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健康茶と「センナ」
最終更新日 2025年2月27日
近年、健康志向の高まりなどから、ダイエットに関心がある人々や、痩身願望の高い人達が増えています。しかし、無理な食事制限や運動によるダイエットは難しいことが多く、長続きしないようです。女性誌の通信販売や健康食品売り場には、無理をせず簡単に痩せられることを標ぼうした健康食品があふれており、
「健康茶」、「減肥茶」などのティーバッグの形で売られている商品が目に付きます。また、カプセルや錠剤の形で売られている商品も少なくありません。しかし、医薬品ではない食品に劇的な効果を期待するのは間違いであり、「飲むだけで痩せられる」というのは誇大広告なのではと指摘されています。実際に効果を持たせるためにこのような健康茶の中には、緩下剤の「センナ」、食欲抑制剤の「フェンフルラミン」などの医薬品を添加した商品があり、これらは未承認医薬品とされ、薬機法違反の処分を受けます(図1)。
医薬品として扱われる「センナ」というのは、チンネベリセンナまたはアレキサンドリアセンナという植物の小葉を指しており、茎は食品として扱われます。センナの茎のみが入っているお茶であれば、薬機法上問題ありません。しかし「センナ茎茶」と表示していながら、ティーバッグの中身を見ると、「センナ(センナの葉)」が入っているケースが度々あります。またインターネットで購入した韓国産の「冬葵(ふゆあおい)茶」と表示しているティーバッグの中身が、
すべて「センナ」だったこともありました。この場合、薬機法違反となります。
健康茶中の「センナ」の検査は、まずセンノシド(センナの成分)が入っているかをチェックし、入っていればセンノシドの量を液体クロマトグラフという機器で分析します。それと同時にセンナの葉があるかどうか顕微鏡で確認します。「センナ」は特徴的で、葉の裏側だけに刺のような剛毛が生えています(図2)。以前は簡単に「センナ」を見つけることができましたが、最近では、「センナ」の確認ができないように巧妙な手口でお茶に入れているものが増えてきました。
平成14年7月に中国製ダイエット用健康食品で多くの健康被害が続出して以来、医療局医療安全課および福祉保健センターに健康食品による健康被害や苦情などが増えました。
健康食品で健康を害しては意味がありません。とは言っても「ナイスバディー」は永遠のテーマ。このような悪質ダイエット用健康食品は完全には消滅しないかなと思いつつ、日々検査しております。
作成:平成14年
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