ここから本文です。
- 横浜市トップページ
- 市長の部屋 横浜市長山中竹春
- 市政運営
- 令和6年度の市政運営の基本方針と予算案について(令和6年2月9日)
令和6年度の市政運営の基本方針と予算案について(令和6年2月9日)
最終更新日 2023年2月9日
令和6年度予算案、関連する諸議案の提案にあたり、市政運営の基本方針と概要を申し上げます。
はじめに
はじめに、年始の能登半島地震により亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地が一日も早くこれまでの生活を取り戻し、復旧・復興が進むよう、最大限の支援を行ってまいります。
人口減少と少子高齢化の急速な進展。自然災害の激甚化・頻発化。揺れ動く国際情勢。そして、深刻化する気候変動問題。時代が大きく転換する局面に、私たちは対峙しています。先が見通しにくい時代にあっても、将来を見据え、市政をさらに前進させていかなければなりません。横浜の活力を未来につなげていくために、いま何をすべきか。職員と議論を重ね、令和6年度予算案を編成しました。
誰もが安心して豊かな暮らしを送ることができる。これこそが市民生活の根幹であり、横浜が将来にわたり発展し続けるための土台です。そして、年齢や性別、国籍、障害の有無にかかわらず、互いを尊重し、支えあう。次の世代に美しい環境を引き継いでいく。人と地球にやさしい、未来志向の「まち」横浜を創っていきます。
私の市政運営の原点にあるのは、「市民目線」です。市民の皆様が何を求めているか。市民の皆様の「声」に耳を傾けていく。必要なデータを集め、掘り下げ、実効性の高い施策を生み出していく。その積み重ねこそが、市民の皆様のより良い暮らしにつながっていくと確信しています。
おやこの笑顔を育むまち
横浜の「まち」を支えていくのは、次の世代を担う「人」、すなわち、子どもたちです。子どもたちを育む環境の充実に向けて、「子ども・子育て支援」に最優先で取り組みます。子育て世代の「ゆとり」を求める声にしっかりとお応えし、「子育てしたいまち」を実感していただけるよう、「おやこ More Smile Package」として、重層的に施策を展開していきます。
出産費用について昨年実施した市独自の調査では、多くの世帯が経済的負担を感じていることがわかりました。調査結果を踏まえ、出産育児一時金に加え、新たに最大9万円の助成を行うことにより、誰もが安心して出産できる環境の実現を目指します。
家事に仕事に育児。時間に追われる子育て世代の負担軽減にも尽力します。
スマートフォンを通じて、いつ、どこにいても、子育てに関する様々な手続きができ、区役所に行かなくて済む。子どもの健康や発育の相談が専門家にできる。予防接種をはじめ必要な情報がプッシュ型で届き、さらに母子健康手帳の機能も有した、自治体初となる「子育て応援サイト・アプリ」をリリースします。おむつや食事用エプロンなど、保育園への持ち物の負担を軽減するとともに、預けたい時に預けられる環境づくりも進めます。
いわゆる「小1の壁」の解消に向けて、特にニーズの高い夏休み期間中の昼食提供を、全ての放課後キッズクラブ・放課後児童クラブでモデル実施します。小学校始業前の子どもの朝の居場所づくりもモデル校で行います。さらに、クラブとの日々の連絡などのやりとりに係る保護者負担を軽減するための仕組みを構築します。
身近な地域で親子が安心して過ごせる居場所づくりも進めていきます。
27か所の地区センタープレイルームを、おもちゃや絵本の充実などにより、親子が気軽に立ち寄れる魅力的な空間にリニューアルします。地域の子ども食堂やプレイパーク、団地内の交流拠点づくりを支援することで、親子同士のつながりや多世代交流を活発化させます。
子どもの交通安全対策として、ビッグデータを活用した、ハード・ソフト両面からの効果的な取組を進め、通学路の安全性を向上させます。
青葉区美しが丘公園の周辺エリアにおいて、学校など地域施設の活用や、地域交通の充実による子育て世帯の負担軽減、安全・快適な公共空間の創出など、様々な子育て施策を束ねて面的に展開をしていく「子育てしたいまち推進モデル地区」事業に取り組みます。
待機児童・保留児童対策では、1・2歳児の受入枠を着実に確保するとともに、入所可能な施設への送迎支援など、詳細なニーズ調査と分析に基づいた取組を進めます。
