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酒は百薬の長は本当? お酒の真実

最終更新日 2024年9月20日

酒は百薬の長の真実は…

酒は百薬の長を唱えた人物 王莽
中国王朝「新」の創建者 王莽

「酒は百薬の長」とは、中国王朝「新」の創建者である王莽(おうもう)が酒を称えた言葉です。2000年以上前にも関わらず、現代でも広く知られています。
実はこの言葉、酒を国の専売制にし、税収を増やそうとした王莽が国民の理解を求めるために用いたと言われています。(諸説あり)

近年では、飲酒量(純アルコール量)が少ないほど、死亡リスクが少なくなるという報告があり、飲酒に関する考え方も変わってきています。
本ページでは、飲酒の新しい考え方について解説していきます!

適正飲酒啓発のラッピングバスが運行中です!🚌

磯子区の女性は飲酒量や飲酒頻度が横浜市全体と比べて多いということが分かっています。
そのため、磯子区内を中心にラッピングバスを3台走行させ、飲酒に関する新しい考え方について普及啓発を行います。
(運行期間:令和6年9月15日~令和6年12月15日)

健康に配慮したお酒の飲み方

厚生労働省では、アルコールによる健康障害の発生を防止するため「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。
ガイドラインでは、飲酒による心身への影響や適切な飲酒量・飲酒行動について示しています。

健康に配慮したお酒の飲み方で大切なポイントを4つ解説します

その1:普段飲んでいるアルコール量を知る

アルコールの心身への影響は、摂取した純アルコール量が基準となります。
まずは、自らの飲酒量(純アルコール量)を把握し、飲酒によって生じるリスクを減らすことが重要です。

お酒に含まれる純アルコール量の計算方法です。飲酒量かけるアルコール度数割る100をし、0.8の比重を
純アルコール量は、酒に含まれるアルコール量を示します。

飲酒チェックツールでは、お酒の種類を選ぶと、簡単に総飲酒量(純アルコール量)とお酒の分解にかかる時間が計測されます。
出典:厚生労働科学研究(2013~2015年)「WHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究」

その2:あらかじめ量を決めて飲酒する

過度な飲酒を避けるためには、何をどのくらい飲むか自分で決めておくことが大切です。
生活習慣病のリスクを高める純アルコール摂取量(1日あたり)と、純アルコール量20gを含むお酒の目安量は以下の通りです。

生活習慣病のリスクを高める純アルコール量の図
生活習慣病のリスクを高める純アルコール量

純アルコール量20gを含むお酒の量。ウイスキーならダブル1杯、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯
純アルコール量20gを含むお酒の例

お酒で顔が赤くなりやすい等の体質、年齢や性別によっては、より少量や禁酒が望ましいです。
ご自身の体質や飲酒による疾病リスクを参考に、自分にとっての適切な飲酒量を決めましょう。

その3:飲酒前または飲酒中に食事をとる、飲酒の合間に水を飲む

バランスの良い食事をとりましょう

お酒はバランスの良い食事と一緒に楽しみ、アルコールの吸収を緩やかにしましょう。
また、飲酒の合間に水(又は炭酸水)やノンアルコールの飲み物を取りましょう。

その4:1週間のうち、飲酒をしない日を作る

休肝日は、お茶などをたのしみましょう

アルコールは依存性があるため、習慣的な飲酒を続けていると徐々に飲酒量が増加する危険があります。
1週間あたりの純アルコール摂取量を減らすためにも、定期的に飲酒をしない日を設けましょう。

飲酒による心身への影響

飲酒と生活習慣病発生率の関係

お酒はいろいろな病気の原因になるんだねと言っている王莽

アルコールは血液を通じて全身を巡り、肝臓で分解されます。
長期にわたり大量のお酒を飲み続けると全身の臓器に影響を与えるため、生活習慣病やアルコール依存症等の病気を発症しやすくなります。

疾病別の発症リスクと純アルコール量
疾病 男性 女性
脳卒中(出血性) 150g/週(20g/日) 少しでも
脳卒中(脳梗塞) 300g/週(40g/日) 75g/週(11g/日)
高血圧 少しでも 少しでも
胃がん 少しでも 150g/週(20g/日)
肺がん(喫煙者) 300g/週(40g/日) データなし
大腸がん 150g/週(20g/日) 150g/週(20g/日)
食道がん 少しでも データなし
肝がん 450g/週(60g/日) 150g/週(20g/日)
前立腺がん(進行がん) 150g/週(20g/日) データなし
乳がん データなし 100g/週(14g/日)

