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横浜市長山中 竹春
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舘ひろしさん、柴田恭兵さんとの対談(広報よこはま2024年6月号)

横浜を舞台にタカ(舘ひろしさん)とユージ(柴田恭兵さん)が大活躍する刑事ドラマ「あぶない刑事」は、1986年からテレビドラマが2シリーズ、さらにスペシャルドラマや映画7本が公開された大人気作です。横浜市が撮影支援した8本目の映画が5月24日に公開となる記念に、横浜の魅力について舘さん・柴田さんと山中市長が語り合いました。(情報は2024年6月時点)

最終更新日 2024年6月21日

舘ひろしさん、柴田恭兵さん、市長のスリーショット写真

ロケジェニックな街、横浜

  • 進行
    ──「あぶない刑事」の舞台である横浜にはどのような印象をお持ちですか。
  • 舘ひろしさん(以下「舘」)
    僕はね、横浜は人も景色も潤っている「濡れてる街」だと思うんです。東京ってすごく乾いた都会って気がして。山下公園のあたり、ホテルニューグランドとか当時から変わらないけど、雰囲気があってエキゾチックですよね。こういう素敵な場所はこれからも残してほしい。
  • 柴田恭兵さん(以下「柴田」)
    横浜はほんとに絵になるんですよね。景色や建物はもちろん、撮影の時走り回った、ちょっとした路地も一つ一つ、横浜というイメージを作っているピースだと感じています。どこで撮っても、景色に救われて素敵な映像になるんですよ。
  • 山中市長(以下「市長」)
    嬉しいです!「あぶない刑事」は、1986年から横浜で撮影していただいていますが、横浜と映画の関係は古く、大正時代には元町公園の一角に撮影所ができて、多くの映画が作られました。その後も、港や西洋風建築、中華街など、「横浜ならでは」の景色がロケ地として取り上げられてきたのですが、映画界や地元からの「煩雑な撮影許可の申請手続きを市でまとめてほしい」という声を受けて、市役所内に「横浜フィルムコミッション」を立ち上げました。現在では、毎年700〜800件の相談を受け、経験豊富な市の職員が50作品以上の撮影を丁寧にサポートしています。こうした市の取り組みによって、作品制作に関わる人たちとの信頼関係が生まれることで、横浜を舞台にした数多くの作品が生み出され、さらには横浜を訪れる人が増えるという好循環につながっています。今後も、映画やドラマを通じて、横浜の魅力を広く発信し、ブランド力や集客力の向上につなげています。

対談中の市長の様子

  • 柴田
    僕は横浜が舞台の作品に出ることが多かったんですが、撮影していても、横浜の皆さんは温かかったですね。

  • みんなすごい協力的で。僕は西部警察を東京で撮影していたんだけど、横浜のほうが温かかったです。
  • 市長
    ありがとうございます。これからも、「横浜でロケをしたい」と感じていただける環境をつくっていきます。
  • 進行
    ──この38年、ベイブリッジやランドマークタワーなど、まちづくりが進んで景色が大きく変わりました。

  • 赤レンガ倉庫のところなんて、38年前は何もなかったよね。今は雰囲気のいい商業施設になってる。中華街も賑わっていて元気だよね。今作で登場するハンマーヘッドも、そこに新しくできたインターコンチネンタルホテルも、素敵ですよね。だって、本当にすぐそばに海が見えるんだよ。なかなかそんなロケーションってない。
  • 市長
    臨港パークからハンマーヘッド、さらに山下公園までの約5kmの海辺の水際線(すいさいせん)は、景観も美しいですし、観光施設も集まっていて、世界に誇れるロケーションだと思っています。

  • 今回、山下公園から赤レンガ倉庫まで、海のそばを通る「ザよこはまパレード」に参加して、横浜の魅力をあらためて感じました。

「ザよこはまパレード」での舘さん、柴田さんの様子

  • 市長
    パレードの時だけでなく、山下公園通りでの歩行者天国や、夜は季節を問わず打ち上げる花火「横浜スパークリングトワイライト」など、公共空間を使って1年を通じて楽しめる仕掛けをしています。今後も、他の都市にはない横浜の水際線の魅力をもっともっと磨き上げ、国内外からさらに多くのお客様にお越しいただけるよう、にぎわいあふれる空間にしていきます。お二人もぜひ歩いてみてください。
  • 柴田
    僕は撮影の時、路地裏を走り回りましたから、プライベートで寄ったときに、「ここも走り回ったな」とか、「この路地も撮影したな」とか、思い出がいっぱいありますね。
  • 市長
    本牧や野毛、伊勢佐木など、古き良きエリアも横浜の魅力の一つですよね。「あぶない刑事」では、昔懐かしい街並みから新しいビルが立ち並ぶエリアまで、さまざまな場所が登場しますが、配給を行う東映様と協力して歴代のロケ地巡りを紹介するマップをつくりました。対象店舗でお買い物をすると、「あぶない刑事」のステッカーがもらえるタイアップ企画も行っています。横浜を訪れる多くの方に、名シーンの舞台を巡り、横浜の魅力を体感してほしいですし、経済の活性化にもつなげていきます。
  • 柴田
    山下公園や大さん橋から、クルーズ船やコンテナ船、クレーンが見える港の風景も、横浜らしさですよね。