子どもたちの教育の充実にも力を注ぎます。客観的なデータを収集・分析し、可視化をすることで、児童生徒一人ひとりに合った最適な学びにつなげるなど、教育DXを一層推し進めていきます。
グローバルな時代の今、豊かな語学力を備え、異文化を理解・尊重し、世界で活躍できる人材が求められています。市立学校3校を「グローバルモデル校」と位置付け、メタバース空間を活用して世界の児童生徒と交流し、共同学習ができる「メタバーススクールモデル校」や、英語科以外の複数の教科を英語で実施し、英語に触れる時間を劇的に増やす「英語イマージョン教育モデル校」としてスタートさせます。さらに、ピースメッセンジャー都市ならではの取組である「よこはま子ども国際平和プログラム」を拡充して、国際社会の平和のために自分たちができることを実践しようとする思いを育みます。
中学校の全員給食に向けた準備も着実に進めます。おいしく栄養バランスのとれた給食を、みんなで一緒に食べる、かけがえのない時間を過ごしてほしい。毎日の昼食準備の負担を減らしたい。令和8年4月から全校でスムーズに全員給食を開始できるよう、供給体制を整備するほか、献立改善や温かさの工夫など、給食の魅力を高めていきます。
区役所における相談支援機能の強化も図ります。「こども家庭センター」の機能を各区に段階的に設置して、全ての妊産婦や子育て世帯への包括的支援を行うための統括支援員の配置、子育て当事者のニーズに沿った支援計画の作成、地域全体で子育てを応援する基盤づくりなどを進めます。
増え続ける児童虐待への対応にも力を入れていきます。児童相談所の体制を強化するとともに、一時保護所における子どもたちの生活環境を改善するため、再整備する南部児童相談所の居室の個室化や、市内5か所目となる東部児童相談所の新規整備を進めます。
生まれ育った環境により、子どもの現在や将来が左右されることがあってはなりません。
子どもの貧困対策を一層推し進め、貧困の連鎖を防ぎ、すべての子どもの育ちと成長を守っていきます。経済的な困難を抱えやすいひとり親家庭の生活支援・就業支援を充実させ、自立を支えます。また、養育環境に課題がある家庭に育つ子どもに対し、将来の自立に必要な、生活と学習のサポートを行います。ヤングケアラーやひきこもり、児童養護施設を退所した子どもなど、困難を抱える子どもや若者への生活支援・相談支援を拡充します。さらに、いじめや不登校など学校生活における困りごとにも、一人ひとりの状況に寄り添った対応をしっかり行います。
市民の命を守り、誰もが安心して自分らしく暮らせるまち
いつ起こるともわからない大規模災害。いかなる時も、基礎自治体の責務として市民の皆様の命と暮らしを全力でお守りしていかなければなりません。令和6年度は、「地震防災対策パッケージ」として、ハードとソフトの両面から幅広い対策を推進します。
災害に強い「まち」をつくる。
建物の倒壊などによる被害を防止するため、木造住宅やマンションの耐震化の促進、簡易に設置できる防災ベッドの普及、高齢者世帯等への家具の転倒防止助成などを行います。火災による被害を軽減するため、「感震ブレーカー」の設置補助対象を市全域に拡大します。都市インフラの機能確保と被害防止のため、緊急輸送路となる道路の整備、道路がけの防災対策、上下水道などライフライン施設の耐震化も進めます。
災害に対して、しなやかな「コミュニティ」をつくる。
459か所全ての地域防災拠点で、従来の粉ミルクに加え、新たに液体ミルクの備蓄を開始します。また、各家庭において発災時にテレビの電源が自動的に起動するプッシュ型の情報伝達手段の導入を促進します。がけ地の相談会の実施、減災につながる制度の周知促進、自治会・町内会への防災研修や訓練などを通じて、一人ひとりが「自助」「共助」の大切さを理解し、減災に向けて行動できるよう、市民の皆様とともに取り組んでいきます。
防災・減災に必要となる対策をより効果的かつ効率的に実施していくため、能登半島地震を踏まえて、本市の課題を分析・検証し、令和6年度中に新たな「地震防災戦略」を策定します。
誰もが自分らしく暮らせるまち。