健康に配慮した飲酒に関するガイドラインに基づく(一部抜粋)。日あたりの数値は、研究結果の数値を基に、仮に7で割った場合の参考値。

女性の飲酒

女性は、次のような理由により、男性に比べアルコールの影響を受けやすくなります。

  • 一般的に男性に比べ体格が小さいため、体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量が少ない。
  • 女性ホルモンの働きにより、アルコールの影響を受けやすく乳がんなどの女性特有の疾病リスクが上がる。

また妊娠中は胎盤を通じ、授乳中は母乳を通じて赤ちゃんの体内にアルコールが入ります。
そのため妊娠・授乳中の飲酒は、早産や流産、胎児・乳児の発育に悪影響を及ぼします。

高齢者の飲酒

年齢や性別によって飲酒による影響は変わってくる

高齢になると若い時と比べて、体内の水分量の減少し、同じ量のアルコールでも酔いやすくなります。
また高齢の飲酒者は次のようなリスクがあります。

  • 飲酒量が一定量を超えると、認知症発症の可能性が高まる。
  • 飲酒による転倒・骨折、筋肉の減少(サルコペニアの危険性)が高まる。

健康を維持するために、お酒を飲む際は以下の点を意識しましょう。

  • 普段飲んでいるアルコール量を知る
  • あらかじめ量を決めて飲酒する
  • 飲酒前または飲酒中に食事をとる、飲酒の合間に水を飲む
  • 1週間のうち、飲酒をしない日を作る

磯子区の飲酒状況

磯子区女性は、市や国に比べ飲酒頻度や量が多い

磯子区の飲酒状況をみると、女性において飲酒頻度や量が横浜市や国と比べて多い傾向があります。
以下の表は、国保データベース(KDB)システム(※)と健康に関する市民意識調査結果です。

※国保データベース(KDB)とは、横浜市国民健康保険加入者及び後期高齢者の特定健診等の結果をデータベース化したもの。

令和4年度国保データベース(KDB)システム質問票調査より(飲酒頻度)

毎日飲酒(40~74歳)
  割合(%) 標準化
(市=100)
標準化
(国=100)
41.3 102.6 98.6
14.5 109.3 123.7*
飲酒しない(40~74歳)
  割合(%) 標準化
(市=100)
標準化
(国=100)
33 96.6 94.1
60.2 97.2 90.6*

(標準化に*が付記されたものは、基準に比べて有意な差(p<0.05)があることを意味する。)

健康に関する市民意識調査

令和4年度国保データベースによると、磯子区女性において、毎日飲酒をする人は国に比べ有意に高いです。一方、飲まない人は有意に低い状況にあります。

生活習慣病のリスクを高める純アルコール量(※)を摂取している者(男性)
  磯子区(%) 市全体(%)
平成28年度 19 19.5
令和2年度 16.1 16.4
生活習慣病のリスクを高める純アルコール量を摂取している者(女性)
  磯子区(%) 市全体(%)
平成28年度 12.9 15.7
令和2年度 15.4 13.5

※純アルコール量とは、酒に含まれるアルコール量。
健康に関する市民意識調査の「生活習慣病のリスクを高める純アルコール量を飲んでいる者」は、横浜市全体と比べ男性は同等、女性は高い割合を示しています。

健康やアルコール依存症に関する相談先

生活習慣改善相談

お酒を減らしたい、禁煙したいなどの生活習慣や食生活を見直したい方は、お住まいの区福祉保健センターへご相談ください。
詳しくは、生活習慣改善相談をご参照下さい。

精神福祉保健相談

アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症でお困りの方は、お住まいの区福祉保健センターまたは横浜市こころの健康相談センターへご相談ください。
詳しくは、依存症個別相談(来所・電話)をご参照ください。

参考文献・資料

このページへのお問合せ

磯子区福祉保健センター福祉保健課

電話:045-750-2442

電話:045-750-2442

ファクス:045-750-2547

メールアドレス:is-fukuho@city.yokohama.lg.jp

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