シロアリとアリについて

春から秋にかけて、「たくさんの羽アリが現れたけれども、シロアリではないか？」とのご相談が寄せられます。羽があるから「シロアリ」、色が黒いから「アリ」というわけではありません。

シロアリとアリを見分けるポイントは、触角、翅、胴の3箇所です。

シロアリ：触角は「く」の字に屈折せず、翅は４枚ともほぼ同じ大きさ。胴はくびれていない。
アリ：触角は「く」の字に屈折し、前翅が後翅より大きい。胴がくびれている。

家の中を多数のアリが歩き回るので不快感を与えたり、稀に人を咬んだりすることがあります。
屋外からエサを求めて室内に侵入することがほとんどですが、この場合は床に落ちた砂糖やお菓子などの食品のかすを清掃し、食品は密閉容器に保管することで、アリは通ってこなくなります。
種類によっては、屋内（壁紙の裏やタンスの裏など）に巣を作る場合もあります。巣の場所が不明の場合は、アリ用の食毒剤（ホームセンター等で購入できます）を使用します。アリは薬剤をエサと思って巣に持ち帰るので巣の中のアリを全て駆除することができます。

木造建築物の大害虫です。湿った木材や土中に生息する「イエシロアリ」、「ヤマトシロアリ」の２種による被害が主で、下部材（特に風呂場や台所付近）を加害します。
最近では、乾燥した木材や家具に坑道を作る「アメリカカンザイシロアリ」等の被害も各地で報告されてきています。毎日掃除をしているのに床に砂状のもの（シロアリのフン）が落ちているときは、このカンザイシロアリによる被害が疑われます。
シロアリの被害が進行すれば、地震や台風のときに建物が倒壊する原因ともなります。

巣の捜索や防蟻薬剤の使用は専門知識が必要なため、駆除は専門業者に依頼することをおすすめしています。駆除を依頼したいという場合は、福祉保健センター生活衛生課へお問い合わせください。

新築時に防蟻施工、土壌の防蟻処理などをしておくことが根本的な対策として重要です。
庭先に放置した木材、廃材などがある場合は処分しておきましょう。そこに営巣していたシロアリが家屋を襲うことがあります。雨漏りや漏水がある場所は、早めに補修します。