日本人の2人に1人が、がんになる時代。がん検診は早期発見の鍵となります。子宮頸がんの検査手法にHPV検査単独法を新たに導入するほか、乳がん・卵巣がんの遺伝リスクを知るための検査の一部助成を開始して、女性へのがん対策を充実させます。がん罹患の多い高齢者の皆様に向けては、65歳の方のがん検診を無料化し、受診習慣のなかった方の受診や退職後の定期的な受診行動を促します。さらに、がん検診から精密検査に至る一体的な受診を促すため、70歳以上の方の精密検査の無料化に向けて取り組みます。市民の皆様がさらにがん検診を受けやすくなるよう、大腸がん検診の無料化を継続するとともに、胃がん検診の自己負担額を引き下げます。小児・AYA世代に対しては、小児がんの子どもたちが交流できる場を、メタバースを活用して提供するほか、子どもを望むがん患者の方が将来子どもを授かる可能性を残すため、妊よう性温存療法に関する助成を実施します。
地域の身近な福祉保健活動の拠点であり、市民の皆様の交流の場でもある地域ケアプラザ。市内146館目となる「上永谷駅前地域ケアプラザ」をもち、30年にわたる整備計画を完了させます。
市が保有する高齢者の医療・介護・健診データを活用し、一人ひとりの健康課題に向き合うフレイル対策を先行的に3区でモデル実施します。また、特別養護老人ホームの入所待機者を減らすため、医療的ケアを提供する介護医療院の新たな整備や、市独自の居住費助成などを行います。
日常生活で移動しやすい、身近で快適な地域交通の確保は重要な課題です。新たな移動サービスの実証実験の効果を検証し、あわせて、敬老パスの利用実績データの分析を踏まえ、地域の総合的な移動サービスの望ましい制度をしっかり検討していきます。
増加する発達障害児の相談ニーズに対応するため、地域療育センターの相談支援体制を強化し、保護者の不安や悩みの軽減・解消を早期に図ります。小・中学校では、階段の上り下りが困難な児童生徒に配慮し、エレベーターの設置を進めます。義肢などの補装具や、人工呼吸器などに使われる非常用電源装置を購入する際の助成に係る所得制限を撤廃します。また、車いすの方用の駐車区画の適正利用を図るため、パーキングパーミット制度を導入します。
医療的ケアを必要とする重症心身障害児・者等の地域での暮らしを支援するため、市内4館目となる多機能型拠点を港北区に開所します。看護職員を複数配置し、常時、医療的ケア児の受入れが可能となる「医療的ケア児サポート保育園」を新たに12園認定します。幼稚園の長時間預かりにおいて、個別に支援が必要となる子どもに関する補助の拡充を行い、障害児・医療的ケア児の受入体制を強化します。
インクルーシブなまちづくり。
永らく市民の皆様に愛されてきた動物園・公園、中央図書館が集まる野毛山エリア全体を、誰もが学び、楽しみ、安らげる場所としていきます。多機能型拠点を新たに整備し、かつ動物園や図書館と連携することで、重症心身障害児・者が、動物、自然、図書に触れる機会を創出します。中央図書館内には「のげやま子ども図書館」を整備し、親子で安心して遊び、絵本を読めるフロアにするほか、野毛山動物園の魅力を高める全面リニューアルに着手します。
性別に関わらず、希望する仕事に就き、キャリアを形成できる環境づくりを推し進めます。誰もが働きやすい職場環境づくりに積極的な市内企業を増やす取組を進めるほか、デジタルスキルの習得から就労までのサポートを充実するなど、女性の活躍を一層応援します。
市内の在住外国人は11万人を超え、過去最多となりました。多言語での相談対応や情報提供、日常生活に必要な日本語学習の支援、地域で多文化共生を推進する活動団体への支援などを通じて、在住外国人の安全・安心と多様性・包摂性に富んだまちづくりを進めます。
人がつくる、環境にやさしいまち
「地球沸騰化」と言われる時代。世界各地で発生する干ばつや山火事、海面上昇。日本でも集中豪雨や大型台風などの異常気象が相次ぐなど、気候変動は私たちの生活を脅かす深刻な脅威となっています。昨年のCOP28では、初めて、自治体レベルでのサミットが公式開催されました。世界の脱炭素化を実現するためには、都市がその役割を果たしていくことが重要です。大都市横浜として、2050年の脱炭素社会の実現をけん引していく決意です。横浜市がホストシティとなる2027年の「GREEN ×EXPO 2027」の成功とその先にある脱炭素社会の実現に向けて、新たに「脱炭素・GREEN×EXPO推進局」を設置し、4つの柱からなる「Zero Carbon Yokohama Package」を推進します。
