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大松初行(活字鋳造)
最終更新日 2023年5月8日
大松 初行
活字鋳造
令和4年度選定(第27期)
保土ケ谷区在住
- 昭和19年生まれ、長崎県出身
- 株式会社築地活字の前身である株式会社築地活版へ入社
営業は人と話すこと、鋳造は機械と話すこと
「自分が適当でいいと思ったら、そんな活字ができるし、きちんとやろうと思えば、そんな活字ができる。自分の心が機械に移って、それが活字として出てきて、社会に出て売れるってことがね、楽しかった。」と語る大松さん。特に達成感を感じる瞬間は、アルファベットを鋳造している時。正方形の中に文字を収める漢字とは違って、アルファベットの鋳造は、例えば幅が広い「W」、狭い「I」といったように、1文字1文字幅が異なります。このため、活字鋳造機の各所設定の調整と、鋳造された金属活字のチェックを何度となく繰り返して製造していきます。
大松さんが生み出す金属活字は主に活版印刷業者へ販売していますが、一般向けの活字製品である「活字の万年カレンダー」や「活字ホルダー」にも使用されています。また、事業所にて1日体験会や活字鋳造・基礎コースを実施するなど、活字鋳造の技術と魅力と歴史を伝える活動にも力を入れています。
マイスターの技
印刷方式の1つである活版印刷は、印刷時に版が紙と接触してできる物理的な凹凸や、インクのムラなどが独特の風合いをもたらすことから、近年再び注目されています。この活版印刷に使用する文字が「金属活字」です。
金属活字の材料は鉛・錫・アンチモンという金属であり、文字の母型にあてる前の温度は350~400度に達し、その後水で冷却されます。大松さんは安全に配慮しつつ活字鋳造機の設定を細かに調整し、鋳造される金属活字のサイズや中心が揃っているかを視覚と手の感覚で確認しています。
また、昭和中期に製造された活字鋳造機のメンテナンスにも、長年の経験が活かされています。
プロフィール
活字鋳造機
高校卒業後、昭和38年に株式会社築地活字の前身である「株式会社築地活版」に入社。文選(鋳造済の活字を大量の在庫から拾う作業)や営業を経験した後に、鋳造部門に配属。その後は活字鋳造の傍ら、活版印刷にも長年取り組んだ。
活字のサイズや文字の位置を確認する道具
金属活字
ここでマイスターの技に出会える!
株式会社築地活字
所在地:南区吉野町5丁目28-2三進興業ビル1階
電話:045-261-1597
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