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お酒と睡眠 ~「眠るための飲酒」は避けましょう~

よこはま企業健康マガジン第56号(令和元年9月4日配信)より抜粋

最終更新日 2021年10月27日

はじめに

皆さんは眠れないときどのように対処していますか?2004年に報告された調査研究(10カ国の比較)によると、日本人では眠れないときに寝酒をする割合が30.3%で最も多く、10カ国平均の19.4%を大きく上回っていました。どうやら、日本人は睡眠確保の手段をアルコールに求めがちなようです。ところが実際は、アルコールは睡眠の質も量も低下させ、寝酒の習慣は不眠をこじらせかねないという危険性があるのです。

アルコールが睡眠に与える悪影響とは

アルコールが睡眠に悪影響を与えるのには次のような理由があります。
●アルコールの利尿作用によって尿が作られるのでトイレが近くなります。体内からは水分が奪われ喉が渇きやすくなります。
●アルコールの筋弛緩作用によってイビキをかきやすくなります。気道が塞がれて一時的に呼吸ができなくなる人もいます。
●アルコールの入眠作用は3時間程で切れて、その後は代謝されてできるアセトアルデヒドの覚醒作用によって深い眠りは減って浅い眠りが増えます。

そんな訳で、アルコールは睡眠の質も量も低下させます。寝酒が不眠をこじらせうることで、特に注意を要するのが、うつ病が隠れている場合です。うつ病は高頻度に不眠を伴い、不眠が続く時はうつ病を発症している可能性があります。うつ病の人は、悲観的な考えに囚われて自分を責めがちで、生きることを辛く感じていることがよくあります。アルコールには、衝動性 攻撃性、そして自殺のリスクを高めることが知られています。であれば、不眠が続いていてうつ病かもしれない時は、なおさら寝酒を避けたほうがよいでしょう。

寝酒の習慣がもたらす危険性

中長期的にも、寝酒の習慣には次のような危険性があります。寝酒を連日続けていると耐性が形成され、同じ飲酒量では催眠作用が弱くなり、ついつい飲酒量が増えてしまいます。気づけば、飲酒量のコントロールが困難になっていて、アルコール依存症になっているということもありえます。連日の大量飲酒を急にやめると、離脱症状として不眠や自律神経失調、痙攣、手の震え、幻視(虫など)が現れるかもしれません。長年にわたって大量飲酒を続けていると、肝障害、脳萎縮、種々のがんなど、様々な健康被害が生じる可能性が高まります。

おわりに

繰り返します。アルコールは睡眠の質も量も低下させ、寝酒の習慣は不眠をこじらせます。「眠るための飲酒」は避けましょう。


(執筆)こころの健康相談センター 精神科医

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