まず、事業者の皆様に行動していただくための取組です。
市内企業の99%以上を占めるのは中小企業です。知識・ノウハウの不足や資金不足など、脱炭素化を進める上での課題を解消することで、全ての中小企業の皆様が「GREEN×EXPO 2027」までに脱炭素化に着手できるよう後押しします。新たに「脱炭素化取組宣言制度」を創設して、省エネ診断の受診費用を補助することで企業のCO2排出量を可視化し、専門家による省エネや設備投資に係るプッシュ型の訪問相談を実施します。設備投資への助成を新たに実施し、さらに、建替え時の容積率緩和などを行いながら、脱炭素経営への転換を促します。
次に、市民の皆様一人ひとりに行動していただくための取組です。
2030年度までにEVの急速充電器を400口に倍増させることを目標に、公道やコンビニエンスストアなどへの設置を企業と連携して拡大します。省エネ住宅の住替え補助件数を100件から350件に拡充し、太陽光発電設備等への新たな補助を上乗せすることで、子育て世代の転入促進を図るとともに、エコで快適な住まいづくりを加速させます。地域活動の拠点である自治会町内会館の照明LED化や省エネエアコンの導入に係る補助制度を創設し、市民の皆様の脱炭素への意識づけを促します。温室効果ガスの発生原因となるプラスチックごみを減らすため、プラスチック製品も対象とする分別・リサイクルを10月から9区で先行実施します。また、省エネ性能の高い家電の購入金額の一部還元により、家計の負担軽減を図りながら購入を後押しする「エコハマ」第2弾を6月から実施します。
市内最大級のCO2排出事業者である横浜市役所こそ、率先して脱炭素行動を加速させる必要があります。
設置可能な全ての公共施設における太陽光発電の導入を、国の目標である2040年度から5年間前倒しするため、従来の2倍のペースで進めます。区役所の照明LED化についても、100%達成の目標を2030年度から3年間前倒しするとともに、ESCO事業など様々な手法により、公共施設の省エネ化をさらに加速します。
産学官連携のもと、脱炭素社会の実現に向けたイノベーションの創出も進めます。
脱炭素化をけん引する企業の皆様とともに、化石燃料からの脱却に向け、水素等次世代エネルギーの輸入・供給拠点の形成や、先進的な技術研究・開発に向けた取組を進めます。また、停泊中の船舶から排出されるCO2を抑制する陸上電力供給設備の運営を、全国に先駆けて本牧ふ頭で開始するなど、カーボンニュートラルポートの形成を推進します。脱炭素先行地域「みなとみらい21地区」において、地区内の施設への省エネ・再エネ設備の導入を加速させるほか、市内の雨水調整池に設置した太陽光パネルで発電した電力を受け入れる取組や、ペットボトル水平リサイクルの実施などにより、地区内の完全脱炭素化を目指します。再エネ資源が豊富な自治体や事業者との連携を通じて、市内への再エネ導入も進めていきます。さらに、横浜発の最先端技術であるペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて、大学・企業・関係団体と協力し、実証・実装事業の展開や新たな用途開発を支援します。
気候変動対策の推進には、国際的な連携と協調が欠かせません。昨年のアジア・スマートシティ会議では、アジアの諸都市のリーダーと国際機関の賛同のもと、バンコク都知事とともに「横浜宣言」を行いました。今後も脱炭素社会の実現に向けたアジアのリーディングシティとなるべく、横浜市の国際プレゼンスの向上につながる議論と行動を先導します。
「GREEN×EXPO 2027」まであと3年。一都三県で初となる国際博覧会であり、「花や緑」、「環境」をテーマに、市民の皆様とともに創る「横浜グリーン博」。
環境を守る市民活動をはじめとする「横浜の市民力」を世界に発信する舞台とし、そして、人々が環境問題について考え、意識や行動を変える大きな契機としていきます。
自然・人・社会が共に持続するために何をすべきか。次世代を担う若者が大胆に議論し、その感性やアイデアを横浜の未来につなげていく「ヨコハマ未来創造会議(仮称)」を4月から本格的に始動させます。