対談中の柴田さんの様子

  • 市長
    そうですね。海の上から見る港の景色も素敵なんですよ。昨年1年間でクルーズ船が横浜港に入港した回数は171回と、国内トップです。横浜にお越しになるクルーズ客の皆様にも、海から見る横浜の景色を楽しみ、入港後は横浜の街なかを巡っていただけるような取り組みを進めています。今後、臨港パークに展望ゾーンを整備するほか、カフェとランニングステーションを備えた施設が2025年度にオープンする予定など、観光消費のさらなる拡大につなげます。ぜひまたお越しください。

素敵な仲間に囲まれて

  • 進行
    ──8年ぶりの「あぶない刑事」の撮影はいかがでしたか。

  • 8年ブランクがあったとは思えないくらい、みんな昔と全然変わらず、すぐにタカとユージ、あぶ刑事のチームになれました。ほんと仲良しなんです。
  • 柴田
    前作からの8年の間に、コロナもあって、これまでと違う時間を皆さん過ごしたと思うんです。当たり前のことができなくなるというか。そんな時間を経て、仲間と一緒に過ごせることの魅力を再認識しましたね。
  • 市長
    「仲間と一緒に過ごせる」って、とても素敵なことですよね。横浜は都会のイメージが強いと思いますが、実は人のつながりがとても濃い街なんです。自治会町内会など地域を支える活動をされている方が多く、地域のお祭りも盛んですし、ご高齢の方や子どもたちの見守り、公園や道路など街をきれいにする活動などが盛んに行われています。こうした地域の絆が守られていることが、 先ほどお二人がおっしゃった“横浜の温かさ”にもつながっているんだと思います。横浜市としても、今後も地域を支える活動をしっかり支援していきます。

若い感性を育てる

  • 進行
    ──長く愛されているこの作品ですが、作品づくりの中で大切にされていることはありますか。
  • 柴田
    どんなにくだらないことでも一生懸命頑張って精一杯やりましょうということを大切にしています。どんなシーンでも手を抜かずに、楽しんでやりましょうという姿勢、「あぶ刑事魂」ですよね。

  • 今回、放映当初には生まれていなかったくらいの若い撮影スタッフが多かったんです。だけど、若い人は感性が豊かだし、俊敏だし、何でも受け入れられる吸収力を備えてるんですよね。刺激を受けたし、これまでの歴史と新しい風を融合させた作品ができたと思っています。

対談中の舘さんの様子

  • 市長
    お二人やスタッフの方の一生懸命な思いや若い力が、素晴らしい作品を生み出す源だったんですね。私も、若い世代の感性や、可能性を伸ばすことが何よりも大切だと思っています。横浜市では、「子育てしたいまち」を目指して、未来を担う子どもたちへの支援を最優先に取り組んでいます。例えば、国際理解を深め、平和を考える「よこはま子ども国際平和プログラム」のスピーチコンテストには、約4万人もの子どもたちが参加し、「国際平和のために自分がやりたいこと」をテーマに、熱い思いを語ってくれました。入賞者はニューヨークの国連本部への訪問などを行うのですが、貴重な体験をした子どもたちの短期間の成長ぶりには驚かされます。小さい頃から何事にも一生懸命に取り組むことで、経験の幅が広がり、豊かに成長していくことができますよね。このようなスケールの大きなグローバル教育を提供できるのは、横浜ならではだと思いますし、これからも多くの分野で若い世代が、自分で考え、それを発信していく場をつくり、無限の可能性を広げていきます。

横浜市民へのメッセージ

  • 進行
    ──最後にお二人から、横浜市民の皆さんへのメッセージをお願いします。
  • 柴田
    みなさんのおかげで、とても素敵な映画になりました。この映画の撮影が成功したのは横浜だったからだと思うんです。ぜひ、お楽しみいただけたら嬉しいです。

  • ほんとにそうだね。38年前に「あぶない刑事」を横浜で撮ろうって決めたこと、それが「あぶない刑事」の勝利だった気がします。変わらぬ良さを持ちながら、日々進化する横浜の魅力とともに、映画を観てもらえればと思います。
  • 市長
    ありがとうございます。タカとユージはもちろん、多くの方から愛されるまちであり続けるために、市内外に発信できるような魅力をつくりあげていきます。

対談中の舘さん、柴田さんの様子

プロフィール

舘ひろし

1950年3月31日、愛知県出身。1976年に映画「暴力教室」で俳優デビュー。その後、「西部警察」(79~)をきっかけに石原プロに入社。36歳の時に主演した「あぶない刑事」(86~)で大ブレイク。「終わった人」(18)では第42回モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞。「アルキメデスの大戦」(19)、「ヤクザと家族 The Family」(21)、「ゴールデンカムイ」(24)などにも出演。


柴田恭兵

1951年8月18日、静岡県出身。1975年に劇団「東京キッドブラザーズ」に入団。86年「あぶない刑事」で大ブレイク。演技派としてドラマ「はみだし刑事情熱系」(96-04)、「ハゲタカ」(07)など数々のドラマシリーズに出演。ほか映画「集団左遷」(94)、「半落ち」(04)、「北のカナリアたち」(12)など。最新作にドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」(24)がある。

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