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よこはま彩発見
2026年10月号
<読者プレゼントあり>

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。今回は、横浜人形の家(中区)からです。

人と街をつなぐ「横浜人形の家」と都市デザインの魅力

横浜人形の家 学芸員 大坪潤子

「横浜人形の家」の成り立ち

山下公園通りから見上げた人形の家とポーリン橋

山下公園通りの目の前に建つ「横浜人形の家」。淡いピンクの外壁と切妻屋根が印象的なこの建物は、国内外の人形1万点以上を収蔵し、常時約1,700点を展示しています。

人形の家の成り立ちは、“真珠王”と呼ばれた御木本 幸吉(みきもと こうきち)氏の秘書兼通訳として世界を回り、後に元町で真珠店を経営した大野 英子(おおの ひでこ)氏の人形コレクションが、1978年に横浜市へ寄贈されたことに始まります。翌年に、山下公園近くの産業貿易センタービルで一部が公開された後、保存・展示の充実がはかられ、1986年6月1日に現在の地で開館しました。

設計は坂倉建築研究所が担当し、「人形たちが住む家」、「現実の都市の中の空想のマチ」として構想されました。人形たちだけでなく、建物そのものも、見るたびにさまざまな表情を見せてくれます。

そして人形の家は、人と街をつなぐ、都市デザイン上も重要な役割を担っています。

 

分断された空間を歩道橋で結ぶ

人形の家 設計初期段階の模型 (写真提供:弓良一雄氏)

1980年、人形の家の建設が検討され始めた頃、山手町の麓を流れる堀川の上を、高架で通る高速道路の建設工事が進められていました。

これによって、フランス山(港の見える丘公園の一部)などの山手町と、山下公園などがある山下町が空間的に分断されてしまいました。地元の住民からの強い要望により、2つの地区を結ぶ歩道橋が設置されることになりました。

このプロジェクトでは当初、両地区を結ぶ約250メートルの直線の歩道橋が計画されましたが、景観や歩行者の利便性の面で課題がありました。そこで生まれたのが、建物と橋を一体化する、という新しい発想です。

当時、観光バスの駐車場だった場所に歩行者デッキを設け、その上に人形の家を配置することとし、デッキの両端から山手町側と山下公園側、それぞれへ歩道橋をつなげました。

 

フランス橋とポーリン橋

フランス橋と人形の家

1984年、山手町のフランス山公園と人形の家予定地を結ぶ歩道橋が竣工しました。

ゆるやかな弧を描き、途中堀川を見下ろしながら高速道路をくぐるこの橋は、フランス山にちなんで「フランス橋」と名付けられました。フランス山は幕末にフランス軍が駐屯し、フランス領事館も置かれた、横浜ならではの歴史が刻まれた場所です。


ポーリン橋と人形の家

一方、山下公園側へと延びる橋の工事は、事業費の問題等から開館の後となりました。

この間に、山下公園に残っていた貨物線の撤去が決定し、その跡地の地下に下水ポンプ場を、地上部分に公共駐車場を、さらにその上部に公園を整備することになりました。

そこで2本目の歩道橋は、貨物線の跡地にできた「世界の広場」とつなげ、1989年に竣工しました。橋の名は、人形の家のデッキに設置された「ポーリン」というブロンズ像にちなんで「ポーリン橋」となりました。この像は、横浜市内に残る「青い目の人形」(日米親善人形)のうちの一体をモデルに作られました。

「ポーリン橋」は山下公園通りの大きな銀杏の木を伐採しないよう、S字に湾曲させています。樹木を守りながら、景観にのびやかなリズムをもたらしています。

 

世界の広場・山下公園へ

世界の広場と人形の家

ポーリン橋を渡り、その先にある「緑のトンネル」をくぐると見えてくる半円形の「世界の広場」は羅針盤を表したデザインになっています。ここから大きな階段で山下公園へ降りていくことができますが、階段の周囲にも複数のルートが用意されています。水平方向だけでなく、立体的な回遊性も楽しめる歩行者ルートといえるでしょう。

 

街づくりの魅力を感じて

7年間にわたったこれらのプロジェクトは、歩道橋、博物館施設、公園といった別々の事業が連携し、多くの関係者の協力によって実現しました。

人形の家は、世界の人形に出会える場所であると同時に、街の歴史や建築・景観への工夫にふれるスポットでもあります。

山下公園から山手町へ、あるいはその逆へ。歩いて巡ることで、横浜の街づくりの魅力を体感してみませんか。

 

開館40周年記念企画展 「横浜人形の家/建築と記憶」開催中

人形の家ができるまでの歩みや建物の細部の魅力を紹介する企画展を11月23日(月・祝)まで開催しています。人形の家や街づくりの歴史にふれるひとときを、ぜひお楽しみください。

 

≫横浜人形の家 公式ウェブサイト

問合せ

横浜人形の家
TEL 045-671-9361
FAX 045-671-9022

読者プレゼント

【2026年10月20日(火曜日)締切】

読者プレゼント

いつも「広報よこはま よこはま彩発見」をご覧いただき、ありがとうございます。感想をお寄せいただいた方の中から抽選で、開館40周年記念企画展「横浜人形の家/建築と記憶」の招待券を10名様にプレゼントします。

ご希望の方は、次の6項目※を明記し、電子メール(ss-saihakken@city.yokohama.lg.jp)または郵便ハガキ(〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 横浜市役所政策経営・国際戦略局広報・プロモーション戦略課 あて)でご応募ください。締切は2026年10月20日(火曜日)必着です。
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広報よこはま2026年10月号に紙面掲載した「よこはま彩発見」の内容は、「よこはま彩発見」紙面連載バックナンバー(2026年分)をご覧ください。

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