博覧会の会場は、上瀬谷の自然を生かしつつ、脱炭素に寄与する建築物を採用するなど、博覧会のテーマにふさわしいものとします。市民の皆様の共感をいただきながら、一段と機運を高め、「人々の環境への意識や行動は2027年の横浜から変わった」といわれるよう、全力で取り組んでいきます。
魅力と活気にあふれるまち
港町・横浜を象徴する美しいウォーターフロント。世界最大級の中華街、集積する音楽アリーナ、多彩なにぎわい施設。行き交う多様な人、文化、芸術。横浜ならではの魅力をつなぎ、新たな価値を創造することで、世界の人々を惹きつけるまちとして飛躍させていきます。
臨港パークから山下公園までの約5kmの水際線は、大きなポテンシャルを有しています。
ベイブリッジを臨む臨港パーク先端部に、人々が集まり憩える場を整備するほか、赤レンガパーク休憩棟を改築し、にぎわいを生み出す施設にします。公園や道路など公共空間の積極的な活用や、民間の大規模イベントと連携した戦略的な回遊促進などにより、来街者が楽しめる仕掛けづくりを一体的に展開するとともに、ウォーカブルな歩行空間の創出に向けた準備を進めます。世界に誇る水際線を磨き上げ、都心臨海部エリアの魅力を高めていきます。
まちに音楽と祝祭感あふれる新たなフェスティバルを創り上げ、横浜を「音楽のまち」として発信します。また、世界中が注目する急成長分野であるeスポーツ。国内外の人々がリアルやオンラインで同時に楽しめる大規模イベントを誘致し、まちに活気を生み出します。
「観光・MICE戦略」に基づき、DMOを中心にオール横浜の推進体制を構築して、国内外からの誘客や、国際会議等のMICE誘致を推進します。魅力ある観光コンテンツやアフターコンベンションを創り出すことにより、多くの方々に横浜を楽しんでいただき、市内経済の活力を高めます。
2025年の横浜開催が決定した「第9回アフリカ開発会議」。ホストシティとして、過去3回の開催実績とその経験を最大限に生かし、会議の成功に向けた準備を着実に進めていきます。
多くのトップスポーツチームの本拠地があり、国内随一のスポーツ環境を誇る横浜。
パラリンピアン等のトップアスリートと直接触れ合う機会を大幅に増やし、子どもたちのインクルーシブな感性を育むとともに、誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境づくりを進めます。また、「世界トライアスロン横浜大会」などトップレベルの大会を開催し、市民の皆様に感動をお届けします。
多様で活力あるスタートアップが生まれる都市を目指し、モビリティ分野などの「エコシステム」の構築に取り組みます。市内に「技術系スタートアップ成長支援拠点」を設置し、国内外の多様な知見やネットワークとの連携・交流を促すことにより、スタートアップの成長力を高める環境を構築します。また、実証実験のフィールドの確保や、製品・サービス開発に係るトライアル導入先のマッチングなどの手厚い伴走支援を進めていきます。
「脱炭素」や「モビリティ」をはじめ、国内外から成長分野の企業を呼び込んで誘致効果の向上を図るとともに、本社や研究開発拠点などの立地により、雇用の創出と市内企業のビジネスチャンスの拡大につなげていきます。物価高騰の影響が続く中、中小・小規模事業者の皆様の経営基盤強化に向けた支援や、商店街の活性化にも力を入れて取り組みます。
持続可能な都市経営に向けて、人口増・就業者増につながる都市づくりへの投資を呼び込んでいきます。
横浜の玄関口である横浜駅周辺において、新たなグランドデザインの策定に取り組みます。みなとみらい地区へと続く横浜駅東口を次のステージに移行させるため、地域の方々と連携し、ステーションオアシス地区等の開発や、みなとみらい地区につながる歩行者ネットワークの強化に向けた検討を進めます。
旧市庁舎街区をはじめ4月に開館する「横浜BUNTAI」など、関内駅周辺の拠点整備を推進します。新たに生み出されるにぎわいを都心臨海部全体に波及させるため、旧市庁舎街区と中華街方面との人の流れを結ぶための新たな歩行者デッキを整備し、また、みなと大通りや「横浜BUNTAI」の周辺道路でウォーカブルな歩行空間を整備します。
地域の身近な公園から大規模な公園まで、2,700か所もの多彩な公園は、横浜の大きな魅力であり、財産です。
公園をより一層活用し、まちづくりと連動させることで「公園のまち ヨコハマ」としてのブランド力を高めていきます。本牧市民公園をインクルーシブな遊び場として再整備していくとともに、こどもログハウスの魅力アップに向けたリノベーション、公園の全面禁煙化に向けた取組を進め、子育て環境の充実を図ります。こども自然公園などでの集客イベントや移動型遊び体験の実施などにより、地域の魅力とにぎわいの向上にもつなげます。さらに、大通り公園を、横浜を象徴する新たな公園として大胆にリニューアルしていきます。
大都市でありながら身近に農を感じられる。市民生活に豊かな恵みをもたらす本市の都市農業を未来へつなげていくため、担い手の育成や経営改善に向けた支援、スマート農業技術の普及、地産地消や農に親しむ取組を推進します。
市民の皆様の生活を豊かにし、経済活動を支える都市基盤の整備も着実に進めます。
鶴ヶ峰駅付近連続立体交差事業や高速鉄道3号線延伸事業、横浜環状南線・横浜湘南道路の整備促進、都市計画道路の整備などにより、交通ネットワークを充実させます。
旧上瀬谷通信施設地区では、「GREEN×EXPO 2027」の開催後、そのレガシーを引き継ぎ、また、立地特性を生かし、強靭なまちづくりの象徴として、「環境」と「防災」をテーマとした公園を整備します。
「横浜市市民意識調査」では、災害対策への要望が13年連続で1位となっています。長年にわたる市民の皆様の御心配にしっかり応えていきます。
本市で大規模な災害が発生した場合に、全力で市民の皆様の命を救い、生活をお守りできるよう、上瀬谷の地に、全国から集まる消防・警察・自衛隊などを一挙に集結させて市内の災害現場に迅速に向かうためのベースキャンプ機能、並びに本市最大規模の物資を備蓄し、市域の避難所にいち早く送り届けるための拠点機能を有する、本市初の「広域応援活動拠点」の整備を検討します。
また、救急・救命活動や緊急物資輸送の際に大動脈となる東名高速道路と直結した新たなインターチェンジの整備を検討します。あわせて、新たな交通の導入に向けた検討も進め、道路混雑抑制を図るとともに、将来的には市西部地域における持続可能な地域交通体系の構築につなげていきます。
市内米軍施設については、根岸住宅地区の返還後を見据え、跡地利用基本計画に基づき、土地区画整理事業の事業化に向けた検討を進めるとともに、返還合意がなされていない米軍施設の早期返還に向け、引き続き国に強く働きかけていきます。
新しい「くらし」をデザインするDXの推進
デジタルの力で様々な課題を解決し、新しい体験や価値を創造する。市民の皆様の「ありたい暮らし」を描いていくため、ユーザー視点でUIとUXに配慮し、DXを一層推進していきます。
市民の皆様に利便性の高いサービスを提供するため、受付件数の9割を占める上位100手続きのオンライン化を令和6年度中に100%実現し、デジタルの力で市民の皆様の大切な「時間」をお返しします。DXポータルサイト「横浜DIGITAL窓口」により、オンライン手続きを分かりやすく御案内し、便利さを実感いただくことで、より多くの市民の皆様の利用を促進します。DXの取組を広く発信するほか、子どもたちがデジタルの利便性や楽しさを体験する空間も創出します。
デジタルデバイドの解消に向けて、民間事業者と連携し、デジタル活用に苦手意識がある市民の方を対象としたスマートフォンの講習会を開催します。自治会・町内会など地域の担い手の皆様の負担軽減を図るため、区役所とのやりとりをデジタルで行う情報共有プラットフォームの導入のモデル実施や、DXに関する手引きの作成など、デジタル技術の活用支援に取り組み、誰もがデジタルの恩恵を受けられる環境を整えます。
また、マイナンバーカードを活用した申請書の自動作成など、2区のデジタル区役所で試行・実証した、市民の皆様の負担軽減につながる取組を18区全区に横展開します。
デジタル技術の活用による職員の働き方の革新、AIの活用、ソフトウェアロボットを用いた作業の自動化などにより業務の効率化を進め、それにより生み出した時間で市民サービスの質とスピードを高めていきます。
