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金沢ゆかりの偉人達
最終更新日 2023年6月12日
偉人たちの足跡と金沢
富岡の海岸(横浜開港資料館所蔵)
幕末から昭和にかけて、多くの偉人達が金沢の美しい景色を好み、別荘を設けるなど金沢の地に足跡を残しています。
特に、富岡地区には特に多くの別荘がありました。三条実美・井上馨・松方正義ら中央政界の大物や川合玉堂ら文化人が相次いで富岡に別荘を建設しました。
三条実美と金沢
三条実美は、幕末から明治時代中期にかけて政治家として活躍した公卿で、明治18年(1885)に内閣制度が実施されるまで、太政大臣として政府の最高職にあった人物です。
彼は、金沢の海岸線の美しさに魅せられた一人です。現在の富岡東2丁目の海岸に「富岡海荘」と名付けた別荘を持っており、この別荘を中心に本牧から観音崎にかけての海岸線を描かせています。
富岡海荘図巻(金沢区近隣を一部抜粋 横浜開港資料館所蔵)
伊藤博文と金沢(洲崎野島)
初代内閣総理大臣伊藤博文は、明治20年から、金沢洲崎の割烹旅館「東屋」と夏島別荘(現横須賀市夏島。明治20年から同22年まで夏島に建っていた伊藤博文の別荘)明治憲法の起草作業を行いました。
その後金沢の地が気に入った伊藤博文は、明治30年(1897)には野島に別荘を建てます。伊藤博文は赤坂仮皇居御会食所(明治憲法草案審議会場)下賜に際して金沢別邸への移築を検討していること、称名寺や金沢文庫の復興支援を行ったことなどからも、伊藤博文にとって野島は憲法起草ゆかりの地として特別の意味をもつ場所であったことが伺えます。
明治憲法草創之碑
旧伊藤博文金沢別邸(横浜市有形指定文化財)
野口英世と金沢(長浜)
北里柴三郎の伝染病研究所の研究助手だった野口英世は、明治32年(1899)に、金沢にできた海港検疫所の海港検疫医官補として勤務します。
たまたま寄港していた「亜米利加丸」の乗員からペスト菌を発見します。
わずか5ヶ月の検疫所勤務でしたが、この功績により、師である北里柴三郎の推薦で、当時ペストが流行していた清国・牛荘(ニューチャン)に国際予防委員会の一員として派遣されます。横浜での功績から、国際的な活躍を果たすこととなります。
この細菌検査室が、野口英世の研究施設としては唯一残存するものです。
野口英世ゆかりの旧細菌検査室(写真:長浜ホール提供)
川合玉堂と金沢(富岡)
旧川合玉堂別邸
川合玉堂は、日本の明治期から昭和期にかけて活躍した当時を代表する近代日本画家の大家で、金沢の地でも多くの絵を描きました。
邸内に枝振りのいい2本の老松があったため、この邸宅は、通称「ニ松庵」と呼ばれていました。
玉堂の古い写生帳には、富岡周辺のスケッチが数多く残されており、それらは六曲一双の「紅白梅」「長閑」など春を主題にした作品で見事に昇華されています。
(平成25年10月に本邸は焼失しました。)
鏑木清方と金沢(君が崎)
鎌倉に居を構えた日本画家・鏑木清方が大正8年(1919)に避暑地として選んだのが、金沢・君が崎(現在の谷津町)でした。
清方がこの別荘「遊心庵」で夏の日を過ごした歳月は以後20年に及びます。
清方は歌川広重の金沢八景で金沢の地を初めて知り、亡き父が遺してくれた唯一の形見と言われる「江戸名所図会」からもこの地の事を知るようになり、金沢に憧憬の念を抱くようになります。
清方の回想記『こしかたの記』には「遊心庵」と題した一節があり、当時の金沢が色濃く書き込まれています。
直木三十五と金沢(富岡)
代表作「南国太平記」をはじめ、大衆作家として、大正末から昭和にかけて活躍した直木三十五は、昭和3年(1933)に富岡に新居を構えました。
有名な文学賞である「直木賞」は、彼の先駆的な功績を記念して、親交のあった菊地寛により昭和10年に創設されたものです。
現在は富岡に文学碑(「芸術は短く貧乏は長し」)と、長昌寺にお墓があります。長昌寺では、毎年命日の2月24日前後の休日に、彼の代表作「南国太平記」にちなんだ「南国忌」の名称で供養と、直木賞作家などの講演会が開催されています。
直木三十五文学碑
長昌寺
ペリー提督と金沢(小柴)
江戸時代末、ペリー提督が来航した際、その艦隊が碇泊した海域(金沢区小柴沖、現在の八景島沖合い)は、「アメリカン・アンカレッジ」とペリーに命名されました。
また、その後T.ハリスが来航した際に日米修好通商条約がこの地で締結されました。
金沢区にまつわる歴史を広く多くの方々に知ってもらうとともに、日米交流の精神を未来につなげることを目的に、平成22年2月、区制60周年・横浜開港150周年を記念して、アメリカン・アンカレッジを一望できる横浜・八景島シーパラダイスに記念碑が設置されました。
ペリーが乗船したポーハタン号(横浜開港資料館所蔵)
アメリカンアンカレッジ記念碑
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