等、卵巣と子宮をつなぐ「卵管」の障害をいう。
・着床障害:子宮内膜症やポリープ、子宮筋腫等、着床しにくい場合のことをいう。
・子宮頚管における精子の通過障害:頸管粘液が少ない、抗精子抗体※等
※抗精子抗体は精子を外部からの異物と判断し、排除する抗体です。このような抗体があると、精子を拒絶します

【男性の原因】

・造精機能障害:精子の数が少ない・動きが悪い・奇形率が高い等、精子がうまく作れないことをいう。
・性機能障害:勃起や射精がうまくできない。性交渉がうまくできないことをいう。
・精路通過障害:精子の通り道が狭かったり、詰まっている場合をいう。

3早めに受診 不妊かなと思ったら

妊娠に深く関係する女性ホルモンの分泌は、年齢に伴って変化します。女性ホルモンの分泌は20代から30代前半にピークを迎えます。また、40歳を過ぎると女性ホルモンの分泌も減少してきます。

ART妊娠率・生産率のグラフ

ART(Assisted Reproductive Technology):生殖補助医療技術、 ET(Embryo Transfer ):胚移植
日本産科婦人科学会ARTデータブック2019(http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2019data_202107.pptx(外部サイト))より引用

不妊治療を受け、生殖補助医療を受ける場合その治療成績は年齢と関与していることが上図からもわかります。
妊娠を希望しているが、性交渉がうまくいかない場合、なんとなく気になることがある、等なかなか妊娠しないと感じたら、早めに受診や検査をしてみましょう。
検査や受診に気持ちが向かない時は、各都道府県や中核市にある不妊専門相談センターで相談してみることもできます。
横浜市では、不妊症・不育症に関するご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。
横浜市の不妊・不育相談に関するページ(クリックすると別ページに移動します。)

病院に向かう男女の図


4 不妊症の検査

・女性ホルモンは月経周期に合わせて、分泌されているので、その時期に合わせた検査を行います。
・基礎体温をつけることでホルモンの分泌の状態がわかります。
・体の周期によらず、いつでもできる検査もあります。
問診・内診・超音波、クラミジア抗原抗体検査・性病検査・子宮がん(頸がん・体がん)・基礎体温・抗精子抗体検査

基礎体温とホルモン検査・検査の図


5 不妊症の治療 妊娠出産に向けた不妊治療のステップ

~第1段階~自分たちでできるトライ

まず、基礎体温を2~3か月記録して、基礎体温おりものの様子で排卵を予測し、性交渉を持ってみましょう。排卵日の2日前から排卵直後までが妊娠しやすいと言われています。
基礎体温は体温が上昇する直前、おりものは粘性が下がって透明になり、量が増えるのが排卵の兆候です。薬局で排卵検査薬を購入して使用することもできます。

~第2段階~タイミング療法

医療機関では超音波検査やホルモン検査などを行い、排卵日を予測し、排卵のタイミングに合わせて性交渉を持つ日にちの指導を受けます。

~第3段階~人工受精

排卵のタイミングに合わせて、洗浄・濃縮された精子を専用のカテーテルを用いて子宮内に届け、自然な妊娠を期待する治療法です。
原因不明の不妊症のご夫婦や、性交障害、パートナーが乏精子症、精子無力症などの場合に行われます。

人工授精の図

【一般的な人工授精の流れ】

①排卵日の予測をします。
基礎体温、頸管粘液、超音波検査、ホルモンの値を参考にして排卵日を予測します。

誘発剤(飲み薬・注射)を使って卵子を育てることもあります。
②女性の排卵日に合わせて、パートナーの精子を採取します。
③精子の処置(洗浄・濃縮)をします。
④カテーテルを使用して子宮内に精子を入れます。

~第4段階~生殖補助医療(体外受精・顕微授精)

第3段階までに妊娠が成立しなかった場合、または、両方の卵管が閉塞している場合や精子が極端に少ない場合に行う治療法です。
◇体外受精
排卵前に卵子を取り出し、体外で卵子に精子をふりかけ、受精させ、受精卵を再度子宮内に戻す治療法です。
◇顕微授精
体外受精では受精する見込みが少ない場合(精子の数が少ない時など)に、人の精子を卵子直接注入する治療法です。

【一般的な体外受精・顕微授精の流れ】

①排卵誘発剤をつかって卵巣を刺激し、複数の卵胞を育てます。膣壁から卵胞を刺して、卵胞液とともに、卵子を吸引して採取します。
②同じタイミングで精子を採取します。
③体外受精は卵子に精子をふりかけ、受精させます。顕微授精は顕微鏡下で直接精子を卵細胞質へ注入し、受精させます。

④培養液の中で受精卵を育てます。(培養)
⑤カテーテルを用いて、育った受精卵を子宮内に戻します(胚移植)。受精卵が着床しやすいように黄体ホルモンを補充します。
⑥胚移植から約2週間後に妊娠判定をします。

6不妊治療を受けられている方の生活

不妊治療は皆さん同じではありません。
受診回数等、毎日の生活とどのくらい関連があるかのめどを持ちたい方もいるかもしれません。
参考ですが、ある方の受診の状況をご紹介します。

治療と通院の一例


治療と仕事の両立の一例


参考資料

横浜市で実施している不妊・不育専門相談用に、不妊治療の基礎的な知識についたまとめたリーフレットを作成しました。
すこしくわしい女性の不妊治療のはなし(リーフレット)(PDF:288KB)

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このページへのお問合せ

こども青少年局こども福祉保健部地域子育て支援課

電話:045-671-2455

電話:045-671-2455

ファクス:045-550-3946

メールアドレス:kd-chikoshien@city.yokohama.jp

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