ここから本文です。

食品添加物における用語説明

最終更新日 2023年4月1日

FAO
Food and Agriculture Organization(国際食糧農業機関)の略。国連専門機関の一つ。1945年に食糧の増産、農民の生活水準向上、各国民の栄養改善を骨子に26条からなるFAO憲章を作成し、それに基づき発足。その活動は各国の情報交換、勧告、専門的指導、技術援助など。日本は1951年に加盟。
WHO
World Health Organization(世界保健機構)の略。国連専門機関の一つ。1948年に世界保健機関憲章の発効とともに発足。国連の事業のうち保健衛生の分野を受け持つ機関。日本は1951年に加盟。
ADI
一日摂取許容量(Acceptable Daily Intake)のこと。ヒトがある物質を一生涯摂り続けても何ら危険がないと考えられる一日量。一般にmg/kg/day(体重1kgあたり一日摂取mg 量)で表される。動物による慢性毒性試験を行い、最大無作用量を算出し、その数値に安全係数(1/100~1/500)を乗じて得られる。残留農薬や食品添加物などの相対的安全性評価の一つ。ADIの範囲内での添加物等の摂取は安全と考えられる。
JECFA
Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives(FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会)の略。FAO/WHOの下部組織。JECFAは、各国の添加物規格に関する専門家及び毒性学者からなり、各国で実施された添加物の安全性試験の結果を評価し、一日摂取許容量(ADI)を決定しています。会議報告は、WHOテクニカルレポート シリーズとして毎年公表されています。
なお、ADIは財団法人 日本食品化学研究振興財団のホームページから参照できます。
急性毒性試験
化学物質の単一投与によって生じた短期間内の毒性効果を知るための試験法の一つ。通常、マウス、ラット等にその物質を1回投与し、1~2週間観察等を行う。
LD₅₀
50%致死量あるいは半数致死量ともいう。急性毒性試験によってもとめられた、試験に用いた動物の50%が死亡すると推定される物質の量。物質の毒性の強さを相対的に評価するために用いる。 LD₅₀の値が小さいほど毒性が強いということになる。通常mg/kgあるいはg/kg(体重1kgあたりのmgあるいはg)で表される。
豆腐凝固剤
豆乳を固めて、豆腐を作るときに使われる。塩化マグネシウムなど。
かんすい
中華めん特有の食感、風味、色調をつくりだすアルカリ剤。炭酸ナトリウムなど。
消泡剤
豆乳の蒸煮工程、果実ジャムなどの濃縮工程、蒸留酒の蒸留工程、発酵食品の発酵工程、天ぷらのフライ工程などで発生する消えにくい泡の消泡に使用される。シリコーン樹脂など。
抽出溶剤
食品原料から必要な食品成分を抽出するために使用される。ヘキサンなど(最終食品の完成前に除去され、残留しない)。
酵素
生体細胞によって生産されるタンパク質で、一般の化学反応と異なり、特定の物質に温和な条件で反応を行い、目的の物質を製造するために使用される。α―アミラーゼなど。
pH調整剤
食品のpHを適切な範囲に調整し、食品の変質、変色を防止したり、他の食品添加物の効果を向上させるために使用される。クエン酸など。
その他製造用剤
食品製造時の精製ろ過に際し不純物を吸着し、ろ過を効率よく行うために使用されるろ過助剤(二酸化ケイ素など)、タンパク質やでん粉の加水分解やアルカリ性の中和に使用される酸剤(塩酸など)、アルカリ性による剥皮や酸性の中和に使用されるアルカリ剤(水酸化ナトリウムなど)、かまぼこ、ハム、ソーセージ や麺類などの組織を改良したり、離液の防止、冷凍変成防止やストラバイドの防止などに使用される結着剤(リン酸塩など)、パン生地などが機械や焼型に付着するのを防止するために使用される離型剤(流動パラフィンなど)、冷凍魚などの体表に密着性が高く保護効果の強い氷の膜をつくるために使用されるグレーズ 剤(増粘剤のキサンタンガムなど)などがある。
保存料
加工食品の微生物による腐敗、変敗を防止し、食中毒の発生を予防するとともに食品の保存性の向上のために使用される。ソルビン酸など。
殺菌料
食品やその原料あるいは食品製造用機械、器具を汚染している微生物を殺菌するために使用される。過酸化水素など(使用した後で分解、除去される)。
酸化防止剤
食品中の油脂の酸化を防止したり、果実加工品や漬け物などの変色や褐変を防止するのに使用される。アスコルビン酸など。
防かび剤
かんきつ類やバナナの輸送貯蔵中のかびの発生を防止するために使用される。オルトフェニルフェノールなど。
日持向上剤
そうざい、サラダなど保存性の低い食品の短期間の腐敗、変敗を抑えるために使用される。酢酸など。
ただし、日持向上剤は一括名ではないため、加工食品などでの食品添加物の表示は物質名で表示することとされています。
着色料
赤、青、黄など様々な色調を演出するために使用される。食用赤色2号など。
発色剤
食品中の血色素に作用して安定な色素を生成させる目的で使用される。亜硝酸ナトリウムなど。
漂白剤
加工食品の原料である食品などに含まれる好ましくない色素成分や着色物質を無色にし、色調を白くするために使用される。亜硫酸ナトリウムなど。
光沢剤
食品の表面に光沢を与え、防湿など食品を保護する目的で使用される。カルナウバワックスなど。
香料
食品に香気を付与または増強するために使用される。種類は多い。
香辛料抽出物
ペパーミント、コショウ、シナモンなどの香辛料(スパイス)からその有効成分を抽出したもの。食欲を増し、おいしさを高めるために使用される。
甘味料
食品に甘味を付与するために使用されるもの。アスパルテームなど。
酸味料
食品に酸味の付与または酸味の調整や味の調和のために使用される。クエン酸など。
調味料
食品にうまみや塩味などを付与、増強し、また味の調和や調整をして味覚の向上や改善に使用されるもの(甘味料、酸味料、苦味料を除く)。グルタミン酸ナトリウムなど。
苦味料
食品に適度の苦味を与え、おいしさを増すために使用される。カフェインなど。
乳化剤
食品に乳化、分散、浸透、起泡、消泡、洗浄などの目的で使用される。グリセリン脂肪酸エステルなど。
増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料
食品の粘度の増強、乳化分散の安定化やゲル化などの機能により、食品に好ましい組織をつくり、おいしさや品質の向上維持のため使用される。アラビアガムなど。
膨張剤
ケーキ、まんじゅう、蒸しパンなどをふっくらと膨張させるために使用される。炭酸水素ナトリウムなど。
ガムベース
チューインガムのそしゃく基材として使用される。チクルなど。
栄養強化剤
ビタミン、ミネラルやアミノ酸などの栄養成分を強化するために使用される。ビタミンCなど。

概説食用天然色素(光琳)、食品と安全性(南山堂)、別冊フードケミカル 改訂版世界の食品添加物(食品化学新聞)、見直したい食の安全性(女子栄養短大出版部)、簡明食辞林(樹村房)、よくわかる暮らしのなかの食品添加物(光生堂)

2005年11月10日更新
2006年2月15日更新

このページへのお問合せ

医療局衛生研究所理化学検査研究課

電話:045-370-9451

電話:045-370-9451

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:ir-eiken@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:693-175-693

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews