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平山健雄マイスター(ステンドグラス)
最終更新日 2021年2月1日
日本の四季それぞれの光に合わせた作品を
「建物に取り付ける場合は、その場所の光の具合に合せて作ります。一番大事なことで、また難しいことは、現場の光を記憶しておくことです」、「あえて、ステンドグラスの魅力と言われれば、四季のある日本の光の多様さに合わせて絵付けをし、焼き込んでゆく光の繊細な美しさでしょうか」と言われる平山さんは、「千年もの歴史があるこの分野では分からないことがまだたくさんあります。いろいろ本を読むけど、よく分からない。毎日、手探りですね」と、作品の制作や修復の傍ら、ステンドグラスの歴史や技法などの研究・調査を重ねています。
「ステンドグラスは、日本では120年程度の歴史しかなく、まだまだ市民権を得られていない。教会のためだけでなく、日常生活の一部になるよう、理解者を少しでも増やしていきたい」と活動に力が入ります。
マイスターの技
ステンドグラスのヨーロッパの古典技法は、色ガラスを鉛桟や銅の粘着テープでつなぐだけのものと違い、ガラスを薬品で腐食させたり、釉薬で絵付けをして炉で何度も焼付けをし、最後に鉛桟でつなげ作品を完成させます。
平山さんは、ガラスを焼成する炉や腐食をする設備を自作し、色板ガラスは全てフランスやドイツのものを使い、釉薬類もフランス・ドイツの工房に発注しています。
本場フランスで学んだ古典技法とレベルの高い技能をもとに、最先端の現代技法を取り入れながら、ステンドグラスの美を追究するだけでなく、日本の気候・風土にあった作品づくりにつとめています。
また、年月が経ち建物が壊れても、ステンドグラスを再利用できるよう、補強方法も伝統的なフランス教会建築の方法を取り入れています。
プロフィール
武蔵野美術大学実技専修科研究課程を修了後、在学中から見習いをしていたステンドグラスの工房に入社。
27歳の時に、フランスの国立高等工芸美術学校ステンドグラス科へ留学する。
ステンドグラスの古典技法を3年間学び、帰国後、都内で工房を設立。34歳の時に横浜の光溢れる高台に工房を移す。
工房にて注文制作をする傍ら、週に一度古典技法の教室を開いている。
法性寺本堂、横浜市立大学、富山市芸術文化ホール、文祥堂銀座ビルなどの大規模な製作を多数手掛けるほか、横浜市開港記念会館のステンドグラスを修復。
主な受賞歴
- 平成30年 横浜市技能功労者表彰受賞(横浜市長)
- 平成30年 横浜文化賞受賞
ここでマイスターの技に出会える!
光ステンド工房
横浜市港北区菊名4-7-12
電話:045-401-7641
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