「防災・都市インフラ」や「子育て・教育」など、本市の事業やサービスにおける課題と、民間企業が有するデジタル技術をマッチングし、課題解決を目指すプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!」発の取組を次々に生み出し発信することで、課題解決の連鎖につなげ、共創によるDXを加速させます。
市政への市民参加を一層促すため、市民の皆様の声を聴く新たな広聴手段として、「デジタルプラットフォーム」を活用した取組を全区で実施し、地域の課題解決につなげていきます。
「特別市」の早期実現
横浜市が目指す新たな大都市制度「特別市」。
子育て支援やまちづくりなど、市民の皆様の暮らしに関わる様々な分野で、より効率的でスピード感のあるサービスの提供を行うために、特別市の実現は必要不可欠です。昨年も各区を訪問する機会をいただき、多くの地域の皆様に制度の意義と必要性について直接お伝えをしました。全18区の区連会及び市連会から、特別市の実現に向けた取組への要望を頂くなど、機運が一層高まっていると感じています。早期の法制化に向けて、指定都市市長会とも連携しながら、引き続き、国に強く働きかけるとともに、県との二重行政解消に向けて、事務・権限・財源の移譲が進むよう力を尽くしていきます。
持続可能な市政運営に向けて
現役世代はもとより、子どもたちや将来の市民の皆様の豊かな暮らしのために、持続可能な市政運営の実現は、今の時代の市政を任された私たちの責務です。
「財政ビジョン」「中期計画」「行政運営の基本方針」の3つの市政方針のもと、「市民目線」と「スピード感」を重視し、組織の壁を越えた「全体最適」の観点から、施策・事業の徹底した見直しや、積極的な歳入確保など、「創造と転換」を理念とする歳出改革を進めていきます。
政策局は「政策経営局」とし、データに基づく戦略的な都市経営を進めていく全庁的な司令塔となります。経営戦略部門とデータ経営部門が両輪となり、「予算編成から予算執行、決算評価」という一連の流れを、データに基づく検討と判断によって実践していく経営サイクルを確立します。新たな財務会計システムを基盤とした行政経営プラットフォームも構築しながら、EBPMの考え方を全庁に浸透させる全国的にも特徴的な取組とします。
市民の皆様のニーズや信頼に応える施策の推進と財政の健全性維持を両立させるため、事業の「選択と集中」や新陳代謝を加速させて、自治体経営の新たなモデルとなるべく挑戦していきます。
このたび提案する令和6年度各会計予算案は、
一般会計 1兆9,156億円
特別会計 1兆3,079億円
公営企業会計 6,110億円
全会計総計では、3兆8,345億円 です。
一般会計の対前年度伸び率は、0.7%の増となります。
歳入の中心を占める市税収入は、5年度当初予算額に比べて191億円の増となる、8,830億円としました。このうち、20億円を補正予算の財源として留保し、当初予算では8,810億円を計上しています。
一般会計の市債については、「財政ビジョン」に基づき、中期計画における4か年活用額5,300億円の枠組みのもと、5年度と比べ82億円の減となる1,066億円を計画的に活用します。
減債基金については、2030年度までの減債基金の取り崩しによる臨時的な財源対策からの脱却に向け、5年度から7年度の活用上限額500億円の枠組みのもと、5年度と比べ20億円の減となる150億円を活用します。
市民生活や市内経済への影響も考慮しながら、「創造と転換」を理念とする歳出改革や、「決算重視」からの事業費削減等に、歳出・歳入の両面からしっかりと取り組みました。財源創出額は、1,310件で153億円です。
むすび
時代の転換期にある今こそ、横浜をさらに飛躍させていくチャンスととらえ、そして、この横浜から社会を変えていく。その気概をもって果敢に挑戦し続ける。市民の皆様が何を思い、何を求めているか。市民の皆様の「声」を拾い上げ、その「声」に応えていく。職員と思いを一つに、市政を前に前に進めてまいります。
市民の皆様の暮らしをお守りし、横浜の明るい未来を創っていく。目指すゴールは市会の皆様と同じです。
二元代表制のもと、市会の皆様と真摯に議論を重ね、ともに未来を切り拓いていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
関連リンク
ページID:626-276-018