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下水汚泥焼却灰を用いた改良土の有効利用の事例紹介

最終更新日 2024年4月3日

これまで横浜市では、下水汚泥焼却灰を資源と位置づけ、セメント原料、レンガなどに有効利用してきました。焼却灰の総発生量に対する有効利用率は、平成2年度で約20%でしたが、平成16年度には改良土への利用により、有効利用率は100%となり、これを継続しています。

1.管路の埋戻し材としての活用

本市では、下水管路の埋戻し材として改良土を積極的に利用しており、改良土の利用内訳では全体の約40%を占めるに至っています(平成20年度末実績)。また、新潟県中越地震等による下水管路の被害状況を受け、埋戻用改良土の耐震性能の評価を実施しており、埋戻用改良土が地震時にも液状化しにくい性質を持っていることがわかっています。

活用事例1

2.建築構造物の直接基礎材としての活用

改良土の新たな利用先を開拓するため、建築構造部の直接基礎材(耐震基礎材)としての活用を科学的に検討・評価し、効率的・効果的に(耐震)基礎工として施工することを目的に平成20年度に以下に示す試験を実施しました。改良土センターにて製造された、生石灰添加量の異なる3改良土(改良土A~C)を採取し、室内にて各種物理試験、締固め試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験(CD)を実施しました。(試験結果1参照)次に、写真に示すように、実際にモデルプラントを設置し、そこで地盤の締固め度を変化させながら(転圧回数:2、4、8回)各種改良土(A~C)の転圧締固めを行いました。その後、締固め後の地盤において平板載荷試験を実施(試験結果3参照)するとともに、試験地盤の乱さない試料を採取し、室内にて試験(試験結果2参照)を実施しました。

活用事例2

転圧試験の様子1転圧試験の様子2平板載荷試験の様子1平板載荷試験の様子2

試験結果

改良土A:石灰添加率15%、改良土B:石灰添加率25%、改良土C:石灰添加率35%

試験結果1(改良土の撹乱試料による室内土質試験結果)(PDF:86KB)

試験結果2(改良土の不撹乱試料による室内土質試験結果)(PDF:90KB)

試験結果3(改良土の平板載荷試験結果)(PDF:79KB)

試験施工のまとめ

室内の物理試験結果から判るように改良土の粒度分布は、礫分から粘土分まで平均化した分布状況を示しており、そのために転圧効果が現れやすく、少ない転圧回数でも支持地盤としての充分な許容支持力を発現したものと思われます。三軸試験結果からせん断抵抗角が35°程度有ることが確認され、強度的には粘性土よりも砂質土の性質を強く持つものと考えられます。また、粒度分布及びコンシステンシー試験結果から改良土による地盤は、液状化はしないと判定されます。改良土は、元土の状況に応じた適切な配合と転圧を実施すれば、直接基礎の支持地盤としての充分な支持力を発現できると判断できます。実工事においては、転圧後の支持力確認のため支持地盤転圧完了後の平板載荷試検等の実施が必要と考えますが、今後実用化について大いに期待できる結果が示されたと考えています。

活用事例

現在、北部汚泥資源化センター内で建設中の汚泥処理施設分離液脱水機棟築造工事(建築工事)にて、改良土を建築物の直接基礎材として使用する予定です。施工時期は、平成21年(今年度)の11月からで、約8,000m3の使用を予定しています。

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このページへのお問合せ

下水道河川局下水道施設部施設管理課

電話:045-671-3965

電話:045-671-3965

ファクス:045-641-4870

メールアドレス:gk-shisetsukanri@city.yokohama.jp

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