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室内の空気をよごす主な化学物質
最終更新日 2023年4月1日
住宅室内の空気を汚染する化学物質としては様々なものが考えられますが、厚生労働省では、1997年6月にホルムアルデヒドについて室内濃度指針値を策定しました。その後の実態調査の結果などを受けて、トルエン、キシレンなど、現在合計13種の揮発性有機化合物(VOC)について指針値と室内空気中のそれぞれの物質の測定方法等が定められています。室内濃度指針値とは、現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したものです。
(厚生労働省Webページより引用(2019.09.24)、
http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/situnai/hyou.html(外部サイト))
○ 揮発性有機化合物の室内濃度指針値
揮発性有機化合物 | 室内濃度指針値* | 指針値の毒性指標 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 100μg/m³ (0.08ppm) | ヒト吸入暴露における鼻咽頭粘膜への刺激 |
トルエン | 260μg/m³ (0.07ppm) | ヒト吸入暴露における神経行動機能及び生殖発生への影響 |
キシレン | 200μg/m³ (0.05ppm) | ヒトにおける長時間職業暴露による中枢神経系への影響 |
パラジクロロベンゼン | 240μg/m³ (0.04ppm) | ビーグル犬経口暴露における肝臓及び腎臓等への影響 |
エチルベンゼン | 3800μg/m³ (0.88ppm) | マウス及びラット吸入暴露における肝臓及び腎臓への影響 |
スチレン | 220μg/m³ (0.05ppm) | ラット吸入暴露における脳や肝臓への影響 |
クロルピリホス | 1μg/m³ (0.07ppb) 但し、小児の場合は、 0.1μg/m³ (0.007ppb) | 母ラット経口暴露における新生児の神経発達への影響及び新生児脳への形態学的影響 |
フタル酸ジ-n-ブチル | 17μg/m³ (1.5ppb) | ラットの生殖・発生毒性についての影響 |
テトラデカン | 330μg/m³ (0.04ppm) | C₈-C₁₆混合物のラット経口暴露における肝臓への影響 |
フタル酸ジ-2-エチルへキシル | 100μg/m³ (6.3ppb)** | ラットの雄生殖器系への影響 |
ダイアジノン | 0.29μg/m³ (0.02ppb) | ラット吸入暴露における血漿及び赤血球コリンエステラーゼ活性への影響 |
アセトアルデヒド | 48μg/m³ (0.03ppm) | ラットの経気道暴露における鼻腔嗅覚上皮への影響 |
フェノブカルブ | 33μg/m³ (3.8ppb) | ラット経口暴露におけるコリンエステラーゼ活性などへの影響 |
* 両単位の換算は、25℃の場合による。
** フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの蒸気圧については1.3×10⁻⁵Pa(25℃)~8.6×10⁻⁴Pa(20℃)など多数の文献値があり、これらの換算濃度はそれぞれ0.12~8.5ppb相当である。
○ 総揮発性有機化合物(TVOC)について
厚生労働省では室内空気質のTVOC暫定目標値を 400μg/m³ としています。この数値は、国内家屋の室内VOC実態調査の結果から、合理的に達成可能な限り低い範囲で決定した値であり、室内空気質の状態の目安として利用されることが期待されるものです。TVOC暫定目標値は、毒性学的知見から決定したものではないため、含まれる物質の全てに健康影響が懸念されるわけではありません。また、個別のVOC指針値とは独立に扱われなければならないとされています。
(厚生労働省Webページより引用(2019.09.24)、
http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/situnai/hyou.html(外部サイト))
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