2025年6月号 横浜開港記念日をめぐる物語

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。今回は、横浜市開港記念会館についてです。
「広報よこはま」2025年6月号「よこはま彩発見」の掲載内容はこちらのリンク先をご覧ください。

横浜開港記念日をめぐる物語
~横浜市開港記念会館について~

横浜市開港記念会館は、中区の公会堂として利用されており、関内駅から徒歩10分、日本大通り駅から徒歩1分の場所にあります。赤レンガの壁が映える大きな時計塔が特徴で、神奈川県庁本庁舎の斜め向かいに立つ、横浜を象徴する建物の一つとなっています。

外観ライトアップ

481名を収容できる講堂と9つある会議室の利用には予約が必要(有料)ですが、廊下・階段・2階の資料コーナーなどの公開スペースはどなたでも無料で見学できます。毎月15日(休祝日の場合は翌平日)は一般公開日となっており、日頃は見られない講堂、1号室が見学可能となっています。

館内には、開港当時を描いたステンドグラス(関東大震災後に復元)や、和田(わだ)英(えい)作(さく)画伯の油彩画などが展示されています。日没後に外観がライトアップされた姿も、歴史を感じさせる佇まいで魅力的です。

横浜市開港記念会館は、横浜開港50周年を記念して、市民の寄付金により1917(大正6)年7月1日に開館しました。この場所にはもともと「時計台」として親しまれた町会所があったことから、そのイメージを継承し、時計台を主調とした建造物となっています。

1923(大正12)年の関東大震災では、時計塔と外壁だけを残し他は焼失しましたが、1927(昭和2)年に再建されました。

戦後は米軍に接収され、進駐軍兵士向けの映画の上映館として利用されていたこともありましたが、1959(昭和34)年6月に中区の公会堂として位置付けられ、名称が「横浜市開港記念会館」となりました。

ステンドグラス

その後、創建時の設計図が発見され、1989(平成元)年6月16日に、大正時代そのままの姿に復元されました。外観・内部とともに明治末期から大正時代にかけての建築様式を伝え、当時の建築水準を示す優れた建築物としてよみがえり、国の重要文化財にも指定されています。

地図

横浜市開港記念会館は「ジャックの塔」と呼ばれ、神奈川県庁本庁舎の「キングの塔」、横浜税関の「クイーンの塔」と合わせて、横浜三塔として親しまれています。三塔を一望できるスポットを1日で巡ると願いが叶う、という言い伝えもあるそうです。

ジャックの塔と呼ばれる由来は、トランプカードの絵札から連想して付けられたとも、チェスの形からとも言われています。また、船が入港する時の目印として呼ばれた、など様々な説がありますが、誰がいつ名付けたか明らかではありません。

外観2

横浜市開港記念会館のホームページでは、館内ガイドツアーの動画がお楽しみいただけます。横浜市開港記念会館の館内ガイドをしている市民ボランティア団体「ジャックサポーターズ」のみなさんが有する豊富な知識を基に、コンパクトながらも充実した内容になっています。通常は非公開の時計塔やドーム内部なども含まれているので必見です。

また、館内を360度全方位で撮影したVR画像で、バーチャルツアーが体験できます。ウェブサイト上で、まるで館内を歩いているかのような臨場感あふれる体験ができます。見どころにはジャックサポーターズの館内ガイドツアー動画が組み込まれているので、その場でポップアップウィンドウを開いて視聴できます。またドールハウスビューで館内を俯瞰して見渡せたり、自由に見たい場所へ移動して館内探索を楽しんだりすることもできます。

※ドールハウスビューとは・・ドールハウスのような立体模型の視点で建物全体を一度に俯瞰できる表示方法のこと。

≫館内バーチャルツアー・リニューアルエリア・ガイドツアー - 横浜市開港記念会館(外部サイト)

そしてやはり、この建物の魅力をぜひ現地で感じていただきたいと思っています。開館108年目を迎える今年は、6月29日(日)に生誕祭を開催する予定です。様々な催しを企画していますので、みなさま横浜市開港記念会館へどうぞお越しください!

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問合せ

横浜市開港記念会館
TEL 045-201-0708
FAX 045-201-2630

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